「戦争法-廃止」と「安倍政権‐打倒」(20)

「戦争法-廃止」と「安倍政権‐打倒」(20)


《安倍政権が軍需産業の武器輸出に貿易保険:国民の税金で損失補填を検討》
防衛装備庁が防衛省の外局として10月1日、発足した。
 自衛隊の武器など防衛装備品の開発や調達、廃棄などを一元的に管理する組織で、日本の防衛予算約5兆円の内、4割に当たる2兆円を運用する千八百人の巨大組織だ。防衛装備庁が作られた背景としては、陸海空の自衛隊等で武器の調達を個別管理していたのをまとめ、コストの抑制を図るということにある。それなら、それだけ行えばいいのだが、この防衛装備庁の特徴は、名前とは裏腹に装備の管理だけでなく、武器輸出の推進を担うことだ。
つまり防衛装備庁は官民で開発した武器を海外に売り込む「旗振り役」を果たすのだ。

<戦闘機を、戦車を、軍艦を世界へ!防衛装備庁のロゴマークが露骨すぎる>
 安倍政権は昨年3月、平和日本の国是とされてきた「武器輸出三原則」を廃止して、閣議決定で「防衛装備移転三原則」を定めた。これにより原則として他国に武器を輸出しないという国の基本方針を180度転換し、積極的に武器や開発技術を輸出できるようにしたのだ。装備庁の設置は、この武器輸出路線の延長線上にあり、野党の反対を押し切って防衛装備庁設置法案を6月に成立させたのだ。オーストラリアや英国との間では既に潜水艦やミサイルの共同開発の協議が進んでいる。【「これらのことが結局、日本の安全保障を強化するのだ」】という軍事意見もあるが、その論理や道筋に合理性が見られない。

<イスラエルにも武器輸出が可能:防衛装備移転三原則を閣議決定>
 ところで防衛装備庁が発足する直前の9月、日本経済団体連合会(経団連=今や「死の商人」)は「防衛産業政策の実行に向けた提言」を発表した。その中で経団連は【「防衛装備品の海外移転は国家戦略として推進すべきである」】と述べた。
 武器輸出三原則が廃止され、防衛装備庁が発足した一番の理由は経済界、中でも軍需産業からの要請によるものだということが、よくわかるエピソードだ。確かに一般的・抽象的には、日本の産業が発展することや輸出が伸びることは、日本に暮らす人にとっていいことだが「防衛装備品」とは武器や兵器、それらの部品、関連する装備や技術のことだ。だから日本に暮らす多くの人は、平和日本が武器輸出を進めることに賛成していない。少し古いが共同通信社の2014年2月の世論調査では、7割近くの人が三原則の見直しに「反対」と答えている。まだ日本の市民の多くは武器輸出で儲けようと言うほどには「背に腹は代えられない」とは思っていない。

<経団連の「武器輸出」提言に政府は戦闘機建造施設に金融支援まで検討>
【次期主力戦闘機F35は一機100億円とも200億円とも言われている】
 さらに民間企業の武器輸出を推進するため、防衛省が武器輸出事業に貿易保険の適用を検討している。この貿易保険は支払う保険金が巨額で民間保険会社では引き受けられない取引が対象で、独立行政法人が扱っているが、保険金支払いで赤字運営になると国が不足分を補填する仕組みになっている。1980~90年代には中南米債務危機や湾岸戦争で保険金支払いが急増して貿易保険財政は大赤字に陥り、一般会計からの繰り入れで穴埋めした。国が債権回収の交渉をして一般会計に繰り戻すというものの「回収が難しいケースもある」(経済産業省)という。つまり武器取引で生じる損失を、国民の税金で負担する可能性があるのだ。軍需産業は大企業グループだ。庶民には自助努力を求めるのに、軍需産業だけ国の保護を受けるのはおかしいでしょう?それでなくとも防衛装備品の調達では、業界との癒着が度々、問題になってきた。
 旧防衛施設庁が解体されたのも官製談合事件がキッカケだ。更に心配なのは、本当に日本の武器が海外に輸出されるようになったら、海外の紛争地域において日本の武器で殺し合いが行なわれることになるわけで、日本が恨みを買い、テロの標的にもなることだ。
 武器輸出大国は、ことごとくテロの対象になることが国際常識だ。そうすると一部軍需産業の儲けのために、国民の税金が使われ、我々の命と安全が危険にさらされることになるのだ。【平和日本のブランドが喪われることで日本の危険が増し、そしてプライドが失われる。コストとリターン、メリットとデメリットを冷静に判断すべきだ。ところが秘密保護法のせいで、事の是非の判断に必要な情報が我々の手元に来ないことも危険で重大問題だ。】

《稲田議員(自民)が「男子も女子も自衛隊に体験入学すべき」!》
*稲田朋美議員は自民党政調会長であり内閣府特命担当大臣(規制改革担当)でもあるが、自民党政調会長は公職でなく党役員であり「内閣府特命担当大臣(規制改革担当)」も必置大臣でなく、単なる「アテ職大臣」であるため、本稿では単に「稲田議員」とする。
またしても自民党議員から恐ろしい発言が飛び出した。今度の発言者は稲田議員。
 週刊誌「女性自身」のインタビューにて「男子も女子も自衛隊に体験入学するべき!」と語っているのだ。先ず稲田議員は「戦争法制」について「まだ《戦争法案》とか、《徴兵制になるかもしれない》等という不安を持っている方達には、しっかり説明を尽くすべきだと思います。どんな国でも自分の国を守るって必要。必要最小限の自衛権を行使できるようにしておくのは重要な事だと思います」と語るのだが、ここで「女性自身」の記者が、過去の稲田議員の発言を引き、その真意を問い質す。その発言とは右翼誌「正論」(産業経済新聞社)2011年3月号に掲載された対談でのものだ。「教育体験のような形で、若者全員に一度は自衛隊に触れてもらう制度は、どうですか」「『草食系』といわれる今の男子達も背筋がビシッとするかもしれませんね」過去の自分の言葉をぶつけられた稲田議員は「…もう、かつては凄く勇ましいよね」と笑って誤魔化し「徴兵制というのは、全く憲法に違反していると思いますし、徴兵制で集めて国を守るというのもナンセンスだと思う」と弁解。
 だが続けて「でも例えば自衛隊に一時期、体験入学するとか、農業とか、そういう体験をすることは凄く重要だと思います」と言い出すのだ。自衛隊への体験入学と農業体験をイッショクタにして印象を和らげようとしているが、当然、聞き逃せる話ではない。記者が、すかさず「それは男子だけですか?」と尋ねると稲田議員は〈キッパリと〉こう話したという。「まあ、男子も女子もですね」(管理者:じゃあ「先行体験」として国会議員であるオマエから行け!)
 つまり稲田議員は「教育の一環として自衛隊の体験入学を男子・女子に限らず組み込むべきだ」と主張しているのだ。ここで記者は「若年層の貧富の格差が指摘される昨今、高い日当で募集されたりはしませんか?」と質問するのだが、稲田議員は一笑に付す。「そういう事は考えないね、全然。今、自衛隊の倍率は7倍ですよ。いろんな動機で入る人がいるでしょうが、基本的に災害から国民を守るとか平和活動をしたいと思う若者が多いと思います」そして稲田議員は「一線で国を守りたいという若者もいますから」と言うのだが「お花畑思考」とは、まさにこのこと。実際、今年の自衛官各部隊の一般曹候補生募集は前年度から約2割も減らし、過去9年間で最も少ない2万5092人となった。しかも退職者も増加しており「戦争法制」の影響は数字に如実に表れている。今後、このまま自衛官希望者が減少していけば、アメリカのように経済的に困窮している若者を狙い撃ちした「経済的徴兵制」に乗り出すのは必至だ。事実、既に高校生へ自衛官採用案内を送りつけ、経済的メリットをやたらと強調。また文科省の諮問機関「学生への経済的支援の在り方に関する検討会」では、奨学金延滞者への自衛隊インターンシップを防衛省は検討すべきという声も挙がっている。
その実、稲田議員の言う「体験入学」とは“徴兵の入口”にすぎないのだ。
 それに稲田議員は「体験入学」等と言葉を和らげたが、きっと本心では徴兵制を諦めてはいないだろう。というのも稲田議員は、あの安倍(戦争)総理が「ご寵愛・惚れ込んだ」“ウルトラタカ派”だからだ。(管理者:蓮舫議員(民主)との国会質疑応答を見たが、蓮舫議員がシッカリしているのもあるが、それにしても稲田議員は「ボヤー」としてボケ答弁が多かった。ハッキリ言って「大臣」はムリ!)
稲田議員の父親は「頑張れ日本!全国行動委員会」の京都府本部顧問だが、彼女も弁護士時代から夫が愛読していた「正論」の読者欄に投稿するようになり、それがキッカケで「南京百人斬り裁判」に参加。そして自民党の若手議員の会で講師を務めたところ「安倍」から「次の選挙があったら出て貰ったら、どうだろうか」と声がかかったという。
 そんな稲田議員の口癖は「国を守る」。例えば憲法改悪についても、稲田議員は先ず現行憲法を〈どこの世界に自国を自分で守らないと宣言する国があるでしょうか〉と批判。〈前文で書かれるべきは、日本という国が「神話の時代」(管理者:ハー?「神話の時代」?コイツも右翼麻薬中毒だ!)から連綿と連なる歴史を保持し、四海に囲まれた自然豊かな風土を持つ日本が、どのような国を目指すべきなのかという理想が語られるべきです〉と述べる(総和社『中国が攻めてくる!日本は憲法で滅ぶ』渡部昇一監修)。靖国参拝にしても〈命をかけて国を守っても誰も感謝してくれないのであれば、誰が命がけで国を守ろうと思うでしょうか。これは日本という国家の存亡にまで関る問題です〉といい、靖国問題を〈国防ひいては主権という問題にまで関る〉と言い切る。更に渡部昇一氏と八木秀次氏との鼎談で、外国人参政権を猛批判する中では、こんな事も述べている。「税金や保険料を納めているとか、何十年も前から日本に住んでいるとかいった理由で参政権の正当性を主張するのは、国家不在の論理に基づくもので、選挙権とは国家と運命を共にする覚悟のある者が、国家の運営を決定する事業に参画する資格のことをいうのだという“常識”の欠如が、こういう脳天気な考えに繋がっているものと思います」「その国のために戦えるか」が国籍の本質だと思います」(PHP『日本を弑(しい)する人々』)日本国籍を有する者は、国のために命をかけて戦うことが当然。(管理者:私は国籍で国防発想はないけど-)更には国のために命をかけられる者だけが選挙権をもつ資格がある。完全に頭の中は戦前である。(管理者:完全「右翼中毒症状」だ!山本太郎議員じゃないが、頭に線香をあげてやれ!)
 稲田議員は、こうした過去の発言も「かつては凄く勇ましいよね」などと誤魔化すのかもしれないが、このような思想の持ち主が言う「自衛隊体験入学」が、どういうものなのかは推して知るべしだろう。
 そして、もう一つ忘れてはいけないのは、この人が「ポスト安倍」「安倍(戦争)総理イチ押しの女性首相最有力候補」である事だ。今後、自民党政権が続く限り、この陰々滅々とした空気は一層重くなっていくだろう。(管理者:「アベ」は思想が悪い。時代観が悪い。人間観が悪い。そして深層心理で実父親(安倍晋太郎元外務大臣)・実祖父(安倍寛:反戦活動家-戦前の衆議院議員(二期)。地元(山口県-現「長門市」)の人望は今も伝説的に厚い)へのコンプレックスなのか「屈折した」性格が悪い。/基本文献-リテラ:管理者部分編集)
(民守 正義)