安倍政権打倒の道程-参議院選挙とTPPシリーズ(7)

安倍政権打倒の道程-参議院選挙とTPPシリーズ(7)


《共産党への拒否反応はおかしい:小林節-慶応大名誉教授》
全ての小選挙区(1人区)で野党が1人の統一候補を立てて選挙協力すれば、政権交代が可能であるということは既に何回も述べた。そして「国民連合政府」を樹立して立憲政治(つまり憲法を守る政治)を回復しなければならない。そうしなければ、この国は政策論争を試みること自体がタブーにされた首相独裁国家のままになってしまう。その上で、あの戦争法が、本当に国の安全と平和を増すものかどうか? 冷静に検証してみるべきである。そうすれば先ず、これまでの自衛隊による専守防衛+日米安保条約で、この国は十分に守られてきたし、これからも守られていけることが明らかになるはずである。
加えて、あの戦争法が、本来、我が国ならば避けることができるイスラム教徒によるテロと戦費破産を招く不当・不要なものであることも明らかになるはずである。 だから野党の選挙協力による政権交代が急務である……と私は説いて回っている。もちろん殆どの人は「その通りだ」と頷くのだが、その上で、ちょっと笑えるような悩みを聞かされることも多い。一番、多いのは野党協力の必要性は分かるが、あの「個性的な」共産党とは付き合い方が分からない、というか、できれば付き合いたくない……という類いの反応である。例えば労組内の主導権争いで共産党系の人々と向き合った民主党系の人々、地方議会の運営で共産党の議員と争った他党の議員等、共産党が苦手な人が多いことには驚かされる。確かに、あの頑固で一途な共産党の人々には私も苦笑させられてしまうことが多い。しかし労働組合内部における主導権争いで、共産党系の人々に負けた体験のある人が、共産党を良く言わないのは一種の被害妄想ではなかろうか。憲法で保障された結社の自由をお互いに行使して、魅力的な方が多数派を形成し得ただけの話ではないか。また議会内で馴れ合ってきた与野党に対して新人の共産党議員が規則を盾に噛み付いた場合に、反省すべきはどちらなのか?再考すべきであろう。
いずれにせよ安倍独裁を倒すために、野党協力は避けては通れないことなのである。

<野党連立構想のキーマン・小林節氏が交渉の舞台裏を完全暴露する>
テレビの討論番組で改憲派の論客としてお馴染みの憲法学者の小林節・慶應義塾大学名誉教授が11月7日、維新の党の落合貴之・衆院議員が主催するイベントで講演し、野党連立構想の舞台裏を暴露した。
小林氏は岡田克也「民主党」代表や松野頼久「維新の党」代表、志位和夫「日本共産党」委員長、古賀伸明「連合」前会長と積極的に会談し、野党連合に向けて奔走するキーマンだ。先ず小林氏は共産党が提唱している「国民連合政府」について解説した。同構想は-「戦争関連法制」の廃止と安倍政権打倒-戦争法廃止で一致する政党・団体・個人が共同して国民連合政府を結成-そのための国政での選挙協力という三点で構成されるものだ。小林氏は共産党が衆参の全選挙区に候補者を擁立することに苦言を呈し見直すように求めていたという。共産党が謳う「選挙協力」は小林氏の提言を踏まえてのものであり、今後は他党の候補を応援するという言質を得たと明かした。共産党との共闘に難色を示す岡田克也氏には「政策が違う政党とは一緒になれないと言うが、あなた達はナルシストか。政策は政権をとってこそ実現するもので、小異に拘り万年野党でいたら何も変わらない。政治家は妥協・調整を生業にしているのではないか」「共産党と手を組むと、民主党を支持してきた健全なる保守票が逃げるというが、とっくに逃げている」「共産党が自衛隊は違憲、安保条約破棄といっているが、連立政権の中の少数政党なのだから、民主党の見識を以て拒否すればいいじゃないか」と直言したという。最後に小林氏は「4割に満たない得票数で自公は7割以上の議席を得た。野党5党が結束すれば計算上、4割の得票で8割の議席が獲得できる。アベちゃんに乗っ取られた日本を取り戻すために、野党は大同団結すべきだ」と訴えた。(日刊ゲンダイ)

《民主が野党統一候補を検討 参院選1人区共闘呼びかけへ》
民主党は来夏の参院選で、複数の1人区で無所属の「野党統一候補」を立て、各党に共闘を呼びかける方針を固めた。政党色をなくすことで共産党や維新の党からも支援を得やすくし、与党に対抗するのが狙いだ。先ず来年4月の衆院北海道5区補選を試金石と位置付け、野党候補の一本化をめざす。「公認に拘らず、市民が中心になって擁立する候補を応援する形がかなり出てくる」。民主の岡田克也代表は最近、こうした発信を繰り返している。念頭にあるのは無所属の野党統一候補だ。政党色をなくせば共産や維新等と連携し、対与党の協力態勢を組みやすいと考えるからだ。統一候補は野党各党で一致できる「安全保障(戦争)法制は憲法違反」等を公約に掲げ、市民団体からの支援も想定する。民主の枝野幸男幹事長ら野党5党の幹部は11月中旬、学生団体「SEALDs(シールズ)」等の関係者と会談。この際、団体側から「(独自に)候補を立て各党に推薦を呼びかける」との提案も受けていた。民主党は熊本や鹿児島等で調整を開始。選挙区によっては一旦、決めた公認を取り下げて無所属の野党統一候補に切り替えることも検討するという。参院選での野党共闘を巡っては、共産党が9月の「戦争法制」成立を受け、民主に対し同法廃止を実現する「国民連合政府」への参加を呼びかけた。しかし民主内では、日米安保など基本政策で開きがある共産との連携に「安全保障は現実的に対応するという我々のメッセージが届かなくなる」(細野豪志政調会長)との反発も根強い。統一候補構想は、民共双方の公認候補を支援しあうのではなく、無所属候補を共に支えることで党内や支持層の抵抗感を拭う狙いもある。民主の提案は「生活の党と山本太郎となかまたち」の小沢一郎代表が、小政党も含めた野党共闘を提唱する「オリーブの木」構想にも呼応する。選挙時に連携の母体となる新党を立ち上げ、野党の各候補が支援や推薦を受けるものだ。
小沢氏は持論を堅持しているが、周辺に「(民主の構想は)オリーブの木そのものじゃないか」と一定の評価をしている。(朝日新聞社)

《参院選 大阪選挙区 自民の擁立1人か》

自民党は、先の大阪府知事選挙と大阪市長選挙で、党が推薦した候補者が、いずれも敗れたことを受けて、来年夏の参議院選挙で大阪選挙区から2人の候補者を擁立するとしていた当初の方針を見直し、1人に絞り込む方向で調整に入った。自民党は、安倍政権が掲げる政策の実現に向けて、政権基盤を一層強固にする必要があるとして、来年夏の参議院選挙では、改選議席が4以上の大阪等の選挙区で、複数議席の獲得を目指して、2人の候補者を擁立する方針だった。しかし先に行われた大阪府知事選挙と大阪市長選挙で、党が推薦した候補者がいずれも敗れたことを受けて、大阪選出の国会議員等から「自民党に対する反感が広がっているのではないか」という懸念や「党幹部や閣僚を応援に送り込んで敗れたことは、深刻に受け止める必要がある」という指摘が出ている。このため党執行部は、改選議席が4の大阪選挙区に2人の候補者を擁立すれば、共倒れして1議席も確保できない虞があるとして、確実に議席を獲得するため候補者を1人に絞り込む方向で調整に入った。また同じく改選議席4の神奈川選挙区についても、複数の擁立に慎重な意見が根強く、方針を見直すことも含めて検討することにしている。

《疑惑の島尻大臣を告発…始まった安保法賛成議員「落選運動」》
「戦争法」賛成議員の「落選運動」がいよいよ始まった。島尻安伊子・沖縄北方担当相関連の自民党支部が借入金の一部を政治資金収支報告書に記載していなかった上、自身の名前や顔写真入りのカレンダーを無償配布していたのは政治資金規正法や公選法に違反する疑いがあるとして、市民団体が24日、那覇地検に告発状を送った。市民団体は、戦争法に賛成した国会議員の落選を目的に今月結成された「安保関連法賛成議員の落選運動を支援する弁護士・研究者の会」(落選運動を支援する会)。議員の関連政治団体や資金管理団体のカネの流れを徹底的に調べ、違法の疑いがあれば刑事告発する方針を示している。島尻大臣はその「第1号」だ。告発状によると、島尻大臣が代表を務める「自民党沖縄県参議院選挙区第2支部」は2011年に計9回、総額650万円を島尻大臣本人から借り入れたとの記載がある。ところが、その後、返済の記載は見られず、政治資金規正法で義務付けられた資産の欄にも記載がなかった。さらに12年も計4回、総額400万円を島尻大臣から借り入れたのに、翌13年の報告書を見ても返済の記載がなかった。12年12月の第2次安倍内閣発足で内閣府政務官に就任した際の資産公開で、島尻大臣は貸付金を「ゼロ」と報告している。これが事実なら少なくとも総額1050万円のカネが「消えた」ことになる。島尻大臣が債務免除したのか、実は全額返済されていたのか。それとも貸付金の本当の原資は島尻大臣じゃなかったのか。カネの出入りがサッパリ分からない。出と入りのツジツマが合わない記載がOKならば収支報告書の意味がなくなる。市民団体はまた12年12月~15年10月頃にかけて「参議院議員 島尻あい子」と印刷された顔写真入りのカレンダーを選挙区内で配ったことが「寄付」に該当し公選法違反と指摘している。告発状に対し島尻大臣は「単純な記載ミスがあり申し訳ない。監督責任を果たしたい」と釈明しているが、ミスで済む問題ではないだろう。「島尻大臣は(違憲の)安保法制に賛成したばかりでなく、米軍普天間基地の県外移設を訴えながら反故にした公約違反の政治家です。そして今回、1000万円を超える政治資金が消えていることが分かりました。これは極めて悪質と判断し、会として第1号の告発に踏み切りました」(告発人に名を連ねる上脇博 之・神戸学院大教授)落選運動を支援する会の取り組みは始まったばかり。島尻大臣以外の国会議員も、よ~くクビを洗って待っていた方がいい。【管理者:管理者としても大阪府内「落選候補者リストを公表する予定】

《小沢一郎氏「共産党に先を越されてどうするんだ」》
<先月4日の「小沢一郎氏‐講演録」から>

一強多弱国会で格差は広がり、国民は自民党政権に不満を持っている。我々が受け皿を作らなければならないと言い続けてきたが、思いがけず一番先に反応したのが共産党だった。皆、共産党というと色眼鏡でみる。しかし野党が連携し、安倍政権を倒さなければならない。政権交代のため共産党は、各党協力に向けて本気になって変わった。二の足を踏んでいる各党が共産党に先を越されてどうするのだ。(共産と)一緒の政党になることはないが、自民党政権は国民のためにならず、代えなくてはならない。そのために野党が協力するという点で一致している。国民のために手を結ばなければいけない。
 「共産党と共闘するなんて、けしからん」と言っている人がいる。しかし明治維新は殺し合いの戦争をしていた薩摩と長州が手を握って初めてできた。「政党がどうだ」とか「あいつが好きだ、嫌いだ」とか言っていたら政治にならない。何とかして今年中に野党連携のための合意をキチンと取り付け、来年の参院選に臨みたい。

【紹介】「平和の琉歌」http://bit.ly/1MQbwcr :YouTube:伊波 洋一 (いは よういち)

【ご案内】大阪弁護士会主催「戦争法止めよう!――大阪の取り組み」
12月19日(土)
今、沖縄を知る~基地、そして地元メディア~
■開始:13:30
■場所:シアターセブン BOX1(阪急「十三」西口徒歩5分)
■講師:松元剛さん(琉球新報報道本部長)
松本亜季さん(引き取る行動・大阪)
■資料代:500円
■主催:実行委員会 連絡先TEL06-6364-5604(民放労連近畿地連)
(民守 正義)