「戦争法案-粉砕」から「安倍政権‐打倒へ」(43)

「戦争法案-粉砕」から「安倍政権‐打倒へ」(43)


《「戦争関連法案」-「強行採決(?)」の副作用》
<各新聞調査-全て「戦争関連法成立-評価しない」57%>
【毎日新聞】
毎日新聞は19、20両日「戦争関連法」の成立を受けて緊急の全国世論調査を実施した。成立を「評価しない」との回答は57%で「評価する」の33%を上回った。参院平和安全法制特別委員会で与党が強行採決したことに関しては「問題だ」が65%を占めた。安倍内閣の支持率は8月の前回調査より3ポイント増の35%、不支持率は同1ポイント増の50%。不支持が支持を上回る傾向は変わっていない。(同関連法―「評価する」33%:内閣支持率35%でも高くて、こいつらの気が知れない)

◇安倍内閣支持35%、不支持50%
 関連法の成立を評価しない理由を聞いたところ「審議が不十分だから」45%▽「法律に反対だから」29%▽「法律を修正すべきだったから」 19%の順になった。内閣支持層では成立を「評価する」が76%だったのに対し、不支持層では「評価しない」が89%に上った。
 特別委での強行採決が「問題ではない」は24%にとどまった。自民支持層では「問題ではない」が49%だったが「問題だ」も41%あった。公明支持層では「問題だ」が「問題ではない」を上回った。関連法が「憲法違反だと思う」は60%で、成立前の7月調査(52%)より増加した。「憲法違反だとは思わない」は24%だった。(⇒こいつらは法の基礎知識も知らんヤツ)国会では関連法が憲法9条に違反しているかどうかが議論になったが、審議が進むにつれて違憲論はむしろ強まったといえる。政府・与党の国民への説明が「不十分だ」は78%に上り「十分だ」は13%。7月調査以降「不十分だ」は8割前後で推移している。今回、内閣支持層でも60%、自民支持層でも62%が「不十分だ」と答えた。
(「強行採決」が「問題でない」24%連中は物事の善悪判断のできん心の犯罪者だ!)
 政党支持率は、自民が前回比1ポイント減の27%、民主が同3ポイント増の12%。その他は、維新3%▽公明4%▽共産5%-などで「支持政党はない」と答えた無党派層は38%だった。

【朝日新聞社】
朝日新聞社では「戦争関連法」に「賛成」は30%「反対」は51%で、法律が成立してもなお反対が半数を占めた。国会での議論が「尽くされていない」は75%、安倍政権が国民の理解を得ようとする努力を「十分にしてこなかった」は74%に上った。内閣支持率は35%(9月12、13両日の前回調査は36%)で、第2次安倍内閣の発足以降、最も低かった。不支持率は45%(同42%)だった。参院特別委員会「強行採決(?)」について「よくなかった」が67%で、「よかった」の16%を大きく上回った。自民支持層でも「よくなかった」が48%で「よかった」の34%を上回った。
 5月に「戦争関連法案」が国会に提出された後、法案への賛否を同じ質問文で5回にわたり尋ねてきたが、いずれも「反対」が5割を超えていた。法律成立後の今回も、その傾向に変わりはなかった。「戦争関連法」を巡る国会審議も、議論が十分だったとは受け止められていないようだ。
 国会での議論が「尽くされた」12%に対し「尽くされていない」は75%と大きく差が開いた。(当然の認識だ!)
「戦争関連法」について安倍政権が広く国民の理解を得ようとする努力を十分にしてきたと思うかは「十分にしてきた」16%に対し「十分にしてこなかった」は74%だった。内閣支持層でも「十分にしてきた」は35%で「十分にしてこなかった」の52%を下回った。「戦争関連法」が憲法に違反していると思うか聞くと「違反している」は51%で「違反していない」の22%を上回った。「戦争関連法」成立に反対した民主党や維新の党など野党の対応については「評価する」34%「評価しない」は49%。民主支持層では「評価する」は73%だったが、無党派層では「評価する」32%「評価しない」43%だった。

【共同通信社】
共同通信社では「戦争関連法」について「国会での審議が尽くされたとは思わない」との回答は79・0%「尽くされたと思う」は14・1%だった。「戦争法」に対する安倍政権の姿勢に関し「十分に説明しているとは思わない」は81・6%「十分に説明していると思う」は13・0%で、政府対応や採決強行への根強い不満が浮き彫りになった。内閣支持率は第二次安倍政権発足後二番目に低い38・9%で八月の前回調査から4・3ポイント下落、不支持率は50・2%となった。
「戦争法」成立で自衛隊が戦争に巻き込まれるリスクが「高くなる」は68・0%。「変わらない」は27・1%「低くなる」は2・5%だった。「戦争法」に「賛成」は34・1%「反対」は53・0%。「戦争法」が「憲法違反だと思う」は50・2%「違反とは思わない」は31・8%。(じゃあ「憲法違反でない」理由を自分の言葉で解り易く説明してよ♪)
 政党支持率は、自民党が32・8%で前回比2・2ポイント減、民主党は9・5%で1・0ポイント減。維新の党2・8%、公明党3・8%、共産党3・9%、次世代の党0・5%、社民党1・5%、生活の党0・5%、新党改革0・2%。元気にする会は回答がなかった。「支持政党なし」の無党派層は43・6%。

<「戦争関連法」横浜デモ、大学生ら1300人参加>
「戦争関連法」に反対するデモ行進「さよなら、戦争法案。神奈川学生デモ」が20日、横浜市内であり、約1300人(主催者発表)が参加して「あきらめずに反対し続けよう」と訴えた。
 神奈川県内の大学に通う学生約10人で作る実行委が、法案可決前から主にツイッターで呼びかけ、さまざまな年代の人が集まった。観光客でにぎわう山下公園や、みなとみらい地区などを約1時間かけて行進。「違憲な法律絶対無効」「賛成議員はふるえて待て」「これから始まる民主主義」などと訴えた。

<「平和主義が終わる懸念」-「戦争法」の成立、各国でも報道>
米国メディアはデモや国会の混乱を伝えつつ「戦争関連法」の効用にも解説を加える報道が目立った。AP通信は「日本は米国と連携を強められる他、平和維持活動に一層参加できる」。ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙は「海外での日本の軍事的な役割を拡大させる法律が成立」と報じ、日本が戦後初めて、海外で同盟国を助けられるようになると説明した。
一方、日本の安保問題に普段は大きな関心を払わない欧州メディアでは、仏紙ルモンドが「平和主義が終わる懸念」との見出しを掲げ「第2次大戦後、初めて海外での紛争に派兵する道を開く法律だ」と指摘。論説記事で「日本のアイデンティティーの中心にあり、海外からの好イメージでもあった平和主義という伝統を、幾分か弱めるものだ」とした。
 イラン国営放送は「日本の軍隊に海外での戦闘を許可する、この新法は米国だけが支持している。日本では大きなデモが起き、国民の多数が反対。中国や韓国といった近隣諸国も反対している」と論評した。中国メディアは「戦争関連法」の成立を主要ニュースとして報じ厳しく批判した。国営中国中央テレビは、国会前で反対の声を上げる人々の様子を繰り返し放映し「民衆や各界が強烈に反対する中で強行に可決」と強調。北京紙・新京報は「自衛隊は海外での戦争に関るようになる」との学者の見方を伝えた。法成立のタイミングが満州事変の発端の柳条湖事件(1931年9月18日)と重なったことで、ネットでも反発が相次いだ。普段は親中的な立場で知られる台湾紙・旺報は、中台の軍事衝突で米軍が介入した際、日本は「戦争関連法」に基づいて、米国を支援できると評価する台湾の識者の論評を伝えた。
 韓国各紙はこぞって1面で取り上げた。東亜日報は「日本、再び、戦争が可能な国家に」中央日報は「戦争できる日本の法案、深夜まで生みの苦しみ」。冷え込んだ日韓関係を背景に、自衛隊の活動拡大への不安を訴える論調が目立っていた。(概して米国以外は不評。「アベ」は米国しか見えてない)

《「戦争総理=安倍総理!」「戦争関連法案‐廃案!」の声・抗議行動!》
<山形市長選が証明した「安保法制反対」「野党共闘」の可能性>
「戦争法案」の参院審議が山場を迎える中、与野党推薦候補が激突した山形市長選(9月13日投開票)で、元経産省職員の佐藤孝弘候補(自民・公明・次世代・改革推薦)が、元防衛省職員の梅津庸成候補(民主・共産・社民・生活推薦)と飲食店経営の五十嵐右二候補を破って初当選した。しかし「戦争法案」反対を訴えた梅津候補は5万4596票を獲得、佐藤候補との得票差は僅か1773票だった。「梅津候補の大善戦で『戦争法案』反対の民意がはっきりと示された」ということを物語る結果となっていた。山形県は全小選挙区(一区から三区)を自民が独占し、山形市が有権者の約3分の2の「山形一区」でも去年12月、遠藤利明五輪担当大臣が次点の民主党候補をダブルスコアで破っていた。ところが9カ月後の今回の山形市長選では、与野党系候補の得票がほぼ拮抗。与党候補に対して「戦争法案」反対の逆風が吹いたことを示すもので、自民党が強い地域でも野党共闘で「戦争法案」反対を訴えれば、互角の闘いができることを山形市長選は証明したといえるのだ。しかも「戦争法案」反対の逆風(民意)は、いくつもあった梅津候補不利の要素を挽回するほど強烈なものだったと考えられる。佐藤候補が前回市長選で惜敗した後に4年間かけて市内を回っていたのに比べ、梅津候補の出馬表明は5月末。準備期間は「48カ月対3カ月半」と大きく出遅れていた。
政党支持率でも大差をつけられていた。投開票日に放送されたNHKの出口調査によると、自民支持は43で公明支持は2(自公合計で45)に対し、野党合計は23(民主支持は18、共産と社民が2、維新が1)。政党の基礎票でも2倍の違いがあったのだ。
 しかも五輪担当大臣となった遠藤利明氏(自民党県連会長)が連日のように佐藤候補と一緒に回り、中央とのパイプの太さを強調しながら企業・団体への 締め付けも徹底。
 選挙戦最終日の12日には石破茂地方創生大臣が現地入りし、佐藤候補への支持を訴えた。基礎票で大きくリードしている政権与党が”全力投球”したが「戦争法案」反対の逆風が直撃。「戦争法案」反対派の梅津候補に猛烈に追い上げられた本命・佐藤候補は、ようやく僅差で逃げ切った。これが山形市長選の実態といえるのだ。
与党系候補苦戦の理由もNHKの出口調査から読み取れた。自民支持者の2 割強が梅津候補に流れていた。
 個人演説会で佐藤候補支持を訴えた大内理加県議は「支持者から『今回は安保法案があるので佐藤さんに入れられない』と言われ た。自民支持者を固めきれていない」と嘆き、現地入りした石破氏に対しても「相手陣営が争点化しているのだから、安保法案に触れて欲しかった」と直後の演説会で不満をぶちまけたほどだった。佐藤候補本人も含め同陣営は「山形市長選と安保法制は関係がない」と一貫して訴えたが、関係は「大あり」だった。実際には安保法制問題は、自民支持者が切り崩される要因となっていたのだ。
2番目は、民主党と共産党ら四党が手を結ぶ野党共闘が実現、各党の基礎票をほぼ固めきったことだ。前回の総選挙では、山形一区に民主党と共産党が候補者を立て4万6029票と1万6577票に分散、遠藤氏(9万8508票)に大差をつけられたが、今回は両党の票が合算されて基礎票でかなり追いつくことになった。3番目は、公明党支持者(創価学会員)の動きも鈍かったようにみえることだ。先の出口調査では「自民支持者43」に対して「公明支持者は2」と20分の1以下で、数千票程度に留まったとみられる。「梅津陣は創価学会関係者に『動かないで欲しい』と働きかけていた。これが『戦争法案』に反対する学会員のサボタージュを招いたのでしょう」。(学会員の「公明党反発」は相当。瓦解するかも)
 最後は「支持政党なし」の無党派層において、梅津候補への支持が佐藤候補を上回ったことだ。これも「戦争法案」強行の安倍政権への反発の現われといえる。国会審議の潮目を変えた憲法学者の一人、小林節慶応大学名誉教は約一週間現地に滞在、教え子の梅津氏支持を呼びかけていた。
 今回の山形市長選は、来年夏の参院選や次期総選挙のモデルケースになる。「戦争法制」反対を旗印に野党共闘体制を作り「自民支持者の切り崩し」や 「公明党支持者の呼びかけ」や「無党派層への浸透」をしていけば、自公と互角の勝負ができることを実証した。小林教授提唱の「野党共闘(選挙協力)による”「護憲連立政権”誕生」の現実味が一気に増したといえるのだ。(IWJ)
(民守 正義)