安倍政権打倒の道程-参議院選挙とTPPシリーズ(14)

安倍政権打倒の道程-参議院選挙とTPPシリーズ(14)


《【敗戦・TPP】「攻める」はずの自動車分野で「関税が永遠に撤廃されない可能性」も!? 日米並行協議での驚くべき譲歩内容が民主党による官僚ヒアリングで明らかに!》
「国益に叶う」「チャンスをもたらす」—。安倍(戦争)総理はTPP交渉の「大筋合意(実態は「大筋合意することを大筋合意した」と言われている)」を受け、その成果を誇った。しかしそれが「真っ赤な嘘」であること が、政府自身によって早々に明かされた。総理が「TPPによって最終的に撤廃される」と強調した日本車の関税が、米国内においては「無限に撤廃されない」 可能性が露呈したのだ。民主党が関係省庁の担当者からTPP交渉の結果をヒアリングする第4回「経済連携調査会」が本年11月11日、開かれた。
 政府の発表によると、自動車分野では日本が輸出する乗用車で25年後、トラックは30年後、バスは10年後に関税が撤廃されることになっている。
◎乗用車(現行税率2.5%)15年目から引き下げ開始、20年目で半減、25年目で廃廃
◎トラック(同25%)29年間は維持し、30年目で撤廃
◎バス(同2.0%)10年目に撤廃
 ところが外務省の説明によると、TPP交渉の「入場料」として、日本と米国の2国間で自動車や保険分野について話し合う「日米並行協議」では、日本が唯一「攻め」の分野であった自動車についても、大幅な譲歩を強いられていた。
 驚くべきことに日本に協定違反があった場合、米国側は関税引き下げまでの期間を先延ばししたり、引き下げた関税率を再び上げるペナルティを課すことができるというのだ。
 つまり乗用車の場合、15年目までに日本に違反があった場合、米国は引き下げの開始時期を遅らせることができる。15年目以降では、引き下げた関税率を元に戻す(乗用車の場合は2.5%まで)ことができる。
<永遠に関税が撤廃されない可能性の一方、米国側には自動車分野のペナルティなし!?>
 民主党-玉木雄一郎議員は、このあまりに「不平等」な「合意内容」について、厳しく追及した。「自動車25年、トラック30年というのは延びると。延びる期間は理論的には無限だということか?最大10年とか最大5年とか決まっていない? (官僚-頷く)ですよね。加えて撤廃が決まってから更に10年間はセーフガードがあると言う理解でいいか、どうか。メチャクチャ長いですよね。関税撤廃になってから復活する可能性がある期間が更に10年間ぐらいある。半世紀ぐらいあるかもしれない⁻ということですよね」
 外務省の説明によれば、関税率の引き下げの先延ばしや、関税率を復活させる期間について、最長何年という制限はないという。つまり永遠に関税が撤廃されない可能性もあるということだ。一方で米国側に協定違反があった場合も、同様のペナルティを日本側が課せられるということであれば、まだ公平な取り決めと言える。ところが日本はWTO(世界貿易機関)協定の下で、既に自動車関税をゼロにしており、関税率を引き上げるとWTO協定違反になってしまうためできない。そこで日本側の対抗措置としては、TPPで関税が引き下げられた「自動車以外の品目」の税率を上げることになるという。外務省の担当者は「そういう意味では同等性というか、米国だけが厳しい措置をとれるということではない」と説明するが、自動車業界にとっては一方的にペナルティを課されるだけの不平等条約だ。(IWJ/管理者一部編集)

《「戦争法」からTPPでも安倍(戦争)総理の“応援団”と化した官邸記者》
まるで見ちゃいられなかった。TPP交渉の「大筋合意」を受けて6日、行われた安倍(戦争)総理の会見。何がヒドかったというと「国家百年の計」「国益に叶う最善の結果を得ることができた」なんて恍惚とした表情で話す安倍(戦争)総理に対し、記者から厳しい質問が何も出なかったからだ。とりわけ突っ込みどころ満載だったのは、安倍(戦争)総理のこの発言だ。「自民党がTPP交渉参加に先立って掲げた国民との約束は、しっかりと守ることができた」「農産物重要5項目については、関税撤廃の例外を確保できた」
そもそも2012年の総選挙で「TPP交渉参加に断固反対」を掲げて闘ったのは自民党だ。
当時、野党だった安倍(戦争)総理も衆院本会議で「我が党では既に聖域なき関税撤廃を前提にする限り、交渉参加に反対することを決定しております」と叫んでいた。今回、安倍(戦争)総理は「例外を確保」なんて言葉でゴマカしているが「合意」によって10年以内に95%の輸入関税はなくなる。「聖域なき撤廃」が先延ばしされただけで「国民との約束」なんて何も守っちゃいない。しかも13年4月の衆参農林水産委員会の「TPP協定交渉参加に関する決議」では、重要5品目 について〈10年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も含め認めないこと〉〈収集した情報については、国会に速やかに報告するとともに、国民への十分な情報提供を行い〉とあるが、合意事項では牛、豚肉とも関税の段階的な大幅引き下げが決定。野党から交渉結果の詳細説明を求められている臨時国会の開催についても、安倍(戦争)総理は「与党と相談して決めたい」と逃げた。
 フツーの感覚を持った記者なら「例外確保の具体的な意味は何か」「委員会決議に反する」「すぐに臨時国会を開いて国民に説明すべき」と迫るのがスジだ。
 ところが官邸の記者達は羊のように沈黙。辛うじて「聖域は守られたのか」との質問が出たが、例によってダラダラ説明する安倍(戦争)総理に「万全の措置を講じる」と言われてオシマイだ。TPP交渉と直接関係あるとは思えない「内閣の取り組み」について問われた安倍(戦争)総理が「待っていました」とばかり用意したペー パーをめくって答える場面なんて「ヤラセ会見」の雰囲気すら漂っていた。元外交官の天木直人氏がこう言う。
「『合意』してから『対策本部をつくる』なんて順番が逆だし、メチャクチャですよ。交渉のフタを開けてみれば米国だけが有利なものばかりで、日本にとって不平等条約と同じ。それなのにメディアは何ら指摘しないし批判もしない。『戦争法』と同じでヒドイ状況です」安倍政権の愚策と暴走を支えている最大の応援団の正体は、官邸記者と思っていい。

《【徹底TPP報道】「決議違反」69%:内閣支持18%:政府と現場認識にズレ!農政モニター調査》
日本農業新聞は農政モニターを対象に行った環太平洋連携協定(TPP)「大筋合意」に関する意識調査の結果をまとめた。農産物の重要品目の聖域確保を求めた国会決議が守られたかどうか聞いたところ「決議違反」としたのは69%に達した。安倍(戦争)総理は、農業分野を含めて「国益に叶う最善の結果を得ることができた」との認識を示しているが、生産現場の受け止めと大きく懸け離れていることが浮き彫りになった。安倍内閣を支持するとしたのは18%と、かつてない低水準にまで下がり不支持は59%に上った。
国会決議を「順守している」としたのは7%に留まった。決議では重要品目について「再生産可能となるよう除外または再協議の対象にする」ことを求めている。一方で安倍(戦争)総理は「関税撤廃の例外を、しっかりと確保することができた」と成果を誇っており、生産現場との間で決議の解釈に大きなズレがありそうだ。一 方で順守したかどうか「分からない」とした回答も22%あった。国会決議を順守しているかどうかの判断には、農業経営への影響度合いを、どうみるかとも関連がありそうだ。大筋合意によって自らの経営が「悪化 する」と答えた農業者の87%は「決議違反」とした。経営が「悪化する」とみる農業者は、農業者全体の48%と多数を占めている。経営が「やや悪化する」 とした農業者では「決議違反」が64%。経営への影響が「分からない」とした農業者は49%が「決議違反」とすると共に44%が決議を順守しているかどうか「分からない」としている。
 第3次安倍改造内閣に対しては「支持する」が18%に留まり、極めて厳しい評価となった。「支持しない」は59%に達し、不支持が支持の3倍にも広がる異例の事態となっている。「分からない」は22%。経営が「悪化する」とみる農業者の場合は「支持する」が8%しかなく「支持しない」が75%まで増える等、政権に批判的な評価が大勢を占めている。
調査は農業者を中心とした日本農業新聞の農政モニターら1060人を対象に10月中旬に行った。(日本農業新聞/管理者:管理者一部編集)

《裏切りのTPPがトドメ‐自民党議員「36人」参院選で落選危機》
昔は「断固、反対」と気勢を上げていた自民党議員達。所詮は選挙のためのパフォーマンスに過ぎなかったようだ。10月5日に「大筋合意」したTPP。自民党は野党時代の2010年に「TPP参加の即時撤回を求める会」を発足させ選挙公約にもしている。だが安倍政権がTPP交渉参加に舵を切ると、その勢いは失速。会の名称も「TPP交渉における国益を守り抜く会」に変更された。現在、会には衆参で計約260人が参加しているが、今回の「大筋合意」でも全く存在感はなし。安倍(戦争)総理の恐怖政治を前に、ただただ沈黙するしかなかった。こんな形だけでしか反対できない議員は、すぐに国政から退場してもらった方がいい。筆者は「国益を守り抜く会」に所属し、来夏に選挙を控える自民党参院議員36人をピックアップした。落選「当確」の議員達だ。当然ながら「農業王国」と呼ばれる地方が数多く含まれている。既に参院選では学生団体「SEALDs(シールズ)」が「戦争法案」に賛成した与党議員に対し “落選運動”することを宣言している。米国の言われるままにTPP合意を許した自民党議員に対し、農業や医療等に携わる人達が結束して、選挙で 「NO」を突き付けるのは自然な流れだ。政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。
「『TPP反対』は自民党の選挙公約だったはずです。せめて国民に釈明すべきですが、今の自民党は、それすらも許されない。これで昔から自民党を応援して いた医師会や農協等の団体や組織が尽く離れていくでしょう。更に過去の選挙では創価学会の婦人部が一生懸命応援していましたが「戦争法案」でさすがに反旗まで翻している。これまでのような活動はなくなるはずです。野党にとっては、次の選挙で『選挙共闘』こそ上手くできれば、完全に逆転できる政治環境が整ったといえるでしょう」。
「戦争法」TPPで自民党の瓦解は近い。(日刊ゲンダイ/管理者一部編集)

【紹介】「平和の琉歌」http://bit.ly/1MQbwcr :YouTube:伊波 洋一 (いは よういち)
(民守 正義)