安倍政権の破滅的リスクと参議院選挙の展望(53)


《【亡霊のアホノミクス9】マイナス金利-効果なし:脱却の穴はあるか?》

日銀の黒田総裁による1月下旬のマイナス金利移行(の決断)は、まるで吹雪の中でアイスクリームを売るぐらい、これ以上ない最悪のタイミングだった。黒田総裁の衝撃的な決断から数日内には米国サービス部門の低調なデータが発表され、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁はデフレに「屈しない」と誓い、ユーロ圏の銀行への新たな懸念が浮上した。

こうした世界経済悪化の兆しは、黒田総裁が最近放った「バズーカ」をたちまち圧倒した。円は下落するどころか118~125円圏内を飛び越えて114円辺りで取引されている。

安倍(経済音痴)総理が2012年に「アベノミクス景気刺激策」を開始して以来、初めて外需の高まりに依存できなくなっている。日本政府関係者が問うべきは今何をするかだ。

選択肢には金融刺激策、財政刺激策、あるいはもっと直接的に為替介入で円高を抑える試みがあるが、そのどれも容易ではない。日本は円高になると為替介入してきた歴史がある。だが11年の東日本大震災で壊滅的な被害をもたらした津波の後に主要7カ国(G7)が日本の介入を容認した時とは異なり、今は遥かに円安で、世界的な円高圧力に抵抗するのはより困難だ。日本政府関係者は貿易収支の均衡に言及し介入は認められるべきだと主張する。これに対する米政府の答えは、円安誘導は政治的に有害だというものだ。(介入すれば)ドナルド・トランプ氏とバーニー・サンダース氏が大統領予備選挙で勢いを増し、環太平洋経済連携協定(TPP)が頓挫しかねない。日本政府が次に最も期待できそうなのは、市場を活性化する国際協調政策の実施だ。来週上海で開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、参加国の利害がてんでばらばらであることを考慮すると、結果を生みそうにない。円高はG20の主催国である中国にとって好都合だ。

 日本にとってより高い可能性が見込めるのは、上海入りしたG7の閣僚を集めて非公式の会合を持つことだ。日本は今年のG7首脳会議(サミット)の主催国だ。世界市場が次回会合までに大きく下落するようであれば、日本が声明をとりまとめられる余地はある。

G7でできそうな日本政府にとって最も有益なことは、国際協調による財政刺激策だが、米国や英国、ドイツ等の国の政情を鑑みるとそれは実現しそうにない。それでも安倍(経済音痴)総理は今後について比較的まだ甘い楽観ムードだ。安倍(経済音痴)総理は今のところ補正予算での対応―日本はまだ4月からの16年度予算案を審議中―を考えていないが、安倍(経済音痴)総理の側近らは、直言はできないようだが、補正予算が必要になると既に仄めかしている。ひょっとすると安倍(経済音痴)総理は、参議院選挙前のアメ玉予算措置の時機を見計らっているのかもしれないが-。

更に来年4月に予定している消費税率の8%から10%への引き上げが予定されているが、安倍(経済音痴)総理はサプライズ的に、その延期を本音では策思考しているのではないかという事だ。現に、まさにそうしたがっている兆候はいくつか見られる。問題は安倍(経済音痴)総理が共に連立を組む公明党の議員を宥めるために、既に食品を軽減税率の対象として認めてしまった事だ。今になって安倍(経済音痴)総理が消費税引き上げを全て延期してしまったら、ご機嫌をとった意味がなくなる。

<日銀はまだ「砲弾」を使うか>

 そこで最後の頼みは日銀だ。日銀関係者は、マイナス金利は効いていると考えている。もし何もしていなかったら、もっと円安の方向に動いていただろうと言う。多くのアナリストが次の3月会合で更なる動きがあると既に予測している。日銀はマイナス0.5%に金利を引き下げ、資産購入のペースを上げて現在の年間80兆円から100兆円にする可能性がある。黒田総裁が再び緩和に踏み切る強力な根拠がある。市場の低迷と円高が続けば、日本の消費者や企業はインフレ目標2%の達成を全く信じなくなる。(今でも殆ど信頼されていないと思うが-)黒田総裁が更なる利下げの「砲弾」を持っていることを考えると、それをすぐに使うのは理にかなっている。だが日銀にはマイナス金利が日本経済にもたらした影響を測る時間が殆どなかった。財政刺激策の可能性や自国の成長率とインフレ予想が、まだまだプラスであると、これまた信じて疑わない。安倍(経済音痴)総理と日銀-黒田総裁の「亡霊のアホノミクス」コンビが、いつまでも実体経済に何の刺激を与えない「亡霊のアホノミクス」である事を気づかない限り2016年参議院選挙をもって「安倍政権の崩壊とアベノミクスの消滅」が明確になるという事だ。海外エコノミストは当の前に気づいて日本株・国債等の引き上げが徐々に始まっている。(参考文献-英フィナンシャル・タイムズ紙/総合編集・文責:管理者-民守 正義)

《【亡霊のアホノミクス10】マイナス金利のもたらすもの[基礎編]》

1月29日に日銀が発表したマイナス金利。これは直接的に私達の銀行預金の金利をマイナスにするというものではなく、銀行が日銀に預けている当座預金の金利をマイナスにするものだ。銀行は、余ったお金を日銀に預けていて、それには0.1%の金利がついている。

昨年末までに預けた残高については、これまで通り日銀から0.1%の金利が付与されるが今後、当座預金の額を増やした分については、マイナス0.1%の金利を適用するというのが、今回のマイナス金利政策だ。日銀の思惑は、日銀に預けるお金を増やすと、マイナス金利というペナルティが与えられるから、銀行は企業への融資や海外投資に資金を振り分けるだろうというものだった。企業に資金が回れば設備投資が増えて経済は拡大する。また円の金利を引き下げるのだから、海外投資が増えて、円安に誘導できるという見通しも持っていたと思われる。しかし現実は、真逆のものになった。為替は大幅な円高になり株価も急落してしまったのだ。日銀の誤算は、どこにあったのか。先ず現実には、銀行が海外投資を増やそうとは思わなかった。中国は経済が失速する一方だし欧州の経済もよくない。

絶好調だったアメリカもゼロ金利解除以来、経済が低迷を始めている。そんな状況で安易な海外投資拡大等できない。結局、銀行は安全資産である国債投資に走った。そのため国債価格が高騰(=流通利回りの低下)して、ついに歴史上初めて、国債金利がマイナスに陥る結果になってしまったのだ。これはマイナス金利の導入以上に銀行経営を圧迫した。

銀行は、国債を買うことで資金を運用し、収益を稼いでいるからだ。経営が圧迫された銀行は、預金金利の引き下げに走ったが元々、雀の涙しか金利を払っていないから、引き下げには限度がある。当面、我々の預ける預金金利がマイナスになることはないが、将来的には我々の預金金利もマイナスになる可能性はある。また直ぐに影響がでてくるのが保険だ。国債で資金を運用している生命保険等の保険料は、値上げされることになるだろう。

そして日銀の最大の誤算は、マイナス金利で銀行が融資を増やすだろうと見ていたことだ。銀行が貸し渋りをしている状況では、マイナス金利は効果があったかもしれない。

しかし今は経済が低迷をしているので、企業に設備投資のニーズがない。資金の需要がないから、銀行は融資を増やそうにも増やせないのだ。何故、企業が設備投資をしないのかと言えば、消費が増えないからだ。「家計調査」によると昨年12月の実質消費支出は、前年比で4.4%も落ちている。その最大の理由は、実質収入が2.9%も落ちているからだ。

アベノミクスの前提は、金融緩和で円安を進めれば、輸出産業を中心とした勝ち組企業が潤い、それが中小企業や一般国民にも滴り落ちて、景気が拡大していくという「トリクルダウン」理論だった。しかし、アベノミクスで大企業や富裕層は大いに潤ったが、彼らは成長の成果を独り占めした。大企業は、従業員の処遇は改善したが、下請け企業への発注単価を引き上げることはなかったのだ。(「トリクルダウン」理論の言い出しっぺの竹中平蔵自身が「トリクルダウンなど有り得ない(朝まで生テレビ)」と言いだして物議をかもし出した)この分配の不平等が、庶民の所得を引き下げ、それが消費の下落をもたらしたのだ。消費が落ちれば企業が設備投資をするはずがない。結果的に幾ら日銀がマイナス金利の導入に踏み切っても、何の効果も発揮できないのだ。日銀のマイナス金利導入政策の失敗を受けて、多くの経済評論家が「金融政策だけではダメで、規制緩和など思い切った構造改革が必要だ」と主張している。しかし、それは、マイナス金利の導入以上に大きな過ちだ。そんなことをしたら益々、格差が拡大して、消費の低迷をもたらすだろう。

 私は、今の状況を救う最も賢明な政策は、法人税率を民主党政権時代の水準にまで高めて、それを財源に消費税率を8%から5%に戻すことだと思う。しかし日本共産党でさえ、消費税率の引き下げは主張していないから、政治的に実現は不可能だろう。結局、このままでは確実に日本の景気は失速する。我々にできることは、消極的には大不況に備えて、ひたすら貯蓄を増やすことかもしれないが、それよりも「ヘタクソな経済暴走ドライバー安倍政権」を引きずり下ろす事が先決だろう。(基本文献-森永卓郎/管理者部分編集)

《安倍チルドレン議員の元秘書“自殺”「議員を刑事告訴する準備していたのに自殺は不可解」》

 安倍チルドレン議員元秘書の不審死。この人物は野田哲範氏といって、ネトウヨ発言連発で有名な自民党・山田賢司議員の元公設秘書を務めていたのだが、死の直前ブログで山田議員の「政治と金」の問題を告発していた。それが2月11日、兵庫県西宮市で遺体となって発見されたのだ。警察は車中に練炭があったことから野田氏が練炭自殺を謀ったと判断したようだが、関係者の間では野田氏の死に疑問の声が上がっている。死の直前まで野田氏の告発を取材していた関西在住のジャーナリスト・Ⅰ氏も「自殺とするのはあまりに不可解だ」と首を捻る一人だ。「遺体が発見される数日前にも野田氏と電話で話しましたが、いつもと変わった様子はありませんでした。野田氏は大きな社会問題となっている空き部屋マッチングのNPOを立ち上げて、その活動も順調で多忙だと嬉しそうに話していましたし、体調にも問題があるようには見えませんでした。しかも野田氏は先日、新たに山田議員を告発する準備までしていました。私にはどうしても、彼が自殺したとは思えません」確かに野田氏の死を巡っては、単なる自殺と片付けられないような不可解な点が幾つもある。例えば遺体発見時の状況。野田氏は西宮市久保町の路上に駐車してあった車の中で同日の午前11時頃遺体となって発見されたのだが、そのときの野田氏は運転席にいて、そこから後部座席の練炭の中に顔を突っ込む形の状態だったという。そのため野田氏の顔は遺族も確認できないほど破損していた。練炭自殺というのは珍しくないが「燃えている練炭の中に顔を突っ込んで自殺」等という事があるのだろうか。また発見されたのが比較的、人通りの多い場所だったことも不可解だ。直ぐ近くの西宮大橋を渡れば、数分で人気のない西宮浜がある人工島に行けるのに何故、わざわざこんなところで死んだのか。

しかも時間帯は人目につきやすい午前中である。更に解らないのは自殺の動機だ。

I氏の証言にもあったように、野田氏は今年1月27日に弁護士と共に神戸地検に出向き、新たに山田議員を告発する相談までしていた。「私は13年4月から山田議員の公設第一秘書を務めてきましたが、その間、給料から毎月10万円を山田議員に返還させられていたのです。いわゆる給料の『ピンハネ』です。その総額は1600万円以上になります」(週刊現代)既に昨年夏、野田氏は「週刊現代」で山田議員の“給与ピンハネ”をこう実名告発し、それ以前に神戸地検に強要罪で山田議員を刑事告訴していた。だが、これが不起訴処分となったため、野田氏は今年に入って、新たに政治資金規正法違反の虚偽記載での告発を決意。告訴のために神戸地検へ出向き、検事に「明らかな偽造がある」と説明していた。前出のI氏も、その時の様子をこう証言する。「野田さんが刑事告訴を考えていたのは、自分が辞めた後も山田議員の事務所の会計責任者にされていて、印鑑も勝手に使われて報告書が訂正されていたというものでした。筆跡も現在の秘書のものだと証明できるということでした。野田氏は山田議員への告発に向け着々と準備をしていて、検察に行った後も『検事は自分の言い分を興味深く聞いてくれていたし、やる気を感じた』と嬉しそうに報告してくれました」そして野田氏は死の数日前、2月6日になって突如、2日続けて山田議員を告発する記事を複数アップした。同時に「自分には残された時間がない」等の死を覚悟したような記述もあった。関係者によると、これまで野田氏が山田議員に関する発信をするときは弁護士や関係者と相談してからという約束になっていたというが、今回は全く誰にも相談もなく独断で記事が投稿されたという。いったい野田氏に何が起きたのか。既に警察は自殺と断定したというが、このまま野田氏の死にまつわる疑惑、そして、野田氏が告発しようとした山田議員の「政治と金」の疑惑はこのまま闇に葬りさられてしまうのだろうか。【管理者:少なくとも山田議員の「秘書給与ピンハネ事件等、疑惑部分は解明しなければならない。「リベラル広場」管理者も政治資金収支報告書の不信部分等、情報の提供を頂きたい。自衛隊員からの情報提供と同様、対応は慎重を約束する】(リテラ/管理者部分編集)

【ご案内1】

「約束と違うぞ! 詐欺求人相談ホットライン」

2月25日(木)15時~21時

相談電話番号 06-6364-9023(当日のみの特設回線です)

共催:大阪労働者弁護団・民主法律協会・ブラック企業被害対策弁護団

大阪での事前お問い合わせ 大阪労働者弁護団:06-6364-8620

【ご案内2】

働くあなたを応援する 2016LA-LA公開講座1

「障害者雇用の法制度とその対応」/講師:池田 直樹 弁護士

◎日時:3月2日(水)午後6時30分~8時30分

◎会場:大阪労働者弁護団 事務所

◎参加費:1000円(当日いただきます)

大阪労働者弁護団HP http://www.lalaosaka.com/

公開講座の頁 http://www.lalaosaka.com/#!open-lecture/c1ciw

(民守 正義)