リベラル勢力総結集で政権交代!(226)
《Ken Sway Kenと管理者の【緊急事態条項等、憲法改悪阻止】》
《【「秋風事件」】戦時中、ドイツ人らをスパイ容疑で虐殺:父が目撃した「秋風事件」/竹林 一浩(ジャーナリスト)》
76年前の3月17日、日本海軍がドイツ人宣教師ら60人あまりの民間人を船上で皆殺しにした。宣教師の出身地の教会で毎年、追悼礼拝が行なわれてきたが、日本では知る人さえ殆どいない。事件を目撃し繰り返し、その時の様子を子らに語っていた元乗組員がいた。
その証言を基に事件の実相に迫る。
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太平洋戦争中の1943年3月17日、南太平洋・ニューギニア島の北にあるビスマルク海を航行していた日本海軍の駆逐艦「秋風」上で、主にドイツ人からなる宣教師や修道士・修道女ら60人あまりの民間外国人が、皆殺しにされるという事件が発生した。
これは「秋風虐殺事件」と呼ばれるが、歴史の中に埋もれ、忘れ去られようとしている。
何故なら軍の機密として箝口令が敷かれたのは勿論のこと、この4カ月後には「秋風」自体が空襲を受け大破し、殆どの幹部が戦死。修理後の44年11月には南シナ海で撃沈され、全乗員と共に失われてしまったからだ。敗戦後、東京に置かれたオーストラリア戦争犯罪部局が調査を開始。最後の出撃までに配置転換されて、撃沈を免れた元乗組員を探し出して証言を突き合わせ、秋風が所属していた第八艦隊幹部を拘束したが、米国の対日政策が変わる中で起訴却下となり、遂に責任が究明されないまま終わってしまった。
事件から76年、新たな証言が今年、秋風乗組員の遺族から浮上した。「下士官が軍刀で宣教師の首を切り落とした後、『ステンレスの刀でも結構、切れるな』と話していた─と、父は何度も言っていました」そう語るのは京都市の介護士・岡山正規さん(66歳)。
二次証言ではあるが、貴重な証言であることから、インタビューを依頼された。
私はこれまで、戦争中に尋問を受けた日本人捕虜らに取材をした事等はあったが、秋風事件については聞いたことがなかった。2月下旬、京都市内に正規さんを訪ねた。
正規さんの父、故・政男さんは23年、滋賀県苗村(現・竜王町)に生まれ、高等小学校卒業後、実家で農業に携わっている内に徴兵されて水雷士となった。比較的待遇の良い潜水艦乗りを志願して、配属されたという。魚雷を「魚形水雷」と呼び、「急速潜航する時には、艦首を重くするため、乗組員が米俵を背負って魚雷発射室に駆け集まってきた」と、艦内の様子をリアルに語っていたのが印象に残っている。長男の正規さんが小学校低学年の頃に、父は戦争の話を時おり語るようになった。政男さんは、太平洋戦争開戦の41年には「秋風」配属となった。21年建造の秋風は、この頃には老朽化し、輸送等の後方支援活動に従事。
開戦翌年からは、日本軍の大規模な基地があったラバウルを拠点に、ニューギニア方面で活動するようになる。豪州国立公文書館に残る記録等によるとニューギニア島は、東北部が第一次世界大戦までドイツの植民地だったこともあり、20世紀初めには、ドイツ等から来た宣教師や欧米からの入植者が住んでいた。こうした人々を集めて、ラバウルへ移送するよう命令されたのが秋風だった。カイリルー島から42人、マヌス島から20人の計62人で、成人の男性34人、女性25人に、3人が子供だった。殆どがドイツ人だった。
「そんなに大勢の外国人を見たことがなかった」と、政男さんは驚いたという。
島々で彼らを乗艦させたときは、政男さんも「戦火にのまれるニューギニアから、安全なラバウルまで移送する」と聞いていた。しかし途中でニューアイルランド島のカビエンに寄港した後、艦内を一転、不穏な空気が支配した。外国人達は「スパイと解ったから処分する」事になったというのだ。命令を受けて急いで、甲板の最後ろ語尾に処刑用の仕掛けが作られた。約2メートル四方の木製の平台と、その上に絞首台のような木組みが作られ、上の梁の中央には滑車をつけて、端にフックをつけたロープを通した。
この処刑台と正対して機関銃が据えられた。目隠しの布が後部甲板を横断して張られ、艦が全速航行を始めた。エンジンと風の騒音によって、船尾で発生する音が前方に伝わりにくくなる。宣教師達は船首の船室に入れられていた。正午過ぎ「処分」作業が始まった。
一人ずつ船室から連れ出され、船尾まで連れて来られた。政男さんの話によると、最初は宣教師の男性。衣服をはぎ取られ、下着姿で目隠しをされ、手を縛られて、ひざまずかされていた。下士官が「試し切りをしよう」と言って、宣教師の傍らに立ち、軍刀を振り下ろしたという。政男さんの目に、血しぶきと共に首が転がり落ちるのが見えた。
これまでの史料では、全員銃殺となっていたが、斬首は政男さん独自の証言だ。
目撃談は続く。最初2人の宣教師が斬首された後、残りの人々は、縛られた両手をフックに引っ掛けて処刑台に吊り上げられ、機関銃とライフルの一斉射撃で殺された。
ロープを緩めると、死体が海に滑り落ちるようになっていた。男性そして女性の順に大人が殺害された後、子供達が残った。政男さんの傍らにいた乗組員が、3歳位の男の子を抱いていた。上官が来て、海に投げ捨てるよう命じた。乗組員がたじろいでいると、上官が軍刀を抜いて「捨てんかっ!」と恫喝し、遂に男の子を投げ落としたという。
公文書館の記録によると全てが終わるまで、2時間50分。3分に一人を「処分」する、機械的な殺害だったことになる。政男さん達は、血に染まった甲板をデッキブラシで掃除させられたという。事件の後、政男さんは転属命令が出て秋風を降りた。
暫くして秋風が、南シナ海で魚雷攻撃を受けて撃沈された事を知った。
魚雷の命中の瞬間、夜の海が真っ赤になり、秋風は二つに折れて沈んだ。
乗組員は全員戦死─。そう聞いたとき政男さんは「天罰というものは、あると思った」と、語っていたという。戦後、政男さんは兵庫県神戸市に住み、一時GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)関係の西宮市にあった事務所で仕事を得た。就職して間もなくすると、GHQが秋風事件の関係者を探しているとう情報が耳に入ったが、政男さんの下には、やって来なかった。政男さんも自ら名乗り出る事はなかったが、結婚して恵まれた正規さんや弟2人の子供が、海に捨てられた子供と同じ年頃になると、「何かあるじゃないかと心配だ」と不安を漏らしていたという。秋風事件は戦後、ドイツにも伝えられた。
しかし荒廃した国土に、戦災と東西分断による難民が溢れる中で、ナチスの残虐行為が数多く暴かれ、その戦争犯罪追及を進めていったドイツ社会では、大きな関心は向けられなかった。ただ犠牲者の内、最大の宣教団を率いていたヨーゼフ・ラークス司教の出身地、西部カルカーの教会では、毎年3月にずっと追悼礼拝を続けている。75周年となった昨年の礼拝には、遺族も参加した。教会のアロイス・ファン=ドールニク司教は「ラークス司教のように、困難を越えて世界の架け橋となる若者を育てたい」と話す。
正規さんは思春期以降、父・政男さんに反発して、あまり口をきかなかったため、詳しい軍歴も事件の細かな情報も聞かないまま、政男さんは1985年に亡くなった。
そのことを後悔する気持ちも、父の証言を語る動機となった。「戦争を嫌悪していた父は、親戚が私に『自衛隊に入ってはどうか』と声をかけただけで激怒し絶縁したほどで、軍隊時代のことを話したがりませんでしたが、唯一の例外として、秋風事件の話は繰り返し語っていました。特に母の弟が訪ねてきたときには、気が合っていたのか、この話が必ず出ていました。そして必ず、深酒をして眠ってしまって….」と正規さん。
「歴史のリアルな細部を教訓として伝えていかないと、また厚顔無恥にも、同じ過ちを繰り返すのじゃないか」。正規さんは、断片的ながらも父の遺した証言を伝える気持ちを、こう表す。(週刊金曜日/管理者:部分編集)
《【幸福度】日本58位、国連の「幸福度」って何?生き方考える叩き台》
金儲けや立身出世を幸せだと感じる人もいれば、平凡な暮しこそ幸せと感じる人もいる。
そこに優劣があるとは思えないが、他人と比べてみたいのも人情である。
国連が3月に発表した「世界幸福度報告書2019年版」で日本は156カ国・地域中58位(前年54位)と過去最低だった。改めて問いたい。幸福度って何だろう。
<世界観に文化の違い>
ここで論じる「幸福度」とは、主観的な幸福感を測る尺度と理解してほしい。
「最高の人生」を10点、「最低の人生」を0点とした場合、今の感覚を0~10点で答えてもらった数値の平均値だ。原則として毎年、各国約1000人に聞き取り、19年版は16~18年の3年間の平均値から国・地域の順位を付けた。日本の順位は前年よりも四つ下げた58位。
幸福度も0.029ポイント減の5.886点だった。日本を礼賛する番組や書籍が目につくが、主要7カ国(G7)では最下位だった。各国の状況を表にまとめた。
1位はフィンランド(幸福度7.769点)で、上位4カ国を北欧が占めた。英国15位(同7.054点)、ドイツ17位(同6.985点)、米国19位(同6.892点)と続く。アジアでは、台湾が25位(同6.446点)、韓国が54位(同5.895点)、中国は93位(同5.191点)だった。
この結果をどう見るのか。慶応大教授で、幸福学を専門とする前野隆司さんは「基本的に調査の質問は欧米の人が考えており、欧米が有利になる傾向があります。それはズルをしようというのではなく、どうしても彼らの幸福観に偏ってしまう。例えば英語で幸せを意味する『ハッピー』と、何かが起きるという『ハップン』とは語源が一緒。つまり動的な幸せです。一方、日本には平穏無事、つまり何も起きないという幸福観があります。平穏無事とハップンの世界観を比べる事に元々、無理があると思います」。
主要7カ国最下位でも悲観する事はないのだろうか。
国内を対象にした調査では、日本人が生活に「満足」しているという結果もある。
内閣府が昨年8月に公表した「国民生活に関する世論調査」で、現在の生活に「満足」「まあ満足」と答えた人は合わせて74.7%(前年73.9%)に上り、この質問が調査項目に加わった1963年以来、最高となった。日本と米国との幸福像の違いを「バランス志向的幸福像」と「増大的幸福像」に区別するのが、京都大こころの未来研究センター教授の内田由紀子さんだ。「米国では若く健康で高い教育を受け、収入が高く、いい仕事を持ち、自尊心の高い人が『幸福な人物像』となります。一方、日本では自分だけが飛び抜けて幸福であるよりは、人と比べてそれなりに幸せであるという関係性のバランスが重視されます。自然災害が多い日本では助け合わなければいけない場面もあったはずで、それは生きる知恵でもあります。幸福度については、ある程度水準が満たされているかを理解するために何らかの数値が必要ですが、順位付けには意味を感じません」と、幸福度の平均値の国別比較には否定的な見解だ。
<順位上下に設問影響>
国連は「世界幸福度報告書」で算出した各国の幸福度を、別に設けた質問やデータを使い、主に六つの指標で分析した。各々の指標に日本の順位を当てはめてみると(1)1人当たりの国内総生産(GDP)24位(2)社会的支援50位(3)健康寿命2位(4)人生の選択の自由度64位(5)社会的寛容さ92位(6)社会の腐敗度39位-となった。
神戸大特命教授の西村和雄さんらの研究チームは昨年、この報告書とは別に、学歴や収入よりも自分の進路を決める「自己決定度」が日本人の幸福感に大きく影響するという調査結果を発表した。国連報告書の「人生の選択の自由度」が64位と低いのは、自己決定度の低さに関係があるのだろうか。西村さんは肯定した上で「例えば先進国の中で日本の女性の就業率の低さは、女性が自分で決定できる度合いが少ないという事です。女性の就業率を上げ、経済的自立が高まれば、幸福度を上げる事にも繋がるでしょう」と説明する。
「収入」「学歴」も幸福度を左右すると思いがちだが、西村さんの調査では、世帯年収1100万円を超すと幸福感の伸びが頭打ちになり、「学歴」は殆ど影響がなかった。
「『収入』がある程度上がり、毎日の暮しに余裕ができ、慣れもあれば、幸福感の伸びが鈍るのでしょう。『学歴』が殆ど影響しなかったのは驚きでした。では、どういう人が『学歴』に強く幸福感を持つかを考えると、高学歴なのに思ったような収入や仕事を得られていない人なのではないか」と推測する。首を傾げたくなる指標もある。日本が92位と、順位を大きく下げる要因にもなったとみられる「社会的寛容さ」だ。確かに現在の日本の現状を見ると、ヘイトスピーチ問題やインターネット上での個人攻撃・炎上等「社会的寛容さ」を失った事が反映されたのかと想像してしまう。ところが「生きがい」について研究している皇学館大准教授の遠藤司さんは「世界幸福度報告書で示す『社会的寛容さ』とは『過去1カ月間にチャリティーへ寄付をしたか』という問いへの回答と、1人当たりのGDPとの比較で出された順位です。日本人の感覚として、チャリティーへの寄付の多少だけで社会の寛容さを比較できるのか。ここでのチャリティーにはキリスト教の影響があり、罪の思想や労働観にも関係してきます。東日本大震災の時のボランティア活動やサッカー・ワールドカップの時の会場のゴミ拾い等を考えると、寄付の多寡では測れない寛容さもあるのでは」と疑問を投げ掛ける。更に日本が50位となった「社会的支援」も、ここで尋ねられているのは「あなたが困っている時、助けてくれる親類や友人はいますか」という内容だ。
貧困問題等に詳しい作家の雨宮処凛さんは「社会的支援が50位と知り、意外に高いと感じたのですが、問われたのは個人的な人間関係だけ。年金や生活保護など行政による公的な社会支援ではありません。日本の場合、生活保護を受けるというと、罰を受けるみたいな酷い恥の意識を負わなければいけない。公的な社会支援を含めたら、日本はもっと低い順位なのではないでしょうか」と話す。どうやら設問内容の影響を受けて、日本が有利になったり、不利になったりするようだ。
<「新しい寄付」に希望>
幸福度の順位や変動に一喜一憂する必要はなさそうだが、全く意味を成さないのだろうか。前出の前野さんは「北欧が上位を占めた事は重要です。税金は高いけども貧富の格差は小さい。多くの人が幸せだと感じられる国づくりから学ぶ事はあるはずです」と説く。
雨宮さんは国民の意識の違いを指摘する。「上位の国では、日本のように『障害者は生きる価値がない』と言った相模原障害者殺傷事件の被告や、『性的少数者には生産性がない』と言った国会議員に共通する『命の選別』をするような発言が、一定の支持を受けることはないでしょう」更にタイで昨年、豪雨のため洞窟に取り残された地元サッカーチームの少年達とコーチの救出劇について語り出した。「日本だったら、コーチの男性がネットで個人情報を暴かれて、家族も罵詈雑言を浴び、洞窟から出てきた瞬間に精神的に殺されるような状況になったのではないでしょうか。でもタイの報道では、そんな自己責任バッシングはなかったようです。しかも洞窟からの排水で、田んぼが水浸しになってしまった農家の人が笑って話していました。『子供達のために役立てて嬉しい、命の方が大切だ』と。それが当たり前です。それなのに今の日本では奇麗事を言う人が愚かに見える空気感があり、特に4、5年前から酷くなったように感じます」 確かに日本の今の幸福度の順位は報告書の通り「過去最低」なのかもしれないが、雨宮さんは明るい兆しも感じている。それは地域の子供達に無料や低料金で食事を提供する「子ども食堂」の広がりや、インターネットを通じて不特定の個人から資金を調達するクラウドファンディングなど新しい寄付の形だ。「年末年始に炊出しをしたいとか、こんな支援をしたいと情報発信すると、短期間に100万円位集まったりします。以前は100万円を集めるなんて大変でしたが、そういう層が育っている」と期待する。
そういえば昨年の西日本豪雨災害では、ふるさと納税制度で返礼品目当てではない、被災地への寄付が増えたことも話題になった。前出の内田さんがまとめた。
「幸福とは個人のものなのか、社会で考えるべきことなのかがずっと問われてきましたが、その両方を大事にしながら、人々との関わりの中で、どう自分の生きる意味を見いだしていくのかというように移り変わっています。幸福の研究とは人々が求めていることを正しく知り、議論するためのたたき台みたいなもの。私達が次の世代に、どういう国を残そうとするのかにも繋がる大切な事なのです」。数値の先を見据える必要があるというのだ。
さて、貴方の幸福とは?(参考文献-毎日新聞/文責:民守正義)
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