リベラル勢力総結集で政権交代!(360)
《Ken Sway Kenと管理者の【緊急事態条項等、憲法改悪阻止】》
《【米中貿易戦争】結果的に米国内へブーメラン:米国農家の破産者過去最高》
アメリカのトランプ政府が中国に貿易戦争を仕掛けて一年余が経過した。
13日にはトランプが安倍(外交音痴)首相にアメリカ農産物の大量購入を要求したと報じられた。これは米中貿易戦争の影響で中国向けの米国産農産物輸出が激減した分を日本に押しつけてきたものだ。関税引き上げの報復合戦がエスカレートする中で、中国市場に依存するアメリカの農業分野が先ず悲鳴を上げているが、ハイテクや衣料、履物業界等もアメリカ市場との相互依存関係は深く、トランプの対中貿易戦争に批判を突きつけている。
トランプは「アメリカファースト」を掲げて、台頭する新興勢力の中国に覇権を奪われないために貿易戦争を仕掛けたが、返ってアメリカ国内産業が打撃を被る事態に直面し、来年11月に大統領選を控えて、このまま暴走する事はできなくなっている。
トランプの対中貿易戦争は、先ずアメリカの農業分野に重大な打撃を与え、農家の破産件数は過去最高を記録する等、危機的状況にある。経過を振り返ってみると以下のようになっている。先ずトランプが2018年3月、中国から輸入する鉄鋼・アルミ製品に25%の関税をかける大統領令にサインしたのを皮切りに、7月には中国製のロボットなど約800品目=340億ドル相当に関税25%を課し、更に8月には半導体等300品目=160億ドル相当に関税25%を課した。トランプとしては、この脅しで中国が引き下がり、対米輸出を減らしたり、アメリカ産製品の輸入を増やす事を期待した訳だが、中国は強く反発し、米国からの輸入品に追加関税をかける事で対抗した。2018年7月には米国産大豆や豚肉など約500品目=340億ドル相当に25%の関税をかけ、8月には自動車など約300品目=160億ドル相当にも25%の関税をかけた。これに今度はアメリカ側が黙っておらず、9月には家具・家電など約5700品目=2000億ドル相当に関税10%を課し、対抗して中国が液化天然ガスなど約5200品目=600億ドル相当に関税5%または10%を課すという具合にエスカレートしてきた。更にトランプは、今年に入って中国からの輸入品のほぼ全てに関税を上乗せする事を表明した。それまでは消費者への影響を考えて生活関連製品には関税を上乗せしないようにしていたが、「いうことをきかない中国を叩く」ためという事で、生活必需品にも関税を上乗せした。その中にはiPhoneやナイキのシューズ等も含まれていた。
これに対し中国政府は、米国産の農産物の輸入を停止する事で対抗した。
こうした貿易戦争による報復の応酬の中で、アメリカの農業関連が重大な打撃を被り、とりわけ大豆農家は壊滅的な打撃を受けている。アメリカ産大豆の60%以上は中国向けに輸出されており、それ以外のメキシコ(6%)、日本(4%)、インドネシア(4%)等とは比べ物にならない規模だ。米国産大豆の中国向け輸出は総額で約200億ドル、数量で3750トンに上り、輸出大豆の生産に関係する農家は中西部を中心にして30万人に及ぶ。
米中貿易戦争の影響を受けて米国産農産物の対中輸出は激減している。
米農務省の調べでは、2018年7月から今年6月の大豆輸出は前年同期比で7割減少している。
小麦は9割減と大幅に落ち込んでいる。昨年の中国への農産物全体の輸出額は前年比で5割以上減少している。更に市況の下落もアメリカの農家に打撃を加えている。
世界の大豆価格は2018年7月に米中の貿易戦争が起こった後、9%下落している。
更にアメリカでは大豆価格下落のためにトウモロコシに切り替える農家が続出したため、トウモロコシ価格も下落するという悪循環を生んでいる。トランプは2018年8月に貿易戦争の報復措置で標的になっている農家に対し、120億ドル(約1兆3000億円)の支援を表明した。
これによってトランプが貿易戦争で米国民が痛手を受けている事を初めて認めた形となった。更に今年5月にも、対中貿易戦争で打撃を受けた農家へ150億ドル(約1兆6588億円)を上回る支援策を打ち出した。大豆農家に1ブッシェル(約27キログラム)当り約2ドル、小麦農家に同63セント、トウモロコシ農家に同4セント。
これらの合計270億ドル規模の農家支援策は2020年にも実施する方針だ。
貿易戦争での輸出激減に加えた農産物価格の下落、更に中西部を襲った長雨と洪水で穀物の作付けができなくなり、今年6月末の段階で535件の農家が破産申請を出している。
土地を手放し、離農を余儀なくされた農家も多い。特にカンザス州、ウィスコンシン州、ミネソタ州で過去最高の破産件数を記録した。またアメリカの農家所得は2013年から2018年の間に49%も下落している。トランプは農家への支援決定に際し「米国農家は中国に攻撃されているが、貿易戦争には大勝する」と豪語したが、農家の側からすれば、これだけの支援では焼け石に水だ。農家の間では「中国からの報復、アメリカ産大豆の価格下落を招いたのはアメリカ政府だ。自国民に犠牲を強いるような政策を納税者は支援しない」といった世論が高まっており、トランプ離れは加速している。2016年の大統領選挙でトランプの大票田であった中西部の農家票を失う事が十分に予想されており、再選に失敗する可能性も取り沙汰されている。カリフォルニア農業事務局連合は昨年8月「我々が中国市場を失えば他の国の業者が、そこに入ってきて、長い目で見れば我々の農家が商機を失う事に繋がる」と危機感を表明している。中国は1990年代中半までは大豆輸出国だったが、その後国内生産は低迷し年々輸入量が増え続け、約1億トンを輸入している。
ブラジルから56%、アメリカから33%で、この2カ国でほぼ9割を占めていた。
またアメリカ、ブラジル側から見ると輸出の約6割~8割が中国向けであり、相互に依存度が高い。中国はコメや小麦等の穀物については基本的に自給する方針を崩していないが、大豆については国内自給から輸入依存に転換している。輸入した大豆の用途は主に圧縮して大豆油と大豆粕にし、油は料理用に、粕は飼料に使う。大豆の国内生産量1400トンに対して、輸入は9700トンに上る。これは世界の貿易量の6割を超える。
中国はアメリカからの農産物輸入を停止した後、大豆の輸入先をアルゼンチンやブラジルに振り向けている。また小麦はロシアやウクライナに輸入先を替える事もできる。
豚・牛肉についてもアメリカに代わって、カナダやEU、オーストラリア等からの輸入を増やす事が可能だ。アメリカ国内への影響は農業分野だけではない。
トランプは中国製品のほぼ全ての関税を引き上げるとしている。鉄鋼・アルミを皮切りにハイテク製品、航空機部品、船舶用モーター、大型車両、医療器具、電子機器、レーダー、無線装置、LED、テレビ、ビデオ部品、バッテリー、機械類、潤滑油、プラスチック製パイプ、化学品、衣料品、履物等々だ。ハイテク製品に25%の関税を課した場合、アメリカのコストは125億ドル増加するとの試算もある。中国は米国産農産物の輸入を停止しても、その他の国から簡単に輸入する事ができるが、アメリカは中国以外にハイテク製品を大量に供給できる国を見つけるのは困難だ。中国からハイテク製品を大量に輸入しているゼネラルエレクトリックや世界最大の家電量販店・ベストバイはトランプ政府の貿易戦争に苦情を申し立てている。米アパレル・フットウエア協会も「米国経済を破滅させる自傷行為だ」とトランプ政府を非難している。また米国大豆協会も「大豆農家は関税にうんざりしている」との声明を発表し、「関税(引き上げ)をエスカレートさせ続ける事は支持できない」とトランプ政府の対応を批判した。またトランプが仕掛けた貿易戦争で、アメリカ国内で40万人の雇用が失われるとの試算も出ている。全米納税者連盟は昨年5月にトランプ宛の書簡を発表し、貿易戦争に突き進む事の危険性に警鐘を鳴らした。この書簡にはノーベル経済学賞受賞者14人を含む1100人以上のエコノミストが賛同している。こうした国内世論を背景にして、トランプは対中貿易戦争の手直しを始めている。アップルなど産業界の要請を受けて米通商代表部(USTR)は13日、中国から輸入する一部電子機器について追加関税の発動を延期すると発表した。スマホやノートパソコン、ゲーム機、一部の靴、衣料、玩具への追加関税発動を9月1日から12月15日まで延期し、その他の一部製品を制裁対象から外すとした。
1980年代には「日米貿易摩擦」と呼ばれる貿易戦争があった。それが今日の「米中貿易戦争」と大きく異なっているのは、産業・生産構造だ。日米貿易摩擦の時代は、日本は自動車やテレビの生産において純粋な日本製の完成品を輸出していた。当時アメリカは「日本叩き」をやって勝利を収めた。だが今日、産業構造はグローバル化し、米中間といえども企業間のサプレイチェーン(製造業において、原材料調達・生産管理・物流・販売まで一つの連続したシステム)が出来上がっている。中国からアメリカへの最大の輸出品目は通信機器だが、中国製の通信機器に使われている部品の60%は中国製以外だ。CPUはインテル製という具合だ。またトランプが問題にしている米中貿易不均衡にしても、単純に二国間の問題ではない。アメリカの貿易に占める対アジア・太平洋地域の割合は4割程度だ。この割合は1990年から2016年までは殆んど変わっていない。変わっているのは日本と台湾からの対米輸出が減り、その分中国が伸びたという事だ。日本や台湾の企業が中国に進出し、中国で製造してアメリカに輸出する割合が増えている。またゼネラルモータース(GM)の最大のマーケットは約14億人に人口を擁する中国であり、GMにとってなくてはならない生命線になっている。
既にGMの中国での販売台数はアメリカでの販売台数を上回っており、中国市場なしではGMは成り立たなくなっている。ウォルマート等は生活の消費財を中国に発注して生産し、中国から輸入して販売している。米中の貿易不均衡を創り、貿易赤字の原因を創っているのはアメリカ企業自身であったりする。最早1980年代の貿易戦争のように二国間で片がつくような時代ではなく、米中間にしても相互の依存関係は深く複雑に絡み合っている。
米中貿易戦争がエスカレートする中で14日の米株式相場は大幅に反落した。
ダウ工業株30種平均は800ドル安と今年最大の下げとなった。リーマン・ショック前年の2007年以降で初めて10年債の利回りが2年債利回りを一時下回った事で、株安に拍車がかかった。業種別ではゴールドマン・サックスをはじめとする金融株の下げが目立った。
専門家は米中貿易戦争に関連した動きを指摘しており、米中貿易戦争がアメリカ経済ひいては世界経済にも影を落としている。トランプは戦後世界を支配してきたアメリカの覇権を脅かす中国を目の敵にして対中貿易戦争を仕掛けたが、1年余を経過してアメリカの農業分野をはじめ製造業界や消費者自身が犠牲を被る結果が表面化してきており、トランプ自身が孤立を深めている。戦後74年を経過して、世界的な勢力図は大きく変化し、何よりアメリカの覇権支配の弱体化が、政治、経済、技術、社会、軍事等あらゆる分野で顕在化してきている。代わって中国の台頭がアメリカを脅かし、覇権交代の様相を呈している。その中でアメリカ追随一辺倒の安倍政府の外交も世界的に孤立を深めている。
米中貿易戦争の余波を受ける形で、トランプは安倍政府に対して米国産農産物の大量購入を押し付けてきている。トランプは大豆や小麦と具体的な品目を指定したという。
安倍政府は、これに応えてアフリカ食料支援の枠組みで輸送費を含めて数億ドル(数百億円)規模で購入する案を検討している。だが2018年のアメリカの対中農産物輸出額は前年に比べて100億ドル以上減少しており、この規模では到底穴埋めにもならない。
折しも13、14日の日程で日米両政府の事務レベルの貿易協議がワシントンで開かれ、9月末までに大枠合意を目指すとした。5月の日米首脳会談では安倍(外交音痴)首相は、農産物分野で大幅な譲歩をする事をトランプに約束している。トランプは日米貿易交渉で、中国向けの農産物輸出激減の尻拭いを日本に押し付けてきている。2018年の日本の食料自給率は37%で、コメを緊急輸入した。1973年に次ぐ低さだ。農水省でさえ環太平洋経済連携協定(TPP)締結で日本の食料自給率は12%にまで低下するとの試算を出していたが、トランプの言うままに米国産農産物に輸入を拡大するというのであれば、そうなるのも遠くない。
アメリカに胃袋を握られた属国に成り下がる道だ。世界的に孤立するトランプにしがみついて共に滅亡するのではなく、独立国としてアジア諸国をはじめ世界各国との平和外交、平等互恵の貿易を推進する事でしか日本の繁栄はない。(基本文献-長周新聞/管理者:部分編集)
***************************************
《第2次インティファーダ連帯企画:古居 みずえさん講演会》
「人びとの暮らしから見るパレスチナ」
◎主催:オリーブの会(協賛:セーブ・ザ・オリーブ)☎090-2044-6106
◎日時:2019年9月28日(土)(14:00~16:30)
◎場所:大阪府高槻市民会館207号◎資料代:1000円
<パレスチナごはん交流会>◎食事代:500円
《ブログ「リベラル広場」では次の事業も行っています。》
①職場(仕事)における労働・人権相談(ハラスメント・メンタルヘルス等、含む)
*大阪府労働相談経験10年以上。*産業カウンセラー資格、有り。
*但しメンタルヘルスの場合、もし心療内科等に受診されている場合、または、その受診の方が望ましい場合は、当該医師の指導を優先し、カウンセリングを断る事もありますので予めご了承ください。【費用:交通費等、実費+α(委細相談)】
②「企業内人権研修」等の講師派遣も行います。【但し有料(2万円程度-委細相談)】
③採用コンサルタント。
*出版実績:『公正採用と採用選考・応募と人権のハーモニー』絶賛発売中!
(求人・就職活動中の方には必見!)
◎なお寄せていただく相談意見等は、とりあえず全てEメールで送信してください。
<送信先Eメールアドレス>yutan0571@yahoo.co.jp(なおツイッターでの投稿は①匿名性が高いこと、②ウイルス対策上等、業者助言により一切、開封・受付いたしません。)
(民守 正義)
0コメント