安倍政権の破滅的リスクと参議院選挙の展望(52)
《【亡霊のアホノミクス8】マイナス金利-効果なし:経済政策見直し?》
世界的な金融市場の混乱でアベノミクスの真偽が疑われている。政府・日銀の対応には手詰まり感が滲む。政府は経済対策の検討を始めたが、首相官邸からは消費増税先送りも選択肢との声が漏れ始めた。安倍政権の経済政策「アベノミクス」が世界的な金融市場の動乱の中で、効果実態の信頼が損なわれている。円相場は一時1ドル=110円台に急伸。
日経平均株価は2月12日、約1年4カ月ぶりに1万5千円を割り込んだ。市場関係者だけでなく、安倍(経済音痴)総理の周辺も重要な節目として意識していたのが1ドル=115円、日経平均1万6千円という水準だった。この一線から大きく乖離すると2014年10月に日銀が実施した追加緩和の効果が、ほぼ消えてしまうことになるからだ。
<広がる疑心暗鬼の連鎖>
だが市場に広がる疑心暗鬼の連鎖の前に、この「防衛ライン」はあっさり突破されてしまった。15日は円高が一服し株価も急反発したものの、市場は当面、神経質な展開が続く見通しだ。安倍(経済音痴)総理の側近は「日本企業の業績は好調だったのに海外発の要因に、ここまで揺さぶられるのは想定外だった」と漏らす。「株価連動政権」と称されるほど、国債を乱発してまでも官製株価でも「アベノミクスの成果」と嘯き、政権運営の生命線と位置付けてきた安倍(経済音痴)総理。それでも急速な円高・株安への反転等、不安定な経済指標はウソをつかず、本音では安倍政権への支持率低下等の打撃に警戒感を強めていた。先ずは国内の実体経済への波及だ。このまま円高が続けば自動車や電機など輸出企業の業績への影響は避けられそうにない。中国をはじめとする新興国の株安や景気不安もあり、訪日客の消費活動にブレーキが掛かる懸念も広がってきた。
内閣府が15日発表した2015年10~12月期のGDP(国内総生産)速報値は、物価変動の影響を除く実質の季節調整値で前期比0.4%減、年率換算では1.4%減と、2四半期ぶりでマイナス成長に転じた。大企業を中心とする好調な業績を背景に賃上げと設備投資の増加に繋げ、日本経済の不振を一時的なものに留める。政府は最近まで、こんなシナリオを描いていた。(実態は内部留保を肥やしただけ)だが海外経済の不透明要因が増し、企業の設備投資計画や、本格化した春闘の賃上げ交渉に冷や水を浴びせた格好だ。株安による資産効果の圧縮も必至で、政権が掲げる「アベノミクスの好循環」も「またもウソか」と笑い聞き逃している。首相官邸は株安がもたらす批判的世論に気が付きだしたのか、参議院選挙前の危機感を、ようやく持ちだしたようだ。「景気とは空気の景色を意味する。世の中の雰囲気に左右されるものだけに、安倍首相も菅義偉官房長官も日本経済の先行きの明るさや底堅さをアピールして、明るい空気を広げるのに腐心してきた」アベノミクスの生みの親と言われるパソナグループ社長-竹中平蔵(慶応義塾大学教授)は「亡霊のアベノミクス」主犯格なのに他人事のように安倍政権癒着発言をし、リベラル経済学者からは大ヒンシュクを買っている。
<株価下落で空気が変わってしまう>
景気の先行指標ともいえる株価が上昇すれば景況感が高まり、政権への期待や評価につながる。「経済最優先」を掲げる安倍(経済音痴)総理の政権運営の要諦の1つはここにあるのだ。それが海外発の要因も相まって株安傾向は暫く続きそうだ。しかも日銀のマイナス金利政策導入の決定直後に株安が顕著になったことで「世の中に日銀の失策と受け止められ出している」と政府関係者は話す。株安が消費者の心理を冷やし続ければ、景気回復への期待が押し下げられ、消費行動が低下する上に内閣への批判も誘発しかねない。政権内では夏の参院選を控え、株安が政権に与えるダメージへの懸念が急速に広がっている。
こうした状況に政府・日銀は焦りを隠さない。麻生財務相は今月26~27日に中国・上海で開く20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で「政策協調について検討を進めたい」と明言。為替介入についても「必要に応じて適切に対応していく」と踏み込んだ。
2011年秋以降、封印している「伝家の宝刀」をちらつかせ市場を牽制したのだ。12日には安倍(経済音痴)総理と日銀の黒田総裁の会談が急きょセットされた。会談後、黒田総裁は金融緩和の必要性について「必要になれば躊躇なく政策を調整する」と強調してみせた。(そうした日銀と安倍政権とのアカラサマな協調姿勢そのものが日銀法の趣旨において違反なのだ)だが最近の市場の混乱は中国経済の減速や欧州発の信用不安など複雑な海外要因が絡み合っており、日本政府や日銀の対応には自ずと限界がある。
相場の動きが急であれば、政府・日銀は為替介入に踏み切る見通しだが、市場関係者の間では日本が単独で実施しても効果は限定的との見方が出ている。
焦りを募らす官邸から財務省、経済産業省幹部らに有効策の検討を急ぐよう指示が飛んでいる。だが両省幹部は異口同音に「為替変動等に日本単独で打つ手は本当に限られている」と嘆く。(日本の経済官僚に、そんな知恵はない!)
<政府・日銀に漂う無力感>
政府・日銀は当面、口先介入で凌ぐと共に「好調な実体経済」というウソを積極的に市場関係者に発信していくようだが、こんなウソは既にバレテイル。
月末のG20での国際協調メッセージを市場安定への材料と見込むが、各国の利害関係が絡むだけに、説得力のある具体策を打ち出せるのか不透明だ。政府・日銀内に手詰まり感が漂う中、与野党内では今後の政治カレンダーを巡る様々な憶測が飛び交っている。安倍(経済音痴)総理は5月末の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に向け外交成果を着実に積み上げ、夏の参院選に雪崩れ込む戦略を思い描いてきた。だがアベノミクスの虚偽・失敗がより鮮明になれば、参院選対策や衆院解散戦略に影響が出るのは必至だ。2017年4月に予定される消費税率10%への引き上げの見送りも現実味を帯びてきた。「今度は前回のような景気判断はせず、リーマンショック級の世界的な出来事が起こらない限り、我々は予定通り引き上げていく考えだ」。財政健全化への配慮から消費増税について財務省からも釘を刺されて、こう語っていた安倍(経済音痴)総理だが、世界的な金融不安の広がりで、引き上げに耐えられるような国内経済の環境整備が進むのか見通せなくなってきた。
既に官邸からは「株価下落のスピード等からして、今はリーマンショックに近い状況(金融恐慌)だ」との声も漏れ始めている。石原経済財政・再生相は現時点で否定するものの、経済の下振れリスクの高まりを受け、政府は2016年度予算案成立後、早期に参院選に備えた経済対策を取りまとめる方向で検討に着手した。だが政策期待だけで市場や企業、家計の不安を収められるほど国民世論は甘くない。仮に安倍(経済音痴)総理が消費増税の見送りに踏み切るなら、夏の参院選に合わせた衆参同日選か、年末または来年初めの衆院解散の可能性が大きくなる。(但し衆議院解散は憲法違反だ!:「リベラル広場」(1/7UP)参照)「株価が2万円を目指すような上昇トレンドの中で参院選を迎えるのがベストだ」。
年初にこうした思惑を親しい関係者に語っていた安倍(経済音痴)総理だが、激変する市場環境の前に、こうした理想的な流れは遠のきつつある。株価下落が野党に政権批判の材料を提供する点も見逃せない。昨年末、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2015年7~9月期の運用成績が7兆8899億円の赤字だったことが話題になったが、年明け以降の株安で運用環境は相当、厳しくなっている。民主党幹部は「有権者の関心が高いテーマ。アベノミクスの負の側面が鮮明になった」と話す。閣僚や自民党議員の失態が相次ぎ、北朝鮮のミサイル発射等で「経済制裁」を口にするが、本当はどうするのか悩む安倍政権。攻め手がヌルイ野党の対応にも救われた安倍政権だが、直近の「朝日-世論調査」では内閣支持率が再び「与野党拮抗」してきた。今後「デフレ不況と年金財源の株式バクチ運用の20兆円大損」等々、リベラル野党の攻め所満載だ。ただ民主党がまた「野党共闘潰し」にヨロケれば、せっかくの混乱政局⇒参議院選挙で安倍政権追い詰めのチャンスを逃す事にもなる。為替や株価の変動等により安倍政権を左右する政局が目の前にあるだけに民主党の「野党共闘潰し」-自民党への助け舟になりはしないかと心配だ。(参考文献-日経ビジネス/文責:管理者-民守 正義)
《【朝日世論調査結果】マイナス金利で景気「期待できず」6割》
朝日新聞社は13、14両日、全国世論調査(電話)を実施した。日本銀行が16日から実施した「マイナス金利政策」による景気回復が期待できるかを事前に尋ねたところ、「期待できない」61%が「期待できる」13%を大きく上回った。
<世論調査―質問と回答〔2月13・14日実施〕>
内閣支持層でも「期待できない」49%が「期待できる」24%を上回った。「期待できない」は自民支持層で51%、無党派層で63%と半数を超えた。
安倍(経済音痴)総理の経済政策による日本経済の成長については「期待できない」49%が「期待できる」32%を上回り、第2次安倍内閣の発足以来、最も高かった。こうしたアベノミクスへの期待は、2013年4月調査の「期待できる」55%をピークに下降傾向となっている。「期待できない」が最も低かったのは同じ調査での26%だった。
甘利明・前経済再生担当相の辞任については「やめたのは当然だ」が62%だった。
また民主党と維新の党が解党し、新党をつくった方が良いかどうかを尋ねたところ、「いまのままでよい」49%、「新しい政党をつくった方がよい」22%となった。特に民主支持層の55%が「いまのままでよい」と答え、同「統一会派」は、国民世論としては皆無の思い上がり・思い込みであることが、よくわかる。今夏の参院選比例区で、仮に今、投票するとしたら、どの政党またはどの政党の候補者に投票したいかを尋ねると、自民37%、民主16%、公明5%、共産7%、維新の党2%、おおさか維新の会6%等となっており「リベラル野党全共闘」でも、憲法改悪発議2/3以上阻止が「共闘の相乗効果」があるとしても精一杯であると予想される。本当に「憲法改悪-阻止!安倍政権-退陣」を願うなら、民主党幹部や連合-神津会長の言う「共産党嫌い」等、言っている余裕等ない事を理解すべきだ。しかし、それでもダラ幹「連合-神津会長」のいう「共産党嫌い」に拘るなら今、ネットワーク連携が始まりつつある「落選議員(政党)運動-推薦議員(政党)運動」から民主党は少なくとも「推薦議員(政党)」から除外せざるを得ない事を断言しておく。何故なら本来の「リベラル野党全共闘」の中核コアは「国民連合政府構想」にあると既に市民団体等と「当然」との合意が図られているからだ。従って、その場合、民主党・維新の党と連合は、その限りの「単独選挙」で頑張ってくれればよい。卑しくも「共産党が自主的に対立候補を降ろしてくれれば」と言った甘ったれた事は言うべきでない。
因みに来る参議院選挙:民主党改選議席41を現状-民主党支持率で類推すると10人前後まで落ち込む厳しい結果が予想されている事を知っておくべきだ。
なお安倍内閣支持率は40%(前回1月調査は42%)・不支持率は38%(同38%)で、やや拮抗状態に持ち直した。(文責:管理者-民守 正義)
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2月25日(木)15時~21時
相談電話番号 06-6364-9023(当日のみの特設回線です)
共催:大阪労働者弁護団・民主法律協会・ブラック企業被害対策弁護団
大阪での事前お問い合わせ 大阪労働者弁護団:06-6364-8620
【ご案内2】
働くあなたを応援する 2016LA-LA公開講座1
「障害者雇用の法制度とその対応」/講師:池田 直樹 弁護士
◎日時:3月2日(水)午後6時30分~8時30分
◎会場:大阪労働者弁護団 事務所
◎参加費:1000円(当日いただきます)
大阪労働者弁護団HP http://www.lalaosaka.com/
公開講座の頁 http://www.lalaosaka.com/#!open-lecture/c1ciw
(民守 正義)
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