リベラル勢力総結集で政権交代!(256)
《Ken Sway Kenと管理者の【緊急事態条項等、憲法改悪阻止】》
《【対談「知る権利」】「官邸ハラスメント」決して諦めないで反撃を!「知る権利」の意味を官邸も記者クラブも解っていない!情報は政府やメディアのものじゃない/池田恵理子×望月衣塑子》
首相官邸が昨年末、望月衣塑子『東京新聞』記者の菅義偉官房長官に対する質問を「問題行為」等と攻撃し、実質的に記者会見から排除しようとした。「知る権利」の侵害と言える。また与党国会議員による学者達への「反日研究」呼ばわりなど学問の自由も脅かされている。憲法を尊重しない安倍(独裁)首相の強権的姿勢が、このような事態を招く元凶だ。
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─池田さんはNHKに在職時代、日本軍「慰安婦」問題が途中で制作できなくなり、望月さんは記者として現在、官邸の圧力と闘っておられますね。
池田:私は、1997年が現在の安倍首相によるファシズム政権の方向が明確になった年だと思っています。この年から中学校用の全ての歴史教科書に「慰安婦」が記述され、右派が焦って教科書会社に攻勢をかけてきました。その先頭に立ったのが、故中川昭一衆議院議員が会長で、安倍首相が事務局長だった自民党の「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」だったのです。安倍首相にとって「慰安婦」問題は天敵みたいな存在で、この問題を無きものにしようと歴史を捏造し続けています。
─1997年には、「日本会議」も結成されています。
池田:私は91年から96年まで、NHKの「ETV特集」等で「慰安婦」問題の番組を8本制作しました。ところが97年以降、局内で幾ら企画を出しても「慰安婦」の提案が通らなくなりました。2001年になって、ようやく「ETV2001」で前年の「日本軍性奴隷制」を裁く「女性国際戦犯法廷」を扱った番組が放送されましたが、直前になって中川・安倍氏らがNHKに圧力をかけ、内容が大幅に改竄されて無残な番組になってしまいました。
このため私達この「法廷」の主催団体は、NHKを相手に裁判を起こし、東京高裁では勝訴したのですが、最高裁で敗訴しました。
望月:この問題で、番組のデスクだった長井暁さんが記者会見した昔の映像を見ましたが、泣いていましたね。「こんなことがあっていいものか」と、衝撃を受けました。
池田:定年退職してから9年経ちますが、在職中からNHKの内部は酷いと思っていたのに、後輩達は「今は、もっと酷くなった」と言っています。外部と接触がある職員や「要注意人物」をマークする「NHK公安」みたいな組織があるようで、内部通報が奨励され、自粛、萎縮、自主規制が強まっている。まるで治安維持法下の隣組みたいな雰囲気です。
望月:共産党がNHKの内部から送られてきた告発状を国会で明らかにしたのですが、森友・加計疑惑のニュースでの報じ方について、「3分半以内で抑えろ」「(安倍)昭恵さんの映像は使うな」「前川前文科次官のニュースと連続して伝えるな」といった細かい指示が出ていたようです。もう、こうした介入に躊躇すらない感じ。
池田:悪いなんて思っていないし、感覚がマヒしている。NHKはドキュメンタリーなど良質な番組も少なくないのですが、報道局、特に政治部が最悪。岩田明子解説委員を好例に、完全に「アベチャンネル」化した。
─ニュースも酷いですよね。
池田:国会中継を見ていると、安倍首相は質問に答えられずオロオロしたり、間違えたりして酷い答弁です。
望月:すぐ感情的になっている。
池田:ところがニュース番組になると、いいところだけ拾って継接ぎするから、あたかも立派に答弁しているように見えるのです。このギャップ、凄いですよ。
─以前、NHKニュースを見ていたら、驚きました。米国政治を伝える場面で、全く関係ないのに安倍首相の映像を、わざわざ登場させるのです。サブリミナル効果を狙っている。
池田:ディレクターが、わざとそういう効果を計算して、編集しているのですよ。 こんな事をしていたら、NHKがどんなに優れた番組を制作しても、政治部の「アベチャンネル」化に全て掻き消されてしまいます。集団的自衛権の行使容認で揺れた時、NHKの退職者を中心に活動している「放送を語る会」の戸崎賢二さんが、「ニュースウォッチ9」でこの閣議決定が、どう報じられたかをモニターしました。そうしたら22回の番組で政府・与党の論調を報じたのが114分だったのに、反対意見やデモを取り上げた時間はたったの77秒だった。
望月:全く「中立」にはなっていないですね。「クローズアップ現代」の国谷裕子さんが降板したときの経緯も、取材で関係者に聞くと、2014年7月の番組に登場した菅義偉官房長官に対し、集団的自衛権行使容認の閣議決定に食い下がった事が契機だったと指摘されています。官邸とのパイプが太いNHK幹部らが動き、降板に繋がったと言われています。
池田:当時は、TBSの「NEWS23」アンカーだった故岸井格成さんや、テレビ朝日の古館伊知郎さんが続けて降板になりました。そうした状況に、国谷さんも追い詰められましたね。
望月:森友疑惑を熱心に取材し、スクープもした相澤冬樹記者も辞められました。
池田:記者職を奪われ、考査部という閑職に飛ばされたからですよ。私の在職時代からそうでしたが、クビに出来ないから現場から外して番組を作れないようにしたり、地方に飛ばしたりする。長井さんも私もやられましたから。危惧しているのは、NHKで起きているような事が民放にも波及して、更にメディア全体に広がって社会にも広がるという事です。
─望月さんは、社内では大丈夫ですか。
望月:官邸前で3月14日にあった抗議デモには、官邸から圧力を受けた当事者として参加しました。上司の一人が「誰かに襲われるかもしれないぞ」と心配されましたが。
私自身、参加するかどうか悩みましたが、新聞労連やMIC(日本マスコミ文化情報労組会議)が立ち上がっているのに、「私がその場にいないのはアカンやろ」と思って。
後で集会に参加した同僚に聞いたら、上司達は「舌禍、大丈夫かな」と言いながらも、「あいつが喋らないと、始まらないよな」と言ってくれていたと聞き、嬉しかったです。
池田:政府の記者会見を見ていると、他の記者達は望月さんを目立たせる程度の役割しか果たしていないじゃないですか。本当に堕落したというか、日本は、ここまで来ちゃったのかと思いますね。だから聞いて欲しい事をちゃんと聞いてくれる望月さんのような記者がいなくなったら終わりですよ。
望月:新元号が発表された前の週に、発表の段取りを説明する記者会見があって、普段はあまり質問しないような記者も含めて30分以上も熱烈に質問していました。「めでたい話だから、何を聞いても大丈夫」みたいな雰囲気でした。ならば普段の会見で、もっと挙手すればいいのにと思います。とにかく「菅官房長官にマイナスになるような質問はできるだけしない」というような、暗黙のルールがあるようにも見えます。
池田:そんなのは、メディアの役割放棄じゃないですか。
望月:しかも会見に入っている政治部記者は30人から40人ほどいますが、質問するのは大抵、一番前に座っている番記者だけ。番記者以外は、質問させないのか。
そういう雰囲気は第2次安倍政権になってから一気に進んだと聞きます。
池田:本当に異様ですね。
望月:質問といっても番記者達が事前に内容を官邸に投げ、官僚達が答弁を予め用意する。
本番の会見では記者が通知済みの質問をして、官僚が用意した答弁を官房長官がスラスラと読み上げている場面が多い。
池田:そんな会見は馴れ合いでしかないですよ。
望月:私も全部これでは、さすがに拙いのではと感じます。私の質問は事前に投げていませんから、その場、その場の答弁になる。菅官房長官は「そもそも答弁能力がない」と分析する政治部の記者もいます。政府は2020年までに指導的地位に占める女性の割合を少なくとも30%程度にするとの目標を掲げていますが、統一地方選での女性議員の当選比率の低さを問題視して聞いたら、「国会議員のお話ですから」と答えました。
この程度の質問、政府として何とでも言えるだろうにと、びっくりしました。
池田:答えが書いていないと、言えないのね。答弁能力のなさは、安倍首相と共通で。
─望月さんは他社の記者からハラスメントはありましたか。
望月:露骨なのはないですが、以前は、よく一部の記者に睨まれましたね。
段々、会見に出ている時間が他者の記者より増えたので最近は少なくなりましたが、たまに重なって会見で睨んでくる記者はいます。その原因は、私の質問で菅官房長官が「そんなことはない!」と怒ると、さっさと退出して、会見の後に番記者が囲んで行なう数分間のオフレコの会見をしなくなっていたと聞きました。たいした話ではないようですが、番記者からすれば困ってしまうわけで。暗に「あんな質問をやらせるな」みたいなプレッシャーを菅官房長官側がかけている。それで番記者側から恨みを買っているところもあったようです。
池田:何か次元が低いわね。
望月:最初は森友・加計疑惑について質問しても、菅官房長官は何とか答えようとはしていました。今とは雲泥の差。その年の8月に安倍首相の今井尚哉筆頭総理秘書官が自分の番記者に語ったというオフレコのメモが、回りに回って私のところに届いた。
そこには「望月と『朝日』の南(彰)記者は、官房長官が辞めるまで記者会見に来続けるつもりだろう。お前達、10年目の記者だろう。あの2人を何とかならないのか」みたいな事が書いてあった。
─随分、露骨ですね。
望月:そして8月になったら、記者会見で私と南さんが挙手をしていても、指されなくなって。それまでの記者会見では、手が挙がり続けている限り質問できるというルールがあったのに。最初は後ろに座っているので「私達が見えないのかな」とか思っていたんですが。
南さんが前に出て挙手をした時に、手を挙げているのを見た上で幹事役の記者が「はい、終わります」と打ち切りました。後で調べたら、官邸の上村秀紀報道室長側が幹事社の番記者に、「今まで通り番記者には何回でも何問でも聞かせるけど、望月の質問はどうしても制限させてほしい」と要請していた。それが解って、政治部に「何でそんな事、呑んだのですか」と抗議したら「いや、承認していない。要望を承っただけだ」と。
池田:結局、言いなり。
望月:今は記者クラブよりも官邸の方が、明らかに力関係が上になっているのでしょう。
それからは、今度は菅官房長官が「国会で言いました」とか「どこそこに聞け」みたいに、まともに答えなくなりました。朝鮮民主主義人民共和国の問題を質問したら、「それは金(正恩)委員長に聞いて下さい」とかね(笑)。昨年12月28日には、上村報道室長名で官邸記者クラブに、2日前に行なった私の沖縄・辺野古の埋立て現場で赤土が広がっているという質問が「事実に基づかない」として、「記者の度重なる問題行為は深刻だ」等とする例の文書を出してきました。
池田:結局、望月さんが質問した事が「事実」だった。
望月:後で聞いたら、菅官房長官側は質問のすぐ後に防衛省の広報に、「望月があんなこと聞いてきたが、大丈夫か」と問い合わせた。そしたら「適法にやっております」という返事だったので、「望月はとんでもないことを聞いてきたぞ。これで、あいつを記者会見から出せる」と思ったようで、あんな文書を出してきたようです。ちゃんと調べれば、分る事なのに。それで私が1月に「辺野古工事で防衛省:県に無断-土砂割合変更-環境に悪影響の恐れ」と一面で記事を書いたら官邸からの抗議が止まりました。2月に『東京新聞』として、それまでに9回来ていた官邸の抗議文についての検証記事を書いたとはいえ、上村報道室長名の抗議文書は、まだ記者クラブに貼ってありますが(苦笑)。
池田:話を聞くと、菅さんって人間的に器が小さいですよね。
望月:官亭前でデモを行なった前日からは質問妨害は止まっていますが、一時期は、菅官房長官が記者達からも「印象が悪くなるので止めた方がいい」とも言われていたようです。
でも「俺は、あいつが嫌いなんだ!」とか(苦笑)。中曽根康弘政権の官房長官だった後藤田正晴さんは、執拗に嫌味な事も含め質問する地方紙の記者とも、そのやり取りを楽しんでいたと聞きました。その記者から突っ込みがない日は「おい、今日は質問しなくていいのか」と逆に記者に聞いてきたという。度量の大きさという点で、菅官房長官とは全く違う。
─「菅次期首相」論が出ているけれど、とんでもない。
望月:記者にしても、昔は「厳しい質問をしてなんぼ」という気構えがあったと聞きます。
先日、ある記者が、官邸の抗議文書を問題視して取材している記者に「今回は国民の知る権利を守るのか、それとも我々記者クラブの知る権利を守るのかの闘いなのだ」と語ったと聞きました。官邸の抗議文の問題は、そんな事ではありません。メディアとは何か、知る権利とは何かという、もっと本質的な事が問われているというのに、唖然としました。
池田:言論も、どんどん慣らされているのですね。戦前が示すように、教育とメディアを押さえればファシズム体制は完成するけれど、それが安倍政権によって進行しているのでは。
『朝日新聞』の記者だった、むのたけじさんが100歳ぐらいの頃にインドネシアでの従軍記者時代の事を聞き取りに行ったのですが、「日本が戦争に突入する直前の1930年代の空気と現在が、あまりに似ているので、とても怖い」と仰っていました。
私達の資料館を訪れる戦前生まれの御年輩の方々が何人も、同じような事を口にされます。明るい話はないけど、とにかく「不正義は永遠に続かない」と思うしかないわね。
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いけだ えりこ-NHKのプロデューサー時代、「ETV特集」等で人権や戦争といった多数のテーマで番組を制作。定年退職後、日本軍「慰安婦」の被害と加害の実態を展示する「女たちの戦争と平和資料館(wam)」館長に就任。
もちづき いそこ・『東京新聞』社会部記者。(基本文献-週刊金曜日/管理者:部分編集)
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《今、密室取り調べの扉が開く!》
◎主催:大阪弁護士会
◎2019年6月1日(土)開会13時~16時
◎場所:大阪弁護士会館2階ホール(大阪市北区西天満1-12-5)
◎内容:①プロローグ:取り調べの可視化法-ないとき/あるとき
②徹底解説!可視化法
③人質司法の打破に向けて
④パネルディスカッション-取り調べの可視化から、取り調べへの弁護人立会へ
◎参加費:無料
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*大阪府労働相談経験10年以上。*産業カウンセラー資格、有り。
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(民守 正義)
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