「戦争法-暴力採決(?)」の怨念-チャンネルが切り替わらなくて(5)

「戦争法-暴力採決(?)」の怨念-チャンネルが切り替わらなくて(5)


《「1億総活躍」目標は大きく、プロセスはバラマキ》
本来、国家の役割は「富める者から富めない者への社会的分配」機能があって「デフレからの脱却」には特に「分配」の政策が重要である。この「分配」とは政策・施策であって決して一過的な「バラマキ」であってはならない。しかし「1億総活躍社会の実現」では、先月27日に顔合わせ程度に開催された「第1回1億総活躍国民会議(労働界は排除)」で「新三本の矢を目指す」ことを確認した程度で、まだ具体施策・事業等予定が体系的に出ていないし、このまま安倍(戦争)総理の参議院選挙向けアメ玉施策の連発だけで、長期ビジョン・計画など出ていないし出ない可能性も大である。それでも今のところ本年度補正予算・来年度当初予算編成を念頭に一応、取沙汰されているのが以下の施策事業だ。
大括り「1億総活躍社会」緊急対策の目出しの一つとして低年金者への給付金制度。
当然、まだ細部は明らかになっていないが、低年金者に一人当たり3万円を支給すると言われている。具体的には公的年金受給者の4人に1人、約1千万人を対象に、一人当たり3万円を配るようだ。筆者も僅かの年金生活者で3万円でも心が惹かれるのが率直なところであるが、この施策への評価は「一過性のバラマキ施策」の典型例のようなもの。
特に一律支給となると、言わずもがな高齢者も様々で高齢年金生活者皆が貧しい訳でなく、中には動産や金融資産を持つなど、富裕高齢者もおられるが「参議院選挙アメ玉施策」である以上、そんな細かな峻別をする暇等ないだろう。そもそも「高齢者も働く社会」「介護離職ゼロ」を本気で施策を考えるなら、先ずは高齢者の就労機会・場所の確保と労使双方への就労助成金の新設・拡充、更には育児・介護休業法の徹底遵守指導等が念頭に来るべきだろう。しかし、このような中・長期に及んで財政出動が伴う施策など、また借金(ローン)をしてまでも米国から武器購入等も予定されており、国家財政の窮迫が十分、予想される中で財務省も頷く(了承)はずもなく、第一「参議院選挙アメ玉施策」にならない。
 更に緊急対策の従的施策として「成長と分配の好循環の形成に向けて」と題して法人減税や労働法制等の規制緩和(残業代ボッタクリ法案・解雇の自由化‐金銭解決法案等)と財界(経団連等)向けの施策も、キッチリと盛り込んでいる。リベラル経済学者(特に浜矩子⁻同志社大学教授)は言う。「そもそも『経済成長』なるものが至上命題のように最大重要視しなければならないものなのか?特に勤労者にとっては低成長でも堅実な安定成長の方が良いのではないか?」現に安倍(戦争)総理は「1億総活躍‐新三本の矢」の記者発表のとき、「成長」という言葉は何十回と使ったが「人間・生活・格差」等の言葉は殆ど、使われなかった。(わざわざ数えた人がいたというから可笑しい)話は若干、脱線するが最近、ある経済学部生と論争する機会があった。その経済学部生はケインズ経済学を中心に学んでいるらしいが、その学生曰く「経済学に『人間・生活・格差』なんて関係ない。それは福祉制度政策等の領域で、経済学で考慮する事ではない」と言い切って私は愕然とした。経済学の「経済」とは「経国済民」の略語で、まさに「人間観・生活観」が反映されていない経済学は極めて近視眼的・狭義過ぎる理解で、自分も若きし頃、経済学(マルクス経済学)を多少、学んだ立場から「もう一度、経済学原論から学び直せ」と反論してしまった。話を戻してアベノミクスを「アホノミクス」と揶揄されるのも、この脱線話と類似するところがあって「実質賃金の低迷」「非正規雇用の増大等の格差拡大」等々が指摘される中で、それを更に悪化促進する「法人減税(大企業はタップリ内部留保を貯めこんでいる)」や「労働法制等の規制緩和(残業代ボッタクリ法案・解雇の自由化‐金銭解決法案等)」等の勤労者を疲弊させる施策を矢継ぎ早に行えば「デフレ不況からの脱却」なんてカッコツケのスローガンにしか過ぎないと言わざるを得ない。ここで「安倍」御用学者の反論が聞こえる。「安倍総理は個人消費の拡大が解っているからこそ経団連に賃上げに応えるように要請したのではないか」「大企業の成長なくして労働者の賃上げ=実質賃金の上昇が有り得るか」等の反論である。しかし先ず経団連約千三百余件の会員企業数の内、仮に1千件が賃上げ要請に応えても、9割以上が中小・零細企業である他企業に、どれだけの波及効果があるといえるのだろうか。現に平成バブル崩壊後、春闘においても統一賃上げ要求方式を止めて産別自決方式から支払い能力方式に変遷していった事でも解るように、賃上げの波及効果は、既に労働側の賃上げ闘争の歴史で実証済みだ。それどころか労働者派遣法改悪や今後の「労働法制等の規制緩和(残業代ボッタクリ法案・解雇の自由化‐金銭解決法案等)」等との取引であるとすれば、経団連にしてみれば、お安い先行投資・献金程度だと思えばいい。もし本気で大企業の内部留保等の利潤を吐き出さして「社会的分配」に回すとするなら「累進法人課税」が最も効果的であるとピケティも言っている。経団連とジャパンハンドラー(アーミテージ等)のポチになっている「安倍」に、そんなことする訳がない。もう一つの御用学者の反論「大企業の成長なくして労働者の賃上げ=実質賃金の上昇が有り得るか」についてであるが、これはつまり大企業の膨大な「成長利潤」の「おこぼれちょうだい」と言う、いわゆるトリクルダウン理論だが、トリクルダウン理論自体、米国の経済学会で殆ど効果が見られないと論証されている上に「トリクルダウン」自体、差別語として使われてきた事で意味するように、何ら「社会的分配」思想からは無縁であることに釘を刺しておかなければならない。ただ一つ、安倍政権が最低賃金の引き上げにも言及したことは、中小企業にも波及効果が大きいことから着眼点としては評価できる。ただ最低賃金の決定システムは中央最低賃金審議会で「目安最低賃金」を示した後は、各都道府県単位の最低賃金審議会で実質的に決定することになっている。従って安倍政権が「掛け声」を出しても地方最低審議会に圧力をかけることは、自ら掲げた「地方創生」精神に逆行する事にもなり「中央集権型最低賃金の引き上げ」にはならないよう「安倍政権」だけに忠言せざるを得ない。「デフレ不況からの脱却」それは「富の集中と格差の拡大」「金融資本主義の発達により『生産⇒消費⇒利潤⇒再生産』の実体経済から投機型経済の主流化」「実質賃金の目減りによる消費長期沈滞」から、できるだけきめ細かく社会保障を中心とする予算や税制を工夫して、先ずは国民生活優先の政策・仕組み作り=「抜本的分配政策の見直し」を講じ、その安定化を図る中で「健全で実体ある資本主義(福祉国家論)」に発想を切り替えるしかないと思う。
しかるに現実の安倍政権は、深刻な財政難のなかで「莫大な米国からの武器購入等をはじめ、不要不急の予算分捕り合戦」そしてアベノミクスの経済指標自体が目標数値化され「異次元の金融緩和策」か「黒田日銀総裁のバズーカ⁻―砲」か知らないが、株価買い支えのための国債乱発。このままいけば、ハイパーインフレどころか「国際破綻⁻金融大恐慌」を、予想時期は別として本気で心配している経済学者は少なくない。これを防ぐには安倍(戦争)総理では無理で、とりあえず「安倍政権⁻打倒」が喫急の課題で「安倍政権⁻打倒⇒国民暫定政権」の中で「抜本的分配政策の見直し」の内実と合意形成、そして本格リベラル政権の樹立と実行化を図る道筋しかないのではないか。少なくとも安倍(戦争)総理も政権しがみつきに必死で「総額3千億円の貴重な財源」が何のその、当面の来夏の参院選に向けたバラマキ事務事業に、なりふり構わぬ様相だ。問題は、参院選挙後の国民生活の締め付けと軍事政策(憲法改悪含む)の強化と国家財政の破綻。「戦争法」と同様、今の内は、先の不安を煽ることは言わず「空虚なアベノミクスとバラマキ事務事業」を宣伝し支持率回復を狙う。それがウソツキ安倍政治の実態なのだが、正直言って有権者も有権者で、先々のことも考えず参院選前の「アメ玉政策」に「結構、いいじゃん」とコロッと騙される。ただ筆者は車椅子を賭けて断言する。参院選挙後も安倍政治が続くなら「一層の格差拡大と勤労者の困窮化」「日本の米国属国化」は必ず深刻化する。最後に読者に強く理解頂きたいのは「今こそ社会的分配が必要なときはない」そして「公正・健全な分配こそ健全循環型安定成長を生む」デフレ不況からの脱却は「思いつきのアベノミクスではなく、もっと根本的発想の転換を要する」少なくとも直感的に「これっきゃない!」

《経済政策:政府、矢継ぎ早に参院選にらみ「弾込め」》
「戦争関連法」を成立⁽?⁾させて「経済回帰」を掲げる安倍政権が、経済政策を矢継ぎ早に打ち出した。来夏の参院選を睨んだ弾込めを一気に仕上げた形で、アベノミクスの好循環を導き出すことに躍起だ。「今週は、経済、経済、経済という会合(が続く形)になった」菅官房長官は先月27日夕、来年度予算案編成の基本方針を決定した臨時閣議後の記者会見で、こう語った。安倍(戦争)総理は23日に外遊から帰国し24日に最低賃金(時給)の全国平均1千円を目指す方針を表明。25日には環太平洋パートナーシップ協定(TPP)対策の政策大綱を決定し、農家や中小企業向け支援策をアピール。(管理者:しかしTPPについては公式的には「大筋合意」と言っただけで具体内容は何一つ正式公表していない。でも「全面敗北」が一般的な評価だ)26日に1億総活躍社会実現に向けた緊急対策をまとめ「官民対話」では経済界から設備投資増加の見通しや賃上げの「前向き回答」を引き出した。仕上げが27日の予算案の基本方針決定だ。27日は全国知事会議や地方6団体との懇談もあり、安倍(戦争)総理は「全都道府県で税収が増加し、有効求人倍率は上昇した」と胸を張った。(管理者:肝心のGDP成長率と実質賃金は0%前後だけどー)ただ実際に好循環が実現するかは不透明だ。(管理者:いや!不可能だ!)1億総活躍の緊急対策では、肝心要の介護職員の賃金改善策は先送りされ、経済界が示した設備投資増加方針も目標に留まる。焦点の賃上げを、政府が率先して経済界に迫る構図には「官製春闘」と揶揄する声も根強い。(管理者:まあ、財界の内部留保の余裕のパイの配分程度だから、いいとは思うけどー)政府・与党には、連合の「ベースアップ2%程度」という春闘方針が低すぎるとして皮肉交じりの批判が相次ぐ。官邸幹部は「なんでそんなに低いのか。びっくりした」と語り、自民税制調査会幹部も「内部留保を賃金に回して個人消費を回復させないといけない。連合は何をやっているのだ」と苦笑する。
(管理者:この連合批判は当たっている。でも、そんな軟弱労使癒着労使関係になったのは、半分以上は使用者の御かげ)野党は一連の動きに厳しい目を注ぐ。民主党‐枝野幹事長は25日の会見で「民主党政権が最低賃金1千円を掲げた際、自民党政調会長だった石破茂氏は『アンチビジネス以外の何物でもない』と発言した。1億総活躍の自民党提言も家計収入を上げ、子育てや介護を安定させる民主党政権が推進した項目が多々並ぶ」と不快感を示した。共産党の志位和夫委員長は26日の会見で「私達がずっと言ってきた『大企業の内部留保を活用し賃上げを』という方向を(政権が)無視できなくなった」と語った。(管理者:今から考えると民主党政権時代の民主党バッシングは「財界+自民党等+マスコミ+官僚」の謀略的バッシングの側面もあって国民生活上、良い政策も一定、行っている。再度の総括評価が必要かと思う)

【紹介】「平和の琉歌」http://bit.ly/1MQbwcr :YouTube:伊波 洋一 (いは よういち)

《お知らせと【拡散希望】「澤地久枝のよびかけ-アベ政治を許さない!」》
 同じポスターを全国一斉にかかげよう!
12月3日(水)午後1時きっかり
◆◆全国一斉行動:再開のお知らせ◆◆
政治のあまりの酷さに、また「アベ政治を許さない」を掲げようと思い、呼びかけます。
再開第二回目の12月3日(水)で国会前には、有志が立ちます。
そして毎月3日午後1時に繰り返します。
各々の場で、同じ抗議ポスターを、同じ時間に掲げます。
現在の政治のありかたに対する、私たちのギリギリの意思表明です。
ファックスやネットでも広げてゆきましょう。
2015年10月 澤地久枝
*「アベ政治をゆるさない」A4ポスターは【アベ政治を許さない(pdf)】でダウンロードしてください。
またA3ポスターは「セブンイレブン」のネットプリントで印刷できます。
・予約番号42066022:A3,白黒:プリント有効期限2015/11/05(1枚20円)
(民守 正義)