安倍政権の破滅的リスクと参議院選挙の展望(49)

《【亡霊のアホノミクス1】アベノミクス死に体。小沢一郎氏「アベノミクスの無様な失態を世間にさらしている」と発言。新聞・TVはどれだけ報じたか(孫崎享)》

A事実関係

1:「かけ声だけ、アベノミクスは無様な失態」 小沢一郎氏

「安倍(晋三)さんはアベノミクスで一生懸命だが、全くその実態はない。かけ声だけだったことは皆が知りつつある。日銀が無茶苦茶な事をやり、その結果が今日だ。実質賃金が4年連続で減っている。同時に雇用の不安定があるので個人消費が増えるわけがない。GDPの6割以上が個人消費の日本では、個人消費が上向かない限り景気は良くならない。だから個人に富の配分がキチンと行き渡る社会にしないといけない。今は本当に単なるかけ声だけのアベノミクスの無様な失態を、世間に曝しているということだ。

2:株の下落率、ITバブル崩壊に迫る アベノミクス黄信号

株安・円高の流れが止まらない。12日の東京株式市場は、世界経済の先行き不安から、日経平均株価が2014年10月21日以来、約1年4カ月ぶりに1万5千円台を割り込んだ。この日、本格的に始まった春闘の賃上げ交渉にも影響しそうで、安倍政権の経済政策「アベノミクス」が目指す経済の好循環に「黄信号」がともっている。

3:アベノミクス、行き詰まりへの道(ウォール・ストリート・ジャーナル主要論点)

・安倍晋三首相による経済再生計画の中核にあったのは、中央銀行の積極的な取り組みが数十年に亙る不況に喘ぐ日本へのショック療法になり得る、という賭けだった。だがマイナス金利導入という最も斬新な措置を講じた後も、日本銀行は持続的な景気拡大をもたらすに至っておらず「アベノミクス」の行き詰まりが示唆されている。

・経済の低迷を背景に、10日の日経平均株価は前日比2.31%下落し、日銀が2014年10月に追加緩和策を打ち出して以降の上昇分がほぼ帳消しとなった。一方、円はここ1年余りの最高値付近で取引され、日銀の意図とは逆に安全逃避の動きが際立った。

・安倍首相が就任した12年12月、株式・不動産バブルの崩壊から20年以上が経過した日本は、精彩を欠きつつも安定期に入っていた。経済は低成長で高齢化が急速に進んでいたが、少なくとも都市部では衰退の兆候など殆ど目につかず社会は依然として安全だった。

・だが安倍首相はそれでは不十分だとの認識を示した。金融緩和と財政出動、構造改革の「3本の矢」で経済再生を図り、物価・賃金を再度押し上げると公約した。

・3本の内、即効性が期待できるのは第一の矢だけだ。第二の矢である財政出動は財務省の圧力を受け間もなく減少した。第三の矢に盛り込まれた女性の雇用推進等の構造改革は、短期的効果を意図したものではない。

・最近の世論調査で安倍内閣の支持率は50%以上に持ち直しており、連立政権は今夏の参議院選挙で勝利を収める見込みだ。

・アベノミクスが失敗に終わっても日本経済が崩壊するわけではなく、安倍政権発足前の状態への回帰という穏やかな挫折に留まるだろう。日本の政府債務残高はGDP比200%以上と膨大だが、金利低下のおかげで然程、差し迫った問題ではないように思える。

B;評価

・株価については様々な要因があるが、現在深刻なのは実体経済の悪化である。既に本ブログで紹介したが次の現象が出ている。

賃金↓実質賃金(2015年)4年連続でマイナス

消費↓消費支出(15年12月)4か月連続でマイナス

生産↓鉱工業生産指数 2か月連続でマイナス

設備投資↓機械生産(15年11月)3か月ぶりの減少

・日本経済GDPの6割が消費である以上、経済成長の見通しは暗い。

 アベノミクスは失敗に終わった。

 結果的には浜矩子教授が述べていたアベノミクスは「アホノミクス」が正解だったようだ。直近では金子勝教授が「「カラノミクス」を標榜している。

・問題は政治面にどう影響与えるかである。

 ウォール・ストリート・ジャーナルは「最近の世論調査で安倍内閣の支持率は50%以上に持ち直しており、連立政権は今夏の参議院選挙で勝利を収める見込みだ」がどう出るか。

・マスコミが「アベノミクスは失態」という記事を書き続ければ流れが変わる。朝日が小沢氏の言葉として「アベノミクスの無様な失態を、世間にさらしている」と紹介しているが、どうなるか。【管理者:参議院選挙の展望は「リベラル野党共闘の結集軸」ができるだけでも与野党拮抗の可能性程度は相当ある。それ以外の小沢氏の考えは、これまでの「リベラル広場-アベノミクス評価」と、殆ど同様である。】

《安倍(戦争)総理の「不適格総理」の実相》

<逆質問・上から目線・苛立ち:安倍流答弁を解剖>

通常国会は2016年度予算案の審議がヤマ場を迎えつつある。安倍(戦争)総理の答弁は「安定感がある」との評価がある一方、環太平洋経済連携協定(TPP)や「政治とカネ」を巡る問題で対決姿勢を強める野党の追及に苛立ちを露わにする場面も。第2次政権の発足から4年目、首相の答弁術の熟練度はどうなのか。専門家の見解を基に探った。

「影響が出ているというのなら具体的に言ってくださいよ。ないというものを私はないと言っているのです」。3日の衆院予算委員会。甘利明・前経済財政・再生相の金銭授受がTPP等の政策に影響を与えた可能性を指摘した民主党の岡田代表に対し、首相は声を荒らげて反論した。手元の資料に一切目を落とさず、岡田代表を睨んで「無責任な誹謗・中傷にすぎない」と言い切った。この場面のポイントは逆質問だ。「TPPに影響するのですか?」「具体的に言ってください」と切り返す事で、論戦の主導権を握る。言語学の東照二・立命館大教授は首相の答弁の特徴として逆質問をあげ、攻守の立場を逆転させる「魔法の仕掛けを効果的に使っている」と指摘する。佐藤綾子・日本大学教授によると、語尾を下げる話し方を「フォーリング・イントネーション」と呼ぶようで、自分の主張に自信があるように演出して見せる。答弁中のアイコンタクトや腕の振りも十分で、この問題に関する「首相の強い自信を国民に示している」ように「ウソ演出」をする。

 安倍(戦争)総理は第一次安倍政権からの下野時代にNHKアナウンサーのスピーチの手ほどきを受けたという。確かに歴代総理の中では聞き易い方かもしれない。しかし開き直りとしか言いようのない「対案を出せ!-逆質問」。対案を出すにも値しない全面否定(「戦争法」「アホノミクス」「憲法改悪」等)されていることが、空虚な自信・思い上がりで分からないのだ。それに社民党-福島委員が「戦争法」と表現した時等に「不適切表現」と撤回を求める態度。言葉・用語の表現の場合、野党質問者の思想・内心の自由に基づいて、質問者が国民に「この方が解り易く適切だ」と思う方に言い換えを行うのは野党議員として当然の事で、それを「撤回を求める」と命令口調で求める事自体=「上から目線」が常識的思考になっている。そして野党質問が鋭くウソがバレそうに追い込まれると苛立って自席からヤジる、資料を机に叩き落す。本来の「我儘オボッチャマ」の地が丸出しだ。

それと既に何度も記載したが、産業カウンセラーである私の心理学の立場から指摘して、安倍(戦争)総理が自ら「大風呂敷ウソ」をつくときほど「自信満面・ヒーロー」の様なスピーチと表現を行う癖がある。例えば東京オリンピック誘致プレゼンテーションで、日本人なら誰でも直ぐ解るウソ「福島第一原発は完全コントロールされている」とか「アホノミクス評価」で「高知県の皆様、有効求人倍率が1.0になって、おめでとうございます。県庁では祝杯をあげたようで-」と全て真っ赤なウソを堂々とつく。(①高知県が、有効求人倍率が1.0になったのは分母=有効求人者数(若者等)が都市圏に流出したためで、むしろ「過疎化」の深刻な問題なのだ。②「有効求人倍率」は厚生労働省(旧労働省)高知労働局の仕事で「高知県庁が祝杯」など上げるはずがない。高知県庁は「安倍総理が撒いた都市伝説ではないか」と揶揄している。このように安倍(戦争)総理は能弁な割には平気でウソをつく行動癖があり、加えて「憲法も邪魔物」という独裁性においてヒットラーと類似しているところもあるが「残念ながら(?)」ヒットラーのように苦労人でもなくカリスマ性も全くない。それだけに人心掌握力も、ましてや人望もない。故に全くヒットラーよりも「似て非なるもの」にも追いつかず、ハッキリ言ってチャラコイ「メイドもいたオボッチャマ総理」である。それだけに来る参議院選挙(ダブル選挙?)では「リベラル野党の結束」で意外と簡単に足払いでコケル相手である。従って民主党の「リベラル野党の結束」に背を向ける態度は、如何に「ヨワコの安倍」を利する行為かを知るべしである。その気づきができないようでは、必ず民主党は壊滅的打撃を被る事を断言する。(文責:管理者-民守 正義)

<想田和弘監督が安倍政権を斬る!「安倍さんは民主主義をやめようとしている」「アベノミクスはただの筋肉増強剤」(リテラ)>

■民主主義は瀕死だが、その旗を最後まで下ろしてはいけない

──消費者が労働者であることを忘れるというマインドは、政治に関してもあるように思えます。強そうに見える権力者に投票することで、実は有権者が自分の首を絞めているという構図。しかし、これを批判すると「左翼はいつもそうだよ」と呆れられるか「反日だ!」攻撃されますよね。

想田 ははは、僕は左翼じゃないよ(笑)。だって僕は革命が良いなんて思ってないし、世の中をひっくり返そうとも思ってないもの。支持政党もないし。僕が政治的な運動や声明に参加するのは、個別の主張に賛同できるかどうかが基準。それに、社会の変化はゆっくりの方がいいと思う。TPP反対も、むしろ国内産業を守れという保守的な思想ですから。だから、むしろ僕は保守ですよ。だって地域社会が大事とか、自然を守れとか、商店街大好き、とかね。ホラ!保守じゃん(笑)。安倍晋三の方が、よっぽど革命家ですよ。

──あの安倍首相が、ですか。

想田 そう。安保法制一つ見ても、もうあれは革命と言っていいでしょう。戦後の法秩序をひっくり返しちゃったのだから。東大の憲法学者である石川健治氏に言わせれば「クーデター」です。しかも第二次安倍政権誕生から、まだたったの3年。その間にどれだけ安倍さんが変えましたか。秘密保護法、TPP、安保、後はNHKの人事もそう。NHKの体制もメディアの萎縮の仕方も、3年前とは全然、違う。あの人はたった3年間で、この国をもの凄く変えた。急進改革派ですよ。いや、はっきり言って急進的過激派です。僕は過激主義には組みしない。

──しかも安倍首相は反対意見に全く耳を貸さない。レッテル貼りだとかなんとか言って。

想田 それはもう、なんていうか、最低ですよ。民主主義を守るつもりなんて全くない、安倍さんには。それは改めて言うまでもないのです。自民党の憲法改定案を見れば解るじゃないですか。僕は12年の4月からずっと申し上げている。彼らの憲法改定案を見れば、今の自民党が民主主義を止めようとしている事は明らかなのですよ。だから今頃になって、それは民主的な進め方じゃないじゃないですか?‐て彼らに問うのは、凄く間抜けな話。

【管理者:安倍内閣の支持率は50%前後で、やや高止まりしているが、個別政策を見ると「評価しない」の方が結構、多く、現に「内閣支持率」とは異なって「内閣評価率」で見ると「評価しない」の方が上回っているか拮抗している。ということは「内閣支持率」も「なんとなく支持」が多く、その主たる要因は「リベラル野党の結束」が民主党のせいで頼りがいが無い事にあると見て良いだろう。私-管理者としては、有権者も「政権交替しうるリベラル野党勢力が無い」等と悠著な事を言っている場合ではないほど「安倍はヤメロ!」と声を出さなければならない危険(憲法改悪等)な状況だとは思うが、それでも「リベラル野党の結束軸」は早急に創るべきだと考える。そう「リベラル野党の結束軸」だ。もう民主党はホットイて、早急に「結束軸」を市民団体も巻き込んで固めようではないか。

今度は共産党の改めての決断と「参議院選挙への展望」を指し示すときにある。もう時間がないのだ。志位委員長の「御人好し」よりも政治力が試されている。】

【ご案内1】

辺野古新基地建設反対全国同時アクション・関西集会

◎とき 2月21日(日)14:00〜15:30

◎場所 梅田・ヨドバシカメラ前(JR大阪駅前)

◎主催 フォーラム平和関西ブロック近畿6府県「戦争をさせない1000人委員会」

    STOP!辺野古新基地建設大阪アクション

【ご案内2】

働くあなたを応援する 2016LA-LA公開講座1

「障害者雇用の法制度とその対応」/講師:池田 直樹 弁護士

◎日時:3月2日(水)午後6時30分~8時30分

◎会場:大阪労働者弁護団 事務所

◎参加費:1000円(当日いただきます)

大阪労働者弁護団HP http://www.lalaosaka.com/

公開講座の頁 http://www.lalaosaka.com/#!open-lecture/c1ciw

(民守 正義)