安倍政権の破滅的リスクと参議院選挙の展望(13)

安倍政権の破滅的リスクと参議院選挙の展望(13)


《「矢継ぎ早・支離滅裂」の補正予算案!》
麻生財務相は4日、召集された通常国会の財政演説で2015年度補正予算案について説明した。「今こそ、少子高齢化という構造的課題に取り組まなければならない」と意気込みを表明し「一億総活躍社会の実現-希望出生率1.8・介護離職ゼロに直結する政策約1.2兆円の緊急対策費等を盛り込んだ」と説明したものの、中味を見ると従来型施策に上記看板が付いただけとの感が拭えない。また財務相は国内景気について「デフレ不況から脱却しつつある」と財界でさえ否定する声が多い主観的評価を表明した。更に、この「約1.2兆円の緊急対策費等」が、「強い経済の実現に向けた歩みを確固たるものにするためにも必要」と力説したが、この「一億総活躍社会の実現-希望出生率1.8・介護離職ゼロに直結する政策約1.2兆円の緊急対策費等」が景気対策との関係で「必要」との科学的根拠説明は全くなく「取って付けた」コジツケもいい加減にして貰いたい。また15年10月に「大筋合意」した環太平洋経済連携協定(TPP)では「国民の不安を解消せねばならない」と言及した。一方、TPPの効果を国内経済の活性化や地方創生に「直結させる」と真の決意か虚偽の決意かは定かでないが、そんな決意を述べる前に「大筋合意」と言われる各分野の交渉到達状況の全文日本語訳内容を、早急に公開してもらいたい。(いまだに要約版のみで非公開)結局、安倍内閣が先月に閣議決定した補正予算案の総額は約3.3兆円。
この中には上記の「約1.2兆円の緊急対策費等」も看板名目上は含まれているが、一方ではご承知のとおり「老人福祉施設・介護業者の倒産」が過去最悪のペースで進んでいる。その背景には介護労働者の労働条件の悪さによる人手不足が決定的要因だが、そこには抜本的対策(例;介護労働者への直接賃金助成等)を講じず、参議院選挙バラマキ対策と酷評な所得が少ない年金受給者には3万円を配るという。この「3万円給付」も実際、どの程度の範囲となるか、細部は解らない上に、何と安倍政権は年金財源の50%まで株運用ができるよう国会審議も無く勝手に緩和し、既に「株バクチ10兆円運用損」と「ジャンク債購入」で年金は崩壊寸前 と言われている。これについて民主党-山井議員が安倍(戦争)総理に質しても「まだ、それ以前からの運用益が残っている」と金銭感覚の無さを露呈。ここで「参議院選挙前3万円」を貰っても、選挙後どんな「地獄の老後生活」が待っているか、解ったものじゃない。とにかく今回の補正予算に来年度当初予算。「支離滅裂と毒団子のアベノミックス予算」と言っても言い過ぎではない。(文責:管理者-民守 正義)

《高木パンツ大臣に“弾よけ続投説”急浮上》
下着ドロ疑惑に加え、選挙区内への香典配布問題が炸裂し、安倍政権“広報紙”に早期更迭とまで報じられた高木パンツ大臣だが、驚いた事に、ここへきて「来春まで続投」説が浮上している。高木大臣本人が「正月の晴れ舞台は『大臣』で」と強い執着で辞任を渋っていると言われていたが、それとは別に意外にも安倍官邸が続投を望んでいるというのである。「臨時国会を開かなかったため、通常国会では処理しなければならない法案が多いだけでなく、補正予算を早期に成立させなければならない。官邸は当初、野党の高木大臣追及に審議時間が取られるのは困ると、年内の辞任を望んでいました。しかし高木さんは辞める気がない。だったら逆に高木さんを利用できるだけ利用しようという事です。通常国会で高木さんに野党の質問が集中すれば、安倍首相が追い詰められる事はないし、他の閣僚のスキャンダルも出にくい」(自民党関係者)つまり高木大臣を、安倍内閣のための“弾よけ”にするという訳だ。「3月に来年度当初予算が成立する。被災地への予算がシッカリ付いたところで『高木復興相の仕事も一区切り』と、辞任してもらうというシナリオです。3月11日は、東日本大震災から丸5年の節目になりますしね。そこまで引っ張れば、安倍首相の任命責任も問われなくて済みます」(前出の自民党関係者)いやはや大臣が大臣なら首相も首相。自己都合優先で国民不在だ。安倍政権は本当にロクでもない。こうなったら野党に何としても鋭く追及してもらわなくちゃならない。(日刊ゲンダイ)

《故 野坂昭如氏の遺言(?)「安倍政権は戦前にそっくり」「国民よ、騙されるな」》
12月9日、作家の野坂昭如が心不全のため都内病院で亡くなった。85歳だった。
 野坂昭如といえば、大島渚・小山明子夫妻の結婚30周年を祝うパーティーで大島渚と大乱闘を繰り広げたり、ブルーフィルム製作を営む青年達を主人公にした小説『エロ事師たち』を出版したり、編集長を務めていた月刊誌「面白半分」に永井荷風『四畳半襖の下張』を全文掲載して猥褻文書販売の罪で起訴されたりと、マルチな分野で才能を発揮しながら、常に冗談とも本気ともつかぬ、軽妙かつ過激な言動で世間をアジテートしてきた。
 そんな野坂が人生を懸けて表現し続けてきたものがある。それは「平和」への願いだ。
 自身が体験した悲惨な戦争体験から、戦争の恐ろしさ・平和の大切さを発信し続ける姿勢は、最晩年になっても変わることはなかった。本稿では、そんな野坂昭如が最期に残した言葉を紹介したいと思う。野坂昭如、最期の平和へのメッセージ。それは「サンデー毎日」2015年8月23日号に寄稿された文章「二度と戦争をしないことが死者への礼儀だ」であった。野坂昭如の代表作といえば、1967年に発表され直木賞を受賞し、88年に高畑勲によってアニメ映画化された『火垂るの墓』が上げられる。この物語が彼の実体験をベースに書かれていることは、よく知られている話だが、先ず彼は『火垂るの墓』について、このように綴っている。〈僕は焼け野原の上を彷徨った。地獄を見た。空襲で全て失い、幼い妹を連れ逃げた先が福井、戦後すぐから福井で妹が亡くなるまでの明け暮れについてを「火垂るの墓」という30枚ほどの小説にした。空襲で家を焼かれ一家離散、生きのびた妹は、やがて僕の腕の中で死んだ。小説は僕の体験を下敷きにしてはいるが、自己弁護が強く、後ろめたさが残る。自分では読み返すことが出来ない。それでも戦争の悲惨さを少しでも伝えられればと思い、僕は書き続けてきた。文字なり喋ることだけで、何かを伝えるのは難しい。それでも、やっぱり僕は今も戦争に拘っている〉戦争とは、どれだけ酷く悲しいものなのか。野坂は次のように言葉を重ねる。実際に戦争を体験し、その悲しみを身体に刻み込んできた彼から放たれるメッセージには並々ならぬ重みがある。
〈戦争は人間を無茶苦茶にしてしまう。人間を残酷にする。人間が狂う。だが人間は戦争をする。出刃包丁で殺そうが、核兵器で殺そうが同じことである。戦場で殺し合いをする兵士が、家では良き父であり夫である。これがあたり前なのだ〉〈戦争は人間を人間でなくす。では獣になるのか。これは獣に失礼。獣は意味のない無駄な殺し合いをしない。人間だけが戦争をするのだ。今を生きる日本人は、かつて戦争へと突き進んでいった人間達と、どこがどう違うのか。何も変わりはしない。だからこそ戦争の虚しさを伝え続ける必要がある〉「かつて戦争へと突き進んでいった人間達と今を生きる日本人は何も変わらない」。この夏、我が国が「戦争のできる国」へと大きく舵を切った後に読むと、より考えさせられる言葉だ。この一文が象徴しているように強硬なプロセスで採決された「戦争法制」と安倍政権のやり方に対し、野坂は怒りを隠さない。〈安保法案は衆院で強行採決された。十分に審議は尽くされたという。審議尽くされたはずが、国民の大多数は説明不十分だと受け留めている。国民、学者、専門家から批判の声が上がるが、お上はこれを無視。安倍首相をはじめ、政権側は、衆院に送り、今後国民にしっかり説明していくと宣う。だが国会は説明の場ではない〉続けて野坂は、表現・マスコミに関わる者として、今のメディアを取り巻く環境を戦前のそれと重ね合わせる。〈安保法がこのまま成立すれば、やがて看板はともかく、軍法会議設立も不思議じゃない。これは両輪の如きものとも言える。既に特定秘密保護法が施行され、早速の言論弾圧。その内、再びの徴兵制へと続くだろう。
 言論弾圧が進めば、反戦的言辞を弄する者は処罰される。既にマスコミにも大本営発表的傾向がみられる。これがこのまま続けば国民の国防意識を急速に高めることも可能。たちまち軍事体制が世間の暮らしの仕組みの上に及んでくる。戦争ならば覚悟しなければならない。往年の国民精神総動員令がよみがえる〉彼が主張する戦前と今の類似点は、報道に対する圧力だけではない。国民の声は無視、まるで独裁者のように振る舞う政府の姿勢も戦前そっくりだと野坂は語る。〈かつて軍国主義は軍隊が専横をほしいままにし、頂点に立つ何人かが協議。制度を整え戦争を準備した。強力な指導者の登場は挙国一致体制が前提。今は軍国主義の世の中ではない。だが世間が反対しようと無謀であろうと、無理のごり押しを平気でする。決めたらひたすら突き進む。この政府の姿勢は、かつてとそっくり〉戦後70年の節目にして、戦前のような状況に戻ろうとしている日本。無論、このことは国民の我々にとって絵空事ではない。彼は次のように警鐘を鳴らす。〈日本が戦争出来る国になる以上、戦争を想定した上での都市のあり方、疎開や備蓄、あらゆることを考えておかなければならない。積極的平和主義など姑息な言い方はやめて、安倍首相は国民にとって戦争というものが、どういうものかを論理的に説明すべきだろう。本質を語らず上辺ばかり〉死の僅か4ヵ月前、安倍政権による“戦争のできる国”づくりに対する危機感を訴えていた野坂。先の戦争を知っているからこその危機感だろう。11月30日に亡くなった水木しげるもそうだが、先の戦争を体験し、その悲しみを伝え続けた世代が次々と鬼籍に入っている。それにつれて、この国は戦争の恐ろしさ・悲しさを忘れつつある。
 戦争の犠牲となった人々、また、その悲しみを戦後70年間、抱え続けた人々、そんな先人達のためにも、いま一度「平和」への誓いを新たにしなければならない、と野坂は綴る。そんな野坂昭如の最期のメッセージを改めて噛み締めたい。〈戦争で多くの命を失った。飢えに泣いた。大きな犠牲の上に今の日本がある。二度と日本が戦争をしないよう、そのためにどう生きていくかを問題とする。これこそが死者に対しての礼儀だろう。そして戦後に生まれ、今を生きる者にも責任はある。繁栄の世を築いたのは戦後がむしゃらに働いた先人達である。その恩恵を享受した自分達は後世に何を残すのか〉〈どんな戦争も自衛のため、といって始まる。そして苦しむのは世間一般の人々なのだ。騙されるな。このままでは70年間の犠牲者達へ顔向け出来ない〉(リテラ:新田 樹)

【紹介1】東日本大震災で74人が犠牲になった南三陸町病院が再建され開業。総工費56億円の内「約22億円」が台湾からの寄付によるもので、現地の方々が「日本でもっと知らしてほしい」という事なので紹介します。


【紹介2】アムネスティ・インターナショナル日本(Amnesty International Japan)
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(民守 正義)