「叛-安倍」リベラル勢力の総結集!(1-71)

《Ken Sway Kenと管理者の【憲法改悪・戦争体制阻止】》

《安倍政権のメディア支配:菅官房長官記者会見に漂う「忖度」

読者の信頼感を取り戻すのは質問力/望月衣塑子×金平茂紀》

 安倍一強体制によるメディア支配が言われるようになって久しい。
 だがメディアが「忖度」するのは安倍政権による「圧力」だけが原因か。総選挙公示を前に、ジャーナリストの金平茂紀さんと『東京新聞』の望月衣塑子記者が語り合う。
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金平:6月8日の菅義偉官房長官会見への望月さんの登場はある意味で画期的でした。
 政権と記者との馴れ合いの空気を一変させたという印象です。でも全体状況は、まだ政治家に甘いですね。9月25日18時からの記者会見で安倍晋三首相は衆議院の解散を表明しました。それに先だって、小池百合子東京都知事がパンダの名前を発表し、その後すぐに新党「希望の党」の立ち上げを発表し、14時半から会見しました。完全に首相の会見にぶつけてきた。
 午後から生中継がずっと続き、政治家によるメディアショーが繰り広げられ、それにメディアが翻弄されていたと思います。首相会見の後には、安倍さんは、NHK「ニュースウォッチ9」、テレビ朝日「報道ステーション」、TBS「NEWS23」に生出演している。

 僕は「森友・加計出前出演」と呼んでいるのですが、せっかく安倍さんが出演しているのに、NHKやテレ朝の追及が全体的に弱かったと思う。メディアジャック状態の中でメディア本来の役割、監視機能を果たしていない。首相会見でもそう感じましたが、今度の解散総選挙の正統性がない、ということを正面から問う質問が少ない。解散総選挙の理由を「消費税増税の使途変更」「北朝鮮の脅威への対応」等と言うが、国民を舐めているのではないか。
 そこを追求する記者がいない。
望月:森友・加計事件、また安倍首相との繋がりが深いとされる山口敬之元TBS記者の準強姦容疑事件(9月21日に検察審査会が不起訴相当と議決)を取材していました。
 その中で日本の行政、また司法までもが歪んできているのではないか。
 そんな疑念を抱きました。そんな時、官房長官会見を見たのです。出席している記者達は疑惑に対して一応、質問はするけれども、2、3問しただけで、それ以上はしない。
 そんな空気が流れていたので、彼らは聞けないのだと思いました。
 それで自分で直接質問したいと思い、政治部長に行かせてほしいと頼んだのです。

<政治記者のタブーを破る>

金平:社会部記者が、政治部記者の牙城、官房長官会見に出る。政治部独特の慣習に、事件記者の感覚から切り込んでいった。聞きたいことを何でも聞くのは、当たり前。
 事件記者の原則ですよね。そこに菅さんは、いつものように「それはあたらない」「適切に処理されている」と、いわば「菅語」で答えていた。そこで20回以上質問し、20分程、食らい付いていましたよね。「同じ趣旨の質問を繰り返さないでください」と言う担当者に対して「きちんとした回答を頂けていると思わないので、繰り返し聞いています」と切り返した。
 これは政治部的な感覚ではやってはいけない事だから、皆、驚いたと思います。
 森友・加計、山口元記者の案件に共通しているのは、公正な法の執行(デュープロセス)が歪められたのではないかという疑念だと思います。権力に近い人間が勝手に「忖度」する。
 その構造が共通しているように思います。そこを望月さんが、市民感覚で追求した。
 本来であれば、歓迎されるべきことですが、他社の反応はどうでしたか。
望月:あまり質問が長かったり、同じ質問ばかりしたりすると、今後クラブとして質問時間を制限される可能性があるという懸念を伝えられたようです。
金平:つまり他社からは迷惑だと言われたということですよね。それに『産経新聞』に執拗に書かれていますよね。「憶測による質問を延々と続ける」とか。
 これは直接取材されたのですか。
望月:社の法務担当者が「関係者の取材や資料に基づいて質問しています」と回答したのですが、数日後に「産経ニュース」(オンライン)に「官房長官の記者会見が荒れている!東京新聞社会部の記者が繰り出す野党議員のような質問で」と配信されていました。

金平:こんな記事を書く記者がいるのかと呆れ果てました。政治部の広池慶一記者の署名記事ですが、「(官邸側の司会者が注意しても)怯む様子はない」「質問は簡潔にまとめて最小限に抑えることが(略)大前提」とか、果ては「『質問力』を磨く必要もある」と説教を垂れていましたね。
望月:驚きました(笑)。
金平:つまり我々(政治部記者)は日々、お勉強して、その場を荒らさないよう質問を短くしているのに、この「社会部記者」の不埒な振る舞いはなんだ?という事ですよね。
 それを名指しで攻撃している。望月さんが質問している時に、黙々とキーボードを打っている速記係のような記者もいますが、望月さんに触発されて官房長官に対して追及する人もいました。『ジャパン・タイムズ』の吉田玲滋さんとか、『朝日新聞』の南彰さんとか。
 ところがその人達に対しても“秩序維持派”の目は厳しい。
 今のマスメディアを象徴しているように思います。

<質問に答える場ではない?>

望月:『週刊文春』(7月20日号)に「『ばれたら面倒』菅官房長官が政治資金公開を隠蔽指令」という記事が出た時も、会見ではその件について質問しないのですよね。
 発売日前に早刷りを入手しているので、番記者は、前日の夜にこっそり聞いて、当日の会見では聞かない。会見では、私が質問したのですが“隠蔽”を指示したと書かれた菅官房長官の秘書官の名前を間違えてしまったのですよね。そのやりとりを聞いて、皆クスクス笑っているのですが、誰一人、振り返って「キノセ」って言ってくれなかった(笑)。
 官房長官には、説明責任があると思います。でも官房長官会見の場では、官邸記者クラブの番記者達の質問にだけ答えていればいいと思っている節があるし、また、そう思わせている面がある。番記者達は、官房長官の機嫌を損ねまいと厳しい質問はしないから、私のような部外者が質問すると、なんであいつに答えなきゃいけないのだ?という気持ちになってしまっている。
金平:菅さんは「ここは質問に答える場所ではない」とまで言った。記者会見が質問に答える場でなければ何なのか。そう官房長官が言ってしまうのは、民主主義の自殺行為だと思う。
望月:政府の公式見解だけを発表するだけでいいはずがない。

<首相官邸からの「圧力」>

金平:でも他メディアの反応は鈍い。日本の記者はおとなしいし、質問しない。
 一般の人は、首相や官房長官に直接、質問できません。だから記者が質問しないというのは、読者から見ると、自分達の気持ちを代弁して聞いてくれないとなりますよね。
 そういう捉え方をされれば、メディアへの不信感は増すばかりです。
 ところが、もっと酷い事態が起きた。8月25日の官房長官会見での望月さんの質問が問題にされて、官邸報道室長名で再発防止を要請する文書が9月1日付で『東京新聞』に出された。
 その文書は内閣記者会の常駐各社に配られた。加計学園の許可について望月さんが質問されたことについてですが、この文書を見てどう思いましたか。
望月:当初、官邸からそんな文書が全社に配られたことを知りませんでした。
 『産経』を読んで文書の存在を知ったのです。おそらく会社は私に気を遣ったのだと思います。凄い圧力に感じますから。当初は『産経』だけが知っていると思い、官邸からの“リーク”を疑いました(笑)。
金平:まぁ、官邸から抗議文書が届いたという事位は望月さんに伝えるべきですよね。
望月:会見では、加計学園の認可保留の決定が出たことについて質問したのですが、その時点では大学設置・学校法人審議会の認可保留の方針は決まっていましたが、文部科学省は正式に公表していませんでした。文書には「未確定な事実や単なる推測に基づく質疑応答がなされ、国民に誤解を生じさせるような事態は断じて許容できない」と。

 でもマスコミ全社は独自取材に基づいて既に「認可保留へ」を報道していました。
金平:分からないから質問しているのに、何を言っているのかと思います。
 官邸報道室は、まるで世の中に流通すべき情報の全てを決定する権限があるかのような横柄ぶりです。更に『東京新聞』には電話で「殺害予告」まであったとの報道がある。

 でも、こういった事態に対して、各社の反応は本当に鈍いですね。
望月:「萩生田文書」と同じですよね。2014年に放送局に対して「公平中立」を求める文書が自民党の萩生田光一筆頭副幹事長(当時)名で届いた。でも放送局の中からは誰も問題にする声は上がらず、最初に問題にしたのは、ネットメディアでした。
金平:「萩生田文書」をテレビで問題にしたのは、恥ずかしい話ですが、田原総一朗さんと僕だけでした(笑)。こんな風に安倍政権や官邸にものを言わない空気が醸成されていて、今度は官邸記者会見で質問数と時間を制限する動きもあると聞いています。
 10月22日には、日本の今後を左右する総選挙の投開票が行なわれた中で、今後「今、起きている事をメディアがどう伝えていくのか」が問われる。官房長官記者会見周辺で起きている事が、全ての記者クラブ報道で拡大していったら、公職選挙法を隠れ蓑にしてものを言ってはいけないようなムードが広がることを恐れている。でも、それは既に起きていて、安倍首相のメディアジャックのような状況の中で、聞くべきことを聞いていないのを目撃させられています。これを5年近くになる安倍政権のメディアコントロールの結果と言ってしまうことは簡単です。報道の自由が一強の政治体制、巨大な権力によって危機に瀕しているという構図は描きやすい。その方がメディア、ジャーナリストは「被害者」となるから楽なのです。
 でも今は、むしろメディアの側が自発的に権力者に擦り寄っているのではないか。
 自発的隷従によって、メディアが本来、持っている監視機能の役割を進んで放棄している。絶望的な状況に見えます。
望月:絶望的…(苦笑)。政権や権力者が持っている情報の“旨味”は大きいと思います。

 その中で、記者が何かしらの意志を持たないと状況を変えるのは難しい。
 権力側の機嫌を損なわず、穏便にやろうと思えば、今のままでいいでしょうとなるし、私のような存在は弾かれていくでしょう。会見の主導権を官邸に委ねて、一時的にはいいかもしれないけれど、最後には何も質問できなくなる-という事態になりかねません。(週刊金曜日)


《【司法・警察権力癒着】弁護士刺殺:警官の「誤認取押え」責任認めず》

 秋田市の弁護士、津谷裕貴さんが自宅に侵入した菅原勝男受刑者=殺人罪等で無期懲役が確定=に刺殺されたのは、警察官の不手際等が原因だとして、遺族らが秋田県と受刑者に総額約2億2300万円を求めた損害賠償訴訟の判決が16日、秋田地裁であった。斉藤顕裁判長は警官の責任について「当時の状況では不合理でない」と「不合理な論理」否定し、菅原受刑者にのみ約1億6480万円の支払いを命じ、県への損害賠償請求は認めなかった。

<なんと裁判長が県警への忖度「県警の訓練が不十分」>

 判決は県への請求を棄却したが、その理由に県警の「訓練や意識の不十分さ」を上げる等、これほど県警の免責理由を、際限なく認めた論論理も珍しく、司法修習生でも「判決の体を成していない」事が解る「ムチャクチャ判決」だった。原告は控訴する方針。
 事件は2010年11月4日未明に発生。菅原受刑者が離婚調停で元妻の代理人だった津谷さんを恨み、津谷さん宅に拳銃や枝切りハサミを持って侵入。

 津谷さんの妻良子さんの通報で駆けつけた警官2人が、菅原受刑者から取り上げた拳銃を持っていた津谷さんを取り押さえ、その直後に津谷さんは刺殺された。
 斉藤裁判長は警官の一連の対応について「状況認識に問題があった事は否定できない」としつつ「先ず事態収束のため両方を制止するのは相当な対応」と認定。
「拳銃を手にした者が侵入者だと考えても非難できない」と理解を示した。
 また「警官が津谷さんの両手を押さえたために殺された」との原告側の主張について「(原告は)被害者が刺された場面を目撃しておらず、他に証拠もない」と因果関係を否定。その上で「秋田県では凶悪事件の発生が少ないため、日頃から突発的事案への訓練や意識が十分でなく、現場で適切に対応できなかった。個々の警官に起因するものではない」と、判決理由として極めて不適当な「秋田県事情」を免責理由に上げるという、あまりにも稚拙な「忖度理由」を述べ立てた。判決後、記者会見した良子さんは「なぜ夫が殺されたのか全く解らない判決。無念で胸が張り裂けそう」と言葉を詰まらせ、代理人の吉岡和弘弁護士も「警官の行動を『やむをえない』とした不当な判決だ」と憤った。(参考文献-毎日新聞/文責:民守 正義)
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《「旅券没収と渡航制限付き旅券」撤回訴訟:緊急支援のお願い/

本ブログ読者:フリーカメラマン杉本祐一さんから》

<「旅券没収と渡航制限付き旅券発給の経過と争点/旅券強制没収の経過/裁判の経過と情勢報告等」については、9/10の本ブログ【「叛-安倍」リベラル勢力の総結集!(1-27)】稿末「ご案内コーナー」を、ご一読ください。>

〔杉本祐一裁判支援カンパを、よろしくお願いいたします。〕

①フリーカメラマン杉本祐一の裁判を支える会 代表 杉本祐一

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(民守 正義)