安倍政権の破滅的リスクと参議院選挙の展望(56)

《【腐蝕する安倍内閣1】丸川環境相:今度は「環境の日」日付を間違う》

<民主党の後藤議員「環境相が知らないのはがっかりだ」>

丸川珠代環境相は22日午前の衆院予算委員会で、6月5日の「環境の日」を「6月1日」と誤って答弁した。丸川環境相は民主党-後藤祐一議員の質問に日付を答えた後「5日ではないか」と指摘され「申し訳ない。5日だった」と修正した。環境省によると環境の日は1972年6月5日からストックホルムで開催された「国連人間環境会議」を記念し、環境基本法で「環境保全への関心と理解を深める」ために定められた。国連でも日本の提案で同日が「世界環境デー」になっている。後藤議員は「環境相が知らないのはがっかりだ」と批判した。丸川環境相は、東京電力福島第1原発事故の除染などに関する長期目標を「何の科学的根拠もない」と発言し、12日に撤回したばかりだった。【管理者:丸川大臣の悪いところは無知なのに知ったかぶり・カシコブルところだ。大臣の器ではない】

《【腐蝕する安倍内閣2】安倍政権の報道圧力:放送法を正しく解釈したら、放送法違反は安倍政権側》

読売新聞と産経新聞が掲載した意見広告。「戦争法制」や、それに関連する政治の動きに批判的発言をしている岸井成格氏に対して、放送法違反だと非難している。岸井成格氏は本当に、放送法違反と言われるような行為を行ったのか?

先ずは日本国憲法の第21条を以下に記す。

1.集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

2.検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

 表現が不自由な社会では民主主義が成り立ちないから非常に重要な条文だ。統治権力側はこの第21条の理念を遵守しつつ放送法を制定した。それでは放送法の第1条を記す。

第一条  この法律は、次に掲げる原則に従って放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的とする。

一  放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。

二  放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること。

三  放送に携わる者の職責を明らかにすることによって、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。

 第一条の2項を解り易く言い換えると「特定の政党や権力者が、事実の隠蔽・歪曲をするために放送事業者へ圧力をかけてはならない」となる。放送事業者ではなく統治権力に対する牽制といえる。続いて放送法第3条と4条を記す。

(放送番組編集の自由)

第三条  放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。

(国内放送等の放送番組の編集等)

第四条  放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めるところによらなければならない。

一  公安及び善良な風俗を害しないこと。

二  政治的に公平であること。

三  報道は事実をまげないですること。

四  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

 「圧倒的に強い権力をもつ与党だけでなく、野党の反対意見も取り上げること」「権力側にとって都合の悪い事実であっても、きちんと取り上げること」と解釈できる。

 従って立憲主義や民主主義を破壊する「戦争法制」関連の動きを厳しく批判している岸井成格氏の報道姿勢は極めて真っ当なもので、放送法違反など該当しない。しかし安倍政権にとって岸井成格氏の存在は、とても目障り。テレビは大衆の意見形成に大きな影響力をもっているので岸井氏を、このまま放置しておくと安倍政権の支持率が下がる恐れがある。政治的無関心層に問題意識を持たせ、投票率が上がってしまうかもしれない。参議院選挙を前にして、安倍政権は、とても神経質になる訳だ。実質的には脆弱な権力基盤しかもたない安倍政権は、苦し紛れに放送法4条を次のように、勝手に解釈変更した。

「総務大臣は放送局に対して行政指導する権限があることを、放送法は認めている」

 実際に2015年11月10日の衆議院予算委員会で、高市総務相と安倍(戦争)総理は、上記のように解釈していることを明らかにしている。しかし、この解釈は間違っている。

何故ならば、仮に正しいとすれば、放送法自体が日本国憲法第21条に違反していることになるからだ。もう一度、日本国憲法第21条を記す。

1.集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

2.検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

 放送法は、この理念に沿うように制定されており、当然に違憲の法律ではない。

従って高市総務相と安倍(戦争)総理の放送法解釈は、完全に間違っている。「総務大臣は放送局に対して行政指導する権限があることを、放送法は認めている」という間違った解釈を根拠にして、様々な報道圧力を安倍政権は繰り返してきた。高市総務相は「放送法の所管省だから行政指導権限等がある」と言っているが「所管省=行政指導権限等がある」ことにはならない。所管省と雖も「行政指導権限等がある」ことの明文規定が必要で、放送法に、そのような条項はない。こんな事は行政法の基本で中堅公務員なら殆ど、知っている事だ。そんな簡単な事は大手メディアも当然、知っており、安倍政権の方が放送法違反であることを理解しているのだが、なぜか抗議も教示もしようとしない。それは大手メディア幹部や編集委員・御用評論家等が安倍(戦争)総理と、ほぼ毎日、内閣官房調査費で「夜の会食」を共にして癒着して、むしろ「安倍擁護」の偏向報道をしているからだ。でも、これは視聴者もメディアを信用しなくなり、結果的にはメディアの自滅行為だ。

現に全体のテレビの視聴者数は減少傾向に有り、今や放送業界は「不況産業」とまで言われている。外国特派員協会も、このことを知って海外に配信。国際的批判を浴びている。

また「国境なき記者団」による「報道の自由度」ランキングでも61位と先進諸国では最下位だ。メディアの本来使命は「権力チェックと国民の知る権利の保障」。それを忘却して独裁的政権運営を行っている安倍政権に贈収賄にハマって自粛から擁護に走っているようでは、国民は他にもITメディアもあり益々、その存在価値は失うだろう。

《【マスコミの歪み】報道の自由の危機!古賀茂明さんがニューヨークタイムズ署名記事を掲載》

マスコミを統制し政府批判を抑えることで、かろうじて政権を維持している自民党。

テレビで批判を続け駆逐された人は数知れず。元通産官僚の古賀茂明さんもその一人。

彼はテレビ朝日の報道ステーションで政府批判を繰り広げたために出演の機会を奪われてしまった。安倍政権が続く限り、彼を出演させる日本の大手メディアは現れないだろう。優秀なコメンテーターなのに残念だ。しかし持ち前の行動力を活かして、海外に対して情報を発信している。一例としてニューヨークタイムズに署名記事を載せているので紹介する。

<The Threat to Press Freedom in Japan」(日本において報道の自由が脅かされている)>

 3月の記者会見で菅義偉官房長官は、テレビ朝日番組での私のコメントに対して懸念を表明した。私は番組コメントの中で「官邸から激しいバッシングを受けており今後、この番組に出演することはないだろう」と述べたのだ。朝日新聞に掲載されていた菅官房長官の発言は、放送免許の剥奪を仄めかすものだった。…「テレビ朝日が、この問題にどう対処していくのか、放送法とも照らし合わせて注視していく」4月17日、テレビ朝日とNHKの幹部が自民党本部に呼び出された。安倍政権に対して批判的だと判断した2番組について特別委員会で聞き取りを行うためだ。4月25日に東京MXテレビ(地方局)に私が出演した後、自民党の幹部の一人が報道陣に向かって次のように述べたそうだ。「古賀さんを出演させたテレビ局があるのだと。随分と勇気があるものだな。」日本政府は報道の独立性を損ねている。日本では元々、メディアと国家の関係に問題があったのだが、安倍総理になってからは政権に有利になるような動きが露骨になった。そしてメディアの主流派では政府広報機関化が急速に進んだ。菅官房長官の圧力を跳ね返そうとする動きは無かった。

例えばテレビ朝日では、私が出演して政府批判を行った番組のプロデューサーは冷や飯を食わされている。自民党の呼び出し行為は放送法の趣旨に反しているという主張もせず、テレビ局幹部は召喚に応じてしまった。日本では政府とメディアは記者クラブを通じてやり取りしている。各省庁・地方政府・政党・業界団体ごとに記者クラブが存在する。記者クラブの会員資格は大手メディアだけに与えられているのが普通だ。記者会見に出席したり各組織の担当者に取材できるのは記者クラブの会員だけだ。こうした特権を記者に与える見返りとして好意的な放送をして貰うことを期待できるし実際、そうなっている。

日本のメディアは独立機関の監督下にない-というのがもう一つの問題点だ。一例としてテレビ局に免許を与えているのは政府自身、つまり総務省だ。その免許は定期的に更新されている。結果的にはテレビ局は常に権力の管理下にあり、政府批判等しようものなら放送免許を失うのではという恐怖にさらされている。つまり日本の政治システムでは、与党が報道機関に対して大きな影響力を持っている。更に言うと、主要メディアでは経営と報道現場の間に垣根が殆ど無い。経営トップが報道内容の詳細に口出しをすることが頻繁に起きており、独立系の記者に対しても影響が及んでいる。そういった干渉に抵抗しようとする人は殆どいないが、その原因は日本の雇用システムにある。主要メディアで職を得れば、安定した生活と高給が定年まで保障されるという慣行が長らく続いてきた。自分の勤める会社が御用メディアで、かつ保身を優先するのであれば、政府批判を躊躇するのは当たり前だ。報道の独立性という職業倫理よりも会社への忠誠心が優先されている。

こういったシステムは決して新しいものではなく、戦前からずっと続いてきた。独立したメディア監督機関が占領軍によって設立されたが、1952年に日本の保守勢力によって廃止された。最近の政府からメディアへの圧力のかけ方は前代未聞と言っていい。安倍政権になって以降、主要メディアの重役達が総理や高級官僚と一緒に豪華な食事をしたり、ゴルフに行っている。メディアの重役達は、こうした事実が一般に知れ渡っても恥だと思ってないのだ。総選挙が実施される直前の一昨年11月、自民党は主要テレビ局にいわゆる要求文書を送り付けた。報道の「公平さ」に万全を期すよう要請するのが目的であり、テレビで流す話題や評論家の選定方法について指示があった。「アベノミクスは富裕層にだけ利益をもたらしている」という報道を行ったテレビ局に対して自民党は抗議文を送った。

しかし世論調査によれば、アベノミクスへのそうした評価は多くの日本人に支持されている。今まで述べてきたような状況下において、メディアが権力の監視役を果たすにはどうすればいいだろうか?安倍政権のジャーナリストに対する姿勢は上意下達であり、自由民主的なものとは言えない。

【ご案内1】

働くあなたを応援する 2016LA-LA公開講座1

障害者雇用の法制度とその対応

日時:3月2日(水)午後6時30分~8時30分

講師:池田 直樹 弁護士

会場:大阪労働者弁護団 事務所

参加費:1000円(当日いただきます)

大阪労働者弁護団HP http://www.lalaosaka.com/

公開講座の頁 http://www.lalaosaka.com/#!open-lecture/c1ciw

【ご案内2】

働くあなたを応援する 2016LA-LA公開講座1

「障害者雇用の法制度とその対応」/講師:池田 直樹 弁護士

◎日時:3月2日(水)午後6時30分~8時30分

◎会場:大阪労働者弁護団 事務所

◎参加費:1000円(当日いただきます)

大阪労働者弁護団HP http://www.lalaosaka.com/

公開講座の頁 http://www.lalaosaka.com/#!open-lecture/c1ciw

(民守 正義)