「第三次安倍内閣の醜聞と腐蝕」(6)

「第三次安倍内閣の醜聞と腐蝕」(6)


 《「第三次安倍改造内閣」の世論調査結果:識者の声》
 「第三次安倍改造内閣」の世論調査結果について、私=管理者「民守 正義」の基本見解は、前号「『第三次安倍内閣の醜聞と腐蝕』(5)」で述べたところである。
 では他の識者は、どのように考えているのだろうか。そこで二つの論文を紹介する。

 <安倍官邸真っ青!「内閣改造」に世論がソッポ>
 内閣改造を受けてメディア各社が行った世論調査で内閣支持率が基本的に下げ止まった。谷垣幹事長は「新布陣となった内閣への期待が、支持率を下げ止まらせ、やや上昇も見られた」と言ったが、それは表向きの話。
 官邸も自民党もそんな安穏としたムードではなく、む しろマッ青になっている。それは思ったほど支持率は下がらなかったものの、内閣改造自体は、全く評価されていないからだ。改造について共同通信では「評価する」が35.4%に対し「評価しない」が40.1%。毎日が「評価する」39%「評価しない」47%。比較的、安倍寄りの日経ですら「評価する」26%「評価しない」31%だった。一般的に内閣改造は、政権浮揚の常套手段だ。メンバーを刷新し、目新しさで期待感を高めれば一時的でも評価される。実際、昨年の2度の人事では評価されていた。例えば日経では、去年9月の改造の際は「評価する」40%「評価しない」22%、昨年12月の総選挙後の組閣も「評価する」38%「評価しない」29%だった。「評価しない」が上回った今回は異例と言っていい。世論調査に詳しい明大教授の井田正道氏(計量政治学)はこう言う。「組閣や内閣改造の『評価』とは、顔ぶれに対する期待値です。今回は看板大臣がおらず、インパクトに欠けることに加え、留任が多く新味が乏しかった。留任大臣については期待値プラス過去の実績が『評価』となります。つまり留任大臣が多い今回、世論調査で『評価しない』が多かったということは、政権全体の業績を評価できないということになります。それでも支持率が上昇したのは『戦争法案』が成立し、世論の関心が多様化したことが背景にあるでしょう。しかし 内閣に対する期待値が下がっているわけですから、これから支持率を上げるのは簡単ではありません」
 期待値の低さの原因は、株価下落やアベノミクスへの落胆が大きい。新3本の矢には株式市場も殆ど反応していない。(管理者:というより株価は中国バブルの影響と日銀の「国債乱発」による買い支えによるもの。つまり実態無き「空振り」相場/同志社大学‐浜教授)
 「まだ下げ止まりで済んだのは、野党がダメだから他に選択肢がないだけで敵失によるものだ。『経済優先』が国民に期待してもらえなくなると政権運営は厳しくなる。非常に不安定な政治状況に入った」(自民党ベテラン議員/管理者:この分析は正しい。それだけにリベラル野党はまとまる必要があるのだ!)安倍(戦争)総理は、益々ストレスがたまりそうだ。

<国民愚弄の人事にア然…第3次安倍改造内閣は短命に終わる>
 第3次安倍改造内閣が7日、発足したが、閣僚名簿を見てハッキリ解った事がある。この内閣は長くない。そして「最後の安倍(戦争)内閣になるだろう」ということだ。
 安倍(戦争)総理は改造後の記者会見で「未来へ挑戦する内閣だ」「(この内閣で)未来を切り開く」と豪語!「経済政策を一層強化する」「世界の中心で輝く日本をつくりあげていく」と大仰なセリフを吐いた。その言葉と閣僚人事の落差には国民も唖然としたのではないか。(管理者:だいたい「安倍」が「これからバラ色の政策を切り開く」と大風呂敷を広げたときほど、確実にウソをついている。「戦争関連法案」の「母子絵」もそうだった。国民も学習能力があるのだ。今やオマエのウソは解り易い)
 既に破綻が明らかになっているアベノミクスの戦犯経済閣僚を、そのまま留任させて何が「経済優先」なのか。自分の派閥から4人を起用し「お気に入り」と「お仲間」優先をエスカレートさせた人事で、何が「未来への挑戦」なのか。その他の新閣僚人事にも薄汚い派閥対策の政略が透けて見えて、適材適所とは程遠い布陣だ。それなのに仰々しいセリフで自画自賛する安倍(戦争)総理には「国民を愚弄するな」と言いたくなる。元々、舌先三寸のぺテン・イカサマ政権が益々、傍若無人化している。国民はそれに辟易しているのに安倍(戦争)総理は気づかない。こういう人事をすること自体、ヤキが回っている証拠で、だから、この内閣は長くないと言い切れるのだ。「一言でいえば、意味不明内閣ですね。1億総活躍というスローガンも具体性がなく、よく解らない。とにかく『戦争法案』の強行で吹き荒れている逆風を沈静化させ、ホトボリを冷まして来年夏の参院選まで安全運転で乗り切りたい。こんな思惑なのでしょう。だから中途半端な人事になる。自分のお友達の内、 大臣経験のない人を優先的に登用しただけの人事で、とてもじゃないが長期政権を見据えたものとは思えません」(政治学者の五十嵐仁氏/管理者:加藤1億総活躍相は「安倍ママ」の口聞き人事)
 こんな改造内閣で内外に山積する危機的問題に対処できると思っているのか。だとしたら早晩、そのツケは回ってくる。目玉の1億総活躍相に“身内”登用のいかがわしさ。
 「広い視野と強い突破力が必要」とまで宣言した重量級閣僚がコレだ。唯一の目玉とされた1億総活躍相が、首相側近の加藤勝信官房副長官の昇格とは国民もズッコケたのではないか。安倍(戦争)総理の外遊時に後ろに立つ姿を見るだけで、殆ど無名の加藤~大臣の名がクローズアップされたのは、あの「マスコミを懲らしめる」発言のチンピラ勉強会の後見役をやっていたことぐらいだ。元大蔵官僚で役人の習性には通じているのかもしれないが、当選6回以上の入閣待機組がゴロゴロいる中で、当選5回の加藤氏が初入閣できたのは、ズバリ安倍(戦争)総理の“身内びいき”の最たるものだ。「自民党内では『ああ、ゴッドマザー人事だね』て皆、言っていますよ。加藤さんは加藤六月元農相の娘婿。元農相の妻で加藤さんの義母にあたる睦子さんは、安倍(戦争)総理の母の洋子さんと親しく、2人は以前から加藤さんの初入閣を期待していた。母親達の望みを叶えてあげたという訳で、安倍家と加藤家のための人事ですよ」(自民党ベテラン議員)最も加藤~大臣の上昇志向は相当のものだ。「加藤さんは加藤六月氏の娘婿として後継者になるため、先ず長女と婚約したのですが、それが破談になると次女と結婚した。因みに長女、つまり現在、加藤~大臣の義姉にあたる康子さんは、明治の産業革命遺産の世界遺産登録に関し、内閣官房参与に就任しています」(永田町関係者)
 いやはや安倍(戦争)総理の政権私物化は看過できない域に達している。
 政治評論家の野上忠興氏はこう言う。「加藤さんは安倍さんに従順で抵抗をすることはないでしょうから、安倍さんのメンツを潰したり恥をかかせることはない。安倍家と加藤家の関係もあるし、看板大臣として据わりがよかったのでしょう」加藤~大臣の後釜の官房副長官には、これまた安倍(戦争)総理子飼いの萩生田光一氏。
 “情実人事”ばかりで自民党内もシラケムードだ。

《「第三次安倍改造内閣」と「日本会議」「神道政治連盟」》
 安倍内閣は以前から「日本会議との癒着・お仲間内閣」である事は「リベラル広場‐『憲法審査会-違憲』後の動向(17)-本年6月29日UP」でも述べてきたが、今回の「第三次安倍内閣」においても日本会議及び神道政治連盟との癒着関係は、むしろ深化したと言っていいだろう。先ず「日本会議」とは日本最大の保守・右翼団体だと言われているが、他のカルト的宗教団体も「二重加盟」している事も有り、正確な実態勢力は解らない。ただ「日本会議」の当初発足の活動目標は、戦後の「靖国神社復活運動」から始まり、その後の活動基本方針の中には「男女雇用機会均等法」(特に1999年改正以降)の主旨に対し「古来の日本女性の美性観を壊すもの」として当時、行政‐女性関連施設が行う「女性セミナー」や「男女雇用セミナー」等に対して受講者として「反対意見・質問攻め」を行い、事実上、セミナーをぶち壊すという言論テロ活動を展開し、私自身も含めて「日本会議:対策会議」を警察とも連携しながら「混乱防止対策」を講じた事もある。
 しかし今は「日本会議」も、そうした活動は行わず「日本会議関係資料」で調べた限り、むしろ欧米諸国とは軍事的・経済的にも同盟友好関係を図りながら、中国(大陸)への覇権的影響力を及ぼそうとする「戦時中的復古主義」が基本的考え方にあるようである。その意味で「日本会議」幹事長とも言われる安倍(戦争)総理の「中国脅威論」とも妙に符合する。
〔参考サイト:安倍内閣を支配する日本会議の面々――シリーズ【草の根保守の蠢動】〕
 次に「神道政治連盟」であるが、これも「日本会議」以上に殆どの「安倍政権閣僚」が加入している。この団体の特徴等は、神社本庁を母体とした宗教・超保守政治団体(1969年結成)で「日本の歴史・文化・伝統を後世に伝えること」を活動目的としている。活動は主に国会議員によって行われており、国会議員は「神道政治連盟国会議員懇談会」に組織される保守政治的圧力団体の役割も果たしている。具体的な活動は各種フォーラム、皇室の尊厳護持運動を行っており、主な内容は神道や伝統、その他天皇や政治に関わることが中心。
 特に自主憲法の制定、靖国神社での国家儀礼の確立、道徳・宗教教育の推進、選択的夫婦別姓制度導入反対、皇室と日本文化の尊重等を柱としている。例えば国民の祝日に日本国旗掲揚を推奨、元号制定化、国旗国歌法、昭和の日制定、選択的夫婦別姓制度導入の阻止等の活動を行ってきている。(管理者:その割には平成天皇や皇太子が「象徴天皇として、その役割を果たしていきたい」と言っているのに「自民党憲法草案」では「天皇は元首」と、平成天皇や皇太子の心に逆らう規定を入れたり、A級戦犯合祀されている靖国神社参拝も昭和天皇から拒否しているのに、その気持ちを無視して高市総務大臣をはじめ、殆どの閣僚が「靖国神社参拝」を行っている。安倍(戦争)内閣は真のところ「反―皇室・宮内庁か?」と言いたくなる。)なお現在の「神道政治連盟国会議員懇談会」会長は安倍(戦争)総理である。
 第三次安倍内閣閣僚等の「日本会議」「神道政治連盟」リストは以下のとおりである。
<第三次安倍改造内閣閣僚等「日本会議」「神道政治連盟」加入リスト>
【総理:安倍晋三:日本会議:神道政治連盟】【財務・副総理:麻生太郎:日本会議:神道政治連盟】【総務:高市早苗:日本会議:神道政治連盟】【法務:岩城光英:神道政治連盟】【外務:岸田文雄:日本会議:神道政治連盟】【文部科学:馳浩】【厚生労働:塩崎恭久:日本会議:神道政治連盟】【農林水産:森山裕:神道政治連盟】【経済産業:林幹雄:日本会議:神道政治連盟】【国土交通:石井啓一(公明党)】【環境:丸川珠代:神道政治連盟】【防衛:中谷元:日本会議:神道政治連盟】【復興:高木毅:神道政治連盟】【国家公安:河野太郎:神道政治連盟】【地方創生:石破茂:日本会議:神道政治連盟】【沖縄北方:島尻安伊子】【経済再生:甘利明:日本会議:神道政治連盟】【一億総活躍:加藤勝信:日本会議:神道政治連盟】【東京五輪:遠藤利明:神道政治連盟】【官房長官:菅義偉:日本会議:神道政治連盟】【首相補佐官:河井克行:神道政治連盟】【同:柴山昌彦:神道政治連盟】【同:衛藤晟一:日本会議:神道政治連盟】【同:和泉洋人(民間)】【同:長谷川栄一(民間)】
*なお義家弘介文科副大臣と、衆議院憲法審査会で官邸が、なんとか探してきた「戦争関連法案」合憲論者:西修・駒澤大学名誉教授、百地章・日本大学教授、八木秀次・麗澤大学教授も「日本会議」メンバーである。

<「同族経営・お友達人事・同宗派」の第三次安倍改造内閣は退陣を!>
 本「リベラル広場-「第三次安倍内閣の醜聞と腐蝕②~⑤」でも解るように安倍内閣は「同族経営・お友達人事・同宗派」の変態的・マニアックな巣窟で、とても先進国の民主主義的政権人事・構造とは思えない。特に安倍(戦争)総理を筆頭に「日本会議」や「神道政治連盟(日本神道)」といった宗教的価値観を共有する閣僚を、これだけ集めると、その宗教的価値観の方が崇められ、安倍政権の「憲法をないがしろ、または軽んじる」思考癖も理解できる。しかし、それにしても「アベ」は、あまりにも「政権=行政府」を私物化している。
 「日本会議」や「神道政治連盟(日本神道)」が、どれだけ政治的力があるのか知らないけれど、広範で多種多様な国民諸階層からみれば、チッポケな政治的マニアックグループの一つに過ぎない。それが「戦争関連法案」等で広範な国民意識に反して「暴行採決(?)」等で米国へ売国奴的に引き回している。「第三次安倍改造内閣」世論調査では約4割前後の方々が「他に交替可能な政権勢力がない」として「やむなく安倍政権‐支持」となっている。
 しかし「第三次安倍改造内閣」を知れば知るほど「やむなく安倍政権‐支持」が言えるほど悠著な状況でない事も実感する。それこそ「アベ」のヘタクソな例ではないが「自分の家が燃えているのに、他に自分の家がないから、もうちょっと自然に消えるのを待ておこう」と言っているようなもので、とりあえず危険極まりない安倍政権を打倒することが先決だ!
 後の政権構想は一に共産党の提唱する「国民連合政府」か、それがナンセンスと言うなら貴方(有権者)が対案政権構想を打ち出すべきだ!もう「税金と投票」さえすれば「有権者」の時代は終わりつつある。貴方自身も「対案提起+行動化」が求められるのだ。もう「我儘・甘ったれ有権者」では社会は変わらないどころか戦争の恐れすらある。
 「民主主義ってなんだ!?」「アンタだ!」「オレだ!」である。
*なお前回【「第三次安倍内閣の醜聞と腐蝕」(5)】で民主党国会議員内部にも「日本会議」メンバーが(9人)いる事を明らかにしたが、民主党執行部が党の責任において、その議員名前を公表しないなら、本ブログ管理者と同志とで対抗措置を講じる事も検討する!
(民守 正義)