「戦争法-廃止」と「安倍政権‐打倒」(13)

「戦争法-廃止」と「安倍政権‐打倒」(13)


《「戦争法」は雲の上の話ではなく日本の労働者には「仕事の意味が変わる」》
 日本は憲法9条で軍隊を否定しながら、自衛隊という軍事力を持っている。この現実のネジレは、「専守防衛」というキーワードで正当化される。「日本は不正な侵略を受けたときに限って武力を行使するのであって、保有する兵器を外国で使うことはない」と。これを引っくり返せば、9条が消えれば専守防衛というキーワードも消え「外国で兵器を使う事も有り得る」ということだ。日本の自衛隊が2006年度までに調達したクラスター爆弾は、約23%は米国製だが、残り約77%は「国産」だった。
 この日本の中で日本の労働者がクラスター爆弾を、つくってきたのである。クラスター爆弾については、日本政府はクラスター爆弾禁止条約の受け入れを表明し(2008年8月)、現有のクラスター爆弾は全て廃棄し、不発率が低い新型爆弾に置き換えていくことになった。しかし「9条が消える→専守防衛が消える→自衛隊が外国で日本製の兵器を使う=日本の労働 者の仕事が外国での戦闘を支える」という構図に変わりはない。つまり9条改憲とは、日本の労働者にとって「仕事の意味が変わる」ということである。9条改憲とは、どこか遠いところの話、雲の上の話ではない。それは「私たちの仕事・私たちの暮らし」の問題なのだ。この記述は、ジャーナリストー島本慈子さんの著書『ルポ労働と戦争 – この国のいまと未来』の中の一節だ。「若い人が、どういう思いで兵器をつくっているかというと、兵器というのは最先端の技術なのです。そういう意味では非常にプライドのある仕事なのです。ところが、その誇りは何で支えられているかというと『国を守る』ということですね。だから『守るものならいいが、侵略するものはだめだ』と、はっき りそうは言わないけれど、そんな意見があるのは間違いない。ところがそういうことを議論していると会社の内部がガタガタになりますから、それをいろいろな方法で押さえ込む。職場で自由にものが言えない訳ですから精神障害の疾病がグ~ンと増えました、ここ2、3年」これは三菱重工の労働者が語ったもの。
 島本さんは本書の中で様々な労働と戦争との関りを紹介している。そして国公労連の仲間である気象庁で働く職員を組織する全気象労働組合(※現在は国土交通労働組合)を、本書の中で紹介している。「天気予報が消えるとき」と見出しが打たれ、全気象が登場している部分を以下要約して紹介する。
 戦争が始まると気象情報は軍事機密となり、軍の統制下に置かれ、気象電文も暗号化され気象情報は一般市民には知らされない。気象災害による国民の被害が甚大なものとなる。
日本は1939年、軍用資源秘密保護法によって、気象情報を「保護すべき秘密」の一つに指定。1941年12月8日、真珠湾攻撃の当日には、中央気象台長が陸海軍大臣から気象管制を命じられた。この日からラジオの天気予報も消え「台風が近づいても警告はない」「大地震が起きても被害は報道されない」という日々が続いていく。1941年12月の真珠湾攻撃に際し、日本軍機動部隊の司令部はハワイ・ホノルル放送の天気予報を聴取して参考にした。
 1944年6月、ノルマンディー上陸に際し、連合軍は現地の天候を熟慮して「月明かり・潮の干満」等から上陸作戦開始日を決定した。それぐらい、気象は重要軍事情報だから、気象情報は敵から隠さねばならず、従って戦争になれば、自国民に向けて天気予報を流す事も制限される。第1次大戦のときも第2次大戦のときも、多くの交戦国で気象管制が行われた。
 そういう状態の中1942年8月、九州から近畿地方に台風が襲来。不意打ちの台風に襲われて、被害は「死者891人、行方不明267人、負傷者 1438人」という甚大なものとなった。
翌1943年7月には再び九州と近畿を台風が急襲し「死者211人、行方不明29人、負傷者231人」に上った。続けて9月にもやってきた台風で九州と中国地方に「死者768人、行方不明202人、負傷者491人」の大被害が発生した。国を上げて戦争をしている状態の中では、災害を防ぐ事より軍事機密を守る事の方が、はるかに重要であり災害の死者は「やむをえない犠牲」と看做されたのである。戦争がハイテク化した現在も、気象条件はやはり重要である。イラク戦争でもイラクで吹き荒れる激しい砂嵐で、米英軍の作戦行動は大きな影響を受けている。戦争になると各国も気象データの配信を中止する。
 現在、地上データ、高層データ等、同時間帯に全世界で観測し配信されるが、湾岸戦争やイラク戦争では中東のデータが配信されず「空白の天気図」となっていた。世界各地で行われる高層気象観測のデータは毎日の天気予報に欠かせない。日に2回、英国グリニッジ標準時の「0時・12時」に合わせて、地球上の約 900地点で一斉にラジオゾンデが打ち上げられる。
 日本でも韓国でも北朝鮮でも中国でも気象関係者が同時にゾンデを打ち上げる。その観測で地球を取り巻く高層の大気の流れを把握する事で台風の進路予測も可能になる。
どの国も一国だけでは天気予報をする事ができず、もし中国から観測データが入って来なくなったら、日本の天気予報は、たちまち精度が落ちる。それは中国にとっても同じである。
 現在の日米安全保障条約に基づく日米地位協定第8条には、日本政府は「次の気象業務を合衆国軍隊に提供することを約束する。(a)地上及び海上から の気象観測(気象観測船からの観測を含む)(b)気象資料(c)航空機の安全かつ正確な運航のための必要な気象情報を報ずる電気通信業務(d)地震観測の 資料(地震から生ずる津波の予想される程度及びその津波の影響を受ける区域の予報を含む)」とある。これに基づいて日本の気象情報は全て在日米軍に提供されている。自衛隊が、どこの紛争地域にでも送られることになれば、もし今の自衛隊の気象部隊だけで任務が遂行できなければ、気象庁職員も派遣されるかもしれない。
 派遣される自衛隊以外の公務員・民間人は気象関係、医療関係と報道されたこともある。
 私達、全気象労働組合の任務は「気象災害から国民の命と財産を守ること」と綱領に定めている。戦争になれば気象情報が軍事機密とされる事からも戦争に反対する。戦争になれば私達の仕事が軍事行動に利用される事になる。気象には国境がなく気象事業は平和の上に成り立つもの。私達は戦争のために働くのではなくて国民のための気象事業確立に努力したい。
 以上、島本さんが全気象を紹介した部分だ。これに続けて島本さんは「加えて戦争は最大の環境破壊」をもたらすとして、生物学者のロザリー・バーテルの著書『戦争はいかに地球を破壊するか – 最新兵器と生命の惑星』を紹介している。「イラクには、もろい不毛の砂漠地域、多くの小動物の棲家がある。砂漠の土壌は、微生物の生存している薄い層、短命な植物、塩、沈泥と砂の共存によって維持されている。このようなシステムが戦車戦から回復するのに、どれくらい長い時間を要するのかを、私達は経験から知っている―第2次世界大戦中、北アフリカ砂漠の戦争は砂嵐を10倍も増やしていたのだ」「例え戦争が起こらないとしても、兵器開発の実際の過程は人と環境に有害な影響を与えうる」「地球規模で、軍はかなりの量の土地を取りあげて、基地、実験場、毒性廃棄物の投棄場、モーター修理場、環境を汚染する、その他の活動に使っている。 廃棄物の多くは容易にリサイクルされず、環境汚染の影響は何千年もの間、続く。
 更に軍は、燃料、アルミニウム、銅、鉛、ニッケル、鉄鉱等の供給が限られている金属の相当量を使う。(中略)戦車のような重い兵器は土地の圧縮を引き起こす」「1945年から63年の間に行われた300メガトンの核爆発がオゾン層を約4%減少させた」例えば戦闘機と民間航空機では、エンジン開発の発想が全く違う。体を鍛えたパイロットがギリギリ耐えられるG(圧力)の限界のところでいかに瞬発力を出すか、戦闘能力を上げるか、その極限を追求していくのが軍事の仕事。それは民間航空機のエンジン開発者が「音を静かに、排気をきれいに、燃費を効率よく」との考えがあるで方向が違う。
 島本さんは、この章の最後に、こう綴っている。この時代とは「軍事に頼った安全保障には限界がある」ということを、母なる地球が静かに語っている時代ではないか。日本も戦争をする国へと踏み出すとき、新たな環境破壊の戦列に加わることは確かである。(『KOKKO』)

《まだまだ続く「戦争法」廃法・脱原発集会に1万5千人(主催者発表)》
 「戦争関連法」反対や脱原発を訴える集会が2日、東京都-日比谷野外音楽堂で開かれ、デモ行進と合わせて1万5千人(主催者発表)以上が参加した。参加者らは「戦争関連法」の成立を「強行採決(?)だ」と批判し「民主主義を取り戻そう」と声を上げた。
 集会は、福島第1原発の事故以降に原発ゼロに向け活動している「首都圏反原発連合」等が呼びかけた。集会後は、週末で賑わう新橋や銀座をデモ行進し「原発はいらない」「命を守ろう」と訴えた。集会で登壇した上智大-中野教授(政治学)は「戦争関連法」や原発再稼働を「国家の暴走によって私達を屈服させようとする動き」と批判。
「私達の生活や尊い命、人間の尊厳を守る闘いだ」と述べた。(なお警察発表では3千人と意図的過少発表した)

《第三次安倍内閣の醜聞①》

<菅官房長官に日歯連からの「3000万円迂回献金」発覚!>
 ゴールデンウィークの狭間の4月30日、東京地検特捜部が「日本歯科医師連盟」(日歯連)の家宅捜索に入り、同団体の会長・高木幹正氏の任意聴取を開始しているという。容疑は政治資金規正法違反の迂回献金。日本歯科医師会政治団体である日歯連は自民党の金権政治の温床で、10年前の日歯連事件では、村岡元官房長官ら国会議員、官僚が多数逮捕されている。しかも第2次安倍政権になって日歯連と自民党の不透明な癒着が復活し、様々な疑惑が取り沙汰されていた。そんな最中のガサ入れだったため、すわ大型疑獄に発展か?と色めき立つ永田町関係者もいたが、今回の特捜部の捜査対象は日歯連の組織候補の石井みどり自民党参院議員と西村正美民主党参院議員という小物二人。石井議員に政治資金規正法の寄付制限を超える9500万円を献金するために、同じ組織内候補の西村議員の後援会を経由したというものだ。しかし、ここにきて、この日歯連を巡って重大な疑惑が発覚した。政権の要・菅義偉官房長官への迂回献金疑惑を「週刊ポスト」5月29日号がスクープしたのだ。そもそも菅官房長官は現在、特捜部の事情聴取を受けている日歯連の高木会長と極めて近い関係にある。
 高木会長は今年2月、日歯連の母体である日本歯科医師会の会長選挙に立候補したが、その際も菅官房長官は高木会長の支援集会に、こんな推薦メッセージを送っている。「健康長寿社会の実現に向けて国を挙げて取り組む中、歯科口腔保険の推進はとても大切です。その重要性をずっと我々政府、与党に訴え続けてこられたのが、日本歯科医師連盟の高木幹正さんです」また、この支援集会には、菅氏と近い飯島勲内閣参与が名代として出席し、挨拶に立った日歯連出身の島村参院議員(自民党)も「(日歯連で)内閣官房と緊密な連携をとれる人は高木氏以外にいない」と、菅官房長官との近さをアピールしたほどだ。その菅官房長官に、不審な金の流れがあったのは先の参院選直前の2013年6月のこと。
 件の高木会長の支援集会で挨拶に立った島村議員から当時、菅官房長官が会長を務めていた自民党神奈川県連に3000万円もの金が寄付されていたのだ。
 実はこの年、島村氏には日歯連から1500万円、その他歯科医師団体等から1540万円、合計3040万円の歯科医師団体からの寄付があった。それが、そっくりそのまま菅官房長官に流れた可能性が高いのだ。
 島村議員は日歯連出身で、参院選では神奈川選挙区の自民党公認候補。候補を決めたのが県連会長を務める菅氏だった。しかし日歯連が当時、公式に支援を決めた組織内候補は、特捜部が捜査対象としている石井参院議員だけで、その石井議員にも日歯連は同年、1147万円しか寄付していない。「ポスト」は、島村氏にだけ、こんな巨額の寄付をするというのは余りに不自然だとした上で、こう指摘する。「島村氏の支部が日歯連と地域の歯科医師連盟等から集めた約3千万円は最初から島村氏ではなく、公認でお世話になった県連と、その会長である菅長官への日歯連側からの上納金だったのではないか」
 しかも菅官房長官は、こうした献金の見返りとして、今年2月の日本歯科医師会会長選挙で、高木氏を全面支援したと考えられる。
 まさに特捜部が今、捜査を進めている石井議員の迂回献金疑惑の本丸ともいえる疑惑ではないか。ところが、この「ポスト」のスクープに新聞、テレビ等の大マスコミは全く反応しなかった。一応、官房長官会見でテレビカメラが外れた後に一社から質問が出たようだが、菅氏が「事実無根」と否定すると、それきり。新聞は一行たりとも書いていないしテレビも一秒たりとも報道していない。(管理者:官邸圧力・癒着に腰砕けたのだろう)「『報道ステーション』が古賀さんを降ろしたケースでよく解るように新聞、テレビが一番恐れているのが、菅官房長官なんです。安倍さんの場合はキレて口撃をしかけてくるから、まだ解り易いですが、菅さんは裏でいろんな仕掛けをしてくる。
 新聞、テレビは「菅さんに睨まれたら、どんな報復を受けるか分からない」と政策批判さえ口にできない状態ですから、スキャンダルなんて、やれるはずがない」何とも情けない話だが、安倍政権が続く限り「政治家の疑惑追及なんて夢のまた夢」という事だろう。(リテラ)

<想田和弘監督の実験が証明した“菅官房長官語”の非人間性>
 少し前「選挙」「精神」等のドキュメンタリーで知られる映画監督・想田和弘氏が自身のツイッター上で行った“実験”が、新聞などでも報じられるほど話題になった。
 それは菅官房長官が定例記者会見等で述べる言葉を使って、ツイッター上に寄せられた想田氏への批判・中傷に淡々と応じていくというもの。“実験”には「#菅官房長官語で答える」というハッシュタグ(目印)が付けられているので、実際に具体例を見た方が早い。ユーザー「#菅官房長官語で答えるは単に有名人の物まねであるにすぎず、ネット民が特徴的な発言の一部を切り取って遊んでいるのと同じ事(以下略)。」想田「その指摘は全くあたらない。粛々と進める方針は、いささかも揺らぐことはない」ユーザー「煽りは如何なものか」想田「そのような批判は全くあたらない」ユーザー「こんなん、福田でも平野でも仙谷でも枝野でも藤村でも一緒でしょ。官房長官ってのはそういう言葉遣いをするもんでしょ。」想田「個別の事案について答えることは控えたい」ユーザー「顔にモザイクかけとかな、精神病と勘違いされんとちゃうか?-て思うくらいセンスない」想田「よく意味がわからないというのが率直なところだ。レッテル貼りはやめていただきたい。」ユーザー「この人大丈夫か?」想田「全く問題ない。はい、次。」
 見ての通り、そのやりとりは笑いが込み上げてくるほどの不毛さだ。ユーザーが何を言っても、聞き覚えのあるいくつかの“菅官房長官語”を繰り出すだけで全て対応できてしまう。
 更には「そんなことどうでもいいじゃん」等の「#安倍語で補足」や「現場を知らない人間が言うこと。文句があるならお前がやってみろ」等の「#橋下語で攻撃」まで登場。最初はムキになって想田氏に挑んでいったネット右翼達も、次第にイラついて絡む事を止めてしまった事から「無敵の論法」「無双」などと賞賛(?)されているのだ。想田氏は、これらの実験のタネをこう明かしている。〈#‎菅官房長官語で答える。コツは相手の質問や抗議に対して決して答えないこと。自然にしていると、思わずウッカリ答えそうになるんですけど、そこをグッとこらえる。そして木で鼻を括ったような定型句を繰り出す。するとコミュニケーションがそこで遮断される。議論にならない。なりようがない。ところが「#菅官房長官語で答える」では一応、受け答えしているので、傍目にはコミュニケーションが成立しているように見えてしまう。質問者は、その問いかけが真摯であれば真摯であるほど心理的なダメージが大きいし、周りには愚か者のように見えてしまう。これが菅語の恐ろしさの秘密〉
 確かに菅官房長官は相手が、どんな微に至り細を穿つ質問を浴びせても、顔色一つ変えずに断定的否定あるいは事実上の回答拒否を行うことが殆どだ。これが一見、受け答えしているように見えて、実のところ、その目的は“コミュニケーションの遮断”であることを、ツイッターでのネトウヨとのやりとりによって証明してしまった想田氏の実験は実に鮮やかである。
 しかし、こうして目の当たりにすると菅官房長官の語法は、これまでの政治家の語法とは明らかに異なるように思える。というのも通常、政治家というものは、YES/NOのどちらとでもとれるような曖昧な言い方で問いに対して留保するからだ。ところが菅官房長官の場合は、それがない。「批判は全くあたらない」「よく意味がわからない」等として「法令に則って粛々と進めるだけ」とコ ミュニケーションの拒絶をハッキリ宣言するのだ。結果、質問者は“何言っても無駄じゃん!”と心が折れてしまうか、もしくは強化された圧力により屈服されてしまう。一般に、こうした言明は“強弁”といわれ、論理的な議論の中では禁じ手とされる。『ゲーデル、エッシャー、バッハ』の共訳でも知られる数学者・野崎昭弘氏の著書『詭弁論理学』によれば、強弁が誕生するのは「『泣く子と地頭』の言葉に象徴されるように、我儘が通る幼児期」であり、それは「相手がいうことを耳に入れず、ひたすら『自分が言いたい事を言い募る』という点に特徴がある」という。こうした「小児型強弁」をする人物によくありがちな性格的原因として、野崎氏は次の5点を挙げる。(1)自分の意見が間違っているかもしれない等と考えたこともない。(2)他人の気持ちがわからない。(3)他人への迷惑を考えない。(4)世間の常識など眼中にない。(5)自分が前に言った事すら忘れてしまう。まさに安倍政権の政治的特徴そのものではないか!但し同書によれば「権力者や有能な指導者達は、思いついたことを、ただ言い立てるような単純な強弁術は使わ」ず、例えば事柄を、ある原理的な基準を設ける事で分断させる“二分法“等を用いて、威嚇を伴う詭弁を弄するのが普通だとい う。中世西洋の魔女狩りがそれだが、そういう意味では橋下大阪市長はまさに二分法の体現者だと言えるし、安倍(戦争)総理もまたレッテル貼りによって“敵”を一方的に仕立て上げる手法をよく使う(「日教組!日教組!」等)。これはヒトラーによるユダヤ人迫害・虐殺の例を出すまでもなく、独裁者が例に漏れず用いるやり口だ。
 だが菅官房長官は彼らと違い、少なくとも直接的・感情的には“敵”を論ったりしない。
 同書で解説されている「詭弁術」の中には前述の二分法のほかに「それはそうだが、こういうこともある」と重箱の角をつく相殺法等も紹介されているが、沖縄の基地問題への対応を見ても明らかなように菅官房長官の口ぶりからは、いささかも相手に譲る素振りがないのである。ハッキリ言って“異常”、まるで“感情がない”かのようだ。本サイトはかねてより、様々な証拠から安倍(戦争)総理がサイコパス的であることを指摘してきたが、菅官房長官の場合はサイコパスというより、そもそも人間でないと言った方がいいかもしれない。
 想田氏は件の実験中に「様々な方が『#菅官房長官語で答える』を「botみたい」と指摘されています。その指摘は非常に的確だと思います」とツイートしていたが、確かに菅官房長官は“bot”、すなわち機械的に定型文を繰り返すプログラムのように見える。先月末の「女性はたくさん産んで国家に貢献してくれればいい」という発言も、単に冗談めいて言った訳ではなく、この“ロボット官房長官”からすれば当然の発想だったのだろう。感情のないロボットが人間達を管理しているというのはSF作品によくある設定だ。
いよいよ、この国は、そんな絶望的な状況にまで来てしまっているのだろうか。(リテラ)
(民守 正義)