「戦争法-廃止」と「安倍政権‐打倒」(1)
「戦争法-廃止」と「安倍政権‐打倒」(1)
《最も「戦争関連法」をシツコク闘う国会議員-山本太郎インタビュー》
<「懲罰委員会にかかれば本望」「まだまだやれることはある」>
【序文「懲りない、めげない山本太郎」という議員は?】( )内は管理者編集。
「戦争法案」が参議院本会議で可決された瞬間、大いにうなだれた。このまま、この国はファシスト総理の暴走を止められないまま、戦争に突き進むのか─。うっかり「敗北を抱きしめ」そうになった。そんなとき真夜中の国会前に轟いたのは、変なイントネーションの、しかし、とてつもなく陽気なシュプレヒコールだった。「アベ~はヤメ~ロ!」「センソ~ウはスル~ナ!」声の主は、もちろん、あの男だ。そう、あの強行採決を「自民党が死んだ日」と呼び、喪服で数珠を手にお焼香をあげるパフォーマンス≒前衛芸術を繰り広げ、更にはたった一人、孤独な牛歩戦術に打って出た参議院議員・山本太郎である。彼は敗北を抱きしめない。「これからは希望があるだけ」とさえ言う。うな垂れている暇なんてない、前を向け。そんなメッセージを発しつづける山本に9月26日夕刻、今後の“安倍政権との闘い方”を聞いた。因みにこの日、山本はテレビ東京の『週刊ニュース新書』に生出演。日本経済新聞社が実質上の親会社にあたるテレ東で、しかも日経がスポンサーの番組で、山本は堂々と経団連批判を展開、またしてもネット上をざわつかせた。叱られてもへっちゃら、自称「皆様の鉄砲玉」はまだまだ懲りていない、いや、 ずっとフルスロットルのままだった!
<山本太郎の暴走は「計算」か「天然」か?今度はテレ東で経団連批判>
【さっそくなんですが、きょうも朝からテレ東で飛ばしていましたね。】
山本:最初に牛歩とかアメリカの話で時間を取られてしまったんで、タイミングを見計らって経団連の話をしたんですよ。まあ、個別具体的な企業名を出すと重たいだろうけれど「経団連」という団体としてなら大丈夫かなー?と考えまして。
【いや、あまり大丈夫じゃないですよ!司会の田勢康弘さんも目が泳いでいたし!それにしても個別具体的な企業名だと厳しいけれど経団連までならいけるだろうとか、いつも計算して発言しているんですか?】
山本:本当は、NGワードを先に教えてもらった方がラクなんです。「これを言っちゃダメ」って、先に教えてくれたら、そこには触れないですよ。それ以外の部分を突っ込めば良いだけですから。
元々、芸能界で20年やってましたから、さすがの僕でもそれはできます。でも何故か制作者は必ず「何を言って頂いても結構です」と説明をするんです-だいたいの場合。例えば日テレのワイドショーは「うちはそういうのはないですから!NGワードとかないですし!」って必死でした。
【日テレは思いっきりありそうですけど(笑)。】
山本:訊いてもないのに言ってくるんです(笑)。「制約は一切ございません」って。そういうことを一生懸命言いながら、不都合な発言でCM入ったりするんです(笑)。今回のテレ東はホトンド切らずに喋らせてくれました。例えば(参院特別委の)質疑の中でも出した、2012年につくられた第三次アーミテージ・ナイレポートでは、原発の再稼働やTPP参加、特定秘密保護法の施行、そして武器の開発・輸出といったことが書かれている。いま安倍政権が行おうとしていることって、そのまんま、これの完コピじゃないか?っていう。でも、この報告書を書いた人達(アーミテージ元国務副長官とジョセフ・ナイ元国防次官補)が来日したときの講演は、日本経済新聞社が後援なのすよ。つまりテレ東ですよね(笑)。しかも今日の番組でもこの話、取り上げましたからね。そもそも、テレ東さんがつくってくれたフリップにも「経団連」って言葉は入っていたのですよ。制作サイドと司会者の心意気に感謝です。
(この参院特別委は私も見ていたが「アベ」は相当、不機嫌で山本議員が反論の余地も与えず、早々に質問終了⇒退席しようとすると「第三次アーミテージ・ナイレポート」資料を机に投げつけていた。そして散らかった同資料を岸田外相が拾っていた)
【参院本会議での投票時、山本さんが叫んだ「アメリカと経団連にコントロールされた政治家は辞めろ!」という言葉ですね。ほかの番組だとそこはカットして、「外の(反対デモの)声が聞こえないのか」という部分からしか流していなかった。】
山本:だからあの番組、すごいっす。テレ東はよく「空気を読まない」って言われますけど、そういう点で僕との共通点を感じました。だいたい、僕を出演させるって(笑)あれが最後のテレ東の出演になるかもしれない(笑)。
<バッシングと評価をどう受け止めたか?「坂上忍さんの事は逆に心配」>
【それにしても、山本さんは『戦争法案』の可決後、かなり強いバッシングに遭いながらも何故か凄くお元気ですよね。】
山本:バカだけが元気だ!っていう(笑)。批判にも目を通しますよ。目的は、向こう側がどういうことで足を引っ張ろうとしているのかを知るというのが一つ、もう一つは真剣に批判してくれている方もいらっしゃるし、そこにはやっぱり耳を傾けて改善できるところは改めたいと思うんで。エゴサーチしています(笑)。(ゴリゴリの保守タカ派には憎まれ易いでしょうね♪)
【でも、山本さんはバッシングについて、いまはどのように受け止めているんですか?】
山本:二つあると思います。牛歩に関してと、喪服を着て数珠を持った表現に関してと。
先ず牛歩に関しての批判は何一つ当たるものではない。議長の議事整理権の範囲の中で僕が表現した事なので、これは問題がないと思っています。7~8割の方々は今国会での成立なんてあり得ないだろ?という考え方を示していましたから、そうした声を聞かないという政治に対して表現をするというのは当然のことです。
ただ、もう一つの「喪服を着て数珠を持って」と言う事に関しては、あれをやって叩かれない訳はないと思います。叩くには美味し過ぎる材料を自ら提供すれば…って事ですよね。実際、参議院の品位を貶めたという話になっています。厳重注意も受けましたが、もちろん議長から見て、そのような状態であったならば素直に受け止めるというのが筋であり、それは自分の中で受け止めます。
でも、その一方で議会制民主主義が破壊されるような強行採決…人間かまくらという防護壁までつくり、何をやっているのかも解らない内に採決されてしまった。しかも、かまくらづくりに特別委員会の人間だけじゃなく、与党側の関係のない議員、秘書まで混ざっていたとなれば、それは品位を貶めていないの?と普通は考えますよね。今も、あちらは「お咎めなし」ですし。だとしたら「その品位とは状況によって変わるものなのかな」とは思います。(ガラの悪いチンピラ・ヤクザ自民党議員に「品位」なんて言われたくないですよね)
【それにしても、除名にならなくてよかったです。】
山本:除名を決断するのは議長ではないんですよ。懲罰委員会にかかり、全議員の3分の2以上が同意した上で除名になる。つまり除名というのは非常にハードルが高い。ですが例え、そこで除名になったとしても、向こうは逆に損をするんです。だって強行採決の流れで除名をされた議員が出てくれば、反対する人々の受け皿、象徴になる。向こうにとってはあまり美味しくない。この先「戦争関連」の話題が出る度に記憶が蘇る訳ですから。逆に言うと「非常識なバカ」という批判が盛り上がって「それを厳重注意で叱る」という形で受け流した方が正解なんですよね。問題が大きくならない。ちょうどいい落としどころだった、ということです。(それにしても「暴行採決[?]」した与党議員連中ら。お前らこそ「人民裁判」にかけてやる!)
【ということは「戦争法」反対の流れをつくるためには懲罰委員会にかけられるのもアリだった?】
山本:いや、アリです、アリです。当然ですよ。何のためにやっているかって事ですもんね。問題が大きくなった方が政治に興味ない人達にも、伝わる可能性が出てきます。「何故、あんなバカな事を?」を入り口に「デタラメ戦争法案」の本質にまで辿り着く人が一人でも増えれば「最高!」と思ったんですけれども。
【今回の「戦争法案」を巡る議論の大きな変化の一つに、多くの芸能人が反対の声を上げた事もあると思います。まさに参議院で山本さんが踏ん張っていた裏では、国会前に石田純一さんがスピーチに立ったりですとか、坂上忍さんは生放送の番組で「安保に大反対」と発言。さらに坂上さんは「いま、政治家で一番まともなのは山本太郎ぐらい。まともすぎて逆に心配」とまで言っていました。】
山本:逆にこちらが心配になりますよ(笑)。もちろん、そういうエールは非常にありがたくて、グッとくるものがあります。けど、やっぱり各々を大切にしてもらいたいなと思うんです。だって、そういう影響力ある立場の方が、わざわざ山本太郎の事なんかに触れなくても法案には反対できますから。 NGワードをわざわざ使うのは凄いリスクのある発言です(笑)。でも、本当にありがたいです、うん。ぜひ政治献金を、とお伝えしたいです!
<大切なのは最悪の安倍政権をどうするか?野党が一つになるしかない!>
【そんな身も蓋もない(笑)。でも坂上さんの「政治家で一番まとも」という評は頷けるんです。うちのサイトは「野党は牛歩やれ」としつこく訴えていたので結局、山本さんしか実行しなかったことには失望も大きかった。それはきっと、私達だけの感想ではないと思うんですが。】
山本:自分の中でも悩みました。参議院議員になって最初の年に特定秘密保護法があって、そのときは無所属だったので指をくわえてみている事しかできなかった。でも今回は新兵ながら、初めて現場に立つことができた。
ただ「どうやら、これはそこまで粘らなさそうだな」というのは感じていて。皆、精神的にも体力的にも限界が見えていたし、特に先輩で年配の女性議員とかも「膝がねぇ…」みたいな話をしていたり、実際、歩くだけの移動が既に牛歩みたいになっている方もいらっしゃって、本当に辛そうだった。そんな方々に 「そんなこと言わずに議長室前を占拠して、皆で閉じ込めましょうよ!」みたいな事は言えないという雰囲気もあった。そうなると自分は何ができるかという事を選択していく事しかない。「これは一人でもやるしかないな」と。
【問題は今後です。牛歩もやれなかった野党が果たして結束できるのか、という不安がありますよね。】
山本:今回、野党は「特定秘密保護法の時よりも粘った」と感じます。何故か?市民の声が大きくなり、背中を押したから。牛歩に関しても「最悪の場合は牛歩でも何でもやって抗え!」と言う多くの市民のメッセージが野党の責任ある立場の方々に的確に伝わっていれば、あり得たかも知れません。政治をコントロールするのは、国会にいるおっちゃん、おばちゃんでなく、市民なんです。
野党を結束させるのも市民の声です。自民公明政権を引きずり降ろすには、野党が一つになる。これしかない。今、共産党が呼びかけている事は、小沢一郎さんがずっと言っていた「オリーブの木構想」と同じようなこと。今後は例えば何か共通の名前を選挙で掲げて、この名前を書けば、そこに票が入る…というような仕組みのようなものをつくるしかない。野党は解党せず、ただ一つの受け皿に乗るしかないってことですね。やれることはあるのです。1つしか椅子がない「一人区」なんて、今までは殆ど自民党が獲っている状態。参議院でネジレをつくるためには、先ずは一人区を全部勝つという気がないとダメでしょう。野党が一つになる、それ以下でもそれ以上でもないという話なんですよ。
この先、どうやって闘っていくのかということを考えたとき「戦争法案」の国会成立をピークに考えるというゴール設定自体が、きっと違っていたと思うのです。 与野党のパワーバランスを考えれば、採決で負けるというのは確実で、皆、解っていたこと。そんなこと、初めから解っていた。でも、それをなんとか止められないかと、皆が力を合わせた。そして、あれだけのウネリが生まれた。ただ、あまりに盛り上がったことで「これは止められるかも!?」という希望を抱く部分も出てきた。だから今は改めてピークのリセットをしなくてはいけないのですよ。
「戦争法」廃止のための最初のピークは、来年の7月の参議院選挙。先ずは、ここが焦点なのだ。参議院選挙でネジレをつくることができたら衆議院から、いくらとんでもない法案がきたとしても、自衛隊の海外派兵の国会承認がきても、参議院で止められるという構図になる。これでは、うまく立ち行かないとなれば、そのうち解散になる。
そうは言っても「あの党は鬱陶しい」「あの党は嫌いや」っていうような気持ちは、皆さんの中にいろいろあると思うのですよ。特に支持政党を、お持ちの方の中には、そういう考え方がとても強くあると思う。だけど先ず考えて頂きたいのは、目の前にある、この最悪の安倍政権をどうするよ?という話。ただ、これ、安倍さんじゃなくなっても一緒なのです。単に踊り子が変わるだけで結局、内容は同じですよ。だから、どっちがいいか考えてみてほしい。嫌な奴でも手を握って一番、嫌な奴を引きずり降ろすのか。それとも各自各党で闘うのか。各自で闘った場合は、今の状態が継続、生活破壊が加速されるだけですよ─。
【確かに、もう既に「戦争法案」は忘れられかけて、安倍(戦争)総理も経済で目を逸らせようとしていますよね。】
山本:とにかく「戦争法」は廃止しかない。そもそも今の、この政治状況の中で憲法改悪するなんて、絶対にあり得ないでしょ?たぶん向こう何十年もいじってはダメなんじゃないですか?少なくとも「市民が政治をコントロールする」そのことが、この国に定着するまでは─。
<草の根でもここまで来た、前に進んでいるのは明らかな事実!>
【今の政治状況では憲法改悪は有り得ない。「少なくとも市民が政治をコントロールする状態がつくられるまでは、してはいけない」という話でしたが、それ位、今の状況は危ないと?】
山本:ああいう形で憲法違反の法案が押し通されてしまうのですから、これは今後、もっと大きく世の中が変えられていく気がしてならないんです。こんな状態だと、来年7月の参議院選挙でネジレを生み出せなかったとき、もしかして、その先の衆議院選挙だって、今までのような普通選挙さえ行えなくなるんじゃないかって、そういう危機感すらもっています。
【「普通選挙じゃなくなる」とは?】
山本:今の状況は戦前・戦中によく似ていますよね。関東大震災以後、治安維持法が定められ、国家総動員法ができ、その後は翼賛選挙でヒドイ選挙干渉が行われた。今の日本も3.11があり、特定秘密保護法が成立し、武器輸出も事実上解禁「戦争法案」も通ってしまった。でも世間の危機感は、それほど強くない。先の戦争でも、本土が爆撃されるのは最後の1年くらいですが、その前から、ずっと海外には進出し続けている訳ですよね。つまり戦争が始まっていても、国内的にはリアリティがないと。これって現在の日本の動きと重なっている部分も多いと思うんです。「戦争法案」が可決されて数時間後にNHKは自衛隊が PKOで南スーダンへ行くと伝えましたよね。中国の脅威をあれだけ語っておいて「その中国の為の駆けつけ警護かよ」という話もありますが、南スーダンの後には更に海外へ出て行くでしょう。
そしてアメリカと一体化したことで国内ではテロが起こり、かなり危険・リスクは高まっていき…はあ(ため息)。「はあ」て言っている場合じゃないんですけど、危険な目に遭わないと緊張感が生まれないということは、よく考えなくてはいけないことだと思うんです。想像力も大切な部分です。もう既に戦争に巻き込まれるステップは踏んでおり、リスクは高まっているんですから。
【兎にも角にも「来年の参院選でストップをかけなくては」ということですね。】
山本:そうです。そのために一人ひとりが何をできるのかって話なのですけれども、それはもう凄く単純な話で。先ずメディアは既に魂を売っている。企業側に寄り添った情報が主であると。企業からの広告で成り立っているのですから当たり前。それはハッキリしていること。だから、この時点でできる事といったら、草の根運動以外、何もない。
【うーん。やはり、デモに期待するしかないんですかね?】
山本:いや、逆に考えましょうよ。「草の根でもここまできたんだ」ていうね。特定秘密保護法のときよりも今回、野党を頑張らせたのは皆さんの声です。間違いない。明らかな事実です。前に進んでいるってことですよ。これを来年の7月まで、もっと大きく広げていかなくてはいけないけれど、そのためには皆さん一人ひとりがメッセンジャーになるしかない。例えば「安保(戦争)法案がさあ…」という話をしたって「はい?」って顔をする人達もまだまだ多い。そういう人に、どういう球を投げたら政治的な扉が開かれるかということを、一人ひとり考えなきゃいけないと思うんですね。
政治の話って、やっぱりしにくいでしょ。もちろん盛り上がる事もあるけど、引かれる事の方が多い気がする。僕も、このまえ個人的に、たまたま参加した席で、聞かれた話に答えただけなのに「まあ、政治の話はいいじゃないですか」って言われまして。
【政治家なのに政治の話を拒否された(笑)。】
山本:だから相手に対して、どういう球を投げるかが大事だと。
<橋下徹と一緒にしないで!彼は無難なことを情熱的に語っているだけ>
【山本さんが言う「戦前・戦中に近づいていっている」という危機感は、とてもよく解るし、荒唐無稽な事を言っているとは全く思いません。でも多くの人達は、その話を聞いたときに「そこまではないんじゃない?」と言うような気もするのです。そういう危機感のギャップって、どうやって埋めていけばいいと思いますか?】
山本:これも球の投げ方の話に繋がりますが、皆が共有しやすい危機感の話をするというのは一つの方法だと思います。例えば徴兵制。これも参院特別委の質問で取り上げましたが、政府は「あり得ない」と言うし「まさかそんなこと」という受け止め方の人も多いでしょう?では「徴兵制なんてやる訳ない」と言う根拠は?政府は「自衛隊はハイテク装備のプロ集団なのだから、素人が入ってきても困るのだよ」と言います。だから自衛隊が徴兵制を敷く様な事は有り得ない。でもハイテク装備の超プロ集団、世界一の超プロ集団であるアメリカは、イラク戦争のときにどうしたか?
先ず21万人以上のリクルートを行い、その内の3分の1ぐらいは高校卒業後、間もない若者達が連れて行かれることになった。そして州兵が─州兵というのは災害が起こったときに出動するような普段は別に職業を持つ一般の方々で、月一回程度の訓練を受ける。この殆ど素人のような州兵をたった4ヶ月間訓練してイラクに連れて行った。ハイテク装備の超プロ集団と言われているようなアメリカでさえも、そんな派遣の仕方だった訳です。後、デンマークでは、たった10日間の訓練期間でアフガンに連れて行かれた過去があります。つまり戦場では、ハイテク装備をいじれるプロフェッショナル以外の頭数が、相当必要という事なのです。徴兵制をやらない根拠に「ハイテク装備が云々」と言う我が国政府の説明は世界を見れば、破綻した話である事は明らかですよね。こんな感じで政府見解のおかしさ、危険な話を、一個一個潰していくと。
【確かに国会で山本さんは経済的徴兵制の話もされていましたが、若い人は、そこへの危機感から反対していた人もいましたしね。】
山本:僕は当選したときの話の中心は、やはり原発だったり被曝の問題だったんですけど、その話には「当事者意識がもてない」という人も多かったんです。
皆が当事者の話なんですけどね。それで全国街宣をいろいろやっている中で多くの人が当事者だと思って聞ける話は何だろうと考えたんですが、それは税金と労働の問題の話だった。多くの人々が納税者であり労働者ですから。「あ、これ、俺の話しているな」と思ってくれれば、僕が言っていることが正しいかどうかを ジャッジすることは難しくない。「今、政府は経団連からの要望によって、労働時間の制限をぶち壊し低額で死ぬまで使えるようにしているんですよ」とかね。 そういう話になると、やっぱり「許せん!」となる。大企業優遇の消費税の問題だってそうです。
後、奨学金の話も。もう既に学生を食い物にした消費者金融みたいなシステムが国にできあがっていて、毎年320億円もの利息収入で銀行の利益があがる。しかも延滞金だけで約40億円って、これは日立がやっているような民間債権回収会社の懐に入るという。おかしいだろ?って話ですよね。こういう身近で、そして当事者として怒りを感じること、これが大事だと思うのです。だってその怒りは先々、デモとか投票とか、行動に移す原動力になると思うから。
【ということは、来年7月の参院選までの闘い方も「戦争法案」1点というよりは「パッケージで闘っていく」ということですか?】
山本:「戦争法案」1点では、正直難しいと思います。賛成派もそれなりに聞こえのいい話をするだろうし…というか、賛成派のロジックは凄い簡単なのです。「米艦に助けられた不安そうな母子」の様に。だって本当のことは言わずに雰囲気だけでいいんだから。
だけど反対する者はその嘘を暴いていかなきゃいけない。話す時間も断然、長くなる。1つ1つ説明する訳ですから。どういうことかって言うと長い話は面白くない。途中で疲れて聞きたくなくなるでしょ?そういう意味でも凄く不利なんですよね。だからなるべく短く、面白い話にしないととは思うんですが…。
【あの、もしかして、それで山本さんは、いつも経団連の話をするんですか?例えば橋下徹が「日教組」「教育委員会」を仮想敵に仕立て上げるみたいに…。】
山本:そこは一緒にしてほしくないですよね。橋下さんの日教組がどうした、って話では政治生命を奪われることもないでしょう。「日教組で橋下さん支持者」てほぼいないでしょうし。橋下さんは結局、構造改革的な話で虎の尾を踏まず、当たり障りなく情熱的に語っている、と言うある意味才能に溢れる方です。
タブーに触れているかの様に見えるけれども大したタブーでもない。間違いなく彼は、この国の強者1%側の人間だから、これだけメディアに取り上げられる。逆に1%側の敵になると、僕のようにテレビには、ほぼ出られなくなるんです。生活の党と一緒になる際に共同代表と言うポジションに拘ったのはここにあります。
呼びたくなくても少なくともNHKは「各党討論」といった場面では共同代表である僕を呼ばざるを得ない。
話を戻すと、この「戦争法案」を求めているのは経団連である事は間違いないんです。なにしろ武器開発・製造・輸出は、イージス艦1隻で2500社、戦車 1両で1300社、パトリオットミサイル1200社、戦闘機で1100社と、これだけの国内企業が関れる大きなマーケットです。これを拡大し国家戦略として取り組めって提言を行っているのが経団連。「戦争法制」を転換する事で税金を正々堂々と横流しできる訳ですよ。「日本の周辺環境がヤバイ!」と言えば防衛費も積み上がります。
自分達に組織票を投じてくれた企業、企業献金をしてくれた企業に対して、税金で恩返しを正々堂々とできるシステム。賢いですよね。
この先、武器開発・製造・輸出が日本の主な産業となっていった場合、アメリカのように、とにかく戦争をしていないと経済が回らないような状況をつくってしまうんです。「法案の本質、何の為に必要か」を考えれば99%の人々にとって不要である事は解って戴けると思うんです。安保にとって本当に最も必要なのは外交力。安倍政権が1番、不得意な部分です。
<選挙前には最大のバッシング、人格攻撃が始まると覚悟しています>
【一人ひとりの闘いという意味では、メッセンジャーになっていく以外にも方法はあるでしょうか。例えば非暴力直接行動として不買運動をするとか…。】
山本:それは重要だと思います。また経団連の話になりますが(笑)、彼らは自分達が最大の権力者だと思い込んでしまっている節がある。
でも大企業が私達の日々の消費行動によって支えられている。「そのことを忘れるなよ」という運動が大規模に起こったら、多分かなりビビるでしょう。それはNHKも同じですよ。はたして受信料を払う価値があるのか、受信料に見合う放送が行われているのか。そういうことをチェックする人達が凄い数になっていけば、このままでは、さすがにいられないでしょうしね。
【NHKもそうですが、電気料金やメガバンクの利用を拒否するとか、結託してやったら、それも抵抗の方法の一つですもんね。】
山本:いや、かなりヤバイ状況になると思いますけどね。でも、この先は、そういう抗い方が本当に、力をもっていくんじゃないですか。
【メディアの問題だと、さっき山本さんは「メディアは魂を売っている」と言いましたよね。うちは一応、まだ売っていないというか……。】
山本:というか、買ってもらえないでしょ、それは(笑)。
【自覚していますが、なにもそこまで言うかっていう(涙)。】
山本:いや、リテラが攻めているのは解っていますよ。僕がリテラっていう存在に気付いたのは今年に入ってからなんですが「攻めているな~」と思うと同時に「大丈夫なん?この人達」みたいな心配もしていました(笑)。「これ、デッドボールやん!」って思いながら記事を読むこともあったのですけど。
【デッドボール!でも、山本さんだって結構、デッドボール投げていませんか(笑)?】
山本:まあ「デッドボールを投げに行っています」て話をしちゃうと失礼な話ですから(笑)。問題は、デッドボールを披露する場所がないって事ですよね。今回の参院特別委では、たまたま自民党がいい格好して「じゃあ、少数会派にも質問権を与えようぜ」みたいな度量見せて結果、痛い目に遭ったと。
【いや、特別委での質問はどれも安倍(戦争)総理にとっては痛かったと思います。】
山本:でも、そういうデッドボールみたいな記事(笑)を発信し続けることによって、生まれる信頼もあると思うんですよ。今、リテラの記事によって「スカっとした!」という人達もたくさんいると思うし「他のメディアはどうしてこんなこと言ってくれないの?」というふうに感じている人も多いと思うんですよね。だから続けることっていうのは凄く重要だし、続けて頂きたいなと。
【ありがとうございます(涙)。】
山本:ただ大手メディアにも心ある記者、心あるディレクターはいて、最後の1行、1秒で何か伝えられないかと闘っている人は、まだいると僕は信じています。自分が使えるコマの範囲で、何か多くの人達に伝わるものはないかっていうふうに闘っている人はまだいる。そういうものづくりをしてくださいと生意気にもお願いする事はあるんですけれど。
【まだ希望を捨てていないということですか。でもメディア側は山本さんのこと、随分、酷い扱いをしてきたじゃないですか。特別委での“原発にミサイルが飛んできたときのリスク想定”というナイスな質問、ほぼメディアは無視したりですとか……。】
山本:いや、まだまだ。今回、僕が特別委でやらかしたことの仕返しは多分。来年くらいから始まると思います。きっと無理矢理いろんなことで叩かれる総バッシングっていうのが待っているはず(笑)。
「火の無いところに煙は立たない」なんてとんでもない。「火の無いとこでも焼け野原」ですよ。今すぐ叩けば多くの人が「違うだろ!」と反応してくれるでしょうが、こういうのは忘れた頃にやってくるんですよ。選挙前には最大の人格攻撃が始まると覚悟しています。
【そんな状況を見越しているのに、どうして「あとは希望しかない」とか、山本さんは前向きなことを言えるんでしょう?】
山本:僕一人の力じゃ、どうにもならないからですよ。だって、この国に生きている人の多くが同じ方向に向かわないと、この国は変えられないですから。自分はベストを尽くすぞっていう気持ちは満タンにあるから、だから後は、できる限り繋がっていくだけ。この泥船を皆でなんとか岸に寄せて一旦、避難しようと。この国が危ない方向に向かっているのを、どうにか回避しようっていう、その作業を集団になってどこまでできるのか。
でも、できない事じゃないと思うのですよ。ナチスと同じように立憲主義をぶち壊した奴らがいる訳だから、逆に政権を獲れば何でもできる。「戦争法制」を廃止にする事もできる。
やってやりましょうよ!もう!
【ええ、もちろん!と言いたいですが、来年7月までの間、絶望的な気持ちになる事は何度もあると思うんです。そういうとき、どうすればいいんでしょうかね…。】
山本:はっきり言って、しんどい作業ですよ。皆、仕事や勉強、子育て、家事をしながら草の根を続けていかなくてはいけないのですから。非常に面倒臭い。そんな時間あるかよ!
みたいな話だと思うのです。でも例えばデモとか直接の抗議行動の何がいいかっていうと「自分は一人じゃない」という事を確認できる場所だということ。おそらくは普段、殆どの人達が一人の中で行動しながら思い悩む事も多いと思う。
そんなとき、デモに行くと「あーよかった!これだけの人達がいるのだ!」と思える。これは僕がそうだったのです。原発事故の後、初めて高円寺のデモに参加して、行く度に「あ、一人じゃない」ってことを確認していた。
そして結局、今は国会に紛れ込んでいる。デモ発の国会議員も誕生させられるのが人々の力です。抗議行動に参加する中から政治に挑戦する人達が、どんどん出てきてほしいし、政治家が躊躇するラインを踏み越えさせるためにも、市民の監視の声というものは、どんどん大きくなっていかないといけない。
そうしないと政治は茶番化してしまうから。僕も政府の嘘を指摘しながら、解り易い表現で「政治って興味を持った方が面白いぞ」と伝えていきたいと思っています。
僕くらいの脳の容量だと、内容も中学生以下対象にしないといけないのですよ。小学校高学年から中学生くらいが理解できるような内容にしないと、僕自身が飲み込めないていう…って、何度も深く頷くのやめてもらっていいですか(笑)?
【いや、違う、違う。うちも同じスタンスだから共感していたのです。これからもお互い「戦争法制」廃止に向けて安倍政権にデッドボールを投げつつ…。】
山本:ね(笑)。一緒に頑張りましょう!
《最も「戦争関連法」をシツコク闘う国会議員-山本太郎インタビュー》
<「懲罰委員会にかかれば本望」「まだまだやれることはある」>
【序文「懲りない、めげない山本太郎」という議員は?】( )内は管理者編集。
「戦争法案」が参議院本会議で可決された瞬間、大いにうなだれた。このまま、この国はファシスト総理の暴走を止められないまま、戦争に突き進むのか─。うっかり「敗北を抱きしめ」そうになった。そんなとき真夜中の国会前に轟いたのは、変なイントネーションの、しかし、とてつもなく陽気なシュプレヒコールだった。「アベ~はヤメ~ロ!」「センソ~ウはスル~ナ!」声の主は、もちろん、あの男だ。そう、あの強行採決を「自民党が死んだ日」と呼び、喪服で数珠を手にお焼香をあげるパフォーマンス≒前衛芸術を繰り広げ、更にはたった一人、孤独な牛歩戦術に打って出た参議院議員・山本太郎である。彼は敗北を抱きしめない。「これからは希望があるだけ」とさえ言う。うな垂れている暇なんてない、前を向け。そんなメッセージを発しつづける山本に9月26日夕刻、今後の“安倍政権との闘い方”を聞いた。因みにこの日、山本はテレビ東京の『週刊ニュース新書』に生出演。日本経済新聞社が実質上の親会社にあたるテレ東で、しかも日経がスポンサーの番組で、山本は堂々と経団連批判を展開、またしてもネット上をざわつかせた。叱られてもへっちゃら、自称「皆様の鉄砲玉」はまだまだ懲りていない、いや、 ずっとフルスロットルのままだった!
<山本太郎の暴走は「計算」か「天然」か?今度はテレ東で経団連批判>
【さっそくなんですが、きょうも朝からテレ東で飛ばしていましたね。】
山本:最初に牛歩とかアメリカの話で時間を取られてしまったんで、タイミングを見計らって経団連の話をしたんですよ。まあ、個別具体的な企業名を出すと重たいだろうけれど「経団連」という団体としてなら大丈夫かなー?と考えまして。
【いや、あまり大丈夫じゃないですよ!司会の田勢康弘さんも目が泳いでいたし!それにしても個別具体的な企業名だと厳しいけれど経団連までならいけるだろうとか、いつも計算して発言しているんですか?】
山本:本当は、NGワードを先に教えてもらった方がラクなんです。「これを言っちゃダメ」って、先に教えてくれたら、そこには触れないですよ。それ以外の部分を突っ込めば良いだけですから。
元々、芸能界で20年やってましたから、さすがの僕でもそれはできます。でも何故か制作者は必ず「何を言って頂いても結構です」と説明をするんです-だいたいの場合。例えば日テレのワイドショーは「うちはそういうのはないですから!NGワードとかないですし!」って必死でした。
【日テレは思いっきりありそうですけど(笑)。】
山本:訊いてもないのに言ってくるんです(笑)。「制約は一切ございません」って。そういうことを一生懸命言いながら、不都合な発言でCM入ったりするんです(笑)。今回のテレ東はホトンド切らずに喋らせてくれました。例えば(参院特別委の)質疑の中でも出した、2012年につくられた第三次アーミテージ・ナイレポートでは、原発の再稼働やTPP参加、特定秘密保護法の施行、そして武器の開発・輸出といったことが書かれている。いま安倍政権が行おうとしていることって、そのまんま、これの完コピじゃないか?っていう。でも、この報告書を書いた人達(アーミテージ元国務副長官とジョセフ・ナイ元国防次官補)が来日したときの講演は、日本経済新聞社が後援なのすよ。つまりテレ東ですよね(笑)。しかも今日の番組でもこの話、取り上げましたからね。そもそも、テレ東さんがつくってくれたフリップにも「経団連」って言葉は入っていたのですよ。制作サイドと司会者の心意気に感謝です。
(この参院特別委は私も見ていたが「アベ」は相当、不機嫌で山本議員が反論の余地も与えず、早々に質問終了⇒退席しようとすると「第三次アーミテージ・ナイレポート」資料を机に投げつけていた。そして散らかった同資料を岸田外相が拾っていた)
【参院本会議での投票時、山本さんが叫んだ「アメリカと経団連にコントロールされた政治家は辞めろ!」という言葉ですね。ほかの番組だとそこはカットして、「外の(反対デモの)声が聞こえないのか」という部分からしか流していなかった。】
山本:だからあの番組、すごいっす。テレ東はよく「空気を読まない」って言われますけど、そういう点で僕との共通点を感じました。だいたい、僕を出演させるって(笑)あれが最後のテレ東の出演になるかもしれない(笑)。
<バッシングと評価をどう受け止めたか?「坂上忍さんの事は逆に心配」>
【それにしても、山本さんは『戦争法案』の可決後、かなり強いバッシングに遭いながらも何故か凄くお元気ですよね。】
山本:バカだけが元気だ!っていう(笑)。批判にも目を通しますよ。目的は、向こう側がどういうことで足を引っ張ろうとしているのかを知るというのが一つ、もう一つは真剣に批判してくれている方もいらっしゃるし、そこにはやっぱり耳を傾けて改善できるところは改めたいと思うんで。エゴサーチしています(笑)。(ゴリゴリの保守タカ派には憎まれ易いでしょうね♪)
【でも、山本さんはバッシングについて、いまはどのように受け止めているんですか?】
山本:二つあると思います。牛歩に関してと、喪服を着て数珠を持った表現に関してと。
先ず牛歩に関しての批判は何一つ当たるものではない。議長の議事整理権の範囲の中で僕が表現した事なので、これは問題がないと思っています。7~8割の方々は今国会での成立なんてあり得ないだろ?という考え方を示していましたから、そうした声を聞かないという政治に対して表現をするというのは当然のことです。
ただ、もう一つの「喪服を着て数珠を持って」と言う事に関しては、あれをやって叩かれない訳はないと思います。叩くには美味し過ぎる材料を自ら提供すれば…って事ですよね。実際、参議院の品位を貶めたという話になっています。厳重注意も受けましたが、もちろん議長から見て、そのような状態であったならば素直に受け止めるというのが筋であり、それは自分の中で受け止めます。
でも、その一方で議会制民主主義が破壊されるような強行採決…人間かまくらという防護壁までつくり、何をやっているのかも解らない内に採決されてしまった。しかも、かまくらづくりに特別委員会の人間だけじゃなく、与党側の関係のない議員、秘書まで混ざっていたとなれば、それは品位を貶めていないの?と普通は考えますよね。今も、あちらは「お咎めなし」ですし。だとしたら「その品位とは状況によって変わるものなのかな」とは思います。(ガラの悪いチンピラ・ヤクザ自民党議員に「品位」なんて言われたくないですよね)
【それにしても、除名にならなくてよかったです。】
山本:除名を決断するのは議長ではないんですよ。懲罰委員会にかかり、全議員の3分の2以上が同意した上で除名になる。つまり除名というのは非常にハードルが高い。ですが例え、そこで除名になったとしても、向こうは逆に損をするんです。だって強行採決の流れで除名をされた議員が出てくれば、反対する人々の受け皿、象徴になる。向こうにとってはあまり美味しくない。この先「戦争関連」の話題が出る度に記憶が蘇る訳ですから。逆に言うと「非常識なバカ」という批判が盛り上がって「それを厳重注意で叱る」という形で受け流した方が正解なんですよね。問題が大きくならない。ちょうどいい落としどころだった、ということです。(それにしても「暴行採決[?]」した与党議員連中ら。お前らこそ「人民裁判」にかけてやる!)
【ということは「戦争法」反対の流れをつくるためには懲罰委員会にかけられるのもアリだった?】
山本:いや、アリです、アリです。当然ですよ。何のためにやっているかって事ですもんね。問題が大きくなった方が政治に興味ない人達にも、伝わる可能性が出てきます。「何故、あんなバカな事を?」を入り口に「デタラメ戦争法案」の本質にまで辿り着く人が一人でも増えれば「最高!」と思ったんですけれども。
【今回の「戦争法案」を巡る議論の大きな変化の一つに、多くの芸能人が反対の声を上げた事もあると思います。まさに参議院で山本さんが踏ん張っていた裏では、国会前に石田純一さんがスピーチに立ったりですとか、坂上忍さんは生放送の番組で「安保に大反対」と発言。さらに坂上さんは「いま、政治家で一番まともなのは山本太郎ぐらい。まともすぎて逆に心配」とまで言っていました。】
山本:逆にこちらが心配になりますよ(笑)。もちろん、そういうエールは非常にありがたくて、グッとくるものがあります。けど、やっぱり各々を大切にしてもらいたいなと思うんです。だって、そういう影響力ある立場の方が、わざわざ山本太郎の事なんかに触れなくても法案には反対できますから。 NGワードをわざわざ使うのは凄いリスクのある発言です(笑)。でも、本当にありがたいです、うん。ぜひ政治献金を、とお伝えしたいです!
<大切なのは最悪の安倍政権をどうするか?野党が一つになるしかない!>
【そんな身も蓋もない(笑)。でも坂上さんの「政治家で一番まとも」という評は頷けるんです。うちのサイトは「野党は牛歩やれ」としつこく訴えていたので結局、山本さんしか実行しなかったことには失望も大きかった。それはきっと、私達だけの感想ではないと思うんですが。】
山本:自分の中でも悩みました。参議院議員になって最初の年に特定秘密保護法があって、そのときは無所属だったので指をくわえてみている事しかできなかった。でも今回は新兵ながら、初めて現場に立つことができた。
ただ「どうやら、これはそこまで粘らなさそうだな」というのは感じていて。皆、精神的にも体力的にも限界が見えていたし、特に先輩で年配の女性議員とかも「膝がねぇ…」みたいな話をしていたり、実際、歩くだけの移動が既に牛歩みたいになっている方もいらっしゃって、本当に辛そうだった。そんな方々に 「そんなこと言わずに議長室前を占拠して、皆で閉じ込めましょうよ!」みたいな事は言えないという雰囲気もあった。そうなると自分は何ができるかという事を選択していく事しかない。「これは一人でもやるしかないな」と。
【問題は今後です。牛歩もやれなかった野党が果たして結束できるのか、という不安がありますよね。】
山本:今回、野党は「特定秘密保護法の時よりも粘った」と感じます。何故か?市民の声が大きくなり、背中を押したから。牛歩に関しても「最悪の場合は牛歩でも何でもやって抗え!」と言う多くの市民のメッセージが野党の責任ある立場の方々に的確に伝わっていれば、あり得たかも知れません。政治をコントロールするのは、国会にいるおっちゃん、おばちゃんでなく、市民なんです。
野党を結束させるのも市民の声です。自民公明政権を引きずり降ろすには、野党が一つになる。これしかない。今、共産党が呼びかけている事は、小沢一郎さんがずっと言っていた「オリーブの木構想」と同じようなこと。今後は例えば何か共通の名前を選挙で掲げて、この名前を書けば、そこに票が入る…というような仕組みのようなものをつくるしかない。野党は解党せず、ただ一つの受け皿に乗るしかないってことですね。やれることはあるのです。1つしか椅子がない「一人区」なんて、今までは殆ど自民党が獲っている状態。参議院でネジレをつくるためには、先ずは一人区を全部勝つという気がないとダメでしょう。野党が一つになる、それ以下でもそれ以上でもないという話なんですよ。
この先、どうやって闘っていくのかということを考えたとき「戦争法案」の国会成立をピークに考えるというゴール設定自体が、きっと違っていたと思うのです。 与野党のパワーバランスを考えれば、採決で負けるというのは確実で、皆、解っていたこと。そんなこと、初めから解っていた。でも、それをなんとか止められないかと、皆が力を合わせた。そして、あれだけのウネリが生まれた。ただ、あまりに盛り上がったことで「これは止められるかも!?」という希望を抱く部分も出てきた。だから今は改めてピークのリセットをしなくてはいけないのですよ。
「戦争法」廃止のための最初のピークは、来年の7月の参議院選挙。先ずは、ここが焦点なのだ。参議院選挙でネジレをつくることができたら衆議院から、いくらとんでもない法案がきたとしても、自衛隊の海外派兵の国会承認がきても、参議院で止められるという構図になる。これでは、うまく立ち行かないとなれば、そのうち解散になる。
そうは言っても「あの党は鬱陶しい」「あの党は嫌いや」っていうような気持ちは、皆さんの中にいろいろあると思うのですよ。特に支持政党を、お持ちの方の中には、そういう考え方がとても強くあると思う。だけど先ず考えて頂きたいのは、目の前にある、この最悪の安倍政権をどうするよ?という話。ただ、これ、安倍さんじゃなくなっても一緒なのです。単に踊り子が変わるだけで結局、内容は同じですよ。だから、どっちがいいか考えてみてほしい。嫌な奴でも手を握って一番、嫌な奴を引きずり降ろすのか。それとも各自各党で闘うのか。各自で闘った場合は、今の状態が継続、生活破壊が加速されるだけですよ─。
【確かに、もう既に「戦争法案」は忘れられかけて、安倍(戦争)総理も経済で目を逸らせようとしていますよね。】
山本:とにかく「戦争法」は廃止しかない。そもそも今の、この政治状況の中で憲法改悪するなんて、絶対にあり得ないでしょ?たぶん向こう何十年もいじってはダメなんじゃないですか?少なくとも「市民が政治をコントロールする」そのことが、この国に定着するまでは─。
<草の根でもここまで来た、前に進んでいるのは明らかな事実!>
【今の政治状況では憲法改悪は有り得ない。「少なくとも市民が政治をコントロールする状態がつくられるまでは、してはいけない」という話でしたが、それ位、今の状況は危ないと?】
山本:ああいう形で憲法違反の法案が押し通されてしまうのですから、これは今後、もっと大きく世の中が変えられていく気がしてならないんです。こんな状態だと、来年7月の参議院選挙でネジレを生み出せなかったとき、もしかして、その先の衆議院選挙だって、今までのような普通選挙さえ行えなくなるんじゃないかって、そういう危機感すらもっています。
【「普通選挙じゃなくなる」とは?】
山本:今の状況は戦前・戦中によく似ていますよね。関東大震災以後、治安維持法が定められ、国家総動員法ができ、その後は翼賛選挙でヒドイ選挙干渉が行われた。今の日本も3.11があり、特定秘密保護法が成立し、武器輸出も事実上解禁「戦争法案」も通ってしまった。でも世間の危機感は、それほど強くない。先の戦争でも、本土が爆撃されるのは最後の1年くらいですが、その前から、ずっと海外には進出し続けている訳ですよね。つまり戦争が始まっていても、国内的にはリアリティがないと。これって現在の日本の動きと重なっている部分も多いと思うんです。「戦争法案」が可決されて数時間後にNHKは自衛隊が PKOで南スーダンへ行くと伝えましたよね。中国の脅威をあれだけ語っておいて「その中国の為の駆けつけ警護かよ」という話もありますが、南スーダンの後には更に海外へ出て行くでしょう。
そしてアメリカと一体化したことで国内ではテロが起こり、かなり危険・リスクは高まっていき…はあ(ため息)。「はあ」て言っている場合じゃないんですけど、危険な目に遭わないと緊張感が生まれないということは、よく考えなくてはいけないことだと思うんです。想像力も大切な部分です。もう既に戦争に巻き込まれるステップは踏んでおり、リスクは高まっているんですから。
【兎にも角にも「来年の参院選でストップをかけなくては」ということですね。】
山本:そうです。そのために一人ひとりが何をできるのかって話なのですけれども、それはもう凄く単純な話で。先ずメディアは既に魂を売っている。企業側に寄り添った情報が主であると。企業からの広告で成り立っているのですから当たり前。それはハッキリしていること。だから、この時点でできる事といったら、草の根運動以外、何もない。
【うーん。やはり、デモに期待するしかないんですかね?】
山本:いや、逆に考えましょうよ。「草の根でもここまできたんだ」ていうね。特定秘密保護法のときよりも今回、野党を頑張らせたのは皆さんの声です。間違いない。明らかな事実です。前に進んでいるってことですよ。これを来年の7月まで、もっと大きく広げていかなくてはいけないけれど、そのためには皆さん一人ひとりがメッセンジャーになるしかない。例えば「安保(戦争)法案がさあ…」という話をしたって「はい?」って顔をする人達もまだまだ多い。そういう人に、どういう球を投げたら政治的な扉が開かれるかということを、一人ひとり考えなきゃいけないと思うんですね。
政治の話って、やっぱりしにくいでしょ。もちろん盛り上がる事もあるけど、引かれる事の方が多い気がする。僕も、このまえ個人的に、たまたま参加した席で、聞かれた話に答えただけなのに「まあ、政治の話はいいじゃないですか」って言われまして。
【政治家なのに政治の話を拒否された(笑)。】
山本:だから相手に対して、どういう球を投げるかが大事だと。
<橋下徹と一緒にしないで!彼は無難なことを情熱的に語っているだけ>
【山本さんが言う「戦前・戦中に近づいていっている」という危機感は、とてもよく解るし、荒唐無稽な事を言っているとは全く思いません。でも多くの人達は、その話を聞いたときに「そこまではないんじゃない?」と言うような気もするのです。そういう危機感のギャップって、どうやって埋めていけばいいと思いますか?】
山本:これも球の投げ方の話に繋がりますが、皆が共有しやすい危機感の話をするというのは一つの方法だと思います。例えば徴兵制。これも参院特別委の質問で取り上げましたが、政府は「あり得ない」と言うし「まさかそんなこと」という受け止め方の人も多いでしょう?では「徴兵制なんてやる訳ない」と言う根拠は?政府は「自衛隊はハイテク装備のプロ集団なのだから、素人が入ってきても困るのだよ」と言います。だから自衛隊が徴兵制を敷く様な事は有り得ない。でもハイテク装備の超プロ集団、世界一の超プロ集団であるアメリカは、イラク戦争のときにどうしたか?
先ず21万人以上のリクルートを行い、その内の3分の1ぐらいは高校卒業後、間もない若者達が連れて行かれることになった。そして州兵が─州兵というのは災害が起こったときに出動するような普段は別に職業を持つ一般の方々で、月一回程度の訓練を受ける。この殆ど素人のような州兵をたった4ヶ月間訓練してイラクに連れて行った。ハイテク装備の超プロ集団と言われているようなアメリカでさえも、そんな派遣の仕方だった訳です。後、デンマークでは、たった10日間の訓練期間でアフガンに連れて行かれた過去があります。つまり戦場では、ハイテク装備をいじれるプロフェッショナル以外の頭数が、相当必要という事なのです。徴兵制をやらない根拠に「ハイテク装備が云々」と言う我が国政府の説明は世界を見れば、破綻した話である事は明らかですよね。こんな感じで政府見解のおかしさ、危険な話を、一個一個潰していくと。
【確かに国会で山本さんは経済的徴兵制の話もされていましたが、若い人は、そこへの危機感から反対していた人もいましたしね。】
山本:僕は当選したときの話の中心は、やはり原発だったり被曝の問題だったんですけど、その話には「当事者意識がもてない」という人も多かったんです。
皆が当事者の話なんですけどね。それで全国街宣をいろいろやっている中で多くの人が当事者だと思って聞ける話は何だろうと考えたんですが、それは税金と労働の問題の話だった。多くの人々が納税者であり労働者ですから。「あ、これ、俺の話しているな」と思ってくれれば、僕が言っていることが正しいかどうかを ジャッジすることは難しくない。「今、政府は経団連からの要望によって、労働時間の制限をぶち壊し低額で死ぬまで使えるようにしているんですよ」とかね。 そういう話になると、やっぱり「許せん!」となる。大企業優遇の消費税の問題だってそうです。
後、奨学金の話も。もう既に学生を食い物にした消費者金融みたいなシステムが国にできあがっていて、毎年320億円もの利息収入で銀行の利益があがる。しかも延滞金だけで約40億円って、これは日立がやっているような民間債権回収会社の懐に入るという。おかしいだろ?って話ですよね。こういう身近で、そして当事者として怒りを感じること、これが大事だと思うのです。だってその怒りは先々、デモとか投票とか、行動に移す原動力になると思うから。
【ということは、来年7月の参院選までの闘い方も「戦争法案」1点というよりは「パッケージで闘っていく」ということですか?】
山本:「戦争法案」1点では、正直難しいと思います。賛成派もそれなりに聞こえのいい話をするだろうし…というか、賛成派のロジックは凄い簡単なのです。「米艦に助けられた不安そうな母子」の様に。だって本当のことは言わずに雰囲気だけでいいんだから。
だけど反対する者はその嘘を暴いていかなきゃいけない。話す時間も断然、長くなる。1つ1つ説明する訳ですから。どういうことかって言うと長い話は面白くない。途中で疲れて聞きたくなくなるでしょ?そういう意味でも凄く不利なんですよね。だからなるべく短く、面白い話にしないととは思うんですが…。
【あの、もしかして、それで山本さんは、いつも経団連の話をするんですか?例えば橋下徹が「日教組」「教育委員会」を仮想敵に仕立て上げるみたいに…。】
山本:そこは一緒にしてほしくないですよね。橋下さんの日教組がどうした、って話では政治生命を奪われることもないでしょう。「日教組で橋下さん支持者」てほぼいないでしょうし。橋下さんは結局、構造改革的な話で虎の尾を踏まず、当たり障りなく情熱的に語っている、と言うある意味才能に溢れる方です。
タブーに触れているかの様に見えるけれども大したタブーでもない。間違いなく彼は、この国の強者1%側の人間だから、これだけメディアに取り上げられる。逆に1%側の敵になると、僕のようにテレビには、ほぼ出られなくなるんです。生活の党と一緒になる際に共同代表と言うポジションに拘ったのはここにあります。
呼びたくなくても少なくともNHKは「各党討論」といった場面では共同代表である僕を呼ばざるを得ない。
話を戻すと、この「戦争法案」を求めているのは経団連である事は間違いないんです。なにしろ武器開発・製造・輸出は、イージス艦1隻で2500社、戦車 1両で1300社、パトリオットミサイル1200社、戦闘機で1100社と、これだけの国内企業が関れる大きなマーケットです。これを拡大し国家戦略として取り組めって提言を行っているのが経団連。「戦争法制」を転換する事で税金を正々堂々と横流しできる訳ですよ。「日本の周辺環境がヤバイ!」と言えば防衛費も積み上がります。
自分達に組織票を投じてくれた企業、企業献金をしてくれた企業に対して、税金で恩返しを正々堂々とできるシステム。賢いですよね。
この先、武器開発・製造・輸出が日本の主な産業となっていった場合、アメリカのように、とにかく戦争をしていないと経済が回らないような状況をつくってしまうんです。「法案の本質、何の為に必要か」を考えれば99%の人々にとって不要である事は解って戴けると思うんです。安保にとって本当に最も必要なのは外交力。安倍政権が1番、不得意な部分です。
<選挙前には最大のバッシング、人格攻撃が始まると覚悟しています>
【一人ひとりの闘いという意味では、メッセンジャーになっていく以外にも方法はあるでしょうか。例えば非暴力直接行動として不買運動をするとか…。】
山本:それは重要だと思います。また経団連の話になりますが(笑)、彼らは自分達が最大の権力者だと思い込んでしまっている節がある。
でも大企業が私達の日々の消費行動によって支えられている。「そのことを忘れるなよ」という運動が大規模に起こったら、多分かなりビビるでしょう。それはNHKも同じですよ。はたして受信料を払う価値があるのか、受信料に見合う放送が行われているのか。そういうことをチェックする人達が凄い数になっていけば、このままでは、さすがにいられないでしょうしね。
【NHKもそうですが、電気料金やメガバンクの利用を拒否するとか、結託してやったら、それも抵抗の方法の一つですもんね。】
山本:いや、かなりヤバイ状況になると思いますけどね。でも、この先は、そういう抗い方が本当に、力をもっていくんじゃないですか。
【メディアの問題だと、さっき山本さんは「メディアは魂を売っている」と言いましたよね。うちは一応、まだ売っていないというか……。】
山本:というか、買ってもらえないでしょ、それは(笑)。
【自覚していますが、なにもそこまで言うかっていう(涙)。】
山本:いや、リテラが攻めているのは解っていますよ。僕がリテラっていう存在に気付いたのは今年に入ってからなんですが「攻めているな~」と思うと同時に「大丈夫なん?この人達」みたいな心配もしていました(笑)。「これ、デッドボールやん!」って思いながら記事を読むこともあったのですけど。
【デッドボール!でも、山本さんだって結構、デッドボール投げていませんか(笑)?】
山本:まあ「デッドボールを投げに行っています」て話をしちゃうと失礼な話ですから(笑)。問題は、デッドボールを披露する場所がないって事ですよね。今回の参院特別委では、たまたま自民党がいい格好して「じゃあ、少数会派にも質問権を与えようぜ」みたいな度量見せて結果、痛い目に遭ったと。
【いや、特別委での質問はどれも安倍(戦争)総理にとっては痛かったと思います。】
山本:でも、そういうデッドボールみたいな記事(笑)を発信し続けることによって、生まれる信頼もあると思うんですよ。今、リテラの記事によって「スカっとした!」という人達もたくさんいると思うし「他のメディアはどうしてこんなこと言ってくれないの?」というふうに感じている人も多いと思うんですよね。だから続けることっていうのは凄く重要だし、続けて頂きたいなと。
【ありがとうございます(涙)。】
山本:ただ大手メディアにも心ある記者、心あるディレクターはいて、最後の1行、1秒で何か伝えられないかと闘っている人は、まだいると僕は信じています。自分が使えるコマの範囲で、何か多くの人達に伝わるものはないかっていうふうに闘っている人はまだいる。そういうものづくりをしてくださいと生意気にもお願いする事はあるんですけれど。
【まだ希望を捨てていないということですか。でもメディア側は山本さんのこと、随分、酷い扱いをしてきたじゃないですか。特別委での“原発にミサイルが飛んできたときのリスク想定”というナイスな質問、ほぼメディアは無視したりですとか……。】
山本:いや、まだまだ。今回、僕が特別委でやらかしたことの仕返しは多分。来年くらいから始まると思います。きっと無理矢理いろんなことで叩かれる総バッシングっていうのが待っているはず(笑)。
「火の無いところに煙は立たない」なんてとんでもない。「火の無いとこでも焼け野原」ですよ。今すぐ叩けば多くの人が「違うだろ!」と反応してくれるでしょうが、こういうのは忘れた頃にやってくるんですよ。選挙前には最大の人格攻撃が始まると覚悟しています。
【そんな状況を見越しているのに、どうして「あとは希望しかない」とか、山本さんは前向きなことを言えるんでしょう?】
山本:僕一人の力じゃ、どうにもならないからですよ。だって、この国に生きている人の多くが同じ方向に向かわないと、この国は変えられないですから。自分はベストを尽くすぞっていう気持ちは満タンにあるから、だから後は、できる限り繋がっていくだけ。この泥船を皆でなんとか岸に寄せて一旦、避難しようと。この国が危ない方向に向かっているのを、どうにか回避しようっていう、その作業を集団になってどこまでできるのか。
でも、できない事じゃないと思うのですよ。ナチスと同じように立憲主義をぶち壊した奴らがいる訳だから、逆に政権を獲れば何でもできる。「戦争法制」を廃止にする事もできる。
やってやりましょうよ!もう!
【ええ、もちろん!と言いたいですが、来年7月までの間、絶望的な気持ちになる事は何度もあると思うんです。そういうとき、どうすればいいんでしょうかね…。】
山本:はっきり言って、しんどい作業ですよ。皆、仕事や勉強、子育て、家事をしながら草の根を続けていかなくてはいけないのですから。非常に面倒臭い。そんな時間あるかよ!
みたいな話だと思うのです。でも例えばデモとか直接の抗議行動の何がいいかっていうと「自分は一人じゃない」という事を確認できる場所だということ。おそらくは普段、殆どの人達が一人の中で行動しながら思い悩む事も多いと思う。
そんなとき、デモに行くと「あーよかった!これだけの人達がいるのだ!」と思える。これは僕がそうだったのです。原発事故の後、初めて高円寺のデモに参加して、行く度に「あ、一人じゃない」ってことを確認していた。
そして結局、今は国会に紛れ込んでいる。デモ発の国会議員も誕生させられるのが人々の力です。抗議行動に参加する中から政治に挑戦する人達が、どんどん出てきてほしいし、政治家が躊躇するラインを踏み越えさせるためにも、市民の監視の声というものは、どんどん大きくなっていかないといけない。
そうしないと政治は茶番化してしまうから。僕も政府の嘘を指摘しながら、解り易い表現で「政治って興味を持った方が面白いぞ」と伝えていきたいと思っています。
僕くらいの脳の容量だと、内容も中学生以下対象にしないといけないのですよ。小学校高学年から中学生くらいが理解できるような内容にしないと、僕自身が飲み込めないていう…って、何度も深く頷くのやめてもらっていいですか(笑)?
【いや、違う、違う。うちも同じスタンスだから共感していたのです。これからもお互い「戦争法制」廃止に向けて安倍政権にデッドボールを投げつつ…。】
山本:ね(笑)。一緒に頑張りましょう!
(リテラ:管理者一部編集/民守 正義)
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