安倍政権の破滅的リスクと参議院選挙の展望(63)

《【マスコミの歪み1】『NEWS23』攻撃の呼びかけ人、ケント・ギルバートをTBS、NHKがコメンテーターに起用! 安倍別働隊に屈服するテレビ局》

どうやらTBSは安倍政権の別働隊に屈服してしまったらしい。2月29日放送の『ひるおび!』になんと、あのケント・ギルバート氏(日本会議)が初出演を果たしたのだ。

 この日の特集は、アメリカ大統領選スーパーチューズデーで、ギルバート氏は、国際政治学者の春名幹男-早稲田大学大学院客員教授と共に大統領選について解説するコメンテーターとして呼ばれたのである。しかしギルバート氏は、ただアメリカ人というだけでジャーナリストでも政治の専門家でもなんでもない。しかも、このアメリカ人タレントは一昨年の朝日慰安婦報道問題の辺りから急に右旋回し「従軍慰安婦は捏造」「基地反対派は中国から金を貰っている」なるデマや陰謀論を披露、ゴーストライターを駆使して粗悪な嫌中本等を次々と出版する等ネトウヨビジネスを展開している。こんな人物をテレビに出演させるだけでも驚きだが、更に問題なのは、ギルバート氏が例の「放送法遵守を求める視聴者の会」の呼びかけ人であるという事実だ。安倍(独裁)総理の応援団を中心に結成された、この「視聴者の会」は、新聞意見広告を使ってTBSの報道番組『NEWS23』のアンカー・岸井成格氏を「政治的偏向」「放送法違反」と標的に攻撃。番組降板まで追いやった。ギルバート氏は、その「視聴者の会」の呼びかけ人の一人として、記者会見でも積極的に「メディアの偏向」を批判していた。つまり彼は放送法を曲解して、TBSに報道圧力をかけた張本人なのだ。そしてTBSは「公正中立」を盾に報道の自由を封じ込めようとする安倍別働隊の圧力に対して抗議もせず、岸井氏を排除しておきながら、一方で、その報道の自由を圧殺しようとした安倍応援団を番組に出演させたという事である。

いったいTBSは何を考えているのだろう。因みにギルバート氏は番組で、自分が共和党支持者で、マルコ・ルビオ候補を支持していることを表明。話題がドナルド・トランプ候補に及ぶと、妻がトランプ氏を支持していると告白して、こんなエピソードを話していた。

「『お前バカじゃないの?』って言ってやったのですけど(笑)。そしたら(妻が)『違うの、貴方ずっと日本にいるから右に染まって』─あ、違った『左に染まったんだ』って言うんですよ」日本ではネトウヨ丸出しのギルバート氏がトランプ嫌いとは意外だが、しかし、これ「視聴者の会」的に言うと立派な政治的偏向発言ではないだろうか。それとも、ギルバート氏は日本人に政治的発言は許されないが、アメリカ人はOKとでも考えているのだろうか。それはともかくTBSは、この程度のヨタ話しかできない人物を、わざわざコメンテーターに起用したのだ。しかもギルバート氏を起用したテレビ局はTBSだけではなかった。同氏は2月28日にはNHKの『日曜討論』にも登場。やはり大統領選について得々と意見を述べている。因みに、この番組では司会の島田敏男・NHK解説委員から共和党支持者がオバマを嫌う一番の共通する原因は?と尋ねられ、「一番の原因は、人種問題とは言いたくないですけど、ないとは言えない」と、共和党支持者である自らの差別性を認めるような発言を行っていた。米大統領選を論じる事のできるコメンテーターなんていくらでもいるのに、TBS更にはNHKまでが、こんな人物を起用するというのは、やはり視聴者の会へのご機嫌取りとしか考えられない。呼びかけ人を出すことで、安倍政権の別働隊としてテレビ局に圧力をかけてくる団体に、なんとか御目溢しをして貰う。そんな意図があったと勘ぐられても仕方がないだろう。一方ギルバート氏の倫理観も甚だおかしい。

もし本気でテレビ局を監視・糾弾しようというなら、その監視対象とは距離をおかなければならないはずだ。なのに糾弾した局の番組に平気で出演して出演料を貰う。これでは企業を脅して金をとる総会屋と変わりがないではないか。政治学者の中野晃一上智大学教授は『NEWS23』の岸井氏降板問題を巡って、メディアは気づかない内に「スーッと静かに右にずれていく」と指摘していた(「週刊金曜日」金曜日/15年12月25日・1月1日合併号)。しかし、このギルバート氏の起用を見ているとテレビの権力への屈服、右傾化は「スーッと静かに」ではなく、露骨に凄まじい速さで進んでいると言わざるをえない。

この調子だと、どこのチャンネルに合わせても、安倍政権の応援団だらけという悪夢のような状況が現実になる日も近いだろう。【管理者:ケント・ギルバートは元モルモン教宣教師。それが何故か最近は安倍内閣をバックアップする日本会議の広告塔の役割を果たし日本会議主催:講演活動等を行っている。米国では弁護士資格を持っているようだが当然、日本では弁護士活動ができず、法律コンサルタント・タレント業が肩書になっているが、それ以外に特筆すべき能力・資格はない。このようにズバリ「本物右翼」をコメンテーターに起用するようになった日本メディアは「死んだ」と言っても言い過ぎではない。

国民運動で、山本太郎議員のパフォーマンスにあやかってTBS・NHKに「葬式行列デモ」を繰り出そうではないか】(リテラ/管理者一部編集)

《【マスコミの歪2】「私たちは怒っている」高市発言に抗議》

高市早苗総務相が放送法4条違反を理由にテレビ局に「停波」を命じる可能性に言及したことについて、テレビ朝日「朝まで生テレビ!」の司会者田原総一朗さんやTBSテレビ「ニュース23」のアンカー岸井成格さんらジャーナリスト6人が29日、東京都内で会見を開き「私達は、この一連の発言に驚き、そして怒っている」とする声明を発表した。

会見したのはジャーナリストの青木理さん、大谷昭宏さん、鳥越俊太郎さん、TBSテレビ「報道特集」キャスターの金平茂紀さんに田原さん、岸井さんを加えた6人。出席はしなかったがテレビ東京「週刊ニュース新書」で司会を務めるジャーナリストの田勢康弘さんも声明の呼びかけ人に参加している。声明では「高市」の発言を放送法や憲法の精神に反するものだと批判。更に「現在のテレビ報道を取り巻く環境が著しく『息苦しさ』をましていないか」として「自主規制、忖度、萎縮が放送現場の『内部から』広がることになっては、危機は一層深刻である」と訴えた。青木さんは「政権と政権の応援団がメディアを非常に不当な形で攻撃してきているという事実を真剣に受け止め、黙っていられないという思いでここに来た」。大谷さんは「視聴者に既に多大な影響が出ている」と指摘。

東日本大震災の被災地で復興が進んでいるところを取材しようとすると「復興がなっていないのに、アンタ方は、そういう取材をさせられているのだろう」との批判を受けると語った。金平さんは「自主規制とか忖度とか過剰な同調圧力や、それによって生じる萎縮が、今ぐらい蔓延している事はないと、自分の記者経験から思う」。田原さんは「『高市』の発言は非常に恥ずかしい。全テレビ局の全番組が抗議すべきだが、残念なことに多くのテレビ局の多くの番組が何も言わない」と語った。鳥越さんは「これは政治権力とメディアの戦争。政治権力側が一方的に攻勢を強め、メディアが後退している。ここまで露骨にメディアをチェックし、牽制してきた政権はなかった。下から変えていくしかない。声をあげましょう」と呼びかけた。また3月で「ニュース23」のアンカーを降板する事について岸井さんは「私個人は圧力に屈したとは思っていない。具体的に私に言ってくる人は誰もいなかった。交代は局の意向」と説明した。岸井さんが番組で「(『戦争関連法案』に)メディアとしても廃案に向けて声をずっと上げ続けるべきだ」と発言した事について、保守系の学者らでつくる「放送法遵守を求める視聴者の会」が昨年11月「放送法に対する違反行為だ」と批判する意見広告を産経新聞と読売新聞に出した。広告への感想を問われた岸井さんは「低俗だし品性どころか知性のかけらもない。恥ずかしくないのか」と答えた。【管理者:真に「メディアの健全化」を図るには「安倍」と会食・接待を受けているメディア幹部・御用評論家等を除いて、良心的メディア関係者と視聴者(国民)が連携・団結して「高市発言-撤回」を求めるしかない。それと日放労・民放労連も、しっかりして!】(管理者一部編集)

《【マスコミの歪3】安倍自民党のテレビ支配強める- NHK籾井会長の“延命懇願”》

NHK籾井勝人会長が28日、自局の番組に約8分間生出演し不祥事連発を謝罪した。無表情ながら「心からお詫びします」と語り頭を2回下げた。籾井会長が主導した350億円もの用地買収計画が昨年12月に表沙汰になって以降、醜聞が続発。子会社「アイテック」の2億円着服事件の発覚や、危険ドラッグ所持でアナウンサー逮捕、さいたま放送局ではタクシーチケットの私的流用がバレた。「NHK予算審議が絡む、この時期は必ずと言っていいほどトラブルが表に出ますが、着服と私用タクシーは官邸筋から漏れたと言われています。舌禍癖のある籾井会長を官邸が見放し後任会長のリストアップを進めているという話も広がっている」(永田町関係者)籾井会長は報酬の50%を2カ月間自主返納するとし「私自らリーダーシップをとって着実に改革を進めてまいります」と胸を張っていた。「視聴者にお詫び」と言いながら保身に走る籾井会長の安倍官邸への決意表明のようだった。何故なら自民党総務会の風当たりも厳しさを増し、2016年度予算案を2回も突き返される異常事態。改革についての報告を条件に3回目にようやく了承された上、用地買収に関する国会答弁にも疑惑が持ち上がっているから籾井会長も必死だ。1月の衆院予算委で「契約に向けた具体的な手続きにさえ入っておりません」と話したが、昨年11月の理事会で説明があったと報じられた。全く食い違い、この先は「偽証」も追及されかねない。「テレビでの謝罪は、辞める気がないという意思表示。尤も追い込まれた籾井会長は官邸しか見えていない状況でしょう。NHK予算の国会承認は全会一致が慣例ですが、籾井体制になってから3年連続で自公与党と一部野党しか承認しない前代未聞の事態。これまでも官邸の意向を忖度して番組内容に口を挟んでいましたが、それに拍車が掛かりかねません」(OBの立花孝志氏=船橋市議)

 籾井会長の延命懇願の浅はかな立ち回りのせいで、安倍自民のテレビ支配がますます強まる。【管理者:籾井会長を推薦したのは麻生財務大臣と言われているが「麻生炭鉱」のボン助が「麻生」。その「麻生炭鉱」に近隣する「籾井炭鉱」のボン助が「籾井」。どちらも戦時中「中国・朝鮮人の強制労働」で有名である】

【ご案内1】

T-nsSOWL west × SEALDs KANSAI × SADL

〔安保法制の廃止を求める大阪デモ〕

日時:3月6日(日)14:00~集会スタート(14:30~デモ出発)/集合場所:靭公園

【ご案内2】

「沖縄に『建白書』を実現し未来を拓く島ぐるみ会議」

◎活動のご案内と寄付のお願い

  *詳しくは【サイト/[島ぐるみ会議]http://shimagurumi.org/】をご覧ください。

【ご案内3】[ナビラ募金への御協力のお願い]

パキスタンでの戦争やテロによって教育を受けられなくなったナビラさんの兄妹たちが、教育設備の充実したペシャワールの「Smart School等」で寄宿舎生活により教育を受けることができるよう「ナビラ募金」を起ち上げ、早急な支援を実施していくことといたしました。年間で二百万円ほどの資金が必要です。募金先は、三菱東京UFJ銀行赤坂見附支店、普通預金口座0280580「一般社団法人現代イスラム研究センターナビラ募金」。

問い合わせは当センター☎042(426)8280までお願いいたします。多くの皆様にご賛同頂き、ご協力を賜りたく思います。[一般社団法人 現代イスラム研究センター]

*なお「現代イスラムセンター」理事長 宮田律さんは、「リベラル広場」にも投稿していただき、イスラム諸国の平和立国としての日本の価値と非武装・非軍事援助の重要性を「戦争関連法」反対の中で力説しています。

(民守 正義)