安倍政権の破滅的リスクと参議院選挙の展望(64)

《【虚像のアホノミクス】『マイナス金利』の私の一考と毎日-社説分析》

<「マイナス金利政策」私の一考>

 日銀はマイナス金利政策を「国債乱発」の失敗に次ぐ「第二黒田バズーカ砲」として導入した。私は「マイナス金利政策」は「国債乱発」を続けるよりは「金融政策」としては正攻法と評するものの、それが「正攻法的成果を得るかは別問題」との問題意識を提起したが、残念ながら、この問題意識は的中した。すなわち市中銀行が日銀に預けている国債を企業の設備投資への融資に回し実体経済への刺激が狙いだったが、「企業の設備投資意欲」自体が疲弊し、そのニーズがないほどデフレ不況が深刻化していることが読めなかったこと、市中銀行等-機関投資家は日銀預託国債を海外株式または為替差益の投機に回すなど、実体経済への刺激どころか、逆に「バブル投機」の促進・後押し効果になってしまったこと、更に黒田日銀総裁が「第二・第三のマイナス金利が有り得る」と言ったことが、逆に「第二・第三のマイナス金利は、国債暴落を招き、結局、これ以上のマイナス金利政策はできないだろう」との足元を見られ「このまま国債日銀預託しておいても然したる実損はないだろう」と読まれ、結果的に「マイナス金利政策は、悪影響はあっても効果なし」との状況に陥り一層「出口無きデフレ不況」となった。若干、補足的だが日銀黒田総裁自身が「マイナス金利は失敗」を認めたこと(既報済み)、アベノミクスの生みの親と言われる浜田宏一教授が「アベノミクスにはリスク(国債乱発等)がある事は安倍総理にも言ってある」とかパソナグループ竹中平蔵社長がアベノミクスの肝ともいわれたトリクルダウンについて「有り得ない(「朝まで生テレビ」にて)」と今頃になって開き直り前言撤回する等、徐々に安倍(経済音痴)総理から責任逃亡を図ってきている。にも関らず安倍(経済音痴)総理は3/2参議院予算委員会でも相変わらず、不適当な統計数字を用いながら「アベノミクスの成果は地方まで波及している」とか「デフレ不況からは脱却した」or「既にデフレ不況から脱却し景気は回復基調にある」等と、何とか国民に期待感を持たそうと躍起になっている。でも幾らウソツキ総理でも「国民の実感」までは騙せない。

 むしろ、そのような方便を言う度に国民の安倍政権に対するシラケと反発を招くだけで、意地悪く野党質問も、その「国民反発」狙いで挑発的に「アベノミクス評価」を問い質されている事に気づくべきである。「リベラル広場」としての「デフレ不況からの脱却」基本政策は、既にシリーズで何度も述べているので簡易に述べるが、基本的に勤労者にとっては「ピケティ理論-企業法人減税でなく、逆に法人累進課税と社会的再分配⇒一般消費喚起」にあり、その実現のためには「安倍政権退陣⇒勤労者政権の樹立」という階級的対立が大前提であることを明言しておく。(文責:管理者-民守 正義)

<「マイナス金利政策」社説分析の紹介(毎日)>

[副作用踏まえた見直しが必要:異例の金融政策-意図とは逆に不安広がる]

 日銀が「マイナス金利」という新たな金融緩和策を導入した。対象は民間の金融機関が日銀に預けるお金の一部だが、市場に与えた衝撃は大きく長期金利までマイナス基調になる異例の事態になっている。 毎日新聞の社説は、日銀が導入を決定した時点で、この政策の危険性を指摘した。その後も2度にわたって見直しの必要性を論じた。

 日銀は円安・株高を誘導し、アベノミクスの成果を演出してきた。しかし今回の追加緩和策には見過ごせない危うさがあると考える。その問題点を解きほぐしたい。

[手詰まり打開の奇策]

 「日銀がマイナス金利導入」という速報が論説室に入ったのは1月29日の昼過ぎ、別の社説を巡る議論の最中だった。論説委員の間からは驚きの声が上がった。黒田日銀総裁は、その8日前の参院決算委員会で「現時点ではマイナス金利を具体的に考えていない」と答弁していた。日銀総裁は、金融・財政政策を先読みして相場に織り込みたがる市場との駆け引きを余儀なくされている。発言を額面通りに受け取る訳にはいかないが、それでも今回の決定は想定外だった。副作用が大きく効果の見通せない「マイナス金利」は導入しないだろうとの市場の観測に説得力があったからだ。日銀自体が、この政策の危うさを認識している事は、導入を決めた金融政策決定会合での政策委員会委員の表決が、賛成5反対4と割れたことからも窺える。導入に踏み切ったのは、従来の異次元緩和の行き詰まりがハッキリしてきたからだ。2013年4月に「2年で2%達成」と宣言したインフレ目標は、3年になろうというのに射程圏にも入らない。円安・株高という効果も剥がれ落ちてきた。日銀が金融機関から国債を買い上げる量的緩和策は限界に近づいている。日銀が発行済み国債の約3割を買い占める格好になり、買い増す余地は限られてきた。そこでゼロ金利を更に引き下げるという奇策に活路を求めた訳だ。マイナス金利の実施期間に限界はなくマイナス幅も拡大できる。日銀は金融緩和の手段、持ち札を増やした事になる。

日銀は、今回の政策には民間の金利を押しなべて下げる効果があると説明する。しかし金利は既に超低水準にあり、僅かな低下が設備投資や消費を刺激して物価を押し上げるとは思えない。今、銀行の貸し出しが大きく増えないのは、企業の資金需要そのものが乏しいからだ。マイナス金利によって銀行が日銀に滞留させているお金を企業への貸し出しに回すよう促しても、その構造が変わらない限り効果は期待薄だろう。一方で副作用の大きさは測りきれない。「劇薬」の量や種類を増やしながら追加緩和を繰り返す日銀への信頼が揺らげば、その日銀が守るべき円の価値まで損ないかねない。

 1本目の社説は、マイナス金利を打ち出した経緯を踏まえ、行き過ぎた金融政策が多くの歪みを生み、経済の正常化を一段と遠のかせる事への懸念を強調した。

[評価したのは読売]

 「マイナス金利」の導入決定を巡り、各紙は概ね厳しい論調の社説を掲載した。朝日は「効果がハッキリしない政策に頼らざるを得なくなっている日銀の苦しい事情が見える」と分析し「内外経済が不安定になる度に、新たなサプライズを市場に与える今のやり方」が「限界に来ている」と指摘した。「脱デフレの機運を低下させないためにも、あらゆる手段で目標を達成する姿勢を示すべきだと判断したのだろう」と一定の理解を示した産経は「実需が盛り上がらなければ経済の好循環には結びつくまい」と金融政策に偏った経済再生策の限界を論じた。日経は、日本経済がデフレ局面に戻る事態を避けるため「日銀の対応は理解できる」としつつ、マイナス金利そのものについては「日本で、どこまで機能するかは未知数だ」と疑問符を付けた。更に「潜在成長率を金融政策で上げることはできない」「金融緩和ばかり目立つ状況は好ましくない」とアベノミクスの現状を批判した。

 一方、読売は「世界経済の先行き不安が強まる中、日銀が機動的な対応を取った事は評価できる」と好意的に取り上げた。円高防止や株価押し上げに加え、中小・ベンチャー企業の資金調達が円滑になる事で「新事業への投資拡大等が望めよう」と政策効果への期待を示した。 【管理者:読売・産経は政府広報新聞である事は御承知のとおり】読売は導入決定から1カ月近くが経過したタイミングで再び取り上げた。国民生活への悪影響を懸念する声が少なくない事を紹介しながらも「政策効果は長い目で判断したい」と論じた。

マイナス金利は当初、円高に向かいつつあった相場の流れを逆転し、株価にも好影響をもたらした。日銀の思惑が当たったかに見えた。

[銀行の機能を損なう]

 しかし、その効果は長続きしなかった。中国経済の減速懸念や欧州の金融機関の経営危機など海外の要因も重なって大幅な円高が進み、株価も急降下した。そして長期金利の指標になる満期10年の国債の金利が初めてマイナスになった。経済の先行きを心配する投資家が資金を国債に集中させ、日銀の狙いとは反対の流れが加速してしまったのだ。こうした市場の動きを受けて、毎日の2本目の社説は市場の梃入れを狙った異例の金融政策が、返って市場の不安を広げていると指摘した。このままでは日銀が大量に供給しているお金は、企業の投資等の実需に向かうより、マネーゲームの原資になる公算が大きい。そして、その結末は一般市民の生活を脅かす心配があるという事だ。その後も円高基調が続き、株価も芳しくない。市場では日銀が3月にも追加利下げに踏み切るとの観測が燻ぶり始めた。

しかし一段の利下げは金融機関の収益を悪化させ、資金の出し手と借り手とを繋いで経済活動を支えるという根幹の機能さえ損ないかねない。3本目の社説では、そうした金融機関への悪影響を論じ、それが企業や預金者にも及ぶ危険性を指摘した。リスクに見合った金利を確保できない銀行が中小企業への融資を見合わせたり、預金者から手数料を取ったりする事態も起こりうるという事だ。マイナス金利政策は、消費者を生活防衛に向かわせている。それはインフレを目指す日銀の思惑とは反対にデフレ心理を広げている。

 日銀は副作用を精査し、柔軟な姿勢で政策の見直しを検討すべきだ。(管理者部分編集)

《【腐蝕する安倍内閣】21世紀の世界の良心・言語学者のチョムスキーがウルトラナショナリスト安倍(戦争)総理を強く批判。非常に危険。》

生成文法や言語生得説で著名な言語学者のノーム・チョムスキー氏は、アメリカという一国家を超えた「世界の良心」と呼ばれる存在だが、彼は現在の日本の危うさをもたらしている「ウルトラナショナリストの安倍晋三」を強く批判している。

<以下、その講演要旨【行動し発言する碩学】>

 日本は現在、ある種のウルトラナショナリストの首相とその政権が支配しているわけですが、この人物は明らかに9条‐憲法の平和主義条項を切り捨てようとしている訳ですが、私は最悪だと思います。アジアの人々達は、まだ幾らか日本帝国主義についての記憶が残っている訳です。それからもう一つ、日本では長い間、自国のアジアにおける戦争犯罪を過小評価しようという試みがなされています。歴史家の家永三郎氏はそうした中で、最低限の事実を歴史教科書に含めようと闘い、幾らかの進歩があったのですが、それがまた後退してしまいました。例えば南京虐殺否定論であるとか、そんなような類です。

因みに、この土台はアメリカによって作られたのです。戦後、アメリカは単独で日本を占領しました。本来ならば全ての戦争関係国を含む極東委員会による統治であったはずでした。アメリカは、それを全部追い出して単独で勝手に占領支配したのです。それから対日講和条約として1951年にサンフランシスコ講和条約が結ばれました。この講和条約は日本の戦争犯罪を告発していますが、良く見て下さい。その戦争犯罪とは1941年12月7日(真珠湾攻撃)からのものなのです。それ以前に行われた10年間の恐ろしい犯罪は一切考慮されないのです。何故ですか。結局それはアジア人に対する犯罪だったからです。

ジョージ・オーウェルの言葉を借りれば「非民(unpeople)」という訳です。1941年12月7日(真珠湾)は違いました。それは「人間」に対する犯罪だったからです。この講和条約の内容は、あまりに恥知らずなものであり、当時のアジア独立国は会議出席も拒んだほどでした。インドも拒否しました。セイロンは当時イギリス植民地であったため出席しなければならず、フィリピンは義務的に出席せねばなりませんでしたが。しかし独立していたアジア諸国は出席を拒否しています。そして、それが土台になっている訳です。更に言うと1947年の有名な「逆コース」によってアメリカは実質的に戦前の日本の体制を復古させ、社会に存在していた民主的な要素を壊していきます。それが日本は、こういった復古的政策を維持し続ける事ができるようになった基盤になってしまったのです。

私は、これは物凄く悪い事であると思います。それは別に中国が今やっている事を褒めるという事ではありませんし、ベトナム等に対して中国が現在、行っている事等、本当に酷いものだと思いますが、それは別の話です。日本が平和主義憲法を捨てるという事について、私は非常に危険なことだと思います。

(注)1947年の「逆コース」とは、民間人(高野岩三郎・鈴木安蔵ら)による憲法案を基に「日本国憲法」案をつくったアメリカ民生局の民主主義派から、タカ派のトルーマン大統領の国家主義派(日本を対ソビエトの防波堤にする)への転換のことを言います。占領から僅か2年もたたずしての急旋回は、その後の様々な矛盾の原因となり、戦前の日本権力者達の復古的な保守主義を再興しました。A級戦犯の安倍の祖父(岸信介)が戦後に総理大臣になることができたのも、いま安倍(戦争)総理が強権を振るえるのも「逆コース」故です。【管理者:チョムスキー氏の「戦前復古主義=逆コース」論も一考に値するとして、日本会議や自民党等の右翼が、よく言う「押し付け憲法論」を逆利用して「GHQが恩赦で釈放したA級戦犯連中(岸信介・児玉誉士夫等)を1951年サンフランシスコ講和条約以降、再び日本の独立司法権で死刑にすべきだった」と主張する真正右翼(三島由紀夫・北一輝・大川周明等の右翼思想・理論を引き継ぐ右翼団体・思想家等)や一部左翼系評論家等も少なからずいる。その意味でも安倍(独裁)総理や自民党・日本会議が実はエエ加減な似非保守団体と言える】(思索の日記/管理者一部編集)

【ご案内1】

動画「卒業~アベ政治からの卒業~」をご覧ください。面白いですよ♪

https://www.youtube.com/watch?v=Q4rwbXwAVbk&feature=share

【ご案内2】

「沖縄に『建白書』を実現し未来を拓く島ぐるみ会議」

◎活動のご案内と寄付のお願い

  *詳しくは【サイト/[島ぐるみ会議]http://shimagurumi.org/】をご覧ください。

【ご案内3】[ナビラ募金への御協力のお願い]

パキスタンでの戦争やテロによって教育を受けられなくなったナビラさんの兄妹たちが、教育設備の充実したペシャワールの「Smart School等」で寄宿舎生活により教育を受けることができるよう「ナビラ募金」を起ち上げ、早急な支援を実施していくことといたしました。年間で二百万円ほどの資金が必要です。募金先は、三菱東京UFJ銀行赤坂見附支店、普通預金口座0280580「一般社団法人現代イスラム研究センターナビラ募金」。

問い合わせは当センター☎042(426)8280までお願いいたします。多くの皆様にご賛同頂き、ご協力を賜りたく思います。[一般社団法人 現代イスラム研究センター]

*なお「現代イスラムセンター」理事長 宮田律さんは、「リベラル広場」とも友好的にお付き合い頂き、過日も投稿してくださり、イスラム諸国の平和立国としての日本の価値と非武装・非軍事援助の重要性を「戦争関連法」反対の中で力説しています。

(民守 正義)