安倍政権の破滅的リスクと参議院選挙の展望(25)
安倍政権の破滅的リスクと参議院選挙の展望(25)
《TPP署名式、2月4日にNZで-12カ国の担当閣僚が出席へ》
【シドニ発:日経】ニュージーランドのマクレー貿易相は21日、環太平洋経済連携協定(TPP)の署名式を2月4日に最大都市オークランドで開くと発表した。協定に参加する日米等12カ国の担当閣僚が出席する方向で各国と調整している。2015年10月に大筋合意したTPP交渉は署名により最終合意を迎え内容が確定する。署名後、各国は議会承認など国内の批准手続きを開始し、2年以内の発効を目指す。12カ国の中で経済規模が最大の米国の批准が焦点となる。オバマ政権は議会に早期承認を要求しているが、今年行われる大統領選と絡み難航も予想される。ニュージーランドはシンガポールやチリ、ブルネイと共にTPPの前身となった「P4協定」の参加国。マクレー貿易相は「発効までの期間を生かしTPPがもたらすビジネス機会について国民に周知を図る」と述べ、酪農製品などの輸出拡大に期待を示した。【管理者:上記のとおり「各国議会承認」が発効の前提となっており、今国会も含め、TPPの問題点を余すことなく、今からこそ国民に暴露する事が重要だ】(管理者一部編集)
《収賄疑惑を告発された甘利経産相の悪評! バンダイの御曹司に絵画を1500万円で売りつけ裏金づくりの疑惑も》
安倍(戦争)総理の右腕に衝撃的な収賄スキャンダルが浮上した。“TPP交渉の立役者”といわれている甘利明・経済再生兼TPP担当相が、 千葉県の建設会社側から、少なくとも総額1200万円の現金や飲食接待のワイロを受けとっていたことを、21日発売の「週刊文春」がスクープしたのだ。既にマスコミで大きく報じられているが、記事は贈賄した建設会社の総務担当者による「実名告白」で、甘利大臣と事務所関係者らが、複数の“口利き”の見返りとして多額のカネを貰ったり、フィリピンパブ等で接待を受けていたというもの。
告白はディティールまでハッキリとしていて、やりとりは録音し、どこで誰と会ったかというメモ類、領収書等も保管しているという。総務担当者によれば甘利大臣側に渡した総額は「確実な証拠が残っているものだけでも千二百万」。だが、その一部は収支報告書に記載がなく闇に葬られているという。しかも、そのワイロの現場で甘利大臣は、まるで時代劇の悪代官さながらに振舞っていたことまで詳細に告発されているのだ。総務担当者によれば、建設会社の独立行政法人都市再生機構(UR)を巡る補償交渉で甘利事務所に直接解決を依頼。“お礼”として現金500万円を甘利大臣の公設第一秘書に渡し、その後、議員会館に社長と共に訪れ甘利大臣と面会した。そして甘利大臣本人にも50万円の入った封筒を渡した。すると甘利大臣も『あぁ』と言って50万円の入った封筒をスーツの内ポケットにしまったというのだ。詳しくは21日発売の「週刊文春」を確認して頂きたいが、この告発の信頼性は極めて高い。20日、甘利大臣は会見で「今後調査をした上で疑惑を持たれることのないように説明責任を果たしていきたい」と述べるに留めたが、これは政治資金規制法違反どころか、収賄容疑に問われかねない重大疑惑だ。もっとも永田町では驚きよりも「やっぱり」という声が大きいらしい。甘利大臣は第一次安倍政権のときから経産相を勤めていたが、当時から「カネに汚い」と噂されていたからだ。その一端が、2011年に「週刊朝日」が報じた、おもちゃ業界最大手バンダイ(バンダイナムコグループ)の御曹司スキャンダルの中に登場する。先ず「週刊朝日」は同年12月9日号、続く16日号で、バンダイ創業者の長男で社長、会長を歴任した山科誠氏が、財団の財産を私的に流用していた問題をスクープしたのだが、そこで山科誠元会長が甘利氏と昵懇の仲だったと指摘した。甘利大臣が現在でも代表を務めている自民党神奈川県第13選挙区支部への献金も頻繁で、06年には年間200万円にも及んだという。だが、ここで興味深いのは、甘利大臣が何とも姑息すぎる手段を使って、この御曹司から“甘い汁”を吸い上げていたという疑惑だ。「週刊朝日」によれば、山科元会長と甘利大臣との間には、美術品の取引もあったという。記事では山科氏が代表を務める山科ホールディングスの関係者が、こんな証言をしている。「5、6年ほど前でしょうか。甘利さんが美術品を3点持って事務所を訪ねてきたそうです。『買ってくれないか』と言われ、山科さんはまとめて1500万円で購入したと言っていました」ところが2010年に山科元会長が、それらの美術品を鑑定に出したところ、実に3点でたった100万円ポッチの評価しかされなかったというのだ。このとき「週刊朝日」の取材に対し甘利事務所は「売買は契約書を交わし適正に行われ、税務上の申告も適正に行っています」と回答しているが、100万円相当の品を15倍の金額で売りつけるとは……。 実は、このバンダイの御曹司との問題は一時、東京地検特捜部も関心をもって内偵していた時期があるという。「この美術品売りつけについても、第一次安倍政権の経産相時代に口利きして貰った見返りだったという話があり、特捜部が内偵したんですが、何故か事件化を見送ってしまった」(司法担当記者)安倍(戦争)総理は甘利大臣のこういう体質を知っていながら、第二次政権でも甘利大臣を経済財政政策の特命大臣に据え重用してきたのだ。甘利大臣の即時の大臣辞任、あるいは議員辞職は当然だが、安倍(戦争)総理の任命責任も厳しく問われなければならない。(リテラ/管理者一部編集)
《広がるか「落選運動」強引な政治に憤る有権者-強硬手段で「反撃」》
とかく日本人は既成事実に弱いといわれる。しかし安倍政権が強引に成立(?)させた「戦争関連法」に対しては「違憲」「反対」の声は、なおまだ収まらない。野党共闘や違憲等訴訟の行方と並んで、そろそろ注目されるのが、7月の参院選で「戦争関連法」に賛成した議員を落とそうという「落選運動」。どのような運動が考えられるか。
<未成年者も参加OK/候補者2人の選挙区なら公選法に抵触?>
「ぜひ皆さんに考えてほしいのですが、落選運動をしませんか」。参議院で「戦争関連法案」の審議がスタートする前の昨年7月24日、国会前に集結した市民や学生らを前に高橋哲哉・東京大大学院教授(哲学)が声を強めた。「安全保障関連法案に反対する学者の会」の呼び掛け人の一人である高橋氏の提案には、学生が中心の「SEALDs(シールズ)」も同調する動きを見せている。現段階で数団体・個人が落選運動の実施を表明しており、なお広がりそうだ。高橋氏は落選運動の意義を熱く語る。「安保関連法の問題点は、内容が憲法違反であるだけでなく、立憲主義に反し憲法の改悪手続きにのらないで憲法上禁止されていることを認めたという二重の憲法違反なのです。99条の国会議員ら公務員は憲法を尊重し擁護するという義務に違反している。国会議員の資格がないということをはっきりさせるべきです」 具体的には次のように提案している。先ず「戦争関連法」に何故、賛成したのか▽憲法違反との指摘にどう考えるのか▽立憲主義に反するとの指摘にどう考えるのか−−この3点を基本に公開質問を行う。その結果をインターネットで公開するというものだ。「安保関連法を廃止するためには落選運動だけで十分ではありませんが、先ずは賛成した議員一人一人を“撃破”することから始めたらいい」と高橋氏は語る。
落選運動は公職選挙法に抵触しないのか。すなわち選挙違反にならないのだろうか。岩渕美克・日本大大学院教授(政治学)はこう解説する。「落選運動は、特定の候補者の落選を促す政治活動なので、選挙運動ではないと解釈されています。極端に言えば選挙運動が法で禁止されている公務員や未成年にも認められ、今日からでも始めることができます」。ネット選挙が解禁された2013年の改正公選法ガイドラインでも「何ら当選目的がなく、単に特定の候補者の落選のみを図る行為である場合には、選挙運動には当たらないと解されている」としている。一方で、これまで落選運動があまり注目されることがなく問題が表面化することはなかったが、岩渕氏は“落とし穴”もありそうだと付け加える。
例えば、ある選挙区で立候補者が2人しかいないケース。特定の候補者を落とそうとする運動が、もう1人の候補者を当選させる目的がある-と解釈されないのか。岩渕氏は「落選者らが司法に訴えた場合、公選法に照らすとグレーな部分があると判断されるかもしれない。司法は落選運動があまりにも大きく広がり、結果として特定の候補者の当選に繋がる事になれば、選挙運動に該当すると判断するかもしれません」と説明する。司法判断は、社会情勢に影響される部分が否定できないからだ。選挙に影響を及ぼすとの懸念もある。落選させたい候補者がいても、受け皿になる候補者がいない時、棄権が増えて投票率の低下を招くかもしれないからだ。また米国のネガティブキャンペーンのように陣営同士の批判合戦になってしまうことも危惧される。落選運動は微妙な問題も含んでいそうだ。
落選運動は目新しいものではなく、韓国では00年4月の総選挙で、市民団体が「不正腐敗に関与した」等の理由で、候補者86人を対象に落選運動を展開した。その内59人が落選し威力が注目された。この動きを受けて日本でも同年6月の衆院選を前に、東京や大阪、愛知、静岡等で次々と落選運動を進める市民団体が生まれた。当時、東京にできた「市民連帯・波21」が全国に呼び掛けたところ、議員の資質に欠ける等の理由で320人を超す議員の名前が挙がり、30人の落選候補リストを作成。結果的に6人が落選した。
同じ取り組みをした「自公保ストップ首都圏ネットワーク」の元共同代表、宮本なおみさんは「確かに数人落選しましたが、どこまで効果があったかは分からない。運動の成功には韓国のように多くの市民が参加する盛り上がりが必要ではないか」と振り返りながら話した。市民団体等が行う落選運動を法的に支援する動きも出ている。政治家と金の問題を追及する市民団体のネットワーク「政治資金オンブズマン」の共同代表を務める阪口徳雄弁護士らが「安保関連法案賛成議員を落選させよう・弁護士の会(仮称)」をが結成した。有権者が落選運動に注目する背景には何があるのか。岩渕氏は「選挙に勝ったから何でもできるという安倍政権のおごりや強引な政治が行われた結果、有権者も強硬な手段を選ぶようになった」と説明する。高橋氏は、有権者を軽く見る政治家の言動への反動と見る。「大阪市の橋下-元市長が都構想の問題で『反対なら選挙で僕を落とせばいい』等と繰り返していたこともありました。また安倍(戦争)総理は『戦争関連法』について『国民の理解はなくても、いずれ分かる』と民意をバカにしたような発言をした。それならば落選させてやろうじゃないかという有権者の憤りがあるのではないか」。粗雑な政治手法が、強力なカウンター(反撃)を生んだという見方だ。岩渕氏は「落選運動が、政治に関心がなかった人々を変えるキッカケになれば評価したい。また大事なことは、選挙の時だけではなく、政治家に対して『私たちは監視している』『当選したからといって政治家の好き勝手にはさせない』と常に意識させることなのです」と、落選運動がもたらす効果に期待する。落選運動が、民意を無視する政治家を牽制する有権者の武器になるのか。その試みは始まったばかりだ。
【管理者:ブログ「リベラル広場」でも「衆参同日選挙があるか」「直近で法規範が変更されないか」等を見定めて「スローガン付き『落選運動』を行う予定だ。その際は皆さんの御協力を願う。】 (管理者編集)
【「アベ」の本音ポロリ】1月21日、参議院決算委員会で安倍(戦争)総理が「税収というのは国民から吸い上げた物でありまして、~」と独裁的セリフを吐いた。
【書籍紹介】世界を視るフォトジャーナリズム月刊誌「DAYS JAPAN」
[2月号「安倍政権に命の舵は渡さない」]
秘密保護法、安保法制を強行させ、安倍政権は「戦争ができる国」への地ならしを着実に、強引に押し進めています。
「戦争法制」を廃止し、改憲を不可能にする最後のチャンスが、この夏の参院選です。
2月号では「日本の未来を大きく変える重要な年になる。」 この2016年をどう生きるか、ジャーナリスト、学者、弁護士、映画監督他26人の方から大事なメッセージ寄稿いただきました。30ページにわたる渾身の大特集です。
DAYS JAPANは、これからも最悪の事態に突き進もうとする現政政権にNOをつきつけていきます。2月号、ぜひ一人でも多くの人に手に取っていただけることを心から願っています。
どうぞ宜しくお願い致します。
http://www.daysjapan.net/bn/1602.html
特集:安倍政権に命の舵は渡さない。2016年をどう生きるか。
《TPP署名式、2月4日にNZで-12カ国の担当閣僚が出席へ》
【シドニ発:日経】ニュージーランドのマクレー貿易相は21日、環太平洋経済連携協定(TPP)の署名式を2月4日に最大都市オークランドで開くと発表した。協定に参加する日米等12カ国の担当閣僚が出席する方向で各国と調整している。2015年10月に大筋合意したTPP交渉は署名により最終合意を迎え内容が確定する。署名後、各国は議会承認など国内の批准手続きを開始し、2年以内の発効を目指す。12カ国の中で経済規模が最大の米国の批准が焦点となる。オバマ政権は議会に早期承認を要求しているが、今年行われる大統領選と絡み難航も予想される。ニュージーランドはシンガポールやチリ、ブルネイと共にTPPの前身となった「P4協定」の参加国。マクレー貿易相は「発効までの期間を生かしTPPがもたらすビジネス機会について国民に周知を図る」と述べ、酪農製品などの輸出拡大に期待を示した。【管理者:上記のとおり「各国議会承認」が発効の前提となっており、今国会も含め、TPPの問題点を余すことなく、今からこそ国民に暴露する事が重要だ】(管理者一部編集)
《収賄疑惑を告発された甘利経産相の悪評! バンダイの御曹司に絵画を1500万円で売りつけ裏金づくりの疑惑も》
安倍(戦争)総理の右腕に衝撃的な収賄スキャンダルが浮上した。“TPP交渉の立役者”といわれている甘利明・経済再生兼TPP担当相が、 千葉県の建設会社側から、少なくとも総額1200万円の現金や飲食接待のワイロを受けとっていたことを、21日発売の「週刊文春」がスクープしたのだ。既にマスコミで大きく報じられているが、記事は贈賄した建設会社の総務担当者による「実名告白」で、甘利大臣と事務所関係者らが、複数の“口利き”の見返りとして多額のカネを貰ったり、フィリピンパブ等で接待を受けていたというもの。
告白はディティールまでハッキリとしていて、やりとりは録音し、どこで誰と会ったかというメモ類、領収書等も保管しているという。総務担当者によれば甘利大臣側に渡した総額は「確実な証拠が残っているものだけでも千二百万」。だが、その一部は収支報告書に記載がなく闇に葬られているという。しかも、そのワイロの現場で甘利大臣は、まるで時代劇の悪代官さながらに振舞っていたことまで詳細に告発されているのだ。総務担当者によれば、建設会社の独立行政法人都市再生機構(UR)を巡る補償交渉で甘利事務所に直接解決を依頼。“お礼”として現金500万円を甘利大臣の公設第一秘書に渡し、その後、議員会館に社長と共に訪れ甘利大臣と面会した。そして甘利大臣本人にも50万円の入った封筒を渡した。すると甘利大臣も『あぁ』と言って50万円の入った封筒をスーツの内ポケットにしまったというのだ。詳しくは21日発売の「週刊文春」を確認して頂きたいが、この告発の信頼性は極めて高い。20日、甘利大臣は会見で「今後調査をした上で疑惑を持たれることのないように説明責任を果たしていきたい」と述べるに留めたが、これは政治資金規制法違反どころか、収賄容疑に問われかねない重大疑惑だ。もっとも永田町では驚きよりも「やっぱり」という声が大きいらしい。甘利大臣は第一次安倍政権のときから経産相を勤めていたが、当時から「カネに汚い」と噂されていたからだ。その一端が、2011年に「週刊朝日」が報じた、おもちゃ業界最大手バンダイ(バンダイナムコグループ)の御曹司スキャンダルの中に登場する。先ず「週刊朝日」は同年12月9日号、続く16日号で、バンダイ創業者の長男で社長、会長を歴任した山科誠氏が、財団の財産を私的に流用していた問題をスクープしたのだが、そこで山科誠元会長が甘利氏と昵懇の仲だったと指摘した。甘利大臣が現在でも代表を務めている自民党神奈川県第13選挙区支部への献金も頻繁で、06年には年間200万円にも及んだという。だが、ここで興味深いのは、甘利大臣が何とも姑息すぎる手段を使って、この御曹司から“甘い汁”を吸い上げていたという疑惑だ。「週刊朝日」によれば、山科元会長と甘利大臣との間には、美術品の取引もあったという。記事では山科氏が代表を務める山科ホールディングスの関係者が、こんな証言をしている。「5、6年ほど前でしょうか。甘利さんが美術品を3点持って事務所を訪ねてきたそうです。『買ってくれないか』と言われ、山科さんはまとめて1500万円で購入したと言っていました」ところが2010年に山科元会長が、それらの美術品を鑑定に出したところ、実に3点でたった100万円ポッチの評価しかされなかったというのだ。このとき「週刊朝日」の取材に対し甘利事務所は「売買は契約書を交わし適正に行われ、税務上の申告も適正に行っています」と回答しているが、100万円相当の品を15倍の金額で売りつけるとは……。 実は、このバンダイの御曹司との問題は一時、東京地検特捜部も関心をもって内偵していた時期があるという。「この美術品売りつけについても、第一次安倍政権の経産相時代に口利きして貰った見返りだったという話があり、特捜部が内偵したんですが、何故か事件化を見送ってしまった」(司法担当記者)安倍(戦争)総理は甘利大臣のこういう体質を知っていながら、第二次政権でも甘利大臣を経済財政政策の特命大臣に据え重用してきたのだ。甘利大臣の即時の大臣辞任、あるいは議員辞職は当然だが、安倍(戦争)総理の任命責任も厳しく問われなければならない。(リテラ/管理者一部編集)
《広がるか「落選運動」強引な政治に憤る有権者-強硬手段で「反撃」》
とかく日本人は既成事実に弱いといわれる。しかし安倍政権が強引に成立(?)させた「戦争関連法」に対しては「違憲」「反対」の声は、なおまだ収まらない。野党共闘や違憲等訴訟の行方と並んで、そろそろ注目されるのが、7月の参院選で「戦争関連法」に賛成した議員を落とそうという「落選運動」。どのような運動が考えられるか。
<未成年者も参加OK/候補者2人の選挙区なら公選法に抵触?>
「ぜひ皆さんに考えてほしいのですが、落選運動をしませんか」。参議院で「戦争関連法案」の審議がスタートする前の昨年7月24日、国会前に集結した市民や学生らを前に高橋哲哉・東京大大学院教授(哲学)が声を強めた。「安全保障関連法案に反対する学者の会」の呼び掛け人の一人である高橋氏の提案には、学生が中心の「SEALDs(シールズ)」も同調する動きを見せている。現段階で数団体・個人が落選運動の実施を表明しており、なお広がりそうだ。高橋氏は落選運動の意義を熱く語る。「安保関連法の問題点は、内容が憲法違反であるだけでなく、立憲主義に反し憲法の改悪手続きにのらないで憲法上禁止されていることを認めたという二重の憲法違反なのです。99条の国会議員ら公務員は憲法を尊重し擁護するという義務に違反している。国会議員の資格がないということをはっきりさせるべきです」 具体的には次のように提案している。先ず「戦争関連法」に何故、賛成したのか▽憲法違反との指摘にどう考えるのか▽立憲主義に反するとの指摘にどう考えるのか−−この3点を基本に公開質問を行う。その結果をインターネットで公開するというものだ。「安保関連法を廃止するためには落選運動だけで十分ではありませんが、先ずは賛成した議員一人一人を“撃破”することから始めたらいい」と高橋氏は語る。
落選運動は公職選挙法に抵触しないのか。すなわち選挙違反にならないのだろうか。岩渕美克・日本大大学院教授(政治学)はこう解説する。「落選運動は、特定の候補者の落選を促す政治活動なので、選挙運動ではないと解釈されています。極端に言えば選挙運動が法で禁止されている公務員や未成年にも認められ、今日からでも始めることができます」。ネット選挙が解禁された2013年の改正公選法ガイドラインでも「何ら当選目的がなく、単に特定の候補者の落選のみを図る行為である場合には、選挙運動には当たらないと解されている」としている。一方で、これまで落選運動があまり注目されることがなく問題が表面化することはなかったが、岩渕氏は“落とし穴”もありそうだと付け加える。
例えば、ある選挙区で立候補者が2人しかいないケース。特定の候補者を落とそうとする運動が、もう1人の候補者を当選させる目的がある-と解釈されないのか。岩渕氏は「落選者らが司法に訴えた場合、公選法に照らすとグレーな部分があると判断されるかもしれない。司法は落選運動があまりにも大きく広がり、結果として特定の候補者の当選に繋がる事になれば、選挙運動に該当すると判断するかもしれません」と説明する。司法判断は、社会情勢に影響される部分が否定できないからだ。選挙に影響を及ぼすとの懸念もある。落選させたい候補者がいても、受け皿になる候補者がいない時、棄権が増えて投票率の低下を招くかもしれないからだ。また米国のネガティブキャンペーンのように陣営同士の批判合戦になってしまうことも危惧される。落選運動は微妙な問題も含んでいそうだ。
落選運動は目新しいものではなく、韓国では00年4月の総選挙で、市民団体が「不正腐敗に関与した」等の理由で、候補者86人を対象に落選運動を展開した。その内59人が落選し威力が注目された。この動きを受けて日本でも同年6月の衆院選を前に、東京や大阪、愛知、静岡等で次々と落選運動を進める市民団体が生まれた。当時、東京にできた「市民連帯・波21」が全国に呼び掛けたところ、議員の資質に欠ける等の理由で320人を超す議員の名前が挙がり、30人の落選候補リストを作成。結果的に6人が落選した。
同じ取り組みをした「自公保ストップ首都圏ネットワーク」の元共同代表、宮本なおみさんは「確かに数人落選しましたが、どこまで効果があったかは分からない。運動の成功には韓国のように多くの市民が参加する盛り上がりが必要ではないか」と振り返りながら話した。市民団体等が行う落選運動を法的に支援する動きも出ている。政治家と金の問題を追及する市民団体のネットワーク「政治資金オンブズマン」の共同代表を務める阪口徳雄弁護士らが「安保関連法案賛成議員を落選させよう・弁護士の会(仮称)」をが結成した。有権者が落選運動に注目する背景には何があるのか。岩渕氏は「選挙に勝ったから何でもできるという安倍政権のおごりや強引な政治が行われた結果、有権者も強硬な手段を選ぶようになった」と説明する。高橋氏は、有権者を軽く見る政治家の言動への反動と見る。「大阪市の橋下-元市長が都構想の問題で『反対なら選挙で僕を落とせばいい』等と繰り返していたこともありました。また安倍(戦争)総理は『戦争関連法』について『国民の理解はなくても、いずれ分かる』と民意をバカにしたような発言をした。それならば落選させてやろうじゃないかという有権者の憤りがあるのではないか」。粗雑な政治手法が、強力なカウンター(反撃)を生んだという見方だ。岩渕氏は「落選運動が、政治に関心がなかった人々を変えるキッカケになれば評価したい。また大事なことは、選挙の時だけではなく、政治家に対して『私たちは監視している』『当選したからといって政治家の好き勝手にはさせない』と常に意識させることなのです」と、落選運動がもたらす効果に期待する。落選運動が、民意を無視する政治家を牽制する有権者の武器になるのか。その試みは始まったばかりだ。
【管理者:ブログ「リベラル広場」でも「衆参同日選挙があるか」「直近で法規範が変更されないか」等を見定めて「スローガン付き『落選運動』を行う予定だ。その際は皆さんの御協力を願う。】 (管理者編集)
【「アベ」の本音ポロリ】1月21日、参議院決算委員会で安倍(戦争)総理が「税収というのは国民から吸い上げた物でありまして、~」と独裁的セリフを吐いた。
【書籍紹介】世界を視るフォトジャーナリズム月刊誌「DAYS JAPAN」
[2月号「安倍政権に命の舵は渡さない」]
秘密保護法、安保法制を強行させ、安倍政権は「戦争ができる国」への地ならしを着実に、強引に押し進めています。
「戦争法制」を廃止し、改憲を不可能にする最後のチャンスが、この夏の参院選です。
2月号では「日本の未来を大きく変える重要な年になる。」 この2016年をどう生きるか、ジャーナリスト、学者、弁護士、映画監督他26人の方から大事なメッセージ寄稿いただきました。30ページにわたる渾身の大特集です。
DAYS JAPANは、これからも最悪の事態に突き進もうとする現政政権にNOをつきつけていきます。2月号、ぜひ一人でも多くの人に手に取っていただけることを心から願っています。
どうぞ宜しくお願い致します。
http://www.daysjapan.net/bn/1602.html
特集:安倍政権に命の舵は渡さない。2016年をどう生きるか。
(民守 正義)
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