「戦争法案-粉砕」から「安倍政権‐打倒へ」(39)

「戦争法案-粉砕」から「安倍政権‐打倒へ」(39)


《手続ミス満載の「強行採決(?)」から即「戦争関連法」成立》
 「戦争関連法」が19日未明、参院本会議で自民、公明両党等の賛成多数で可決・成立した。民主党など野党5党は18日、安倍内閣不信任決議案の提出等で採決に抵抗したが、自民、公明両党は否決して押し切った。
自衛隊の海外での武力行使に道を開く法案の内容が憲法違反と指摘される中、この日も全国で法案反対のデモが行われた。
 同法採決のための参院本会議は19日午前0時過ぎに開かれ、同2時に採決が始まった。同法を審議してきた17日の参院特別委員会での「強行採決(?-採決議事録、賛成人数/着席人数等記録、一切なし)」について野党側は無効を指摘したが「強行採決(?)共犯者」の鴻池特別委員長は本会議の冒頭「採決の結果、原案通り可決すべきものと決定した」と報告した。
 その後、各党が同法に賛成、反対の立場から討論。福山議員(民主)は「昨日の暴力的な強行採決は無効だ。法案が違憲かどうかは明白で、集団的自衛権の行使は戦争に参加することだ」と主張。一方「戦争法案」賛成党論に立った与党議員は「限定的な集団的自衛権の行使を可能にすることで日米同盟がより強固になり、戦争を未然に防ぎ、我が国の安全を確実なものにする」と、これまでの安倍(戦争)総理の主張と歪めたリベラル野党主張への反論を繰り返す程度に終始した。
 各党の討論後、採決が行われ自民、公明両党などが賛成し可決・成立した。
 なお「戦争関連法」の採決に至るまでは、リベラル野党は参院に中谷防衛相の問責決議案(この中谷防衛相に限っては、政府・与党も「問責」したいぐらい「ボケ答弁」の連発だったと思うがー)等を相次いで提出したが、各決議案は全て与党議員等の多数で否決された。
また民主党、維新の党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちの5党は18日、内閣不信任決議案を衆院に最終共同提案したが否決された。「戦争関連法」は「改正武力攻撃事態法」「改正周辺事態法=重要影響事態法に名称変更」等10本を一括した「平和安全法制整備法」と、自衛隊をいつでも海外に派遣できる恒久法「国際平和支援法」の2本立て。「日本の戦争行為―整備」に関するものと「世界の戦争行為―整備」に関係するものに別れる。「日本の戦争行為―整備」については、改悪武力攻撃事態法に集団的自衛権の行使要件として「存立危機事態」を新設した。日本が直接、武力攻撃を受けていなくても【日本と密接な関係にある他国が武力攻撃されて日本の存立が脅かされる明白な危険がある事態で、他に適当な手段がない場合に限り(とはいっても時の総理大臣の主観的判断)自衛隊が武力行使できるようにする。(しかも「先制攻撃-ヤカラ攻撃」も有り)また朝鮮半島有事を念頭(参議院同特別委員会「強行採決(?)」直近に出てきた仮想定)に自衛隊が米軍を後方支援するための「周辺事態法」は「重要影響事態法」に変わる。「日本周辺」という事実上の地理的制限をなくし、世界中に自衛隊を派遣できるようにした。後方支援の対象は、米軍以外の外国軍にも広げる。(要は歯止めなく何でも有り)
「世界の戦争行為―整備」では、国際社会における戦争行為―整備(平和と安全)等の目的を掲げて戦争している他国軍を、いつでも自衛隊が後方支援できるようにする。この際、これまでは自衛隊派遣の度に国会で特別措置法を作ってきたが、今後は、この国際平和支援法により「例外なき国会事前承認の義務付け」に緩和される。国連平和維持活動(PKO)協力法も改悪。PKOで実施できる業務を「駆けつけ警護」等へも拡大。自らの防衛のためだけに認められている武器使用の基準も緩める。
安倍(戦争)総理は、これで米国からのリクエスト=第3次アーミテージ・ナイレポートを、ほぼ完成させた事になる。(基本文献‐朝日新聞社/管理者編集)

<民主党-岡田克也代表「これからが本当の勝負」福山議員「再度スタート」>
 民主党-岡田代表は「戦争法案」成立後「これからが本当の勝負だ。集団的自衛権の部分は白紙に戻さなければいけない」と訴えた。また福山委員は「同法案-最終反対意見表明」で「再度スタート!」を訴えた。
本当に贔屓目なく民主党をはじめリベラル野党には「暴力的強行採決(?)」で政府・与党側に多数可決で敗北したものの「政府側の論理破綻と国民世論の圧倒的支持」等において勝利したという自負があるせいか、各「最終反対意見表明」には、どっちが勝利したのか解らないほど格調高いものがあった。ここに福山議員の「最終反対意見表明」の最終部分を紹介する。
【最後に申し上げます。】
 残念ながらこの法案は今日、採決されるかもしれない。しかし私は試合に負けても、勝負に勝ったと思います。私は国会の外と、国会の中で、これほど国民と政治が繋がった経験をしたことがありません。単なる私見ですが、奥田さんをはじめとするSEALDsに参加している若者や子供達をダッコしながら、国会の周辺に来た若い奥様達や女性や、そういった人達は、多感な中学生や高校生の時に、あの3・11の東日本大震災を経験していらっしゃいます。
例え被災地でなくても、中学や高校の多感な時期に生きることや、突然、家族や仕事や住んでいるところがなくなる人生の不条理や更には原発事故の矛盾に向き合ってきた時代が、SEALDsに参加している若者の世代です。彼らの感性はひょっとしたら我々の時代とは違っているかもしれない。僕は、この国の民主主義に、彼らの感性に可能性を感じています。
どうか国民の皆さん、諦めないでください。闘いは、ここから再度スタートします!!
立憲主義と、平和主義と、民主主義をとりもどす闘いは、ここからスタートします。
選挙での多数派等は、一過性のものです。国民の気持ちをどうか、ずっと、ずっと、矛盾した、このおかしな法案に怒りの気持ちを、なんとかしたい気持ちを持ち続けていただいて、どうか、どうか、闘いをもう一度、始めていただきたいと思います。私達も皆さんの気持ちを、しっかり受け止めて闘い続けること、そして安倍政権を、なんとしても打倒していくために頑張ることを、お誓い申し上げて、私の反対討論とさせていただきます。

<国会前デモ、「法案反対」から「選挙に行こう」に>
 「戦争法案」成立後の国会前には、午前3時頃になっても「戦争法制」に反対する人々が集まっていた。印象的だったのは、採決が行われる前まで「法案反対」と呼びかけられていた声が「法案撤回」「選挙に行こう」といった言葉に変わったことだ。国会周辺には本会議場の様子を常にタブレットやスマートフォン等で見守りながらの抗議活動が続いていた。投票が始まった途端、自然と抗議の声は収まり、議場内の様子を全員が静かに見守った。そして議長が法案可決したことを伝えると、再び国会前では声が上がり始めた。18日の夕方頃に比べると大分、参加者の数は減ったが、むしろ国会に向けられる声は大きくなっているような印象さえ受ける。参加していた 40代の男性は「若い人達の姿を見てこの場所に来た。これまで遠かったと思っていた政治が近くなった実感もある。今日が終わりではなく、新たな出発です」と話をしてくれた。

<違憲訴訟、年内にも=原告1万人目指す―安保法制、法廷闘争へ>
19日未明に成立した「戦争関連法」に対し、三重県松阪市長らが結成した市民団体が集団違憲訴訟を起こす準備を進めている。市長は「国民全体の訴訟として、裁判の場で闘いたい」と、賛同する地方議員らと1万人規模の原告団を目指して参加者を募っており、早ければ年内にも提訴する。松阪市の山中光茂市長は昨年7月、集団的自衛権行使容認の閣議決定を受け、違憲訴訟に向けて市民団体を結成。これまでに1千人を超える会員が集まったという。
弁護団長には、今年6月の衆院憲法審査会で「違憲法案」と指摘した憲法学者の小林節慶応大名誉教授が就き、20人以上の弁護士が参加する予定だ。ただ日本の裁判制度では法律の違憲性だけを問うことはできず、審理対象となるには、具体的に原告の権利が侵害されたり、損害が生じたりしている必要がある。集団的自衛権の閣議決定を巡っても、いくつか無効確認訴訟が起こされたが、いずれも不適法として却下された。一方、各地で起こされた自衛隊イラク派遣差し止め訴訟では、訴えを却下する判決が相次ぐ中、名古屋高裁が2008年「派遣は違憲」との判断を示したこともあった。あるベテラン裁判官は「訴訟が起こされたら裁判所は真剣に受け止め考える。近年ないほどに重い事案となる」と話す。
 ただ別の裁判官は「司法が国の進む方向を決めていいのか。選挙で選ばれた国会議員が決めたことで裁判官は選挙を経ていない。間違いと思うなら、政権交代させるべきだ」と述べている。

《「戦争総理=安倍総理!」「戦争関連法案‐廃案!」の声・抗議行動!》
<安倍親衛隊フジテレビが御用記者・田崎と結託してSEALDsを騙し討ち!>
9月9日フジテレビの『みんなのニュース』にSEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)の中心メンバーA氏が生出演し大きな話題を呼んだ。だが放送後は彼の足を引っ張ろうとするネトウヨ達が「Aが論破された!」と拡散、ネットメディアも「SEALDsメンバー、慣れないTV出演で苦戦? ベテラン政治記者の「切り返し」にタジタジ」(J-CASTニュース)等、それに追随するような報道を行った。
しかし社のトップが安倍(戦争)総理のゴルフ仲間だという“御用メディア”のフジテレビに堂々と出演する点だけでも本サイトはA氏の度胸と勇気を買いたい。いや、そればかりかA氏はフジテレビに“嵌められた”とさえ言っていい。というのも、番組出演後にA氏は個人のTwitterで、このように呟いていたからだ。〈田崎さんに解説してほしいけど、1人だと偏っているように見えるから、Aくん呼びましたとのこと。力不足ですみません。〉この「田崎さん」とは、その日A氏と共にゲスト出演していた時事通信社特別解説委員の田崎史郎氏のこと。フジテレビは田崎氏の単独出演で考えていたが、それだと偏るからとA氏に出演をもちかけたというわけだ。
 いくら反対デモの中心メンバーとはいえ、A氏はまだ学生である。その学生に対して「特別解説委員」等と大層な肩書きを掲げた人物と対抗させようとは、フジの底意地の悪さが透けて見えるようだ。だいたい、この田崎氏にしても安倍(戦争)総理と、しょっちゅう料亭やら高級寿司店等で会食を繰り返す“御用ジャーナリスト”。フジは田崎氏と結託して、学生デモの首謀者に赤恥をかかせてやろう、そんなふうに目論んでいたのではないかとさえ思えてくる。だが実はA氏は「タジタジ」したどころか、田崎氏の不見識、御用っぷりを見事にあぶり出していた。先ずA氏は、与党が行う集団的自衛権の説明が「個別的自衛権で対応可能」な話でしかないことを突き、国会が始まる以前に安倍(戦争)総理が米議会で演説し、勝手に約束してきたこと、更に自衛隊トッ プ・河野克俊統合幕僚長が昨年末に米軍へ「戦争法制」の成立を「来年夏までに」と伝えていたとする内部資料にも踏み込み、自衛隊と米軍が既に合同演習を始めている点等を挙げて「きちんと説明できていない」「この法案にもプロセスにも反対している」と述べた。実に真っ当な反対意見である。これを受けて司会の伊藤利尋アナウンサーは「与党サイド、政府サイド、当然、反論があるかと思いますよね」と言い、田崎氏に振る。すると田崎氏は、こんな話を始めた。「確かに米議会の演説の中で安倍(戦争)総理は触れられているんですけれども、その前から、ずっと言われていることなんです。議会演説だけを聞くと目立ちますけど、決してそうではない」
 いや、A氏が問題にしているのは、国民の同意もなく勝手に安倍(戦争)総理が米議会で明言してきたことであって、田崎氏の反論は単に話を矮小化しているだけだ。加えて国民に向けても、まともに説明もできず、それに納得ができないから今、世論調査でも60%を超える国民が、この法案に「反対」してい るのだが。さらに田崎氏は「集団的自衛権を行使しないと、日本は守れないという局面もあるというのが政府の解釈なのですね」と述べたが、これはA氏の 「個別的自衛権で対応可能」の反論に何もなっていない。
 しかも「『戦争法制』は11法案からなるが、それが解りづらい」という話題になると、田崎氏は「非常に解りづらいですねえ。僕も一生懸命勉強した方なんですけど、説明も聞いたんですけど、それでもわからない。存立危機事態と重要要求事態の区別がいまだにつかない」(発言ママ)と言う。すなわち、このジャーナリストは解ってもいないものを賛成しているのである。一方、A氏は具体的に「戦争法制」の不備を挙げ「例えば新3要件の内、2要件と3要件について法案上に明記されていない」と指摘。「法案自体のクオリティの低さが目立ってきている」と問題点を提示したが、これを伊藤アナはスルーして次の話題へ移った。
 しかし問題はこの後。伊藤アナは過去にも安保の議論の度にデモが起こってきたことを紹介し、こう話しはじめたのだ。「こういう法案に、こういうこと(デモ)が起きるというところ、田崎さんは、こういう指摘です。(フリップボードの紙をめくり)“安全保障”がテーマになると、これに違和感をもつ国民が多いのではないかという」そしてフリップボードには田崎氏の指摘だという「“安全保障”に違和感」という文言が現れ、田崎氏はスラスラと持論を展開した。これが何を意味するかというと、事前に番組側は田崎氏と打ち合わせを行い、その意見を進行用のフリップボードに落としこんでいたということだ。確かにテレビ番組の制作では、そういうことはよくある。だが問題はA氏には、その内容を知らされていなかったという事実だろう。彼のTwitterにはこんな投稿がある。〈ていうかフリップの中身知らなかったのが痛かった。なんかおかしいと思ったけど。あーいうものなんかな。〉田崎氏とはフリップをつくるくらいに、たっぷり打ち合わせをする一方でA氏には中身を一切教えず、ぶっつけ本番で反論させる。これでは全くフェアじゃないし端的に言ってズルすぎる。
 そんなアンフェアな状況で、それでもA氏は孤軍奮闘する。中でも伊藤アナが“デモより国政選挙による意思表示の方が、より直接的では?”と投げかけ、過去3回の選挙で自民党が圧勝していると強調、そこに田崎氏が乗っかって「とりわけ重要なのは昨年暮れの衆院選挙で(自民党は)比例代表で1765万票とっているんですね。これ、集団的自衛権の行使にかんする憲法解釈の変更の閣議決定は、去年の7月1日に行っているのです。それを前提にして皆さん投票しているわけですね」と畳みかけてきた際には、A氏は毅然とこう反駁した。
「前回の選挙はアベノミクス選挙と言われて、アベノミクスが争点だと首相自身が言っていたと。で、そういった中で最低の投票率だったわけじゃないですか。本当に、なんで前回の選挙のときに集団的自衛権や、集団的自衛権だけじゃないですよね。今回の11法案、全ての内容に関して(選挙の)争点になっていましたか?こんなこと皆さん、テレビでも取り上げていましたか?選挙のときに」
 これは多くの国民が不信感を抱いている大きな問題であり、ごく当然の反論だ。だがA氏がそう話すと、すかさず田崎氏が「相当、取り上げていましたよ」と口を挟んだ。この田崎氏の反応は、昨年末の総選挙開票時の安倍(戦争)総理を見ているかのようだ。安倍(戦争)総理もテレビ東京の『池上彰の総選挙ライブ』に中継で出演した際、池上彰氏に「今回の選挙でアベノミクスのことは随分、お訴えになったんですけど集団的自衛権の憲法解釈、こういうことをあまり仰っていなかったと思うんですけど」とツッコまれるや否や「そんなことありません!」とキレていた。だいたいA氏が指摘したように、安倍(戦争)総理はアベノミクス選挙を掲げていたくせに、選挙中に出演した『NEWS23』(TBS系)ではアベノミクスの景気回復を実感するかと尋ねた街頭インタビューにブチ切れ、キー局各社に文書で報道圧力をかけた。それ故、アベノミクスさえ論点に上げることをテレビ局は気を遣っていたのに、集団的自衛権の話なんてできるわけがない。実際、選挙時に殆どのテレビ番組は「安全保障」問題を取り上げていなかった。田崎氏は、よくも「相当、取り上げていましたよ」なんて言えたものだと呆気にとられるが、それにしても恥ずかしすぎるのはフジテレビだ。
 実は、この放送と同じ日、BSフジの『BSフジLIVE プライムニュース』にも、SEALDsのメンバーで大学院生のB氏が「安保関連法案に反対するママの会」の発起人であるC子氏とともに生出演。こちらは自民党安全保障調査会副会長の武見敬三参議院議員が賛成派として出演したが、反町理・フジテレビ報道局政治部編集委員はB氏とC氏の話にガンガン割り込み 「特定政党とのつながりは?」「資金源は?」と馴れ馴れしい口調でしつこく訊く一方、武見議員の長い話は遮らず黙って拝聴するという見苦しい司会ぶりだった。因みに、この生放送の前日、国会で派遣法改悪案の審議打ち切りになった際、泣き出した傍聴人に対して「早く出せ」と暴言を吐いた一人が、この武見議員といわれている。学生デモに難癖をつける前に、その暴言を問い質す方が先ではないだろうか。(それはヒドイ!「武見」がハケンを泣かした!)このようにジャーナリストや政治家としての資質を疑われる人物を相手に、かつ不平等な環境で対決させられたにも関らず、きちんと「戦争法制」の穴を生放送で突きつけたA氏とB氏には拍手を送りたい。(管理者編集:民守 正義)