「戦争法-廃止」と「安倍政権‐打倒」(30)

「戦争法-廃止」と「安倍政権‐打倒」(30)


《日本会議が牛耳る改憲大集会に安倍(戦争)総理がメッセージ》
 <世論調査結果と安倍政権打倒後の政権構想>
 マスコミ各社が先週末、実施した全国世論調査によれば、安倍内閣の支持率は概ね50%前後で、どの世論調査でも先月調査から5カ月ぶりに不支持を上回っている。
 支持率上昇には、日中韓首脳会談の評価との論説もあるが、私は加えて安倍政権に替わる現実的な次の政権構想が見えず、結果的に消去法的に「消極的安倍政権支持」が増加(回復)したと見るのが妥当だと思う。それが証拠に個別政策の評価では前回と同様、否定的評価の方が多い。また「内閣支持率」とは別に「内閣評価率」では相変わらず各社とも7:3の割合で否定的評価が高く、何故か「内閣支持率」だけがポンと上昇しているのである。
 従って「反安倍包囲網のリベラル野党の総結集」を国民に見える取組みが早急に求められる。さもなければ「安倍内閣支持層の相対的多数」が固定的になってしまい、結果的に「安倍内閣の続投」が強固になってしまう事をリベラル野党は厳しく自覚しなければならない。ただ「反安倍包囲網のリベラル野党の総結集」には小選挙区制の下、自民党を上回る得票数と議席数を獲得する事が絶対必要条件であって、26日にあった「維新―松野」と民主党との「双方解党⇒一党化」は非現実的な上に実態として「反安倍包囲網のリベラル野党の総結集」にはならないことを断言しておく。更に付言すれば「過去の歴史」の繰り返し⇒「弱小政党の合同と自民党へ擦り寄り⇒キャスティングボードを握ったつもりが自民党に利用だけ。最後は壊滅的に轟沈する」となることも「細野・前原」等には御別れの言葉として申しておく。

<引き続く「安倍内閣=日本会議」の危険性>
 だが、もちろん「支持率の回復」に関係なく安部(戦争)総理の危険本質が全く変わるものではない。11月10日の衆院予算委員会で、安倍(戦争)総理は民主党の岡田代表から「『戦争法制』と同様に数が揃えば憲法改悪をやるつもりではないか」と問われ「数が揃えばというのは民主主義のルール」「(憲法改悪の)数を揃えるために衆参両院で大勝する」「緊急事態条項からやる」と憲法改悪を目指すことを改めて決意表明した。言葉だけではない。安倍(戦争)総理は実際に、例の狂信的右派団体(日本会議)と一体になって、本気で改憲の世論づくりを進めているのだ。その事がハッキリと解ったのが、同じ11月10日、日本武道館で開かれた「今こそ憲法改正を!1万人大会」という大規模集会だった。この集会、主催は昨年10月に結成された「美しい日本の憲法をつくる国民の会」という団体だが、実態は共同代表として櫻井よし子と並んで田久保忠衛・日本会議会長、三好達・日本会議名誉会長の名があるように、日本最大の極右カルト組織「日本会議」の“改憲キャンペーン大集会”だ。
 この日、会場に詰め掛けた参加者は、主催者発表で1万1328人。武道館の駐車場には何台もの大型バスが駐車されていたが、これは地方の「日本会議」が「1泊2日の東京研修ツアー」等と称して、全国からシンパを動員していたからだ。来場者層は中年から老年が大半に見えたが、実際「北海道本部」や「愛知県本部」など各地方のHP上で「研修ツアー」が告知されていたことが確認できる。そして驚くべきは、そんなカルト的極右組織の集会に、なんと安倍晋三が現役総理大臣として登場したことである。「70年間のときの流れと共に世の中が大きく変わりました。この間、憲法は一度も改正されていませんが、21世紀にふさわしい憲法を追求する時期に来ていると思います」「憲法改正に向けて渡っていく橋は整備されたのであります」。そう「改憲は眼前だ」と意気込むメッセージを寄せ、来場者から大喝采を浴びた安倍(戦争)総理。当日の会場アナウンスによれば、安倍(戦争)総理は本来、会場入りして生演説を行う予定だったが、衆院予算委と日程が被ったため、やむなくビデオメッセージでの出演となったという。もっとも安倍(戦争)総理及び安倍内閣が「日本会議」と切っても切れぬ仲にあることは、本「リベラル広場」でも第三次閣僚名簿から「日本会議・神道政治連盟加入リスト」を既に公表したように密接な関係にある事は御案内のとおりである。
 事実、会場には古屋圭司、衛藤晟一、下村博文、山谷えり子、新藤義孝、城内実、有村治子、礒崎陽輔…など安倍(戦争)総理の盟友や側近をはじめ、多数の政治家が来賓として出席していたが、彼らが所属する「日本会議国会議員懇談会」の特別顧問を務めるのが、他ならぬ安倍晋三だ。同時に国内のみならず海外からも安倍政権と極右団体の“近すぎる距離”が問題視されており、それでも露骨に「日本会議のイベントに生登壇」する確信犯。「安倍内閣-支持率UP」というが、国民は、この「安倍(戦争)総理と日本版ネオナチ『日本会議』との癒着ぶり」を知っているのだろうか?もし知っているとすれば「他に替わる政権がない」なんて悠著な事は言っていられないと思うのだがー。しかも日本会議の改憲案のトンデモぶりは自民党案の比ではない。日本会議新憲法研究会がまとめた「新憲法の大綱」が掲載されている『新憲法のすすめ-日本再生のすすめ』(大原康男・百地章/明成社 /2001年)の中では「国民の義務として、教育を受ける義務、納税の義務に加えて、新たに遵法義務及び国を守る義務を明記する」として「国民」に「国を守る義務」を課している。要するに「日本会議」は明確に徴兵制を目的とした憲法改悪を企図した集団なのだ。安倍(戦争)総理は、こんな極右組織と一体化して改憲運動へ取り組んでいくことを高らかに宣言したのである。では彼らは、いったい何をやっていくつもりなのか。当日、会場で配られたパンフレット(「あなたの力で憲法改正の実現を」)によれば「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の事業内容は1千万人を目標とする改憲賛同署名活動、国民啓発用のパンフレット、チラシ、ポスター等の作成、そして「憲法改正啓発映画」の制作と全国での上映運動等。要するに地方で草の根改憲(保守)運動を展開するということらしい。
 だが、この日の集会の様子を見ていると、その中身は、とてもまともな運動とは思えないものだ。それを象徴するのが、やはり会場で上映された「憲法改正啓発映画」の予告編だろう。
 この映画、一応「憲法改正ドキュメント映画」という触れ込みだが、制作総指揮がなんと、あの右翼ゴロツキ「百田尚樹」で、ナレーターは津川雅彦。こんなデマばかりふりまいている「右翼麻薬患者・ネトウヨオヤジ」に憲法改悪をPRさせるのかと唖然としていたら、その内容はやっぱり、とんでもないものだった。「津川」の「日本国憲法は日本を守るどころか、逆に日本を破壊しかねない危険さえ持っています」というナレーションに護憲デモの映像がインサートされ「GHQに押し付けられた憲法!?」というデカデカとしたテロップの後に、嘘くさいGHQと日本政府関係者のやり取りの再現VTR映像が流れる…。
 「ドキュメント映画」どころか、カルト宗教が信者獲得のためにつくった陰謀論満載(北朝鮮の洗脳手法ソックリ)のプロパガンダ映画なのである。壇上で挨拶した「百田」は「(映画の)内容は日本国憲法が、いかにデタラメに作られたか」「(本編は)予告編の100倍面白いです!」と豪語していたが、さて、どんなトンデモ映像が出来上がるのかという意味で、これは二重に恐ろしい。しかも「憲法改正へのご提言」として登壇した人物の中には、近年ネトウヨ的な言動に磨きがかかっているケント・ギルバート氏の姿が。会場では大いにウケていたが、ケント氏の発言内容は酷いものだった。「護憲派の中には、これ(9条)を崇高な規定だと頑なに信じる人がいます。(略)『憲法9条を世界遺産にしよう』というのもありました。妄想がここまでくるとアヤシイ新興宗教の教義のようです」。「アヤシイ新興宗教」とか「元モルモン教宣教師のお前に言われたくないわ」とツッコミたくなったが、そんなケント氏の“9条攻撃”に会場からは割れんばかりの拍手が…。とにかく浅薄な極右思想-丸出しの連中がデマだらけの日本国憲法攻撃をしているその様子は、改憲集会というよりネトウヨのヘイト集会と勘違いしてしまいそうになるくらいのレベルの低さだった。
 とはいえ「日本会議」を見くびることは、それはそれで危険。とりわけ驚かざるをえないのが会場で発表された「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の結成から1年での「国民運動の成果」だろう。この会は47都道府県に「県民の会」なる下部組織を結成しているが、11月2日現在、31都府県の地方議会で「憲法改正の早期実現を求める」決議がなされており、加えて12月中にも3道県で決議されることが決定的だという。会場にも約2百人の地方議員が来場していた。そして同じく改憲に署名した国会議員の人数も11月10月現在で422名にも達したと報告された。
 更に集会の終盤に大会決議を読み上げたのは、日本青年会議所(JC)の副会頭だ。「日本会議」は国会議員、地方議会、JCに跨る巨大な全国ネットワークを形成していることが、数字や光景としてハッキリと現れているのだ。安倍(戦争)総理が、リスクを度外視して、この集会に参加したのも、その「日本会議」の持つ多大な影響力を鑑みた結果だろう。むしろ個人的に改憲への異常な執念を持つ安倍(戦争)総理にとって「日本会議」こそが、真の政治的本心を剥き出しにできる「心の故郷」と言っていいだろう。「『美しい日本の憲法をつくる国民の会』の皆様におかれては、憲法改正1千万賛同者の拡大運動を中心に、日本の国づくりの国民的議論を盛り上げて頂いており大変、心強く思います。21世紀に相応しい憲法を自らの手で作り上げていく。その精神を日本全体に広めていくために、今後ともご尽力を頂きたいと存じます。憲法改正に向けて共に着実に歩みを進めてまいりましょう」そう会場メッセージで力を込めた「宰相」の目には、もはや国民全体の姿など映っていないのではないか。“お仲間”のカルト的極右組織によるバックアップで、自らの野心を達成しようとする安倍(戦争)総理。もしかすると既に、この国は、かなりのレベルで“カルト化”が進んでいるのかもしれない。
 こんな異常で気持ち悪い「安倍政権」を早く倒し、尋常・カタギな民主・国民政権に交替させないといけないと思いませんか!(基本文献-リテラ/管理者-総合編集)

《今度は「ホステスお持ち帰り」周囲も嘆く中山泰秀議員の“KY癖”》
 大阪府知事、大阪市長のダブル選の最中、現場の最高責任者である自民党大阪府連会長の中山衆院議員が、都内の高級クラブのホステスをお持ち帰りしたと、29日発売の「週刊文春」が報じている。中山議員は外務副大臣だった1月「イスラム国」による日本人人質殺人事件の現地対策本部長を務めたが、日本の事務所に「コメを送れ」と命令するなど無能ぶりをアピールした事が記憶に新しい。当然、10月の内閣改造で副大臣を解かれ、府連会長になったが、これも一筋縄でなかった。府議の一人が言う。「当選回数や地方議員の支持でも北川衆院議員が会長になる予定やった。しかし父が中山正暉元建設相という3代続く政治家の血統や反大阪維新の会の急先鋒ということだけで若手国会議員が投票で中山を選んでしまった。ベテラン地方議員は『最悪や』と嘆いているわ」そして府連会長に就任して数週間で、このスキャンダルである。それも20日午前に安倍(戦争)総理からダブル選の候補者に推薦状が直接、渡された夜に写真を撮られたのだ。党本部に集まった府連幹部が直ぐに大阪へ帰り選挙活動をしていた中、府連会長の中山議員は、お持ち帰りデートで鼻の下を伸ばしていたわけだ。中山議員のKYぶりは枚挙に暇がない。9月には「戦争法制」を担当する外務副大臣だったにも関らず、採決で参院が緊迫する中、呑気に都内で政治資金パーティーを開いていたことも写真週刊誌に報じられている。
 前出の府議は「維新の連中は中山が府連会長になったことを喜んでいた。ダブル選の最大の敵は橋下に通じている官邸より無能な大将の中山や」と憤っている。(日刊ゲンダイ)

【紹介】「平和の琉歌」http://bit.ly/1MQbwcr :YouTube:伊波 洋一 (いは よういち)

《お知らせと【拡散希望】「澤地久枝のよびかけ-アベ政治を許さない!」》
 同じポスターを全国一斉にかかげよう!
 12月3日(水)午後1時きっかり
◆◆全国一斉行動:再開のお知らせ◆◆
 政治のあまりの酷さに、また「アベ政治を許さない」を掲げようと思い、呼びかけます。
 再開第二回目の12月3日(水)で国会前には、有志が立ちます。そして毎月3日午後1時に繰り返します。各々の場で、同じ抗議ポスターを、同じ時間に掲げます。
 現在の政治のありかたに対する、私たちのギリギリの意思表明です。
 ファックスやネットでも広げてゆきましょう。
2015年10月 澤地久枝

*「アベ政治をゆるさない」A4ポスターは【アベ政治を許さない(PDF)】でダウンロードしてください。
 またA3ポスターは「セブンイレブン」のネットプリントで印刷できます。
・予約番号42066022:A3,白黒:プリント有効期限2015/11/05(1枚20円)
(民守 正義)