安倍政権の破滅的リスクと参議院選挙の展望(54)

《【腐蝕する安倍内閣1】また閣僚不祥事か:林経産相に「税金320万円」ネコババ疑惑》

丸川環境相は暴言、漢字が読めない島尻沖縄・北方担当相に答弁不能の岩城法相と、安倍政権の閣僚が次々と馬脚を現す中、大して話題に上らない林経産相に税金の“着服”疑惑が発覚した。林大臣が代表を務める自民党支部は2011~14年、林大臣本人に計約320万円を「組織活動費」として支出。4年間で計42回、1回当たり3万~17万5千円を支払っている。頻度は月に1、2回ペースで、日付は何故か月末に集中している。何とも怪しいカネの動きだが、いずれにせよ党本部から支部に渡った政党助成金は国民の税金が原資。林大臣本人のポケットに流れたのならトンデモナイことだ。この疑惑について「しんぶん赤旗」が林事務所に取材すると「政党機関紙には回答していない」と返事したという。

メチャクチャな対応だ。後ろめたい事がないのなら、ハッキリと答えるべきだろう。改めて林事務所に問い合わせたが、締め切りまでに返答はなかった。「政党支部から議員本人に支出された資金については、政治資金規正法上の規制はありません。具体的な使途を報告する義務もない。それだけに資金をポケットに入れたとしても国民には分かりません。政治活動に使ったのならば、その旨を記載するのが常識的です。法的に問題はなくともメディア等に問われれば公明正大に説明すべきでしょう。国民に税金“着服”の疑いを持たれる可能性があります」(政治資金に詳しい日大教授の岩井奉信氏=政治学)

 林大臣は知る人ぞ知る「ダジャレ好き」。くだらない冗談を言う前に、説明責任を果たすべきだ。(日刊ゲンダイ)

《【腐蝕する安倍内閣2】自民-丸山議員の「黒人偏見・誤謬発言」水の如く人権感覚なし》

▼「オバマ米大統領の先祖は黒人だから奴隷」

 自民党の日替わり問題メニュー。今度は丸山参院議員が登場。オバマ米大統領を「奴隷」呼ばわりした。人種差別と思わしき発言だ。丸山はタレント上がりとはいえ、れっきとした日本の国会議員だ。「人権・差別問題」か、どうかの区別さえつかない愚か者だ。

どうして、こうも自民党には程度の悪いのが多いのだろう。

17日の参院憲法審査会で、オバマ大統領について「今、米国は黒人が大統領になっている。黒人の血を引くね。これは奴隷ですよ。まさか建国当初に黒人、奴隷が大統領になるなんて考えもしなかった」と丸山議員。問題発言だと騒ぎになり審査会後、記者会見。「誤解を与えるような発言で大変申し訳ない」と陳謝した。誤れば無責任発言が帳消しになると思っているのか?自民党にはこの類の輩が多い。丸山議員は審査会で「日本が米国の51番目の州になることに、憲法上どのような問題があるのか」と意味不明の発言。日本が米国に組み込まれたとしたら「集団的自衛権は全く問題ない。拉致問題すら起こっていないだろう」と持論を展開した。この男は島田紳助が司会するテレビのバラエティー番組「行列のできる法律相談所」でタレントとして登場し、名前を売ったところで国政に鞍替えした。丸山議員は化学薬品メーカーの国際仲裁事件を担当した2002年に、一緒に事件を担当したオーストラリア人弁護士から「約束した報酬の半分1千万円しか受け取っていない」と訴えられたことがある弁護士だ。丸山議員は、後の釈明会見でも「誤解を与えるような発言~」とは言ったが「人権侵害-差別発言」との指摘には俄然として反論した。

差別を差別と自覚できないところに丸山議員の人権感覚のなさがある。先ず「偏見」の源泉には心理学的に「事実認識の誤り」と「社会的・歴史的・成育歴・環境的に特定の人々を見下したり、穢れ意識等が刷り込まれている場合」とに大別され、この二つの源泉は、複雑に絡み合って「差別意識」を構成している場合が多い。とりあえず「事実認識の誤り」のみの場合、その謝った事実認識を是正してあげるだけで「なーんだ」と「偏見」意識も除去される場合も多い。具体的にはトランスジェンダー(性同一性障害)等の病気・身体的障害等について、正しい医学的知識を教示するだけで「偏見」意識も除去される場合が多い。その意味でも何事にも予断的推測等をできるだけ排除し、科学的・唯物論的・具体的実証等に基づいて思考するよう努める事が重要である。次に「社会的・歴史的・成育歴・環境的に特定の人々を見下したり、穢れ意識等を刷り込まれている場合」について言えば、例えば「黒人は元奴隷で貧しく粗暴な人達」とか「被差別部落の人々は乱暴で穢れている」とか「障害者は(人生観・感情等)暗い」等々、現実社会を生きていく中で、無意識的に刷り込まれた誤った認識と合わさった「偏見」で、これらの「偏見・誤った認識に基づく不当待遇・不合理な扱い等」が「差別待遇」となるのである。この「刷り込まれた偏見」の場合は、本人にはなかなか主観的に自覚できず、むしろ、その「偏見意識」が本人にとっては「差別的」と言われても「信条・信念」に近いものまで高められ、反発さえ招きかねない場合も多い。これら「差別の心理学」で丸山議員の「差別的問題発言」を検証すると、先ず「オバマ大統領は黒人で元奴隷」は全くの事実誤認でオバマ大統領は、父親はケニア出身で母親はカンザス州出身の白人であり、オバマ大統領が3歳の時に離婚して、やや複雑な人生を辿るが、いずれにしても離婚後の両親は、母親は学者で父親はエコノミストとインテリゲンチャの階層に含まれる。更に百歩譲って、仮に「先祖が奴隷でも大統領になった」ことを、何を言いたい事との中で言ったのか、私もマスコミと同様で意味不明だが、もし「先祖が奴隷でも大統領になった」ことのみ言いたかったのであれば「先祖が奴隷でも大統領になるようになった米国。でも、なお厳しい黒人差別が歴然とある米国」と正確に全体を言わないと「偏見の助長」になる事は火を見るより明らかである。

このように「丸山議員-差別的問題発言」を検証すると「黒人の先祖は皆、奴隷」という誤った事実認識を助長・吹聴したこと、米国をはじめとした「黒人差別」に対して「怒りと黒人差別撤廃」の意識が滲み出ているほどの発言というよりは、明らかに「黒人差別を肯定的or助長的」にダラダラと述べているに過ぎない。故に概して「ズバリ露骨な差別発言」とまで言わずとも、少なくとも「差別と闘う立場」というより「差別に対して無知+傍観的以上に助長的」であったことは間違いない。正直言って障害者差別も部落差別も受けた事のある私にとってみれば「私は差別に関係ない・関心ない」等と言う人ほど「差別」を感じる事はない。「人権擁護・反差別」の立場性を明確にしない人ほど、ズルくて、本当は自らの差別意識を隠蔽しているだけだと断言したい。それはイジメに例えれば、直ぐ解る事だ。私が数人から暴行的なイジメを受けているときに「黙って見ているだけ」の人々を見ると「助けてくれず、結果として加担した」と見えるのは当然の事だろう。

最後に安倍総理に二点、言いたい。衆議院予算委員会で質問議員(民主)が「このような人権感覚のない議員を自民党法務部会長に据え置いておくのは、どうか?」と質したのに対し安倍総理は「個別の議員の発言にはコメントしない」と答弁逃亡した。しかし事は人権問題だ!その発言内容は、少なくとも「黒人差別を助長」するもので、それを「コメントしない」ということは「差別を黙認・追認する」ということではないか。安倍総理の「ウルトラ右翼・差別者」の一端を垣間見た。もう一点は「丸山議員は弁護士だから法務部会長に据えた」とのステレオタイプ・思い込みだ。ハッキリ言って弁護士と言っても全ての法律等に精通している訳でなく各々、得意分野があり、それは同じ医者でも「精神科と外科」ほどの違いがある。そもそも全ての分野で法学能力の劣る弁護士もいるが、元大阪弁護士会会長や労働者弁護団・民主法律協会所属弁護士達で、異口同音に評するのは橋下元大阪市長と自民党-高村副総裁は「司法修習生程度もあるか」と言われるほど評価は低い。その意味で丸山議員が立法機関である国会で「行政法」等に詳しいかと言われれば相当に疑問だ。因みに私は当然、弁護士資格はないが、法学の基礎理論の上に立って、労働法が得意分野。ある労働者弁護団弁護士と労働法-余後効説で論争・論破した事がある。

いずれにしても「丸山議員差別的問題発言」を反面教材にして人権問題(差別問題)を考えて頂く機会になれば幸いである。(参考文献-半歩前へ/総合編集・文責:管理者-民守 正義)

《【腐蝕する安倍内閣3】自民・参院大阪選挙区:公募候補巡る“買収疑惑”》

自民党大阪府連が17日まで公募中の参院大阪選挙区の候補者を巡って“買収疑惑”が浮上している。府連は既に現職の北川イッセイ氏の公認を党本部に申請しているが、大阪選挙区は改選数が3から4に増えたため、党本部が「大阪選挙区は2人を擁立するべき。2人目の申請があるまで北川氏の公認は判断しない」と差し戻したという。昨年11月の府知事・市長選で共に「おおさか維新の会」候補にボロ負けだった自民党。2人擁立となれば共倒れになりかねないが何故、そんな展開になったのか。「実は府連内で北川議員は人望が乏しく、候補差し替えを望む声が出ている。そこで公募を口実に北川議員を引退に追い込もうとしているのでは、と囁かれているのです」(大阪府政担当記者)新たな公認候補として白羽の矢が立っているのは、府連会長の中山泰秀衆院議員に“近しい人”といわれている。既に「公募内定」なんて声も流れ始めたが、どういう人物なのか。「大阪出身で村上ファンドの元社員。今は飲食チェーン店の経営者で、資金力は抜群です」(自民党大阪府連関係者)中山議員の政治資金収支報告書を見ると、パー券を100万円分も購入している人物だ。ウワサ通り公認に選ばれたら“出来レース”の疑いは拭い切れない。「このままだと野党から『自民党大阪府連はカネで公認を売った』との批判が出てきそう。タダでさえ口利きワイロ疑惑の甘利問題でシッチャカメッチャカなのに勘弁してほしい」(前出の府連関係者)自民党は、いつも、どこも金権まみれである。(日刊ゲンダイ)

《【腐蝕する安倍内閣4】自民支部、佐藤ゆかり議員側告発へ-2百万円資金処理問題で政治規正法違反》

自民党の佐藤ゆかり衆院議員=大阪11区=側が現金200万円を受け取りながら、政治資金収支報告書に受領の事実を記載していないのは政治資金規正法に抵触するとして、支出元の自民党枚方市支部が同法違反罪で、佐藤議員側の刑事告発を検討していることが15日、自民党関係者への取材で分かった。自民党支部が“身内”の衆院議員の告発に踏み切れば、極めて異例とみられる。佐藤議員と同支部の間では昨年9月、政治資金の処理を巡るトラブルが発覚していた。同支部は佐藤議員が大阪11区で当選した平成26年12月の衆院選直後、佐藤議員に200万円を提供したとして26年分の政治資金収支報告書に記載。しかし佐藤議員側は同支部からの受領を否定して報告書にも記載せず、主張が食い違う状態が続いていた。このため同支部は13日の会合で協議。佐藤議員側に改めて200万円分の領収書発行を求め、得られない場合は佐藤議員側の虚偽記載を訴える必要があるとして、同法違反罪で刑事告発する方針を決めた。前大阪府議の出来成元支部長は「佐藤議員側に支出した200万円の原資は地元業者2社からの献金。2社には支部発行の領収書を渡した」と説明。「支部が虚偽記載をしたと疑われかねず、刑事告発を検討せざるを得なくなった」としている。佐藤議員は昨年9月の会見で、200万円は佐藤議員側が2社から直接、受領したとした上で「寄付ではなく(佐藤議員が代表の)自民党大阪府第11選挙区支部で受けた『預かり金』だった」と説明。「約半年後に業者に返金しており、収支報告書に受領を記載していないことは規正法上も問題はなく、適正な処理だった」との見解を示している。佐藤議員の代理人は「出来氏の主張は事実に反する。規正法違反罪で告発されれば、こちらも虚偽告訴罪での告訴を検討せざるを得ない」と話している。

【ご案内1】

「約束と違うぞ! 詐欺求人相談ホットライン」

2月25日(木)15時~21時

相談電話番号 06-6364-9023(当日のみの特設回線です)

共催:大阪労働者弁護団・民主法律協会・ブラック企業被害対策弁護団

大阪での事前お問い合わせ 大阪労働者弁護団:06-6364-8620

【ご案内2】

働くあなたを応援する 2016LA-LA公開講座1

「障害者雇用の法制度とその対応」/講師:池田 直樹 弁護士

◎日時:3月2日(水)午後6時30分~8時30分

◎会場:大阪労働者弁護団 事務所

◎参加費:1000円(当日いただきます)

大阪労働者弁護団HP http://www.lalaosaka.com/

公開講座の頁 http://www.lalaosaka.com/#!open-lecture/c1ciw

(民守 正義)