「戦争法-廃止」と「安倍政権‐打倒」(11)
「戦争法-廃止」と「安倍政権‐打倒」(11)
《重大報告!「参議院特別委員会-暴行採決(?)議事録」が与党改竄!》
〈参議院ホームページで「虚偽説明・文言」を勝手に追加・変更等〉
9月17日の「戦争関連法」暴行採決(?)した議事録では原本【「……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)」・・・「総理、退席」】としか記載されていないものを11日公開された参院ホームページでは「聴取不能」であったものを、審議再開を意味する「速記を開始」を虚偽追加記載、さらに「質疑を終局した後、いずれも可決すべきものと決定した。なお、(安保法制について)付帯決議を行った」とまで虚偽追加記載されている。
これは安倍政権・与党側が「採決不存在確認訴訟」でも提訴されたら、持たないとして「改竄!」したものと思われる。どこまで汚い安倍政権・与党だ!これに対し福山理事(民主)をはじめ野党は「実際には騒乱状態で、先に未定稿で各議員に提示された議事録には【「……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)」・・・「総理、退席」】とあったものを公開された「改竄-議事録」には「委員長の採決宣告」に安保(戦争)法を「可決すべきものと決定した」とまで付け加えたことに対し「勝手に採決に続き、議事録の内容まで与党側が決めた」と強く反発している。野党議員によると参院事務局は、追加部分は「委員長が認定した」と委員長責任にかぶしているが、野党側は「事前の打診に同意していない」と明言している。
改めて9月17日の特別委の状況をおさらいしてみよう。【①委員長不信任動議が否決されて鴻池祥肇氏が委員長席に着席。民主党理事の福山哲郎氏が鴻池委員長に「次の議題は何か?」と話しかけたところ、ある特別委員会委員でもない自民党議員の「行けー!」の号令の下、一斉に委員でない自民党議員や秘書まで含めて、多数で鴻池委員長の周囲を取り囲んだ(動画・写真有り)。野党議員も駆け付け混乱状態の中、委員長による質疑終局と採決の宣告は全く聞こえず、自民党-佐藤理事の起立を誘う手合図で与党議員らが起立を繰り返した。しかし、そもそも何をしているか離れた与党議員にも解らない状況下で、起立回数もバラバラ。もちろん野党議員には何を採決しているのか解らない状況だった。】
福山理事(民主)によると、今月8日に参院事務局担当者が、この議事録を福山理事に示した。福山理事は「委員長が追加部分を議事録に掲載するよう判断したとしても、理事会を開いて与野党で協議する話だ」と了承しなかった。福山理事は議事録公開について「与党議員らが先に委員長席を取り囲んで『聴取不能』にし、後から速記を開始して可決したと追加する。これでは議事録の信頼性が揺らぐ」と指摘した。議事録には、安保(戦争)法の委員会可決だけでなく、付帯決議を行ったことも書き加えられた。この付帯決議は、自衛隊海外派遣の際の国会関与強化を盛り込む内容で、次世代の党など野党三党と与党が合意した。
法律に付帯決議を入れる場合は、委員会で読み上げられるが、野党側は全く聞き取れなかった(それどころか動画では全く読み上げられた様子がない)と主張する。
そこで、このまま「採決不存在確認訴訟」提訴になった場合の訴訟展望だが、いくら安倍政権・与党・参議院事務局が「こっちが正式(改竄)議事録だ!」と言い張っても、裁判では実態事実で争われるもの。当初の【「未定稿議事録」+動かぬ証拠(動画+写真)+野党理事の証言、等】と【参議院ホームページ議事録(改竄)の物的証拠】とで事実認定の争いとなり、「動かぬ証拠(動画+写真)」だけでも、裁判でよく言われる「社会通念上、正常かつ穏当な採決があったとは認めがたく~」となる可能性が高く、安倍政権・与党・参議院事務局の主張の方が阻却される可能性も高い。(ただ、その立証に原告側も邪魔臭いがー)
加えて「参議院規則や会議体の一般原則(根拠法令)」には、そもそも、このような「強行採決」のような無秩序採決の定義や対応策等について、一切の規定が無く、法の想定外の出来事なのだ。その意味で一般法に帰り「民法-公序良俗違反」だけでも「採決不存在」を動画で十分、立証できる。
なお補足として安倍政権・与党・参議院事務局が「鴻池特別委員長の証言」を「(改竄)議事録」の正当主張とする可能性があるが、鴻池特別委員長自身が「暴行・強行採決(?)」の当事者・実行者でもあることから「証言者適格」に欠ける事の方が容易に認められると思慮される。なお余談であるが、既に弁護士会とも相談したところ、この間の行政府(安倍・菅・高村、等)の司法界を上から目線で軽んじる連続発言(「憲法判断は最高裁」と言いながら「最高裁は違憲判断を、よう出さないだろう」「元最高裁長官と言えども今は一私人」等々)で大分、司法界も行政府に心証を悪くしている事、議事録改竄事実が明確になれば、逆にその悪質性が問われ、より行政府に厳しい判決がでることも予想される。加えて原告が、その議事録改竄事実が認定されて「参議院事務局責任者+担当者」への追加損害賠償または相当性のある懲戒処分請求訴訟を提訴する事も可能だと考える。
参議院事務局には悪い事は言わない。今の内に事務局長職権で「真事実に基く議事録」どおりホームページ議事録を修正し、後は行政府と国会と裁判の成行きに任すことが最もベターだ。さもないと参議院事務局職員まで懲戒処分・損害賠償責任が追及される。
これだけは言っておく。こんなに汚い手を平気で使う安倍政権・与党達だ。「国家公務員のクビ」を切って自分達だけが政治的に逃げ切る事等、何とも思っていない。議会事務局職員は「安倍政権のために働くのでなく、公正・公平に国民のために働く」信念を貫いて欲しい。それが長い目でみれば「公務員の正義と雇用の安定」を保つ唯一の方策なのだ。今、勇気を出せ!
《「参議院特別委員会-暴行採決(?)議事録」与党改竄の「鴻池詭弁」!》
<鴻池委員長-狸オヤジに化かされた「戦争法」強行採決>
狸親爺がシッポを出すのは意外に早かった。人間かまくらに守られて「戦争法案」を強行採決した参院安保特委の鴻池委員長が7日、都内で講演した。(主催:一水会)「どこかで参院の意思を示さなければならない。60日目が9月13日の晩。14日からは衆議院が戻してくれと言ったら戻さにゃならん」。鴻池委員長は採決に踏み切った理由をこう述べた。60日ルールの適用は参院不要論につながる。「採決を決心したのはいつか?」と筆者が質問すると、鴻池委員長は「16日」と答えた。16日は横浜市で地方公聴会が開かれた日だ。
公聴会の閉会後、公聴人から「強行採決はダメだぞー!」とヤジられて、鴻池委員長は「今、言ったのは誰だ?!手を上げろ!」とヤクザまがいに凄んだ。しかし公聴人ら皆には、直ぐに国会に戻り、参議院特別委員会で「強行採決」予定である事はバレバレで、議員団を国会に帰させまいと市民が道路に捨て身の座り込み、大混乱となった。鴻池委員長は決心に至った理由を「公聴会が終われば審議時間は100時間を超える。道路に人が寝ころんだ。けが人が出る恐れがあった」等と説明した。(これは長老のウソだ!少なくとも当日16日には強行採決を翌日17日までには行う事は知らされていたし、それは「安倍」指示であることも知っていた。)「やるはずだった総括質疑を行わなかったのはなぜか?」筆者は再び問うた。「総括質疑をやる約束だったけどできなかった」鴻池委員長は野党が不規則な対応をしてきたため、できなかったと言いたげだった。採決の際、音声が「聴取不能」となったことについて、鴻池委員長は手続きを踏んだと主張した。「全部読みましたよ。(法案を)5つ読みました。委員長にご一任でいいですかと聞いた」「俺が読み上げたんだよ」鴻池委員長は、ことさらに強調した。(あの騒乱状態でブツブツ「読んだ」と言っても実効説得力があるか!)鴻池委員長は「(総括質疑を飛ばして採決するよう)官邸からの圧力は一切なかった」と話す。
(そりゃあ「あった」とは言えんわなー♪根性なしの鴻池には♪エエ年して「アベ」ボンスケが恐いとはー♭)
「(安倍(戦争)総理が兄貴と慕う)衛藤首相補佐官が理事会室に入るのを目撃した人がいるのですが…」と筆者は迫った。鴻池委員長の答えが震えた。「衛藤さんは来ることは来た。そやけど『皆さん、元気を出して下さい』と言うただけや」。「元気を出して下さい」というのは『ちゃんと採決しろよ』と喝を入れたようなものだ。でなければ、わざわざ首相補佐官が来るだろうか。「官邸の圧力があったら、ずっと採決を引き延ばす」。
鴻池委員長は豪語したが、反骨の士を気取っているだけだ。(全く、そのとおり!鴻池は男のエエカッコシ‐で、中身は情けないほど気の弱い根性なし♪)
メッキは簡単にはげる。鴻池委員長は河本派(旧三木派)に所属していたことを自慢した。
三木派は自民党内きってのハト派リベラルだった。鴻池委員長は自分がいかにもハト派保守であるかのように吹聴した。(しかし長いだけで何の実績もない。同じ兵庫出身の今は亡き原健三郎氏に隠れて存在も見えなかった)だが講演の前半で「中国の軍拡、北朝鮮の暴走を考えるとアメリカと一緒にやらなアカン」と述べているのだ。「戦争法制」は必要だというのである。三木派であれば、こんなことは言わない。外交で解決の道を探るのが三木派の哲学だからだ。キツネに包まれたような強行採決だったが、化かしたのは狸親爺-ウソツキ鴻池張本人だった。(基本文献:田中龍作ジャーナル/管理者-部分編集)
<「民主主義を損ねるような状況になってしまったことは残念だった」
え!?あなたが言う!?(IWJ:管理者-基本文献の誤謬等、一部訂正・編集)>
議事録が「改竄」された。虚構の事実が勝手に付け加えられたことで「戦争法案」が正しいプロセスを踏んだように粉飾された。嘘と恥とデタラメの上塗りである。9月17日の参院特別委で、委員でもない与党議員や秘書らが委員会室に「乱入」し、速記停止中に鴻池委員長を「人間かまくら」で取り囲んだ。委員会室は抵抗する野党議員と強行採決したい与党議員のもみ合いで大混乱に陥った。議事録の未定稿には「採決」は速記不能中に行われ「聴取不能」な状態であったことが記されていたが、10月11日に参院のホームページで公開された議事録では、新たに「速記を開始」して審議を再開し「質疑を終局した後、いずれも可決すべきものと決定した」と付記されていた。明白な「改竄」ではないか。民主党・福山(理事)議員はこれについて「与党議員らが先に委員長席を取り囲んで『聴取不能』にし、後から速記を開始して可決したことに捏造して追加する。これでは議事録の信頼性が揺らぐ」と指摘。野党は議事録の内容まで与党側が勝手に決めたと強く反発している。批判は当然であろう。こんなことが許されるなら、議会でどんな横暴でも改竄でも許されてしまう。
実際には、あの日、委員会室の「人間かまくら」の内側では、何が行われていたのか。
第三次安倍改造内閣が発足した2015年10月7日、自民党の鴻池参議院議員は「第164回緊急一水会フォーラム」に講師として招かれ講演し、記者の質問にも答えた。当事者による貴重な「証言」を聞く機会となった。「あれだけやったんだから閣僚にしてくれると思ったんですがね。委員長の姿は野党寄りということのようでダメでした。モーニングをすぐ出せるように用意しておったのですがね」
参議院で安保法制特別委員会の委員長を務めた鴻池議員は、自嘲気味にこう語り、混乱の中で行われた「戦争法案」の「採決」については「民主主義を損ねるような状況になってしまったことは誠に残念だった」と振り返った。IWJの質問に答える形で。なお、この講演及び質疑応答は、主催からの通達でスチールの撮影、動画の中継・録画等も禁止されていた。
以下は、記者メモを基にして忠実に、その講演と質疑応答を起こしたものである。
【「小さい頃から威張っているやつが嫌いで、今の内閣も嫌い」とは、「本音」なのか、おトボケなのか!?】
鴻池議員は冒頭から「小さい頃から威張っているヤツが嫌いで、今の内閣も嫌いだね」と安倍内閣に“ジャブ”を浴びせた。「周りを取り囲んでいる役人もね。東大を出て役人になってという、青春時代に友情も感じないで喧嘩もしないで、女体にも興味持たずに、すぐさま役人になっている。やっぱり『侘び寂』とか『義理・人情』とか、わからなきゃいかん」兵庫県尼崎市出身の鴻池議員は、関西弁で「弱い者イジメしているヤツがいたら、そいつにかかっていかなきゃいかん。そういう教育を受けていましたから、政治家になっても、その教えが染みついて離れへん」と振り返り、小泉政権時代に鴻池議員が「郵政民営化反対」に走ったのも、こうした教育の影響があったのだと明かした。安倍・自民党の「重鎮」として、参議院特別委員会委員長という「大役」を果たした鴻池議員が、安倍政権の批判を繰り出す。 自民党にも安倍(戦争)総理の 「独裁」にもの申す骨のある議員がいたのかと感心して聞き入ってしまう。気づくと、いつの間にか煙に巻かれている。参院が始まる前にもこうした場面があった。今度は、そういうわけにはいかない。
狸に化かされないように、用心して話を聞く。
【「男気」で引き受けた委員長職「74歳の仕事にしては重かったな」】
続いて鴻池議員は、今回の参院特別委で委員長を引き受けた経緯を明かした。「(最初は)静かにしていたんですよ。そうしたら衆議院であんな(強行)採決して、野党がカメラ目線で反対しているんですよ。(与党は)もうちょっと、きちっとやればいい。『アホかいな』と思っていた。そうしたら今まで放っておかれたのに突然、参議院・自民党のトップが私のところにきて『特別委員長やってくれ』と言うんですよ」
さらに鴻池議員は「私は山本一太とかがやればいいと思っていたんですが、物心ついたときから『男らしく生きなきゃいかん』というのが(身体に)染みついていたから『お願いできますか』と言われて『わかりました』と答えてしまった」委員長職は「男気」で引き受けたのだという。鴻池議員は「74歳の仕事にしては重かったな、あれは。それであのようになった次第です」と述懐した。この講演の主催者は、新右翼、一水会。「男気」というアピールは、場の空気をよく読んでいる発言である。
【安保(戦争)法案が上がってきた以上は「備えあれば憂いなし」という姿勢】
鴻池議員は、委員長として「戦争法案」の中身をどのように受け止めていたのだろうか。「私は、この法案が上がってきた以上は『備えあれば憂いなし』(中国から)槍を出されたら槍を出し返すような姿勢(で臨んだ)」と鴻池議員は語り、こう続けた。「一人でだめだったら、あまりやりたくないけど(集団的自衛権を)米国と一緒にやる。これは現実としてしょうがない。そして安保(戦争)法案を通してしまえば、そういった場面は今後ないと思う。しかし残念ながら、中国の拡張主義、北朝鮮の暴走を報道で見る度に『ちゃんと戸締まりだけはしとかなきゃいかんな』との思いはある。これは多くの方にあると思いますよ。これは中国の悪口でなく中国共産主義、北朝鮮全体主義の悪口です」
【日米同盟を「深化」しても「戦争なんかには行きませんよ」】
鴻池議員は更に安全保障の視点から安保(戦争)法制の必要性に言及した。「日本の自衛隊の兵力は24万人。中国は200万人で北朝鮮は推定100万人。国防予算は日本は約5兆円、中国約19兆円、北朝鮮は不明、米国は63兆円で130万人の兵力です。バランスを考えてみると、日本は一人で頑張りきれない。だから頑張れると見せなければならない。それがこの安保(戦争)法制だと思います」つまり「日米同盟を『深化』させることで抑止力が増す」という考え方である。「戦争なんかには行きませんよ。だいたいペルシャ湾云々(機雷除去等)言っているのが誤りだと思います。徴兵制にもなりません」と鴻池議員は安心させるような口ぶりで、自信たっぷりに断言した。
【強硬手段で法案を通しておきながら「本来は憲法改正すべきだった」と述懐する矛盾】
「本来は憲法改正すべきだったが、自民党員なので、委員長をやらされているのでしょうがない」。「開き直り」ともとれるような発言である。これでは「立場上、憲法違反も仕方がなかった。自分はやらされただけだ」と言っているようなものである。「本来は、憲法の中に自衛隊の『自』の字も書いてない。それを議論を積み重ねて、共産党でさえも自衛隊は必要だという時代になっています。一方で学問の中だけで勉強する学者のように『どう考えても違憲だ』という人もいるのですよ。記者も反対を言うのです。しかし大事だと思った」話は「戦争法案」賛成派が口をそろえて言う「最初は皆、自衛隊も違憲だと言っていた」という理屈である。この理屈で言えば、どんな法案であろうとも憲法など気にしないで通してしまい「後々、定着するのだからいいのだ」という話になる。
歯止めは、どこにあるのか、不安にならざるをえない。
【参院の採決は「無事に滑走路に着陸しました」という「虚勢」】
鴻池議員は「参議院」に対する思い入れにも言及した。「貴族院がなくなって、金持ちではなくても国民から選ばれた者なら議員にしよう、ということで参議院ができました。衆議院の拙速を戒めようというのが参議院です。衆議院が大政翼賛会のように進んでしまったときに『NO』という。政党の垣根を越えて合意形成していくのが参議院です」鴻池議員は、参院に誇りを持っていることを強調する。礒崎首相補佐官が「法的安定性は関係ない」と発言したことで参院に参考人招致された際、鴻池委員長は「我々参議院は、衆議院の下部組織ではない。官邸の下請けをやっているのではない」と、礒崎補佐官を強くたしなめていた。
しかし鴻池議員は、心に葛藤を抱いていたことも明かした。「(国会には)『60日ルール』がある。参議院でもたもたする場合、法案を衆議院に戻して成立させることができる。どこかで参議院の態度、意思を表さなきゃいかんと思っていました。その結論は、なかなか出なかった。60日目は13日の晩にくる。14日からは衆議院に『法案を差し返せ』と言われたら、何も言えない。5党(自民、公明、元気、次世代、新党改革)が合意したので、強行採決ではない。だから法案を通すことにした」鴻池議員は、採決時の大混乱は「委員長の力量不足」だったと認める。しかし、採決そのものは正当な手続きを踏んだものであると、釘を刺す。
もともと「強行 採決反対」のプラカードが林立した衆議院での採決のような事態は避け、「滑走路で無事に着地できるようにしよう」と考えていたのだという。「(採決文を)全部、私は読みましたよ。あれは読めばいいんです。読んで議決多数だったんですよ。みんな立っているんだから。5つ、読みました。『委員長にご一任いただくことでよろしいですか?』とも言った。それで賛成起立多数。無事に滑走路に着陸しましたよ」 鴻池氏本人は「自分は言った」と言い張っても、その場で誰も訊いていない。特別委の採決の際には、委員でも議員でもない秘書まで導入して「人間かまくら」 を作って囲み、野党議員の表決権を奪ったうえで、強引に「採決」した。そのうえで、「聴取不能」と書かれている議事録を後々「改竄」までしたのである。「無事に滑走路に着陸した」とは到底、言いがたい。
【「安倍さんとの関係がこじれてもかまわない。俺を大臣にしてくれなかったから」と笑いをとる鴻池議員の老獪さ】
質疑応答では、「『野党寄り』とみられたことで政権との関係が悪化したのではないか」という(与党寄りの)質問が投げかけられた。鴻池議員は「政権とは議員である限り是は是、非は非でやっていこうと思いますが、私は参議院では党議拘束はできるだけ外したい」と応じた。 「先ず政党間の垣根をもっと下げたい。早めに合意できるところは合意したい。これは参議院でないとできない。嫌われ者で人生が過ぎてゆくと思いますけど、私はそのために参議院議員をやっているので、安倍さんとの関係がこじれてもかまわない。俺を大臣にしてくれなかったから(笑)」続けて「いつ安保法案を採決しようと決めたのか」という質問に対し、「16日です」と明言。その理由についてこう述べた。「国会決議、閣議で自衛隊が出るときには、きちっとやらないかんという文書ができあがったのが一つ。もう一つは、横浜地方公聴会が終われば、参院での審議が100時間超えたことになる。三つ目は横浜で、道路に座り込んで道を塞いだ皆さんが怪我しちゃいかんと思ったこと。この三つで「『採決しなきゃいかんな』と思いました」と答えた。
【採決は「委員長が読み上げればいい」という認識!?】
「鴻池議員は『採決文を読み上げた』というが、議事録の未定稿には残っていない。他の委員は何をやっているかわからなかったのではないか」という質問が鴻池議員に投げかけられたが、鴻池議員は「わかっていますよ」と質問を押し返すように断言した。「(テレビを観ている国民は)解らなかったでしょうね。本当に申し訳ないことですよね。だけど、きちっと読み上げているのです。マイクを引きちぎられていてもね、委員長が発言をすれば、その通りになるのです」(それは違う!実効性がなければ委員長発言も、うわ言と同様)
鴻池議員は、他の議員の耳に聞こえているかどうかではなく「委員長が読み上げさえすればいい」という認識を示した。「私が言いましたので。5つ採決しましたから(いいんです)。更に言えば『自分がこう発言して採決をした』と議長に報告をして、それで委員会での採決は全て終了です。委員会は、それで消えるのです。そこまでやりましたから」と、終始おトボケ口調だった鴻池議員が、この件では語調強く、開き直った。(参議院規則には、そんな事を担保する規定はない。むしろ参議院議長は本来「特別委員長の口頭報告だけで採決議事録がない」として特別委員会差し戻し権限がある。参議院議長も怠慢で問題!)
【IWJ記者の質問に対して「俺をやっつけたいわけか?」と凄む】
IWJは「野党委員の表決権を結果的に無視したのではないか」と質問した。この質問に対し、鴻池議員は「無視していない」と突っぱねた。採決の際に座らないということは「賛成に回った」という理屈のようだ。
強行採決に抵抗するため、野党の委員の殆どが立ち上がっていたが、それを「賛成」とみなしたというのである。(それは暴論だ!裁判所で、それを言ってみろ!笑いを取るだけだ)
更にIWJは「与党が、あのような『採決』を行ったことで、日本の民主主義に悪影響が及ぶのではないか」と尋ね、見解を質すと鴻池議員は「だけど民主主義を壊してきたのは誰かということですよ」と反論した。IWJ「壊したのは誰なのでしょうか?」鴻池「質疑をして集計をして採決をするという、その方法を壊したのは誰かという事ですよ」IWJ「誰ですか?」鴻池「わからない」IWJ「わからない?」鴻池「俺じゃないな。(民主的な採決が)できなかったのは申し訳ない、と言っているのだ」IWJ「あの採決の仕方は民主主義を損ねたものではないと仰っているのですか?」鴻池議員「民主主義を損ねるような状況になってしまった事は、誠に残念だったと思います」。鴻池議員は「民主主義を壊した」という自覚を認めつつも、最後は「俺をやっつけたいわけか?」と話題を反らした。IWJは、南スーダンにおける自衛隊の「駆けつけ警護」に関して質問を続けた。政府は来春、自衛隊が南スーダンで行っているPKO活動に「戦争法制」を適用させ、駆けつけ警護をするという方針を固めている。これについて鴻池議員は、苛立ちを隠せなくなり「政策については僕は知らない」「知らないと言ってんねん。わしに質問しないで、関係者に質問すればいい」と突き返した。
《重大報告!「参議院特別委員会-暴行採決(?)議事録」が与党改竄!》
〈参議院ホームページで「虚偽説明・文言」を勝手に追加・変更等〉
9月17日の「戦争関連法」暴行採決(?)した議事録では原本【「……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)」・・・「総理、退席」】としか記載されていないものを11日公開された参院ホームページでは「聴取不能」であったものを、審議再開を意味する「速記を開始」を虚偽追加記載、さらに「質疑を終局した後、いずれも可決すべきものと決定した。なお、(安保法制について)付帯決議を行った」とまで虚偽追加記載されている。
これは安倍政権・与党側が「採決不存在確認訴訟」でも提訴されたら、持たないとして「改竄!」したものと思われる。どこまで汚い安倍政権・与党だ!これに対し福山理事(民主)をはじめ野党は「実際には騒乱状態で、先に未定稿で各議員に提示された議事録には【「……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)」・・・「総理、退席」】とあったものを公開された「改竄-議事録」には「委員長の採決宣告」に安保(戦争)法を「可決すべきものと決定した」とまで付け加えたことに対し「勝手に採決に続き、議事録の内容まで与党側が決めた」と強く反発している。野党議員によると参院事務局は、追加部分は「委員長が認定した」と委員長責任にかぶしているが、野党側は「事前の打診に同意していない」と明言している。
改めて9月17日の特別委の状況をおさらいしてみよう。【①委員長不信任動議が否決されて鴻池祥肇氏が委員長席に着席。民主党理事の福山哲郎氏が鴻池委員長に「次の議題は何か?」と話しかけたところ、ある特別委員会委員でもない自民党議員の「行けー!」の号令の下、一斉に委員でない自民党議員や秘書まで含めて、多数で鴻池委員長の周囲を取り囲んだ(動画・写真有り)。野党議員も駆け付け混乱状態の中、委員長による質疑終局と採決の宣告は全く聞こえず、自民党-佐藤理事の起立を誘う手合図で与党議員らが起立を繰り返した。しかし、そもそも何をしているか離れた与党議員にも解らない状況下で、起立回数もバラバラ。もちろん野党議員には何を採決しているのか解らない状況だった。】
福山理事(民主)によると、今月8日に参院事務局担当者が、この議事録を福山理事に示した。福山理事は「委員長が追加部分を議事録に掲載するよう判断したとしても、理事会を開いて与野党で協議する話だ」と了承しなかった。福山理事は議事録公開について「与党議員らが先に委員長席を取り囲んで『聴取不能』にし、後から速記を開始して可決したと追加する。これでは議事録の信頼性が揺らぐ」と指摘した。議事録には、安保(戦争)法の委員会可決だけでなく、付帯決議を行ったことも書き加えられた。この付帯決議は、自衛隊海外派遣の際の国会関与強化を盛り込む内容で、次世代の党など野党三党と与党が合意した。
法律に付帯決議を入れる場合は、委員会で読み上げられるが、野党側は全く聞き取れなかった(それどころか動画では全く読み上げられた様子がない)と主張する。
そこで、このまま「採決不存在確認訴訟」提訴になった場合の訴訟展望だが、いくら安倍政権・与党・参議院事務局が「こっちが正式(改竄)議事録だ!」と言い張っても、裁判では実態事実で争われるもの。当初の【「未定稿議事録」+動かぬ証拠(動画+写真)+野党理事の証言、等】と【参議院ホームページ議事録(改竄)の物的証拠】とで事実認定の争いとなり、「動かぬ証拠(動画+写真)」だけでも、裁判でよく言われる「社会通念上、正常かつ穏当な採決があったとは認めがたく~」となる可能性が高く、安倍政権・与党・参議院事務局の主張の方が阻却される可能性も高い。(ただ、その立証に原告側も邪魔臭いがー)
加えて「参議院規則や会議体の一般原則(根拠法令)」には、そもそも、このような「強行採決」のような無秩序採決の定義や対応策等について、一切の規定が無く、法の想定外の出来事なのだ。その意味で一般法に帰り「民法-公序良俗違反」だけでも「採決不存在」を動画で十分、立証できる。
なお補足として安倍政権・与党・参議院事務局が「鴻池特別委員長の証言」を「(改竄)議事録」の正当主張とする可能性があるが、鴻池特別委員長自身が「暴行・強行採決(?)」の当事者・実行者でもあることから「証言者適格」に欠ける事の方が容易に認められると思慮される。なお余談であるが、既に弁護士会とも相談したところ、この間の行政府(安倍・菅・高村、等)の司法界を上から目線で軽んじる連続発言(「憲法判断は最高裁」と言いながら「最高裁は違憲判断を、よう出さないだろう」「元最高裁長官と言えども今は一私人」等々)で大分、司法界も行政府に心証を悪くしている事、議事録改竄事実が明確になれば、逆にその悪質性が問われ、より行政府に厳しい判決がでることも予想される。加えて原告が、その議事録改竄事実が認定されて「参議院事務局責任者+担当者」への追加損害賠償または相当性のある懲戒処分請求訴訟を提訴する事も可能だと考える。
参議院事務局には悪い事は言わない。今の内に事務局長職権で「真事実に基く議事録」どおりホームページ議事録を修正し、後は行政府と国会と裁判の成行きに任すことが最もベターだ。さもないと参議院事務局職員まで懲戒処分・損害賠償責任が追及される。
これだけは言っておく。こんなに汚い手を平気で使う安倍政権・与党達だ。「国家公務員のクビ」を切って自分達だけが政治的に逃げ切る事等、何とも思っていない。議会事務局職員は「安倍政権のために働くのでなく、公正・公平に国民のために働く」信念を貫いて欲しい。それが長い目でみれば「公務員の正義と雇用の安定」を保つ唯一の方策なのだ。今、勇気を出せ!
《「参議院特別委員会-暴行採決(?)議事録」与党改竄の「鴻池詭弁」!》
<鴻池委員長-狸オヤジに化かされた「戦争法」強行採決>
狸親爺がシッポを出すのは意外に早かった。人間かまくらに守られて「戦争法案」を強行採決した参院安保特委の鴻池委員長が7日、都内で講演した。(主催:一水会)「どこかで参院の意思を示さなければならない。60日目が9月13日の晩。14日からは衆議院が戻してくれと言ったら戻さにゃならん」。鴻池委員長は採決に踏み切った理由をこう述べた。60日ルールの適用は参院不要論につながる。「採決を決心したのはいつか?」と筆者が質問すると、鴻池委員長は「16日」と答えた。16日は横浜市で地方公聴会が開かれた日だ。
公聴会の閉会後、公聴人から「強行採決はダメだぞー!」とヤジられて、鴻池委員長は「今、言ったのは誰だ?!手を上げろ!」とヤクザまがいに凄んだ。しかし公聴人ら皆には、直ぐに国会に戻り、参議院特別委員会で「強行採決」予定である事はバレバレで、議員団を国会に帰させまいと市民が道路に捨て身の座り込み、大混乱となった。鴻池委員長は決心に至った理由を「公聴会が終われば審議時間は100時間を超える。道路に人が寝ころんだ。けが人が出る恐れがあった」等と説明した。(これは長老のウソだ!少なくとも当日16日には強行採決を翌日17日までには行う事は知らされていたし、それは「安倍」指示であることも知っていた。)「やるはずだった総括質疑を行わなかったのはなぜか?」筆者は再び問うた。「総括質疑をやる約束だったけどできなかった」鴻池委員長は野党が不規則な対応をしてきたため、できなかったと言いたげだった。採決の際、音声が「聴取不能」となったことについて、鴻池委員長は手続きを踏んだと主張した。「全部読みましたよ。(法案を)5つ読みました。委員長にご一任でいいですかと聞いた」「俺が読み上げたんだよ」鴻池委員長は、ことさらに強調した。(あの騒乱状態でブツブツ「読んだ」と言っても実効説得力があるか!)鴻池委員長は「(総括質疑を飛ばして採決するよう)官邸からの圧力は一切なかった」と話す。
(そりゃあ「あった」とは言えんわなー♪根性なしの鴻池には♪エエ年して「アベ」ボンスケが恐いとはー♭)
「(安倍(戦争)総理が兄貴と慕う)衛藤首相補佐官が理事会室に入るのを目撃した人がいるのですが…」と筆者は迫った。鴻池委員長の答えが震えた。「衛藤さんは来ることは来た。そやけど『皆さん、元気を出して下さい』と言うただけや」。「元気を出して下さい」というのは『ちゃんと採決しろよ』と喝を入れたようなものだ。でなければ、わざわざ首相補佐官が来るだろうか。「官邸の圧力があったら、ずっと採決を引き延ばす」。
鴻池委員長は豪語したが、反骨の士を気取っているだけだ。(全く、そのとおり!鴻池は男のエエカッコシ‐で、中身は情けないほど気の弱い根性なし♪)
メッキは簡単にはげる。鴻池委員長は河本派(旧三木派)に所属していたことを自慢した。
三木派は自民党内きってのハト派リベラルだった。鴻池委員長は自分がいかにもハト派保守であるかのように吹聴した。(しかし長いだけで何の実績もない。同じ兵庫出身の今は亡き原健三郎氏に隠れて存在も見えなかった)だが講演の前半で「中国の軍拡、北朝鮮の暴走を考えるとアメリカと一緒にやらなアカン」と述べているのだ。「戦争法制」は必要だというのである。三木派であれば、こんなことは言わない。外交で解決の道を探るのが三木派の哲学だからだ。キツネに包まれたような強行採決だったが、化かしたのは狸親爺-ウソツキ鴻池張本人だった。(基本文献:田中龍作ジャーナル/管理者-部分編集)
<「民主主義を損ねるような状況になってしまったことは残念だった」
え!?あなたが言う!?(IWJ:管理者-基本文献の誤謬等、一部訂正・編集)>
議事録が「改竄」された。虚構の事実が勝手に付け加えられたことで「戦争法案」が正しいプロセスを踏んだように粉飾された。嘘と恥とデタラメの上塗りである。9月17日の参院特別委で、委員でもない与党議員や秘書らが委員会室に「乱入」し、速記停止中に鴻池委員長を「人間かまくら」で取り囲んだ。委員会室は抵抗する野党議員と強行採決したい与党議員のもみ合いで大混乱に陥った。議事録の未定稿には「採決」は速記不能中に行われ「聴取不能」な状態であったことが記されていたが、10月11日に参院のホームページで公開された議事録では、新たに「速記を開始」して審議を再開し「質疑を終局した後、いずれも可決すべきものと決定した」と付記されていた。明白な「改竄」ではないか。民主党・福山(理事)議員はこれについて「与党議員らが先に委員長席を取り囲んで『聴取不能』にし、後から速記を開始して可決したことに捏造して追加する。これでは議事録の信頼性が揺らぐ」と指摘。野党は議事録の内容まで与党側が勝手に決めたと強く反発している。批判は当然であろう。こんなことが許されるなら、議会でどんな横暴でも改竄でも許されてしまう。
実際には、あの日、委員会室の「人間かまくら」の内側では、何が行われていたのか。
第三次安倍改造内閣が発足した2015年10月7日、自民党の鴻池参議院議員は「第164回緊急一水会フォーラム」に講師として招かれ講演し、記者の質問にも答えた。当事者による貴重な「証言」を聞く機会となった。「あれだけやったんだから閣僚にしてくれると思ったんですがね。委員長の姿は野党寄りということのようでダメでした。モーニングをすぐ出せるように用意しておったのですがね」
参議院で安保法制特別委員会の委員長を務めた鴻池議員は、自嘲気味にこう語り、混乱の中で行われた「戦争法案」の「採決」については「民主主義を損ねるような状況になってしまったことは誠に残念だった」と振り返った。IWJの質問に答える形で。なお、この講演及び質疑応答は、主催からの通達でスチールの撮影、動画の中継・録画等も禁止されていた。
以下は、記者メモを基にして忠実に、その講演と質疑応答を起こしたものである。
【「小さい頃から威張っているやつが嫌いで、今の内閣も嫌い」とは、「本音」なのか、おトボケなのか!?】
鴻池議員は冒頭から「小さい頃から威張っているヤツが嫌いで、今の内閣も嫌いだね」と安倍内閣に“ジャブ”を浴びせた。「周りを取り囲んでいる役人もね。東大を出て役人になってという、青春時代に友情も感じないで喧嘩もしないで、女体にも興味持たずに、すぐさま役人になっている。やっぱり『侘び寂』とか『義理・人情』とか、わからなきゃいかん」兵庫県尼崎市出身の鴻池議員は、関西弁で「弱い者イジメしているヤツがいたら、そいつにかかっていかなきゃいかん。そういう教育を受けていましたから、政治家になっても、その教えが染みついて離れへん」と振り返り、小泉政権時代に鴻池議員が「郵政民営化反対」に走ったのも、こうした教育の影響があったのだと明かした。安倍・自民党の「重鎮」として、参議院特別委員会委員長という「大役」を果たした鴻池議員が、安倍政権の批判を繰り出す。 自民党にも安倍(戦争)総理の 「独裁」にもの申す骨のある議員がいたのかと感心して聞き入ってしまう。気づくと、いつの間にか煙に巻かれている。参院が始まる前にもこうした場面があった。今度は、そういうわけにはいかない。
狸に化かされないように、用心して話を聞く。
【「男気」で引き受けた委員長職「74歳の仕事にしては重かったな」】
続いて鴻池議員は、今回の参院特別委で委員長を引き受けた経緯を明かした。「(最初は)静かにしていたんですよ。そうしたら衆議院であんな(強行)採決して、野党がカメラ目線で反対しているんですよ。(与党は)もうちょっと、きちっとやればいい。『アホかいな』と思っていた。そうしたら今まで放っておかれたのに突然、参議院・自民党のトップが私のところにきて『特別委員長やってくれ』と言うんですよ」
さらに鴻池議員は「私は山本一太とかがやればいいと思っていたんですが、物心ついたときから『男らしく生きなきゃいかん』というのが(身体に)染みついていたから『お願いできますか』と言われて『わかりました』と答えてしまった」委員長職は「男気」で引き受けたのだという。鴻池議員は「74歳の仕事にしては重かったな、あれは。それであのようになった次第です」と述懐した。この講演の主催者は、新右翼、一水会。「男気」というアピールは、場の空気をよく読んでいる発言である。
【安保(戦争)法案が上がってきた以上は「備えあれば憂いなし」という姿勢】
鴻池議員は、委員長として「戦争法案」の中身をどのように受け止めていたのだろうか。「私は、この法案が上がってきた以上は『備えあれば憂いなし』(中国から)槍を出されたら槍を出し返すような姿勢(で臨んだ)」と鴻池議員は語り、こう続けた。「一人でだめだったら、あまりやりたくないけど(集団的自衛権を)米国と一緒にやる。これは現実としてしょうがない。そして安保(戦争)法案を通してしまえば、そういった場面は今後ないと思う。しかし残念ながら、中国の拡張主義、北朝鮮の暴走を報道で見る度に『ちゃんと戸締まりだけはしとかなきゃいかんな』との思いはある。これは多くの方にあると思いますよ。これは中国の悪口でなく中国共産主義、北朝鮮全体主義の悪口です」
【日米同盟を「深化」しても「戦争なんかには行きませんよ」】
鴻池議員は更に安全保障の視点から安保(戦争)法制の必要性に言及した。「日本の自衛隊の兵力は24万人。中国は200万人で北朝鮮は推定100万人。国防予算は日本は約5兆円、中国約19兆円、北朝鮮は不明、米国は63兆円で130万人の兵力です。バランスを考えてみると、日本は一人で頑張りきれない。だから頑張れると見せなければならない。それがこの安保(戦争)法制だと思います」つまり「日米同盟を『深化』させることで抑止力が増す」という考え方である。「戦争なんかには行きませんよ。だいたいペルシャ湾云々(機雷除去等)言っているのが誤りだと思います。徴兵制にもなりません」と鴻池議員は安心させるような口ぶりで、自信たっぷりに断言した。
【強硬手段で法案を通しておきながら「本来は憲法改正すべきだった」と述懐する矛盾】
「本来は憲法改正すべきだったが、自民党員なので、委員長をやらされているのでしょうがない」。「開き直り」ともとれるような発言である。これでは「立場上、憲法違反も仕方がなかった。自分はやらされただけだ」と言っているようなものである。「本来は、憲法の中に自衛隊の『自』の字も書いてない。それを議論を積み重ねて、共産党でさえも自衛隊は必要だという時代になっています。一方で学問の中だけで勉強する学者のように『どう考えても違憲だ』という人もいるのですよ。記者も反対を言うのです。しかし大事だと思った」話は「戦争法案」賛成派が口をそろえて言う「最初は皆、自衛隊も違憲だと言っていた」という理屈である。この理屈で言えば、どんな法案であろうとも憲法など気にしないで通してしまい「後々、定着するのだからいいのだ」という話になる。
歯止めは、どこにあるのか、不安にならざるをえない。
【参院の採決は「無事に滑走路に着陸しました」という「虚勢」】
鴻池議員は「参議院」に対する思い入れにも言及した。「貴族院がなくなって、金持ちではなくても国民から選ばれた者なら議員にしよう、ということで参議院ができました。衆議院の拙速を戒めようというのが参議院です。衆議院が大政翼賛会のように進んでしまったときに『NO』という。政党の垣根を越えて合意形成していくのが参議院です」鴻池議員は、参院に誇りを持っていることを強調する。礒崎首相補佐官が「法的安定性は関係ない」と発言したことで参院に参考人招致された際、鴻池委員長は「我々参議院は、衆議院の下部組織ではない。官邸の下請けをやっているのではない」と、礒崎補佐官を強くたしなめていた。
しかし鴻池議員は、心に葛藤を抱いていたことも明かした。「(国会には)『60日ルール』がある。参議院でもたもたする場合、法案を衆議院に戻して成立させることができる。どこかで参議院の態度、意思を表さなきゃいかんと思っていました。その結論は、なかなか出なかった。60日目は13日の晩にくる。14日からは衆議院に『法案を差し返せ』と言われたら、何も言えない。5党(自民、公明、元気、次世代、新党改革)が合意したので、強行採決ではない。だから法案を通すことにした」鴻池議員は、採決時の大混乱は「委員長の力量不足」だったと認める。しかし、採決そのものは正当な手続きを踏んだものであると、釘を刺す。
もともと「強行 採決反対」のプラカードが林立した衆議院での採決のような事態は避け、「滑走路で無事に着地できるようにしよう」と考えていたのだという。「(採決文を)全部、私は読みましたよ。あれは読めばいいんです。読んで議決多数だったんですよ。みんな立っているんだから。5つ、読みました。『委員長にご一任いただくことでよろしいですか?』とも言った。それで賛成起立多数。無事に滑走路に着陸しましたよ」 鴻池氏本人は「自分は言った」と言い張っても、その場で誰も訊いていない。特別委の採決の際には、委員でも議員でもない秘書まで導入して「人間かまくら」 を作って囲み、野党議員の表決権を奪ったうえで、強引に「採決」した。そのうえで、「聴取不能」と書かれている議事録を後々「改竄」までしたのである。「無事に滑走路に着陸した」とは到底、言いがたい。
【「安倍さんとの関係がこじれてもかまわない。俺を大臣にしてくれなかったから」と笑いをとる鴻池議員の老獪さ】
質疑応答では、「『野党寄り』とみられたことで政権との関係が悪化したのではないか」という(与党寄りの)質問が投げかけられた。鴻池議員は「政権とは議員である限り是は是、非は非でやっていこうと思いますが、私は参議院では党議拘束はできるだけ外したい」と応じた。 「先ず政党間の垣根をもっと下げたい。早めに合意できるところは合意したい。これは参議院でないとできない。嫌われ者で人生が過ぎてゆくと思いますけど、私はそのために参議院議員をやっているので、安倍さんとの関係がこじれてもかまわない。俺を大臣にしてくれなかったから(笑)」続けて「いつ安保法案を採決しようと決めたのか」という質問に対し、「16日です」と明言。その理由についてこう述べた。「国会決議、閣議で自衛隊が出るときには、きちっとやらないかんという文書ができあがったのが一つ。もう一つは、横浜地方公聴会が終われば、参院での審議が100時間超えたことになる。三つ目は横浜で、道路に座り込んで道を塞いだ皆さんが怪我しちゃいかんと思ったこと。この三つで「『採決しなきゃいかんな』と思いました」と答えた。
【採決は「委員長が読み上げればいい」という認識!?】
「鴻池議員は『採決文を読み上げた』というが、議事録の未定稿には残っていない。他の委員は何をやっているかわからなかったのではないか」という質問が鴻池議員に投げかけられたが、鴻池議員は「わかっていますよ」と質問を押し返すように断言した。「(テレビを観ている国民は)解らなかったでしょうね。本当に申し訳ないことですよね。だけど、きちっと読み上げているのです。マイクを引きちぎられていてもね、委員長が発言をすれば、その通りになるのです」(それは違う!実効性がなければ委員長発言も、うわ言と同様)
鴻池議員は、他の議員の耳に聞こえているかどうかではなく「委員長が読み上げさえすればいい」という認識を示した。「私が言いましたので。5つ採決しましたから(いいんです)。更に言えば『自分がこう発言して採決をした』と議長に報告をして、それで委員会での採決は全て終了です。委員会は、それで消えるのです。そこまでやりましたから」と、終始おトボケ口調だった鴻池議員が、この件では語調強く、開き直った。(参議院規則には、そんな事を担保する規定はない。むしろ参議院議長は本来「特別委員長の口頭報告だけで採決議事録がない」として特別委員会差し戻し権限がある。参議院議長も怠慢で問題!)
【IWJ記者の質問に対して「俺をやっつけたいわけか?」と凄む】
IWJは「野党委員の表決権を結果的に無視したのではないか」と質問した。この質問に対し、鴻池議員は「無視していない」と突っぱねた。採決の際に座らないということは「賛成に回った」という理屈のようだ。
強行採決に抵抗するため、野党の委員の殆どが立ち上がっていたが、それを「賛成」とみなしたというのである。(それは暴論だ!裁判所で、それを言ってみろ!笑いを取るだけだ)
更にIWJは「与党が、あのような『採決』を行ったことで、日本の民主主義に悪影響が及ぶのではないか」と尋ね、見解を質すと鴻池議員は「だけど民主主義を壊してきたのは誰かということですよ」と反論した。IWJ「壊したのは誰なのでしょうか?」鴻池「質疑をして集計をして採決をするという、その方法を壊したのは誰かという事ですよ」IWJ「誰ですか?」鴻池「わからない」IWJ「わからない?」鴻池「俺じゃないな。(民主的な採決が)できなかったのは申し訳ない、と言っているのだ」IWJ「あの採決の仕方は民主主義を損ねたものではないと仰っているのですか?」鴻池議員「民主主義を損ねるような状況になってしまった事は、誠に残念だったと思います」。鴻池議員は「民主主義を壊した」という自覚を認めつつも、最後は「俺をやっつけたいわけか?」と話題を反らした。IWJは、南スーダンにおける自衛隊の「駆けつけ警護」に関して質問を続けた。政府は来春、自衛隊が南スーダンで行っているPKO活動に「戦争法制」を適用させ、駆けつけ警護をするという方針を固めている。これについて鴻池議員は、苛立ちを隠せなくなり「政策については僕は知らない」「知らないと言ってんねん。わしに質問しないで、関係者に質問すればいい」と突き返した。
(民守 正義)
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