「戦争法-廃止」と「安倍政権‐打倒」(28)

「戦争法-廃止」と「安倍政権‐打倒」(28)


《「私は戦争の否定者」ゴジラ主演の宝田明が“反戦”叫ぶ理由》
 幼少期を旧満州で過ごし、戦争の悲惨さを体験した宝田明さん(81)。戦争に翻弄されたがゆえ、家族との離別と再会は深く心に刻まれた。『ゴジラ』と共に歩んだ芸能生活を経て、反戦への思いはより強くなっている。― ソ連軍の支配下となったハルビンで宝田さんは、戦争がもたらす悲惨や苦難を実体験した。近所の婦人がソ連兵に陵辱される現場に憲兵を連れて駆けつけた事もある。抑留列車に長兄を捜しに行き、右腹部に銃弾を受け、生死の間をさまよう経験もした。略奪目的で家に押し入ったソ連兵に、頬に銃口を突きつけられるという恐怖も味わった。最も悲しかったのは、やはり三兄との別れと再会です。兄は使役の場から拉致されて兵舎の炊事や洗濯を命じら れ、1年以上も働かされたそうです。解放されて満鉄の大きな社宅に戻ったら、社宅はモヌケの殻でゴーストタウンみたいだったと。それから線路伝いに南へ南へと歩き、中国人の農家でロバの代わりに臼で穀物を碾いて一宿一飯。2千キロ以上を歩いて、密航船を雇って日本に辿り着いたんです。
 兄は新潟で職を得ましたが、僅か2、3日で職場の人間を殴りつけて帰り、忽然と私達の前から姿を消しました。合わなかったのでしょう。中学生で満州から日本まで一人で歩いて帰ってきた兄には、通常人の感覚が合うはずがありません。 私自身もそうでした。日本上陸時にもらった軍靴と飛行帽で学校に通っていたら、ついた仇名が「大陸」(笑)。
 多民族の中で育ち、広大な土地で過ごしてきた身には、旧態依然たる田舎の空気と波長が合わないのです。身なりも気にせず悠揚としていたので「大陸」となったのでしょう。
 新潟で2年ほど過ごして上京しました。進学した豊島高校で演劇部に入り脚本、演出など、やっていましてね。そんな折に東宝ニューフェイス募集の話を聞いて応募、昭和 28(1953)年に東宝の第6期ニューフェイスに採用されました。デビュー作は『かくて自由の鐘は鳴る』(熊谷久虎監督)。福沢諭吉の伝記映画で下級武士の役でした。そして3本目に主役が舞い込んできて、それが『ゴジラ』(本多猪四郎監督)。撮影所で「主役をさせて頂きます」と挨拶したら「バカ野郎! 主役はゴジラだ」とやられちゃいましたがね(笑)。昭和29(54)年は、第五福竜丸がビキニ環礁で被爆した年です。広島、長崎に続く被爆で、日本だけが核の恐怖を世界に向けて発信できる唯一の国だと。ゴジラなる架空の動物を使って核の恐怖を訴える映画だと撮影所の意気は盛んでした。 私は完成試写を見て、涙をワンワン流しました。平和な海に眠っていたゴジラが、被爆して放射能を吐く体質となり、最後は人類の化学兵器によって白骨化し海の藻屑と消えていく。彼への同情を禁じえなくてね。当時の日本人口8800万人の内961万人がゴジラを見ました。実に国民の11%。その多くの人達が私同様にゴジラに同情したのではないでしょうか。『ゴジラ』は2年後に全米で封切られたのですが、心ない配給業者の手によって核廃絶というテーマ性や「地球上で原水爆の競争をやっていると、第二第三のゴジラが出てくるぞ」という志村喬さんの台詞がカットされていました。「小癪な敗戦国メ」という事だったのでしょう。
 平成17(2005)年に全米20都市でオリジナル版が上映されましたが各紙大絶賛でした。東西冷戦も収まり核競争も縮小され、アメリカ人の意識も変わったのですね。やっと聞く耳を持ち始めた。― 宝田さんは映画出演の一方で昭和39(1964)年『アニーよ銃をとれ』でブロードウェイミュージカルに挑み、文部省芸術祭奨励賞受賞。以後『風と共に去りぬ』『マイ・フェア・レディ』等で主演。
 平成24(1912)年には自身が製作・演出・出演した『ファンタスティックス』で文化庁芸術祭大賞受賞。他方、近年は自身の戦争体験を基に反戦の立場を明らかにし、メディアでも活発な発言を続けている。還暦を過ぎた頃、人気商売という立場を理由に、ノンポリを装って一生を終えていいのかという自責の念に囚われましてね。丁度、日本社会が右傾化してきた時期でもあって飾らず、へりくだらず、自分の意見を堂々と発信していこうと思ったんです。
 発言を始めてからも、特定秘密保護法、戦争法と、次々に日本は危ない方向に向かっています。私の三兄は満州から命からがら帰国したのに、親の愛も兄弟の愛も受け入れられずに早死にしました。人間の普通の一生が、戦争によってメチャクチャにされる、その一つの例が私の肉親に起こったんです。
 私は戦争の否定者、誰が何と言ったって否定するしかない。(週刊朝日)

《鳩山由紀夫氏「安倍首相は自らを愛国者と、はき違えている」韓国で講演》
 鳩山元首相は11月5日、訪問先の韓国・ソウル大で講演し、慰安婦問題について「日本政府は慰安婦の皆さんの意に沿うような形で答えを導き出さなければならない」と述べた。
 安倍(戦争)総理に前向きな対応を求めた格好だ。中央日報によると、鳩山氏はこの日「(日本による植民地支配からの解放を祝う)光復70年、日韓国交正常化50年に日韓関係を再度見直す」というテーマで約70分間にわたって講演。「敗戦国は、戦争の被害に対し事実上『無限責任』を負う」とした内田樹氏の言葉を引用し、「安倍政権は慰安婦問題等について、この言葉を心に留め、応じることができる方法を講じなければならない」と力説した。更に「日本は特にアジアの人々に、深刻な被害と苦痛を与えた。70年が過ぎた今でも、真の和解がなされたとは考えることができない」とし「日本が歴史を振り返り、侵略と植民地支配に苦しんだ人や国に対して真の謝罪と償いをすることができれば、東アジア共同体に向けて一歩、大きく踏み出すことができるだろう」と主張した。安倍(戦争)総理が8月に発表した戦後70年談話にも触れ「安倍首相は“反省”と“謝罪”について繰り返し言及しながらも、自ら反省と謝罪の気持ちを伝えていない」と批判し持論を展開。(管理者:「持論」でなく「言葉を並べただけ」との批判は多い)「首相は自らを愛国者とはき違えているのだろうが、自信のなさの裏返しだ」「真の愛国心とは、過去の歴史的な事実に目を瞑らず、過ちには謝る勇気を持つことではないか。このような内容になってしまったことを申し訳なく思う」と謝罪した。
 鳩山氏は8月12日、ソウル市内にある西大門刑務所跡地を訪れ、日本軍が戦時中に収容者に行った行為について、ひざまずいて謝罪。「多くの皆様方を、ここに収容して拷問という大変、酷い刑を与え多くの命まで奪ってしまったという事実を、この場で思い出して心から申し訳ない、お詫びの気持ちを先ず捧げてまいりたいと思います」等と語っていた。
(管理者:「アベ」よ!この「謝罪」の気持ちを将来とも持ち続ける事は、何も辛いことでも過去に囚われることでもない。将来世代の者達は「過去の歴史的謝罪」の気持ちを抱きつつ、必ず日韓の未来志向で友好関係を築く。もう将来世代に任そうじゃないか!)

《臨時国会“拒否”し補正予算編成に走る安倍政権のデタラメ》
 安倍政権が2015年度補正予算の編成に意欲を示し与党が検討を加速させている。
 目的はTPP大筋合意(実態は全面敗北)を受けた農業対策や「1億総活躍社会」のための経済対策だというが、ちょっと待ってほしい。TPP全面敗北の尻拭い施策も「1億総活躍」も対策の中身は、これからで、まだ具体施策は何も決まっていない。臨時国会を開かず、何の審議もせず、カネの話だけ先行するのは、おかしな話だ。「TPPは国際的な約束事、いわゆる条約ですから、これを批准するにあたり国会で審議しなければなりません。(各国とも「国会承認」が前提)また、これに伴う国内法も整備しなければなりません。本来は、そうやって法整備した後に予算を組むべきものです」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
 そもそもTPPは「大筋合意」というフライング公表したが、実際の協定案への各国の署名は、これから。だから今なら「大筋合意」のキャンセルは、形式上は間に合う。
従って最終的に発効するのか、どうかは不確定だ。
 現に自民党の稲田政調会長は27日の講演で「米国の状況をみると、発効までに2年位かかりそうだ」と発言しているし、TPP関連法案の審議自体も16年度予算案が上がった後の4月以降に先送りされる見通し。
 補正予算(「農業等の支援施策」含む)を急ぐ必要は全くない。それなのに何故、慌てるのかといえば、自民党のホンネは来夏の参院選だ。補正予算はTPPに反発する農業団体への“見せガネ”みたいなもの。挨拶代わりに助成金を付け、そこには「今まで通り選挙運動よろしく」という意味が込められる。「手順がメチャメチャなのですが、これぞ安倍政権の象徴的なパターンです。安倍首相が国会審議を軽視するのは、国会を与野党の対決の場だと思っているからでしょう。しかし国会は国民のもの。
 国会を開かないで選挙のための補正予算の話ばかりというのは結局、国民がバカにされているということです」(鈴木 哲夫氏)
 臨時国会を“拒否”して、選挙目当てのバラマキにウツツを抜かすデタラメ政権。
 国民は絶対に許してはダメだ。(管理者:臨時国会を開催しないのは「与野党対決の場」だけでなく「戦争法-強行採決(?)」後の政策転換が経済政策も含め、上手くいかず攻められるのが恐いのだろう。本来なら今こそ再度「臨時国会召集」を強く求める等、攻め時なのだが-。なお「臨時国会召集に法的拘束力はない」は、私が憲法と国会法を調べた結果、合理的理由無しに、いたずらに無視して開催しないことは認められず間違い。野党は政府説明に騙されている。/基本文献-日刊ゲンダイ:管理者-総合編集)

《「1億総活躍」何のこと?「支え合い」の具体施策こそ問われている》
 安倍(戦争)総理が第三次改造内閣のスローガンに掲げる「一億総活躍社会」の実現に向け議論する国民会議がスタートした。タイトルだけ華々しいが具体性には乏しい。例えば「GDP6百兆円」「出生率一・八」「介護離職ゼロ」。スローガンや目標だけは勇ましく、いつもの大風呂敷だが、どう見てもムリ!一応、有識者と関係閣僚からなる国民会議の初会合が開かれ、11月末に緊急対策をまとめることを確認した。しかし相変わらず労働界は排除で「労働問題に精通している有識者も入っているから」と言訳しているが、当事者の意見を聞かず「身内の意見だけでマ~ルク治めたい」という安倍政権の姑息・魂胆は「戦争関連法」審議と同様アリアリだ!
 有識者から出た意見は、職員の人手不足など介護問題、保育所など少子化対策、長時間労働、非正規雇用など働き方、一人親家庭への支援、障害者対策等、実に幅広く労働問題も盛りだくさんだ。これを一カ月で、まとめようとしても稚拙は免れない。
 安倍(戦争)総理の好きな手法で、他にも同種の会議は乱立している。初会合で事務局から示された検討課題は、既に既存の会議で議論が重ねられているものばかり。
 新しい会議を発足させれば、国民へのデビューイメージで「戦争関連法の暴行採決(?)」のダーティーイメージから目先が変わると思ったら大間違いだ。もう安倍(戦争)総理の、あの「集団的自衛権の説明-母子絵」の騙しで国民も簡単に「安倍ウソ」が見破れるようになったことが、安倍(戦争)総理自身が気付いておらず、そこが滑稽でマヌケなところだ。
 まあ一応の検証に付き合うと、例えば安倍(戦争)総理は現在1・42の出生率を2020年代半ばまでに1.8まで上げるという目標数値を掲げているが、そもそも出生率をノルマのように政府が数値目標を掲げる事自体、ナンセンスだが、いずれにしても働きながらの出産・育児の環境条件整備・支援施策が先ず重要な事は言うまでもない。
 だからこそ「労働問題」との有機的関連性のある総合施策が必要なのだが、一方で安倍政権は慢性的に労働条件の悪い非正規労働者を、より固定的または増加させる労働者派遣法改悪を行い、更には使用者が責任(時間管理)を取らないで長時間労働を促すと言われる「残業代ゼロ(ボッタクリ)法案」成立も予定している。これでは少子化対策もスローガン目標と具体施策が真逆で「労働界放逐」の本音が見えてくる。また「介護職ゼロ」についても目標は「介護を理由に退職する人を2020年代初頭にゼロ」にするというものだが、実態は本年4月には介護報酬が大幅に引き下げられ、介護業者の倒産は過去最多に上っている。介護保険の利用者負担も一部の人は引き上げられた。これもまた逆に介護離職者を増やす施策だ。
 何も「1億総活躍」等と大層・意味不明のネーミングを付けずとも、先ず、やるべき事は「労働条件・環境(市場)の劣化」を食い止めるべきだ。長時間労働を是正し、非正規雇用を減らし、賃金を上げる。そうすれば育児・介護と仕事の両立も容易になるだろう。そして介護保険サービスの切り崩しを止め、拡充して互いに「支え合う」制度強化が重要だ。
少なくとも大層な総合的キャッチフレーズの割には、具体的施策は単なる各省庁の事業予算分捕りや、参院選向けの安易なバラマキで終わるのは止めて頂きたい。

【紹介1】「平和の琉歌」http://bit.ly/1MQbwcr :YouTube:伊波 洋一 (いは よういち)
【紹介2】民主主義と生活を守る大阪デモ
     日時:2015.11.15 (日-明日です!)
      15時集合 15時40分出発/場所:うつぼ公園東園

《お知らせと【拡散希望】「澤地久枝のよびかけ-アベ政治を許さない!」》
 同じポスターを全国一斉にかかげよう!
 12月3日(水)午後1時きっかり
◆◆全国一斉行動:再開のお知らせ◆◆
 政治のあまりの酷さに、また「アベ政治を許さない」を掲げようと思い、呼びかけます。
 再開第二回目の12月3日(水)で国会前には、有志が立ちます。そして毎月3日午後1時に繰り返します。
 各々の場で、同じ抗議ポスターを、同じ時間に掲げます。
 現在の政治のありかたに対する、私たちのギリギリの意思表明です。
 ファックスやネットでも広げてゆきましょう。
2015年10月 澤地久枝

*「アベ政治をゆるさない」A4ポスターは【アベ政治を許さない(pdf)】でダウンロードしてください。
 またA3ポスターは「セブンイレブン」のネットプリントで印刷できます。
・予約番号42066022:A3,白黒:プリント有効期限2015/11/05(1枚20円)
(民守 正義)