「戦争法-廃止」と「安倍政権‐打倒」(2)

「戦争法-廃止」と「安倍政権‐打倒」(2)


《安倍(戦争)総理は民意に向き合ったか(西日本新聞「見解」)》
<安保(戦争)法成立と民主主義>

 「民主主義って何だ」。国会前で連日行われたデモの声が耳に残っている。安倍晋三首相は9月19日未明、安全保障関連法を成立させ、専守防衛に徹した戦後日本の安保政策を転換させた。各種世論調査で約8割が「国民への説明が不十分」と回答し、国会審議が進むほどに法案への反対が増えていく状況の中で、与党は採決を強行した。「先の総選挙では、平和安全法制の速やかな整備を明確に公約として掲げた。国民の皆さまから強い支持をいただいた」。首相は国会答弁で、安保法制を推進する正当性を主張した。確かに安倍政権は昨年末の総選挙で3分の2の議席を得た。選挙で多数を得た与党が多数決で政策を決するのは議会政治の常道だ。だが国民は「白紙委任」をした訳ではない。総選挙は、首相がアベノミクス選挙と名付け「消費税率引き上げ延期の是非を問う」と訴えた。安保法制は自民党公約集の26ページ中24ページ目に「切れ目ない対応を可能とする安保法制を速やかに整備する」と箇条書きした程度だ。選挙結果を「国民の信任」と強調するのであれば、沖縄の米軍普天間飛行場の移設問題にはどう向き合うのか。沖縄知事選、総選挙ともに県内移設に反対する候補が自民候補を破ったにも関らず、首相に翻意の気配はない。意向に沿わない「民意」に背を向ける姿勢は、ご都合主義だと言わざるを得ない。首相は法案審議が始まる前の4月末、米議会で夏までの成立を約束した。国会審議で野党から批判されると「法案についての説明は全く正しいと思う。私は総理大臣なのだから」と言い切った。選挙に勝利して全権を与えられたと考えているならば、あまりに独善的だ。
 かつて自民党から参院議長となった河野謙三氏は「七・三の構え」を説いた。与党は強い権力を握っているのだから、野党7、与党3の割合で議院運営に当たることで平等になり、少数意見を潰さない事になるとの姿勢だ。
 政治指導者は政策の実現と共に、国民統合を図る責任がある。敵、味方をはっきり峻別する首相の姿勢は「決められる政治」として有効ではあるが、民主主義からは遠ざかっているように見える。

《「戦争関連法」関学大で緊急集会:「戦争法制」に抗議》
 9月に国会で成立した「戦争関連法制」に反対する「安保法案の強行採決に抗議するオール関学緊急集会」が1日、関西学院大学であった。人間福祉学部4年で、法案への反対運動を続けてきたグループ「SEALDs KANSAI(シールズ関西)」メンバーらが壇上に立ち「戦争法制」への反対を訴えた。「戦争法制」に反対する教員らが呼び掛け、学生や職員、近隣住民ら約170人が集まった。
 Tさんは、シールズ関西のデモや勉強会等に参加、JR大阪駅前の街頭等でもマイクを握った。この日は「『平和のため』として、戦争をするアメリカのやり方には付き合いたくない。誰の血も流させてはいけない」と訴えた。
また「シンポジウムを開いたり政治家に働きかけたり、 あらゆる方法で私達の声を届ける必要がある」と主張。更に学生や教員に「学問とは問い続けること。考えた結果を行動に移さなくては、現実に対して無意味だ」と声をあげるよう呼び掛けた。Tさんは集会後「これまで学内では、あまり活動していなかったが、部屋から溢れるほどの人が来てくれて希望を感じた」と話していた。また法学部-柳井健一教授(憲法学)も壇上に立ち「立憲主義、民主主義が無視された。憲法を専門とする立場からは腹立たしく、恥ずかしい。怒りを共有し民主主義を取り戻す行動をすべきだ」と述べた。

《報道圧力の処分軽減:自民党「戦争法」成立後、対応一変》
 自民党は2日、党所属若手議員らの勉強会で報道機関に圧力をかける発言が相次いだ問題を巡り、1年の役職停止とした木原前青年局長の処分期間を3カ月に軽減したと発表した。「戦争障関連法」の国会審議への影響を懸念し早期処分に踏み切ったものの、法成立を受け対応を一変させた。野党側は「どさくさに紛れて、処分を軽減するのはめちゃくちゃだ」(社民党-又市幹事長)等と批判を強めた。谷垣幹事長(自民)が2日の党紀委員会で「本人も反省し、その気持ちが明確だったので、3カ月で『役職停止』を終わらせたい」と報告した。1年の役職停止には党内から「重すぎる」(安倍(戦争)総理周辺)との反発が出ていた。
 6月27日付の処分は9月26日で失効。今月7日以降の内閣改造・党役員人事等で木原前青年局長の登用が可能となる。民主党-枝野幹事長は取材に「真面目にコメントするレベルの話ではない。『笑うしかない』の一言だ」と自民党の姿勢を非難。維新の党-今井幹事長は記者団に「最初は厳しく処分して世論が冷めた頃に処分を甘くする。自民党の体質だ」と語った。又市幹事長は「表現の自由、報道の自由を軽視する自民党の本質がよく表れている」とも指摘した。勉強会代表だった木原前青年局長は、処分軽減を受け「悔恨と反省の日々を過ごしてきた。処分が解除となったが、これからも大局を見極める政治家となるよう努力する」とのコメントを出した。勉強会は安倍(戦争)総理に近い若手が6月、作家の百田尚樹を講師に招いて自民党本部で開いた。出席者から「戦争関連法」を批判する報道について「マスコミを懲らしめるには広告料収入をなくせばいい」等の声が上がった。執行部は木原前青年局長を処分した他、3人の衆院議員を厳重注意した。

 《これからどうなる「戦争法」武器使えるPKO部隊》
 「戦争関連法」は、他国を武力で守る集団的自衛権の行使をはじめ幅広い内容の自衛隊任務を含んでいる。実際の活動で真っ先に変化しそうなのは、国連平和維持活動(PKO)だ。
 PKO協力法は1992年、国内での大議論の末に成立し、現在では自衛隊の海外活動の柱になっている。国民に一定の評価を受けている理由は20年以上の活動で、海外で武器を使わず得意とするインフラ整備等で住民への貢献に徹してきたからだ。だが「戦争法」の成立で「武器を使わない」PKO部隊は「武器を使える」部隊に変貌する。現在のPKOも自衛隊は武器を携行しているが、二つの歯止めで使わないよう抑制してきた。一つは主に施設部隊と輸送部隊を派遣し、住民生活に役立つ道路建設や物資輸送を行い、武器使用の確率が高い活動をしてこなかったこと。もう一つは武器使用目的を隊員や近くにいる者の身を守るための「自己保存型」に限定し、命の危険がある場合にしか認めてこなかったことだ。  「戦争法」は二つの抑えをなくす。活動業務に地域の治安維持のための監視や巡回、検問等を行う「治安維持活動」、離れた場所の他国軍や民間人を守る「駆け付け警護」等を追加。武器使用目的も任務を妨げる武装集団を排除する「任務遂行型」を解禁した。特に危険を伴うのが「治安維持活動」だ。地域の保安のため反政府勢力や武装集団と衝突し、戦闘になることもあり得る。「駆け付け警護」も武装集団が他国軍を攻撃している状況で現場に向かえば、巻き込まれかねない。戦後初めて自衛隊員が海外の戦闘で相手を殺傷したり犠牲になる恐れもある。政府は現在のアフリカ・南スーダンでのPKOでは「治安維持活動」の任務追加は当面見送るが「駆け付け警護」は来春から任務に加える考えだ。NGO日本国際ボランティアセンター・スーダン現地代表の今井高樹さんは「紛争国での日本の役割は外交力での和平や国づくり支援だ。自衛隊が武器使用する活動を行えば中立性が疑われ、日本が仲裁者としての資格を失う。そうした活動をすべきではない」と主張している。

  《10年前に決まっていた!秘密保護法と戦争法制》
 特定秘密保護法は集団的自衛権と一体のものとして、10年も前に米国から押し付けられていた。元外務省国際情報局長の孫崎享氏が29日、新橋駅頭で開かれた「秘密保護法に反対する集会」で改めて明らかにした。孫崎氏は外交文書を基に以下のように話した。2005年10月、米国のラムズフェルド国防長官、ライス国務長官と日本の町村信孝外相、大野功統防衛長官が「日米同盟:未来のための変革と再編」と題する合意文書に調印した。内容は日米同盟の強化を謳った内容だ。別段驚きもしない。履行すべき事項がまるで夏休みの宿題のように事細かに並べられている。「機雷の掃海」「空中給油」…日本にとって集団的自衛権の行使に関わるオペレーションが書かれている。「PKOでの駆けつけ警護」も登場する。
 合意文書では「日米の相互活動を円滑化するため共有された秘密情報を保護するために必要な追加措置を取る」とある。孫崎氏によれば、これが特定秘密保護法である。安倍(戦争)総理や山口那津男委員長をはじめとする自公の幹部が、ナントカの一つ覚えのように繰り返していた「安全保障環境の変化」もこの合意文書に出てくる。2005年に合意した時、日本は自民党政権だったが、2009年に民主党政権が誕生する。鳩山由紀夫元首相が日米関係を「対等なパートナーシップ」と宣言したため宗主国の逆鱗に触れた。05年の日米合意を推進するのに目障りとなったため、米国は鳩山潰しにかかったのである。手直なネタとして「沖縄米軍基地の県外移設」という選挙公約を鳩山政権が履行できそうにないことがあった。米国はマスコミを使って徹底的に鳩山元首相を叩き、官僚と共に鳩山氏を追い詰める。発足から半年余りで鳩山政権は倒れた。
【管理者から小言:読者の中には民主党政権のとき「マスコミ-民主党バッシング」に同調し、同じように煽り煽った方も多くいるだろう。そして自民党政権奪取後は「安倍=売国奴総理」に交替。でもマスコミは「自民党―安倍バッシング」はしなかった。それどころか「夜の会食」で露骨な癒着・贈収賄が横行している。マスコミが一定の方向でキャンペーン(バッシング)を張っているときは、政権側の意図・策略があると思わなければならない。
 今後、もし民主党等の政権交替があった場合、直ぐに「何も変らないじゃないか!」ではなく、貴方自身が「政権交替後の社会変革に何をなすべきか!」だ。有権者は「選挙の一票と税金さえ納めておればいい」というのであれば「甘ったれ有権者」だ。社会変革と社会の民主主義の発展には「有権者一人ひとりの自覚と責任・行動化」が必要だ!「行動化」が伴わない保守主義を良しとするなら一切、社会・政治に文句をいうな!ちょうど「戦争関連法」が成立したのだから自衛隊にボランティアでも行けばいい。筆者は警察に捕まっても「反戦運動」に没頭する。二つに一つだ!曖昧な「中間ノンポリ」はない。また、そういう「甘ったれ有権者」には私「反戦運動」側も許さない。最後に今回の「戦争法―反対運動」でシールズ等、デモ隊が叫んでいた「民主主義ってなんだ!?」⇒「オレダ!」、「立憲主義ってなんだ!?」⇒「私だ!貴方だ!」を身に染み込ませ「自覚と責任、行動化」する有権者になることを学んで欲しい!】
 米国の意に沿わぬ政権は潰されるのである。宗主国に忠実な「アメポチ政権」ほど長続きする。特定秘密保護法は、米国の要望に沿う一方で日本国民の知る権利を奪う。
アメポチ政権にとって実に好都合な法律なのである。

《「民共合作」学生が背中押す》

 「野党はガンバレ」「野党は共闘」。「戦争法案」のインチキ強行採決から早や一週間余り。学生達のコールが変わった。彼らは政治に敏感だ。コールは腰の重い野党指導者に向けられているようにも聞こえた。共産党の志位委員長が民主党の岡田代表に「国民連合政府の樹立」「戦争法廃止」「選挙協力」を持ちかけたが、岡田代表は慎重だ。
 『安倍政権を倒すことを最優先しなければ、がんじがらめの独裁政権になってしまう』―強い危機感を抱く学生達が、民主党と共産党の議員に声をかけ『反安保、反アベ集会』を名古屋で開いた。(主催:SEALDs TOKAI)民主党からは山尾しおり議員と近藤昭一議員、共産党からは小池晃副委員長と本村伸子議員の計4人が参加した。「新しい政府を作ろうじゃないか。共産党も変わった。野党が力を合わせて選挙協力して、(「戦争法制」を)強行して間違いだった、と安倍(戦争)総理に涙を流させるようにしましょう」。小池副委員長が高らかに呼びかけた。民主党の近藤昭一議員も「野党協力して過半数を取る。戦争法を廃案にして違憲の訴訟も起こしましょう」と応じた。
 「僕は安保に反対するリベラル勢力の結集を求めます」マイクを握って民主党と共産党の背中を押したのは三重県の大学院生だ。地元名古屋の大学1年生は次のように話した。  「民主党は中道ゆえに共産党と分かりあえない所もある。ただ安倍政権打倒の1点で協力してほしい。倒したら解散すればよいのだから」 この大学1年生は、こう話すと「これ以外に希望がない」とまで言った。若者達は切羽詰まっているのだ。殺し合いを続けていた国民党と中国共産党は、日本軍を追い出したい一心で手を組んだ。「国共合作」である。アベ政権は簡単な事では潰れない。最悪にして最強の政権なのである。名古屋駅西口に集まった参加者の大半は中高年だった。「ママの会」やベビーカーを押した父親の姿も目についた。
 ジイちゃん、バアちゃんは学生のコールに合わせて体をくねらせた。学生達は世代間の接着剤となっていた。これが政党間の接着剤となれば、アベ政権崩壊も見えてくる。

《「野党に踏み絵を踏ませよう!国家権力の暴走に組みするのか!?それとも個人の尊厳を守る私達の側に来るのか!?」(IWJ)》
 「これは個人の尊厳、人間の尊厳を求める闘いだ!」上智大学教授である中野晃一氏が、壇上から参加者に向かって訴えかけると、会場は破れんばかりの拍手と歓声に包まれた。未明まで吹き荒れていた強風はピタリと止み、心地よい秋晴れの空が広がった10月2日、集会「安倍政権 NO! ☆ 1002大行進-民主主義を取り戻せ!戦争させるな!」が日比谷野外大音楽堂で開催された。「戦争法制」の強行採決に留まらず、川内原発1号機の再稼働、沖縄米軍基地、秘密保護法、TPP、消費税増税、社会保障、雇用・労働法制、農業・農協改革、 ヘイトスピーチ、教育等、安倍政権が打ち出す政策の全ては国民世論に逆行しており、独裁的で民主主義を愚弄しているばかりか、憲法も無視している「戦後最悪の政権」だとして、集会にあつまった参加者は「安倍政権NO!」の声を上げた。
 以下、中野氏のスピーチ全文の「サイト名」を紹介する。
<目次>
★国会議員は代理人にすぎない! 我々の存在こそが「民主主義」そのものなのだ!
★オキュパイ運動の「その後」を見よ! バーニー・サンダース候補の押し上げに結実しているではないか!
★安倍政権にいちいち反対しているのではない。どんなイシューにも共通する国家の暴走にNO! と言っているのだ
★個々人の命と尊厳を守るための闘いだ! 野党にも踏み絵を踏ませよう! どっちにつくんだ!?
(民守 正義)

*明日(7日)はブログ「原稿更新」を中止します♭