「叛-安倍」リベラル勢力の総結集!(1-27)

《Ken Sway Kenと管理者の【憲法改悪・戦争体制阻止】》

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《大麻取締法に共謀罪が加わったことの危険性/前田耕一(「NPO法人医療大麻を考える会」代表)》

 戦時中の治安維持法とも言われる「共謀罪」。「共謀罪」は「未遂罪」や「予備罪」とは、まるで異なる。「未遂」以前の、そのまた「予備」以前の「話し合って合意したと見做される段階」で罪となるのが「共謀罪」である。大麻についても大麻の栽培等、大麻の所持等、大麻の使用等が共謀罪の対象になるとされている。日本では医療利用の例外なしの禁止を含めて栽培、所持等が厳しく規制されており、5年以上の懲役刑もあることから、共謀罪の対象にされたものである。「大麻の栽培」については、末期癌の患者が、疼痛緩和のため緊急避難的に栽培しようとして誰かに相談するだけで共謀罪が成立する。また患者が栽培しているのを知り、それを通報しないと共謀罪に問われる恐れがあるため、当局への密告が増える。
 共謀罪により日本は戦時中や独裁国家のような密告社会になる恐れが強い。
 「大麻の所持」については、ここ数年の裁判で「共同所持」が適用されるケースが増えている。「共同所持」では、本人以外の者がどれだけ関与していたかの特定が容易ではないが、共謀罪により、時代錯誤的な、いわゆる「連帯責任」を問われることにもなりかねない。
 「大麻の使用等」については、これまでの大麻取締法には「使用」罪の規定はなく、尿中に痕跡があっても有罪の根拠とはされてこなかった。しかし共謀罪の適用によって、拡大解釈され、大麻取締法の運用が厳しくなる恐れがないとは言えない。これまでも大麻取締法違反には刑法の教唆や幇助罪も適用され、更に栽培・所持・使用には、それぞれ未遂罪もある。

 また、麻薬特例法もあり、この上、更に共謀罪を適用する合理性は全くない。
 一方、日本を除くG8(主要国首脳会議)では、大麻の医療使用が合法化されている。
 米国では29州で合法化されており、患者本人、家族や介護人らが、数本から6本(州により異なる)の大麻の栽培、所持、使用が許されている。このような世界的な潮流にあっても、厚生労働省による医学的根拠のない印象操作により、日本社会ではいまだに大麻に関する偏見と誤解が渦巻いており、患者であっても犯罪予備軍としか見なされない。


《【在日朝鮮人等虐殺シリーズ】》

<①関東大震災朝鮮人虐殺を否定する在特会系ヘイト団体の集会に政治家も参加!「虐殺は正当防衛」と残虐正当化主張>

 9月1日、関東大震災の犠牲者を追悼する式典が各地で行われた。墨田区の都立横網町公園では、関東大震災時のデマによって虐殺された朝鮮人犠牲者の追悼式典が、市民団体によって催され、多くの人々が参列した。一方、東京都の小池百合子都知事は、例年、知事が出していた朝鮮人犠牲者への追悼文を拒絶。さすが差別集団「在特会」と親密なだけはある。
 更に墨田区の山本亨区長も追悼文を断るなど、事態は更に大きく発展している。
 そんな中、同じ横網町公園では、朝鮮人犠牲者追悼碑の前で行われた追悼式典の目と鼻の先、ほんの十数メートルの地点で、"虐殺否定論"に立つ在特会系市民団体「そよ風」が仕切る集会が行われた。小池都知事の朝鮮人犠牲者追悼文拒否の背景には「そよ風」によるロビー活動が見え隠れしている。この「真実はここにある!関東大震災石原町犠牲者慰霊祭」との名目で開催された集会では、開始予定時刻の11時以前から、大量の警察官が集会場所を取り囲んで通路を封鎖、「そよ風」側以外の参加者や見学者を排除する動きを見せていた。
 しかし「そよ風」側の人数は多くても30人にも満たないほど。

 警官の人だかりの隙間から見えるのは、掲げられた日章旗と「六千人虐殺は本当か!日本人の名誉を守ろう!」いう看板の文言。「慰霊祭」とは名目にすぎず、朝鮮人虐殺を否定する集会・運動だった。実際「そよ風」代表による開会の辞では「この真実の石原町犠牲者慰霊祭を契機に、反日日本人の手による自虐史観を払拭せねばなりません」なる言葉がいきなり飛び出した。その後、来賓として挨拶した人物も、極右政治団体「維新政党・新風」前代表・鈴木信行や、在特会と協力して排外主義デモを行なってきた「外国人参政権に反対する会」東京代表・村田春樹等、ヘイト運動界隈でおなじみの顔ぶれだった。
 例えば鈴木は「まさにデマと嘘が新たにまかり通ってきた事は見過ごす事はできない」
 日本人の名誉を守るために正しい歴史事実を残していきたい」等と"朝鮮人虐殺は無かった"デマを拡散する決意を語り、村田は「自警団が結成されたのは当然。自分達の家族を守るために武装したのは決して責められる事ではない」「認めたら最後、100年、200年後に仕返しされるのです」「どうして日本人はやってもないことをやったというのか」等と、関東大震災での大規模な朝鮮人ジェノサイドを正当化した。見ての通り、あまりに露骨な歴史修正主義に唖然とするが、これこそ「そよ風」の集会が慰霊や追悼を目的にしたものではなく、極右イデオロギーに基づく運動と同質である事の証左だろう。
 更に驚かされたのは、こんな極右集会に現役の区議会議員までが参加し、堂々と挨拶をしていた事だ。この日「そよ風」の集会でスピーチしたのは、地元の墨田区議会議員・大瀬康介。大瀬区議によれば、主催者から来場の依頼があった訳ではなく「たまたま」「自主的に」「飛び入りで」参加したというが、一方で、当日この場所で「そよ風」の集会が行われる事は事前に知っていたという。集会への参加は「そよ風」の趣旨に賛同しての事かと尋ねると、大瀬区議は「というよりも」と言って、朝鮮人虐殺に関して呆れるような認識を語った。例えば関東大震災時に流れた「朝鮮人が暴動を起こした」「井戸に毒を入れた」等の情報がデマであった事は当時の警察も認めている史実だが、大瀬区議は「朝鮮人暴動は流言飛語ではなく、事実です」と主張する。「朝鮮人の暴動も、朝鮮人が火をつけて回ったのも事実です。実際、それで捕まっている。あるいは強盗をやったりしたのも事実です。だから流言飛語と一括りにするのはおかしな話」またデマを鵜呑みにした自警団による朝鮮人への暴行・殺害については「意図的に殺したとかじゃない訳でしょ。犯人を逮捕しようと思ったら、ピストル発砲したりするじゃないですか」と説明し、それでは「自警団の行為は正当防衛という認識か」と尋ねると「基本的にはそういう考え方です」と頷いて「自警団が朝鮮人を殺したからといって『虐殺』とは言えない」との考えを明らかにした。念のため繰り返すが、「正当防衛」や「犯人逮捕のため」の前提となる「朝鮮人の暴動」も「朝鮮人が火をつけて回った」のも「強盗をやったりした」のも、当時の警察とマスコミが拡散したデマだ。

 当時の新聞画像をソースに「朝鮮人暴動は事実」等と主張するネトウヨは沢山いるが、それらがデマであった事は歴史学の常識だ。実際、当時、警察官僚として新聞を使いデマ拡散に加担した正力松太郎(元・読売新聞社主:A級戦犯)も震災時のデマを認め「警視庁当局として誠に面目なき次第」と反省の意を表している。
 無実の朝鮮人達を、徒党を組んで襲い、殺害して回るという行為は、まさに虐殺としか言いようがない。また逆に横浜市鶴見警察署長の「在日朝鮮人:救済の出来事」は、今でも韓国等で、その賞賛と英雄視されている。
「在日朝鮮人等:救済の出来事」とは-「朝鮮人が井戸に毒をいれた。」「震災の混乱に乗じて日本人を襲ってくる。」というデマが広がり、朝鮮人に対する迫害、襲撃虐殺事件が起こる。ここに震災で被災した約300人の朝鮮人等が保護を求めてきた。署長大川常吉さんは、警察署を取り巻いて騒乱状態になっている中で「持っているビンに毒が入っている。叩き殺せ」という声に「その井戸水を持ってこい。私が飲んで死ねば朝鮮人を引き渡す。異常が無ければ私に預けよ!」「私を信頼しないのなら、朝鮮人を殺す前に、この大川を殺せ。自分を殺してから中へ入れ!」と警察署の入口に仁王立ちで暴徒に冷静さを求め、実際に日本人暴徒の前で「その井戸水」を一気に飲み干し、「どうだ?何ともないじゃないか!?これはデマだ!直ちに解散しなさい!」と一喝し、日本人暴徒も、すごすごと解散。安全を確認してから署内に匿われた在日韓国・中国人を解放した】
 話は戻して大瀬区議は、結論として「朝鮮人犠牲者追悼碑を撤去すること」が「一番」だと言い、議会で訴えていくと宣言したのである。「だって無実の罪を後世の人に押し付けていいんだろうか、と。やはり、ちゃんと歴史を検証できる内に、しっかり論理構成を立てて(朝鮮人犠牲者追悼碑を)撤去させないといけない。あれを見た人達がね、例えば朝鮮から来た観光客かなんかが、あそこを見せて『こういう事やっていたのだよ』と言う訳です。『だからこそ公の場に碑があるのだ』と言って宣伝するんですよ。だから、次の議会でも(撤去を)訴えていく。第三回定例会が今月ありますけど、そこでも言っていきます」

 要するに「そよ風」の集会で挨拶した大瀬区議は、関東大震災の際の「朝鮮人暴動等のデマ」を「流言飛語ではない事実」だと主張して、日本人自警団らによる虐殺を「正当防衛」と評価するという"虐殺否定論"の典型的詐術を開陳し、そればかりか、朝鮮人犠牲者追悼式典を「日本を分断する対日工作」、更にカウンターについても「雇われた対日工作員」等というネット右翼顔負けの言いがかりをつけたのである(なお、集会の途中で抗議者達が暴力的に妨害したという事実はなく「そよ風」は警察に守られながら最後まで集会をやり遂げた)。全くクラクラしてくるが、しかし看過してはならないのは、この大瀬が、区議として横網町公園の朝鮮人犠牲者追悼碑撤去を議会で訴えていくと鼻息を荒くしていることだ。
 「そよ風」がロビー活動に精を出しているが、こうした東京都-小池知事等、稲田・高市議員等の政治家と繋がる事によって、露骨な歴史修正の運動を政治の場に反映させているという事が、これではっきりした訳である。そう考えてもやはり、朝鮮人虐殺を巡る右派の歴史修正運動は、水面下で想像よりも遥かに影響力を持っているようだ。
 私達は、決して"虐殺否定論"と慰霊碑撤去運動を「一部のトンデモがやっていること」等と軽視してはならない。「小池都知事の差別・極右性」を引き続き、暴露していく!(参考文献-リテラ/文責:民守 正義)

<②黒澤明も証言、関東大震災時の朝鮮人虐殺は紛れもない事実だ!>

 1923年9月1日の関東大震災発生から、94年が経過した。前章のとおり朝鮮人虐殺犠牲者の追悼式典を巡り、都知事が例年送っていた追悼文を拒否。先月の会見でも「様々な被害で亡くなられた」「様々な歴史的認識がある」等と述べ、朝鮮人虐殺という歴史事実への言及を、あからさまに避けていた。これを受けて、追悼式典を主催する「9.1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典実行委員会」も先月に抗議声明を出している。〈人の手で虐殺された犠牲者も自然災害によって命を落とした犠牲者と同じ、よって虐殺された朝鮮人らへの別途追悼の辞は手間だ!不要だ!と言っているのに等しい。〉〈大震災など非常事態時に流言飛語が飛び交う事があるという歴史の教訓、朝鮮人や中国人に対する差別・偏見が無辜の人々の命を奪う行動にも繋がったという過去の歴史的事実に目をそむけるものである。〉(抗議声明より)あまりにも当然の抗議だろう。実際、小池都知事の決定の背景には近年、ネット右翼ゴロや右派市民団体を中心に拡散されている「朝鮮人虐殺は無かった」なる"虐殺否定論"がある。例えば都議会で都知事の朝鮮人犠牲者追悼文取り止めの端緒となる質問をした自民党・古賀俊昭都議は、トンデモ虐殺否定本である『関東大震災:朝鮮人虐殺の真実』(工藤美代子)を引用しており、また"虐殺否定論"を下に各地の朝鮮人追悼碑の撤去運動等を行っている在特会系右派市民団体「そよ風」から、事前にレクチャーを受けていた。
 だが関東大震災の際、デマによって大規模な朝鮮人のジェノサイドが起き、警察や軍がこれに加担したのは、保守系の歴史学者も認めている歴史的事実であり、何より当時を生きた人々による膨大な証言が残されている。その中の「証言者」の一人に、世界的映画監督・黒澤明がいるのをご存知だろうか。1910年に現在の東京都品川区で生まれた黒澤は、中学2年生時に被災。自伝『蝦蟇の油』の中で、当時を振り返ってこう書いている。〈関東大震災は、私にとって、恐ろしい体験であったが、また、貴重な経験でもあった。それは私に、自然の力と同時に、異様な人間の心について教えてくれた。〉

 被災時に黒澤少年が教わったという「異様な人間の心」とは何か。繰り返し襲う揺れ、裂けた道路、舞い上がる土埃、空の半分を隠すほど高くそびえる大火災の黒煙。
 右往左往する人々を見ながら震えていた黒澤少年は「ああ、これがこの世の終わりか」と思ったというが、黒澤はこう特筆している。〈しかし恐怖すべきは、恐怖にかられた人間の、常軌を逸した行動である。〉これまでの研究で、9月1日の少なくとも午後3時頃以降には「社会主義者及ビ鮮人ノ放火多シ」「朝鮮暴行」「鮮人二百名襲来シ放火強姦井水ニ投毒」等の流言飛語が広まり、警察もこうした「浮説」を把握していた事が分っている。
 その異常な状況の中で迎えた夜の事を、黒澤はこう述懐するのだ。〈下町の火事の火が消え、どの家にも手持ちの蠟燭がなくなり、夜が文字通りの闇の世界になると、その闇に脅えた人達は、恐ろしいデマゴーグの俘虜になり、まさに暗闇の鉄砲、向こう見ずな行動に出る。経験の無い人には、人間にとって真の闇というものが、どれほど恐ろしいか、想像もつくまいが、その恐怖は人間の正気を奪う。どっちを見ても何も見えない頼りなさは、人間を心の底から狼狽えさせるのだ。文字通り疑心暗鬼を生ずる状態にさせるのだ。関東大震災の時に起った、朝鮮人虐殺事件は、この闇に脅えた人間を巧みに利用したデマゴーグの仕業である。〉実際、黒澤少年は〈髭を生やした男が、あっちだ、いやこっちだと指差して走る後を、大人の集団が血相を変えて、雪崩のように右往左往するのをこの目で見た〉という。
 そして朝鮮人を追いかけ、殺して回ろうとする人々が、日本人も「朝鮮人」として暴行を加えようとした現場にも、立ち会っていた。〈焼け出された親類を捜しに上野へ行った時、父が、ただ長い髭を生やしているからというだけで、朝鮮人だろうと棒を持った人達に取り囲まれた。私はドキドキして一緒だった兄を見た。兄はニヤニヤしている。その時「馬鹿者ッ!!」と、父が大喝一声した。そして取り巻いた連中は、コソコソ散っていった。〉

 実は、黒澤のように「朝鮮人か」と言われて、殺害されそうになったという証言は数多くあり、官庁の記録にも殺害された人数等が記されている。例えば当時、19歳で千駄ヶ谷に住む早稲田大学聴講生だった演出家・千田是也は、こんな談話を残している(毎日新聞社・編『決定版昭和史 昭和前史・関東大震災』所収)。千田の周囲では、震災発生から翌日には「朝鮮人が日頃の恨みをはらしに来る」等の朝鮮人襲来の噂が広まっていたという。

 若い者は自警団に出ろといわれた千田は、登山杖を持って別の大学生と警備に当たる事になった。しかし夜になっても誰も来ないので、偵察のために千駄ヶ谷駅の線路の上の土手を登っていったところ、こんな事があったという。〈すると内苑と外苑をつないだ道路(当時は原っぱだったが)の方から、提灯が並んでこっちにやって来るのが見えた。あっ、"不逞朝鮮人"だと思い、その方向へ走っていった。不意に私は、腰のあたりを一発、殴られてしまった。驚いて振り向くと、雲をつくような大男がいて「イタァ! チョウセンジンダァ!」と叫んでいる。〉「朝鮮人」と間違えられ、殴られた千田は、提灯を持った人々に取りまかれ「畜生、白状しろ!」と小突き回されたという。千田は弁明するが、聞いてもらえない。〈私はしきりに、日本人である事を訴え、早稲田の学生証を見せたが信じてくれない。興奮した彼らは、薪割りや木剣を振りかざし「『15円50銭』と言え!(朝鮮人は濁音が苦手と言われている)」「教育勅語を言え!」と矢継ぎ早に要求してくる。この二つは、どうにか切り抜けたが「歴代天皇の名前を言え!」と言われたときは、さすがに困った。こちらは中学を出たばかりだから半分くらいしか覚えていない。〉このとき千田は、殺される事を覚悟したというが、たまたま知り合いが声をかけて、事なきを得る事ができた。
 千田は〈私は殺られずに済んだが、ちょっと怪しいというだけで、日本人も含めた罪のない人々が、いったい何人殺されたのだろう〉と語っている。千田が思うのは〈異常時の群集心理で、あるいは私も加害者になっていたかもしれない〉ということ。
 彼の本名は伊藤圀夫という。芸名は、そのときの自戒を込めて、千駄(センダ)ヶ谷のKorean(コレヤ)にしたのだという。どうだろうか。黒澤や千田の体験談は、朝鮮人虐殺に関する膨大な証言の、ほんの一部であり、直接的な朝鮮人への暴行・殺人の目撃談等を挙げていけばキリがないのだが、このように疑心暗鬼にかかった群衆が「怪しい」と思った人間を見つけ次第「朝鮮人」として殺しにかかった事は、紛れもない事実である。

 それはつまり不審(と勝手に見做した)人物は全て「朝鮮人」とされ、その属性こそが虐殺の"理由"となったという事を意味している。また朝鮮人虐殺に関する研究では、一般の日本人が虐殺の「加害者」となってしまった背景には、当時の日本人の朝鮮人への蔑視と、植民地支配等に対する「報復」を恐れたという心理状態も要因の一つであったと指摘されている(吉村昭『関東大震災』等)。震災時の異常心理が、朝鮮人への差別意識と結びついて引き起こされたのが、朝鮮人虐殺というヘイトクライムだったのだ。

 ひっきょう、関東大震災での朝鮮人虐殺が、ただの震災時の混乱のせいでもなければ、小池都知事が「様々な被害」というように"震災関連死"として一緒くたにできるものでは決してないのである。更に大規模な朝鮮人虐殺が引き起こされたのは、行政・警察や軍が、あろう事かデマを信じ、新聞記者にまことしやかに話し触れ回るように要請する等、虐殺の動きに加担していた事も大きな原因だった。これは当時、警視庁の官房主事でトップ2の立場にあった元・読売新聞社主の正力松太郎(A級戦犯)も〈朝鮮人来襲の虚報には警視庁も失敗しました〉と明かし、デマであったことを認め、反省の念を示している。
〈折から警視庁より「不逞鮮人の一団が神奈川県川崎方面より来襲しつつあるから至急、帰庁せよ」との伝令が来まして急ぎ帰りますれば警視庁前は物々し警戒線を張っておりましたので、私はさては朝鮮人騒ぎは事実であるかと信じるに至りました。(略)しかるに鮮人がその後、なかなか東京へ来襲しないので不思議に思うている内、ようやく夜の10時頃に至って、その来襲は虚報なることが判明いたしました。(略)警視庁当局として誠に面目なき次第でありますが、私共の失敗に鑑み大空襲に際しては、この点特に注意せられん事を切望するものであります。〉(『悪戦苦闘』)翻って今回、朝鮮人犠牲者に対する追悼メッセージの送付を取り止めにした小池都知事の判断は、こうした過去の悲劇と加害事実を曖昧にし、行政がヘイトクライムに加担した事への反省を無に帰すものという他ない。
 それどころか"虐殺否定論"に立つ歴史修正主義勢力を勢いづかせ、朝鮮人や韓国人に対する憎悪を掻き立てさえするものだ。周囲を見渡すと、状況は、94年前とよく似ている。
 安倍(戦争)政権は、歴史認識で韓国や中国と反目するのと同時に、軍事増強へと邁進しながら「やられるまえに潰せ」と言わんばかりに"北朝鮮危機(先制侵略攻撃)"を煽り立てている。書店には、侵略戦争と植民地支配を正当化するトンデモ論と差別主義をごった混ぜにしたヘイト本が並び、ネットでは日々レイシズムが洪水のように垂れ流されている。

 そうした中で、犯罪報道があると無根拠に「朝鮮人の仕業だろう」等とがなりたてるヘイトデマが跋扈する。2014年の広島土砂災害時に起きた空き巣被害が「外国人による犯罪」というヘイトデマがネット上で拡散されたり、昨年の熊本大地震では「熊本の井戸に朝鮮人が毒を入れている」という悪質なヘイトデマツイートが出回ったり、関東大震災時の朝鮮人虐殺を彷彿とさせる災害時のヘイトデマも増えている。黒澤明は、前掲の自伝の中で、被災時のこんなエピソードを「馬鹿らしい話」として記していた。〈町内の、ある家の井戸水を、飲んではいけない、と云うのである。何故なら、その井戸の外の堀に、白墨で書いた変な記号があるが、あれは朝鮮人が井戸へ毒を入れたという目印だと云うのである。私は惘れかえった。何を隠そう、その変な記号というのは、私が書いた落書きだったからである。私は、こういう大人達を見て、人間というものについて、首を捻らない訳にはいかなかった。〉(『蝦蟇の油』より)はたして現在でも、同じような流言が次々と表出している事実を、私達は無視してはならない。少なくとも国際都市である東京で、こうしたヘイトデマ・ヘイトクライムの流れに同調する、「在特会」とも親和な「極右・冷徹人間」に、知事たる資格など断じてないのは確かだ。(基本文献-リテラ/管理者:部分編集)
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《「旅券没収と渡航制限付き旅券」撤回訴訟:緊急支援のお願い/

本ブログ読者:フリーカメラマン杉本祐一さんから》

<「旅券没収と渡航制限付き旅券発給の経過と争点/旅券強制没収の経過/裁判の経過と情勢報告等」については、先日(9/12)の本ブログ【「叛-安倍」リベラル勢力の総結集!(1-26)】稿末「ご案内コーナー」を、ご一読ください。>

〔杉本祐一裁判支援カンパを、よろしくお願いいたします。〕

①フリーカメラマン杉本祐一の裁判を支える会 代表 杉本祐一
 フリーカメラマン スギモト ユウイチ 店番231 普通 口座番号1691517
/第四銀行白山支店
②他銀行からゆうちょ銀行への振り込みの場合
 ゆうちょ銀行 口座名義フリーカメラマン杉本祐一と友の会 店名一二八 店番128
 普通 口座番号3551231
③直接ゆうちょ銀行に出向いて振り込む場合
郵便振り込み口座は11200-3-5512311 「フリーカメラマン杉本祐一と友の会」


《9.19国会前【安倍辞めろ!】国会包囲大集会》

◎主催者:Masamichi Tanaka◎2017年9月19日17:00 - 21:00◎国会正門前
【国会前に20万人集まってください。】
*2年前のあの日を思い起こして国会正門前に集まってください。
世直しに参加してください。一度だけ本気で闘ってください。
宜しくお願い致します。 田中正道


《ブログ「リベラル広場」では次の事業も行っています。》

職場(仕事)における労働・人権相談(ハラスメント・メンタルヘルス等、含む)
*大阪府労働相談経験10年以上。*産業カウンセラー資格、有り。
*但しメンタルヘルスの場合、もし心療内科等に受診されている場合、または、その受診の方が望ましい場合は、当該医師の指導を優先し、カウンセリングを断る事もありますので予めご了承ください。
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*著作[「公正採用」と「能力発見!」採用選考のコツ]
*著作「採用面接」労働条件確認
◎なお寄せていただく相談意見等は、とりあえず全てEメールで送信してください。
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(民守 正義)