「第三次安倍内閣の醜聞と腐蝕」(7)
「第三次安倍内閣の醜聞と腐蝕」(7)
《税金2000億円使いシャープを救う安倍政権の“本当の狙い”》
政府系ファンドの「産業革新機構」が最大2千億円を出資してシャープを救済するという。所管する経産省は、革新機構傘下のジャパンディスプレイとシャープを連携させることで、液晶技術の海外流出を防ごうとしているらしいが、狙いは本当にそれだけなのか。経済ジャーナリストの井上学氏が言う。
「政府の最大の目的は、11月4日の郵政上場に向けた株価全体の底上げでしょう。シャープは、なりふり構わぬリストラと資産売却で延命を図ってきましたが、 常に倒産懸念がついて回ってきた。そんな企業に国がポンと2千億円を出して救済するとなれば、市場には買い安心感が一気に広がり、シャープだけでな くソニー、村田製作所など関連銘柄の上昇も見込めます」万が一、シャープが倒産したら、景気が一気に悪化し、アベノミクスの失敗がハッキリしてしまう。それを防ぐためにも国費で救済する必要があるらしい。
しかし国が2千億円を出資して救済したところで液晶技術の流出を防げる保証はない。
株式評論家の倉多慎之助氏が言う。「かつての三洋電機のように、経営危機が囁かれ始めた時点で、優秀な技術者はライバル企業に次々と引き抜かれます。シャープの液晶技術の流出は、既に始まっていると考えるべきで、今さら政府が手を差し伸べたところで歯止めはかからないでしょう」そもそも、2千億円の出資でシャープが蘇える確証だってない。経営危機の大きな原因は、決断できない経営陣が、いつまでも居座り液晶事業をサッサと分社化せず赤字を膨らませたことだ。シャープは今月下旬、1台千六百万円もする8K解像度の液晶テレビを発売するが一体、誰が買うのか。
「今のシャープにとって必要なのは、経営陣の刷新、それと次の中核事業に何を据えるかという経営ビジョンです。それが決まらない段階で、税金を使って救済しても、抜本解決にはなりません」(倉多慎之助氏)
もちろん経営再建できなければ国民の税金2千億円は水の泡。一時的な株価吊り上げの材料に使われることになる。(日刊ゲンダイ)
《安倍(戦争)総理は「国際貢献」を謳うくせに難民男児の遺体写真も他人事》
砂浜に打ち付けられた小さな男の子の遺体─。この一枚の写真をキッカケに日本でもシリア難民の問題が大きく取り上げられている一時、ワイドショーでも連日に亘ってヨーロッパ各国の難民受け入れの実情を報告。しかし小さな男の子の死を悲劇的に扱う割に「日本でも受け入れよう」という声が上がらないばかりか、日本での難民の実態に触れる事も殆どない。
それは日本の難民問題への“無関心さ”を表しているかのようだ。というのも2014年における日本への難民申請者数は五千人(前年より1740人増加)にも上ったにも関らず難民として認定したのは、たったの11人だった。こうした日本の難民受け入れ問題を論じた『日本と出会った難民たち』(根本かおる)によると、11年に日本が難民認定した数は21人。
この数字だとG7諸国の難民認定総数に占める日本の割合は0.04%。そう、四捨五入すれば「0%」になるという異常な数なのだ。そもそも難民とは、国連における「難民の地位に関する条約」(通称“難民条約”)で定義されているもの。平たく言うと〈地震や洪水などの自然災害ではなく、宗教や 民族、人種、政治的な意見、極めて保守的かつ男尊女卑な慣習やホモセクシャル等の性的な嗜好等によって、深刻な人権侵害や命の危険に、さらされるおそれがある人〉が〈国境を越えて逃れて〉きた場合に「難民」となる(前出『日本と出会った難民たち』より)。この「条約難民」だけではなく、〈戦争や紛争から逃れた人達も広く難民として保護されるように〉なったという。
日本もこの難民条約を批准しているが、問題は前述したように異常な難民拒否姿勢にある。しかもそれ以前に、日本での難民申請手続きは〈驚くほど煩雑〉。難民にあたるか否かを審査するのが法務省の入国管理局の一部局であるため〈自ずと「難民を守る」という視点よりも「入国管理」というゲートキー パー的な、ものの見方が色濃くなる〉という指摘もある。更に日本での難民認定審査は〈結果が出るまでは早くて半年、平均二年、長ければ五年以上〉もかかる。その間、難民申請中の人々は一定の権利や行政 サービスを保障されないままの生活を余儀なくされる。一応〈困窮している難民申請者に一日一五〇〇円の「保護費」を支給し、住む所がない人にはアパートを無償提供する〉という制度もあるが〈難民申請者全体の内で、この保護費を受給した人は一割にも満たず、残りの九割以上は保護費なしで暮らしている〉と いう報告もあるという。
日本における難民軽視はこれだけではない。入国管理局には、不法滞在者や不法入国者が強制送還されるまで「収容」されるが、ここに難民申請中の人も収容されるケースがある。日本の入国管理局の収容実態は、これまでも問題となってきた。国連の人権理事会でも日本政府の収容・送還問題に改善が求められ〈暴行の疑い、送還時の拘束具の違法使用、虐待、性的いやがらせ、適切な医療を受けさせない、という指摘〉も行われてきた。この劣悪な環境で、多くの人々が収容を余儀なくされているのである。
難民を保護することは〈国際法上の「義務」〉だが、日本政府の態度を見ていると、そうした意識は見えてこない。いや、むしろ日本政府が考える「人道的支援」「国際貢献」というもの自体に疑問を感じずにはいられない。例えば日本に難民申請する人々の国籍は2014年の報告だと73か国に上るが、その内訳はネパール人(1293人)トルコ人(845 人)スリランカ人(485人)ミャンマー人(434人)となっている。この内トルコ人は、多くの人がクルド人難民だといわれている。クルド人は「国家を持たない世界最大の少数民族」とも呼ばれる。〈トルコ、イラク、イラン、シリア等に跨って暮らして〉おり、ほぼ半数がトルコ南東部に暮らすが〈トルコでは長くクルド人やクルド語の存在自体が否定〉されてきた。
〈人口のおよそ五分の一にあたるクルド人の分離独立の動きを警戒するトルコ政府は、徹底したトルコへの同化政策とPKK(クルド労働党)ゲリラ組織の鎮圧、親クルド政党の弾圧を行ってきました。その結果、多くのトルコ国籍のクルド人が国外に亡命し難民となりました〉以前、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の職員としてトルコを回った経験のある著者は、そのときに見た風景を記述している。シリア、イラク、イランの国境沿い地域では人々の暮らしは貧しく、立ち並ぶ〈弾痕で、まるでハチの巣のようになった家〉。〈かつての日本の「創氏改名」〉のような〈ナショナリズムの発揚〉を感じたという、トルコ東部の山の岩肌に書かれた「トルコ人だと言えることは、なんて幸せなことよ」という意味のスローガン。
しかし日本において、トルコのクルド人難民を受け入れた数はゼロだ。〈ミャンマー人が条約難民と認定されるケースが増えるのに対し、クルド人が(条約難民として正式に)認定されたケースはこれまでに一件もありません〉という。
これはトルコ政府が「クルド人弾圧はない」と主張しているため、日本は“外交的配慮”を行っているからだ。だが他国はクルド人難民を受け入れ、その難民認定率は2005年で世界平均18.7%、2011年で13.6%となっている。
ここで浮き彫りになるのは〈難民の保護という人権・人道の問題よりも政治・外交問題が優先されてしまっている〉という日本政府の対応だ。
こうした日本の難民問題に知らんぷりするような態度に国連も勧告を出している。〈国連の人種差別委員会は、日本の難民認定について「特定の国からの庇護希望者には異なった優先的な基準を適用しており、他国の出身で国際的保護が必要である庇護希望者は強制的に危険な状況に戻されていることに懸念を改めて表明する」としています。前者の「優先的な基準」が適用されているのはミャンマー、そして「強制的に危険な状況に戻されている」のはトルコのクルド人であることは明らかです。更に国連の人権理事会も、難民に該当するかどうかの再審査については、法務省の出入国管理行政から独立した機関を設けることを勧告しています。しかし制裁措置のないこれらの勧告に「牙」(強制力)はありません〉
そして、こうした問題が国内で強く疑問視されない背景には、日本の“排外思想”にもあるだろう。だが著者は、難民受け入れは“社会を成熟させる”と述べ、外国人に対する排斥の声に、こう抗する。〈難民制度を日本という豊かな国に行くための“チケット”として考える人ばかりではないことは、2012年に日本行き第三国定住の希望者がゼロになったことからも実証済みです。難民申請者が再申請を繰り返して、ズルズル長く滞在し不法就労し、その実態が掴めなくなってしまうよりも、きちんと社会の一員として統合し「人財」として活躍して貰う方が生産的であるはずです。ましてや今の日本政府の認定は極めて閉鎖的で、このままでは難民条約を あまりにも狭く解釈し、国際法違反になるスレスレでもあるのです〉
もちろん難民問題を語る前に、国内の貧困に目を向けるべきだという批判もあるだろう。
だが国内の貧困も難民受け入れも、根本には同じような問題がある。何故、国内の貧困が問題化している最中に社会保障費は削減するのに防衛費は増額するのか。何故「積極的平和主義に基づく国際貢献」と安倍(戦争)総理は連呼するのに、国際貢献の基調となる難民受け入れを積極的に行わないのか。─これは、著者が指摘している“人権・人道の問題よりも政治・外交問題が優先”という問題とも重なるものだろう。(管理者:そもそも安倍(戦争)総理のいう「積極的平和主義」とは全くの日本語の真逆誤用で、正しい「積極的平和主義」の意味は「非軍事部門の平和外交政策」の事を言う。安倍(戦争)総理のいう「集団的自衛権」も含めた軍事同盟を意味するなら、それは「積極的戦争主義」である。「安倍」の国語能力が本当に低いのか、言葉のペテンにかけているのか解らないが、国民は惑わされてはならない)先日、新宿の歩行者天国で行われた「戦争法制」反対集会で、一人の外国人がシリア難民の男の子の写真を掲げながら「NO WAR」と叫び、片言の日本語で「センソウスルト、コウナルンデス」と訴えている姿を見た。報道によれば、その彼は亡くなった男の子と同じクルド人だったらしい。亡くなった男の子の話は、遠い国で起こった悲劇ではない。あの写真が私達に投げかけるもの。
それは安倍(戦争)総理の言う「積極的平和(戦争)主義に基づく国際貢献」が、まやかしに過ぎないという事であり、あらゆる武力による戦争・紛争を憎み、世界中で起こる貧困や弾圧によって苦しむ人々と私達は、どのように繋がる事ができるか、と言う事ではないのだろうか。(リテラ:管理者一部編集)
《自民農林部会長に起用:「安倍」のアテ外れの“小泉進次郎潰し”》
自民党農林部会長への就任が内定している小泉進次郎議員。20日の総務会で正式決定された。早速「進次郎は火ダルマになる」「安倍首相による嫌がらせ人事だ」の声が飛んでいる。自民党の農林部会長は、誰もやりたくないポストだという。「農林部会が大荒れになるのは確実です。TPPによって日本の農業が打撃を受けることは分かっていたが、打撃どころか野菜、果実、魚と、ほぼ全ての農水産物の関税がゼロになることが明らかになった。
日本に激安の農産物が大量に入ってくる。これでは日本の農家はやっていけないし、農家から支援を受けている自民党議員も次の選挙で落選しかねない。今、農林族議員はカンカンになっている。農林部会では“TPPから脱退するべきだ”“対策はどうするのか”と怒号が飛び交うでしょう。農林部会長は、政府と協力して党の政策を決定しないといけない。
まとめ役の農林部会長は矢面に立たされる。先輩議員を相手にしなければならない当選3回の進次郎氏は大変ですよ」(自民党関係者)小泉議員の農林部会長は、安倍官邸による巧妙な“進次郎潰し”だという。安倍官邸は、入閣要請を蹴った小泉議員を許していない。
「入閣を拒否した進次郎氏に安倍周辺は激怒しています。ただ無役にして干すとリアクションが大きい。そこで誰がやっても難しい農林部会長に就けたので しょう。進次郎氏がうまくこなしても立ち往生しても、どちらでも損はないと計算しているようです。農林族議員の怒りは治まりそうにありませんが、人気者の進次郎氏には強く当たりづらい。
進次郎氏に説得され“選挙の応援にも行きます”と頭を下げられたら、シブシブ受け入れざるを得ないのではないか。官邸にとっては、進次郎氏が農林族議員からの弾よけになってくれればありがたい。その一方、農林部会が収拾つかなくなり進次郎氏が立ち往生しても、それはそれで構わない。安倍首相の“政敵”になりかねない進次郎氏に“無能”の烙印を押すことになります」(官邸事情通)予想外のポストに就けられた小泉議員は、頭を抱えているらしい。(管理者:管理者は、そうは思わない。そもそもTPPの全面敗北は安倍(戦争)総理の昨年12月の総選挙公約「不利な条件を押し付けられれば、いつでも撤退する」と言っておきながら、甘利経済再生相に交渉を押しつけ、米国とメキシコのデキレースにハメラレても米国オバマの機嫌を損ねる「撤退判断」はできず「甘利」が「もう譲るものが無い。日本に帰らしてくれ」と安倍(戦争)総理に電話連絡すると、安倍(戦争)総理は「大筋合意した」とフライング会見。当り前だ。何と米国だけが圧倒的有利なISD条項も含めて「全面敗北・譲歩」したのだから「大筋合意」は物も言いようの世界だ。
そして、こうしたTPP交渉の完全敗北は「全国農協中央会」で安倍(戦争)総理が挨拶で「ウソツキ!売国奴!」等と徹底的に野次られ「特段の救済予算措置を行う」も「ああ、あれもウソ!信用できない」との声が相次いだ。つまりTPP交渉の完全敗北は「安倍(戦争)総理のウソツキ・全面責任」が農業・畜産業者のみならず財界(経団連)にもバレバレで今更、自民党農林部会長に小泉議員を当てたところで、小泉議員への同情は集まっても「弾除け」どころか、むしろ、その鬱憤と責任追及はアンタ「アベ」に集中するのだ。「アベ」は偏差値が低い割にはズル賢いところもあるが、今度ばかりは計算ミスのようだ:日刊ゲンダイ/管理者一部編集)
《税金2000億円使いシャープを救う安倍政権の“本当の狙い”》
政府系ファンドの「産業革新機構」が最大2千億円を出資してシャープを救済するという。所管する経産省は、革新機構傘下のジャパンディスプレイとシャープを連携させることで、液晶技術の海外流出を防ごうとしているらしいが、狙いは本当にそれだけなのか。経済ジャーナリストの井上学氏が言う。
「政府の最大の目的は、11月4日の郵政上場に向けた株価全体の底上げでしょう。シャープは、なりふり構わぬリストラと資産売却で延命を図ってきましたが、 常に倒産懸念がついて回ってきた。そんな企業に国がポンと2千億円を出して救済するとなれば、市場には買い安心感が一気に広がり、シャープだけでな くソニー、村田製作所など関連銘柄の上昇も見込めます」万が一、シャープが倒産したら、景気が一気に悪化し、アベノミクスの失敗がハッキリしてしまう。それを防ぐためにも国費で救済する必要があるらしい。
<専門家からは厳しい声も>
しかし国が2千億円を出資して救済したところで液晶技術の流出を防げる保証はない。
株式評論家の倉多慎之助氏が言う。「かつての三洋電機のように、経営危機が囁かれ始めた時点で、優秀な技術者はライバル企業に次々と引き抜かれます。シャープの液晶技術の流出は、既に始まっていると考えるべきで、今さら政府が手を差し伸べたところで歯止めはかからないでしょう」そもそも、2千億円の出資でシャープが蘇える確証だってない。経営危機の大きな原因は、決断できない経営陣が、いつまでも居座り液晶事業をサッサと分社化せず赤字を膨らませたことだ。シャープは今月下旬、1台千六百万円もする8K解像度の液晶テレビを発売するが一体、誰が買うのか。
「今のシャープにとって必要なのは、経営陣の刷新、それと次の中核事業に何を据えるかという経営ビジョンです。それが決まらない段階で、税金を使って救済しても、抜本解決にはなりません」(倉多慎之助氏)
もちろん経営再建できなければ国民の税金2千億円は水の泡。一時的な株価吊り上げの材料に使われることになる。(日刊ゲンダイ)
《安倍(戦争)総理は「国際貢献」を謳うくせに難民男児の遺体写真も他人事》
砂浜に打ち付けられた小さな男の子の遺体─。この一枚の写真をキッカケに日本でもシリア難民の問題が大きく取り上げられている一時、ワイドショーでも連日に亘ってヨーロッパ各国の難民受け入れの実情を報告。しかし小さな男の子の死を悲劇的に扱う割に「日本でも受け入れよう」という声が上がらないばかりか、日本での難民の実態に触れる事も殆どない。
それは日本の難民問題への“無関心さ”を表しているかのようだ。というのも2014年における日本への難民申請者数は五千人(前年より1740人増加)にも上ったにも関らず難民として認定したのは、たったの11人だった。こうした日本の難民受け入れ問題を論じた『日本と出会った難民たち』(根本かおる)によると、11年に日本が難民認定した数は21人。
この数字だとG7諸国の難民認定総数に占める日本の割合は0.04%。そう、四捨五入すれば「0%」になるという異常な数なのだ。そもそも難民とは、国連における「難民の地位に関する条約」(通称“難民条約”)で定義されているもの。平たく言うと〈地震や洪水などの自然災害ではなく、宗教や 民族、人種、政治的な意見、極めて保守的かつ男尊女卑な慣習やホモセクシャル等の性的な嗜好等によって、深刻な人権侵害や命の危険に、さらされるおそれがある人〉が〈国境を越えて逃れて〉きた場合に「難民」となる(前出『日本と出会った難民たち』より)。この「条約難民」だけではなく、〈戦争や紛争から逃れた人達も広く難民として保護されるように〉なったという。
日本もこの難民条約を批准しているが、問題は前述したように異常な難民拒否姿勢にある。しかもそれ以前に、日本での難民申請手続きは〈驚くほど煩雑〉。難民にあたるか否かを審査するのが法務省の入国管理局の一部局であるため〈自ずと「難民を守る」という視点よりも「入国管理」というゲートキー パー的な、ものの見方が色濃くなる〉という指摘もある。更に日本での難民認定審査は〈結果が出るまでは早くて半年、平均二年、長ければ五年以上〉もかかる。その間、難民申請中の人々は一定の権利や行政 サービスを保障されないままの生活を余儀なくされる。一応〈困窮している難民申請者に一日一五〇〇円の「保護費」を支給し、住む所がない人にはアパートを無償提供する〉という制度もあるが〈難民申請者全体の内で、この保護費を受給した人は一割にも満たず、残りの九割以上は保護費なしで暮らしている〉と いう報告もあるという。
日本における難民軽視はこれだけではない。入国管理局には、不法滞在者や不法入国者が強制送還されるまで「収容」されるが、ここに難民申請中の人も収容されるケースがある。日本の入国管理局の収容実態は、これまでも問題となってきた。国連の人権理事会でも日本政府の収容・送還問題に改善が求められ〈暴行の疑い、送還時の拘束具の違法使用、虐待、性的いやがらせ、適切な医療を受けさせない、という指摘〉も行われてきた。この劣悪な環境で、多くの人々が収容を余儀なくされているのである。
難民を保護することは〈国際法上の「義務」〉だが、日本政府の態度を見ていると、そうした意識は見えてこない。いや、むしろ日本政府が考える「人道的支援」「国際貢献」というもの自体に疑問を感じずにはいられない。例えば日本に難民申請する人々の国籍は2014年の報告だと73か国に上るが、その内訳はネパール人(1293人)トルコ人(845 人)スリランカ人(485人)ミャンマー人(434人)となっている。この内トルコ人は、多くの人がクルド人難民だといわれている。クルド人は「国家を持たない世界最大の少数民族」とも呼ばれる。〈トルコ、イラク、イラン、シリア等に跨って暮らして〉おり、ほぼ半数がトルコ南東部に暮らすが〈トルコでは長くクルド人やクルド語の存在自体が否定〉されてきた。
〈人口のおよそ五分の一にあたるクルド人の分離独立の動きを警戒するトルコ政府は、徹底したトルコへの同化政策とPKK(クルド労働党)ゲリラ組織の鎮圧、親クルド政党の弾圧を行ってきました。その結果、多くのトルコ国籍のクルド人が国外に亡命し難民となりました〉以前、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の職員としてトルコを回った経験のある著者は、そのときに見た風景を記述している。シリア、イラク、イランの国境沿い地域では人々の暮らしは貧しく、立ち並ぶ〈弾痕で、まるでハチの巣のようになった家〉。〈かつての日本の「創氏改名」〉のような〈ナショナリズムの発揚〉を感じたという、トルコ東部の山の岩肌に書かれた「トルコ人だと言えることは、なんて幸せなことよ」という意味のスローガン。
しかし日本において、トルコのクルド人難民を受け入れた数はゼロだ。〈ミャンマー人が条約難民と認定されるケースが増えるのに対し、クルド人が(条約難民として正式に)認定されたケースはこれまでに一件もありません〉という。
これはトルコ政府が「クルド人弾圧はない」と主張しているため、日本は“外交的配慮”を行っているからだ。だが他国はクルド人難民を受け入れ、その難民認定率は2005年で世界平均18.7%、2011年で13.6%となっている。
ここで浮き彫りになるのは〈難民の保護という人権・人道の問題よりも政治・外交問題が優先されてしまっている〉という日本政府の対応だ。
こうした日本の難民問題に知らんぷりするような態度に国連も勧告を出している。〈国連の人種差別委員会は、日本の難民認定について「特定の国からの庇護希望者には異なった優先的な基準を適用しており、他国の出身で国際的保護が必要である庇護希望者は強制的に危険な状況に戻されていることに懸念を改めて表明する」としています。前者の「優先的な基準」が適用されているのはミャンマー、そして「強制的に危険な状況に戻されている」のはトルコのクルド人であることは明らかです。更に国連の人権理事会も、難民に該当するかどうかの再審査については、法務省の出入国管理行政から独立した機関を設けることを勧告しています。しかし制裁措置のないこれらの勧告に「牙」(強制力)はありません〉
そして、こうした問題が国内で強く疑問視されない背景には、日本の“排外思想”にもあるだろう。だが著者は、難民受け入れは“社会を成熟させる”と述べ、外国人に対する排斥の声に、こう抗する。〈難民制度を日本という豊かな国に行くための“チケット”として考える人ばかりではないことは、2012年に日本行き第三国定住の希望者がゼロになったことからも実証済みです。難民申請者が再申請を繰り返して、ズルズル長く滞在し不法就労し、その実態が掴めなくなってしまうよりも、きちんと社会の一員として統合し「人財」として活躍して貰う方が生産的であるはずです。ましてや今の日本政府の認定は極めて閉鎖的で、このままでは難民条約を あまりにも狭く解釈し、国際法違反になるスレスレでもあるのです〉
もちろん難民問題を語る前に、国内の貧困に目を向けるべきだという批判もあるだろう。
だが国内の貧困も難民受け入れも、根本には同じような問題がある。何故、国内の貧困が問題化している最中に社会保障費は削減するのに防衛費は増額するのか。何故「積極的平和主義に基づく国際貢献」と安倍(戦争)総理は連呼するのに、国際貢献の基調となる難民受け入れを積極的に行わないのか。─これは、著者が指摘している“人権・人道の問題よりも政治・外交問題が優先”という問題とも重なるものだろう。(管理者:そもそも安倍(戦争)総理のいう「積極的平和主義」とは全くの日本語の真逆誤用で、正しい「積極的平和主義」の意味は「非軍事部門の平和外交政策」の事を言う。安倍(戦争)総理のいう「集団的自衛権」も含めた軍事同盟を意味するなら、それは「積極的戦争主義」である。「安倍」の国語能力が本当に低いのか、言葉のペテンにかけているのか解らないが、国民は惑わされてはならない)先日、新宿の歩行者天国で行われた「戦争法制」反対集会で、一人の外国人がシリア難民の男の子の写真を掲げながら「NO WAR」と叫び、片言の日本語で「センソウスルト、コウナルンデス」と訴えている姿を見た。報道によれば、その彼は亡くなった男の子と同じクルド人だったらしい。亡くなった男の子の話は、遠い国で起こった悲劇ではない。あの写真が私達に投げかけるもの。
それは安倍(戦争)総理の言う「積極的平和(戦争)主義に基づく国際貢献」が、まやかしに過ぎないという事であり、あらゆる武力による戦争・紛争を憎み、世界中で起こる貧困や弾圧によって苦しむ人々と私達は、どのように繋がる事ができるか、と言う事ではないのだろうか。(リテラ:管理者一部編集)
《自民農林部会長に起用:「安倍」のアテ外れの“小泉進次郎潰し”》
自民党農林部会長への就任が内定している小泉進次郎議員。20日の総務会で正式決定された。早速「進次郎は火ダルマになる」「安倍首相による嫌がらせ人事だ」の声が飛んでいる。自民党の農林部会長は、誰もやりたくないポストだという。「農林部会が大荒れになるのは確実です。TPPによって日本の農業が打撃を受けることは分かっていたが、打撃どころか野菜、果実、魚と、ほぼ全ての農水産物の関税がゼロになることが明らかになった。
日本に激安の農産物が大量に入ってくる。これでは日本の農家はやっていけないし、農家から支援を受けている自民党議員も次の選挙で落選しかねない。今、農林族議員はカンカンになっている。農林部会では“TPPから脱退するべきだ”“対策はどうするのか”と怒号が飛び交うでしょう。農林部会長は、政府と協力して党の政策を決定しないといけない。
まとめ役の農林部会長は矢面に立たされる。先輩議員を相手にしなければならない当選3回の進次郎氏は大変ですよ」(自民党関係者)小泉議員の農林部会長は、安倍官邸による巧妙な“進次郎潰し”だという。安倍官邸は、入閣要請を蹴った小泉議員を許していない。
「入閣を拒否した進次郎氏に安倍周辺は激怒しています。ただ無役にして干すとリアクションが大きい。そこで誰がやっても難しい農林部会長に就けたので しょう。進次郎氏がうまくこなしても立ち往生しても、どちらでも損はないと計算しているようです。農林族議員の怒りは治まりそうにありませんが、人気者の進次郎氏には強く当たりづらい。
進次郎氏に説得され“選挙の応援にも行きます”と頭を下げられたら、シブシブ受け入れざるを得ないのではないか。官邸にとっては、進次郎氏が農林族議員からの弾よけになってくれればありがたい。その一方、農林部会が収拾つかなくなり進次郎氏が立ち往生しても、それはそれで構わない。安倍首相の“政敵”になりかねない進次郎氏に“無能”の烙印を押すことになります」(官邸事情通)予想外のポストに就けられた小泉議員は、頭を抱えているらしい。(管理者:管理者は、そうは思わない。そもそもTPPの全面敗北は安倍(戦争)総理の昨年12月の総選挙公約「不利な条件を押し付けられれば、いつでも撤退する」と言っておきながら、甘利経済再生相に交渉を押しつけ、米国とメキシコのデキレースにハメラレても米国オバマの機嫌を損ねる「撤退判断」はできず「甘利」が「もう譲るものが無い。日本に帰らしてくれ」と安倍(戦争)総理に電話連絡すると、安倍(戦争)総理は「大筋合意した」とフライング会見。当り前だ。何と米国だけが圧倒的有利なISD条項も含めて「全面敗北・譲歩」したのだから「大筋合意」は物も言いようの世界だ。
そして、こうしたTPP交渉の完全敗北は「全国農協中央会」で安倍(戦争)総理が挨拶で「ウソツキ!売国奴!」等と徹底的に野次られ「特段の救済予算措置を行う」も「ああ、あれもウソ!信用できない」との声が相次いだ。つまりTPP交渉の完全敗北は「安倍(戦争)総理のウソツキ・全面責任」が農業・畜産業者のみならず財界(経団連)にもバレバレで今更、自民党農林部会長に小泉議員を当てたところで、小泉議員への同情は集まっても「弾除け」どころか、むしろ、その鬱憤と責任追及はアンタ「アベ」に集中するのだ。「アベ」は偏差値が低い割にはズル賢いところもあるが、今度ばかりは計算ミスのようだ:日刊ゲンダイ/管理者一部編集)
(民守 正義)
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