「戦争法案-粉砕」から「安倍政権‐打倒へ」(29)
「戦争法案-粉砕」から「安倍政権‐打倒へ」(29)
《「戦争法案-廃案!」と「安陪内閣打倒!」を目指して!》
<河野統合幕僚長が、勝手に米軍高官と「E-2D、グローバルホークの導入決定」を明言(9/4)>
参議院平和安全法制特別委員会において、9月2日に仁比委員(共産党)が「河野統合幕僚長が昨年12月(総選挙直後)に訪米し、米軍幹部に『戦争法案』が2015年夏までに成立するとの見通しを伝えていた」事を示す防衛省内部資料文書を暴露した事に絡めて、本日(9/4)質問に立った蓮舫委員は更に「河野統合幕僚長がE-2D、グローバルホークの導入を決定した」と米軍高官に伝えていたことを暴露し追及した。蓮舫委員は「国会での予算審議すら始まっていなかったにも関わらず購入を導入決定と事前に通知していたことは財政民主主義の否定ではないか」と中谷防衛相に問い詰めたが、中谷防衛相は終始、不明瞭な答弁(名物!中谷ボケ答弁)を繰り返し審議が度々、中断、約30分審議が後れた。
<昭和47年「政府見解」には二つあった!(9/4)>
同特別委員会において質問に立った小西委員(民主)は先ず、かつての山口最高裁長官や吉国内閣法制局元長官が「砂川判決を根拠にした安倍内閣の集団的自衛権行使容認」について「明らかに否定されるべき結論だ」と述べていることについて政府見解を求めたが、菅官房長官・中谷防衛相・横畠内閣法制局長官とも「今は一民間人の発言に政府がコメントする立場にない」と答弁拒否をした。更に小西委員は「昭和47年『政府見解』には、全く同日付で「防衛庁長官名で『集団的自衛権は認められない』という全くの真逆の『政府見解』が出されている(現物提示)。それが何故、安倍内閣の下で「限定的な集団的自衛権行使容認」だけが採用されたのか?これこそ憲法違反の証拠であり安倍内閣の憲法クーデターだ!」と厳しく指摘した。
小西委員は既に、この矛盾問題点について既に提示されている政府の「言訳見解」に対する反論論文を「小西HP」に掲載されていることを紹介しつつ「解釈改憲は断固、許されない」と叱りつける様に問題指摘した。
<仁比委員(共産党)が暴露した「防衛省内部資料文書(河野統合幕僚長訪米禄)」その存否・内容等について、何ら調査していない。(9/4)>
同特別委員会において井上委員(共産党)は9月2日に仁比委員(共産党)が「河野統合幕僚長が昨年12月(総選挙直後)に訪米し、米軍幹部に『戦争法案』が2015年夏までに成立するとの見通しを伝えていた」事等を示す防衛省内部資料文書について、防衛省として調査状況を質問した。それに対し中谷防衛相は「本当に防衛省が作成したものか、どうかも含めて調査中。仮に一定、調査で判明しても米国の了解問題もあり明らかにできるかどうかも今は答えられない」と後ろ向き発言に終始した。結局、井上委員は改めて「河野統合幕僚長の参考人招致」を求めた。
<「密接な関係にある他国」とは、要は何でも有り(9/4)>
同特別委員会において吉田委員(社民)は「『集団的自衛権行使容認』する我が国と『密接な関係にある他国』とは具体的にどのような要件を具備しているものか」を質したところ岸田外務相は「予め指定できるものでなく、個別に総合的に判断するもの」「条約・協定等の関係も必要ない」と答え、要は「密接な関係にある他国」とは何でも有りが明らかになった。
《「戦争総理=安倍総理!」「戦争関連法案‐廃案!」の声・抗議行動!》
<「戦争法制」賛成派に慶応大-小林教授が一刀両断(日刊ゲンダイ)>
「戦争法制」賛成派が、国民の反対運動に慌てたのか、右翼・保守団体=日本会議に所属するジャーナリストの桜井よしこ氏らが呼びかけ人となり「戦争法制」を支持する大学教授らが13日、「平和安全法制の早期成立を求める国民フォーラム」を設立。声明文を発表した。
呼びかけ人は計30人で、桜井氏の他に憲法学者の駒大-西名誉教授、杏林大-田久保名誉教授ら、安倍シンパのメンメンが名を連ねた。賛同者は名目3百人超だが、元制服組(サクラ)が目立つ程度で、有名人は一握りもいなかった。2百人以上の憲法学者、全国52の弁護士会が「違憲」と判断した事を考えると、数の迫力では見劣りするものだった。(管理者:何もしない方がマシなぐらい)
声明文には〈今、わが国周辺の安全保障環境は激変しつつある〉とある。〈(オバマ政権が)一昨年九月に『米国はもはや世界の警察ではない』〉と宣言した事をきっかけに、中国が南シナ海の岩礁埋め立てや東シナ海のガス田敷設に乗り出している現状が書かれていた。桜井氏は冒頭の挨拶でこう話した。「一部のメディアや野党議員は、安保法制を『戦争法案』と呼んで煽り立て『徴兵制に行きつく』等と根拠のない事を言っている。このような感情的な議論は異常です。安保法制は戦争を抑止し、平和を実現するために必要なのです」(管理者:「戦争法案」の方が的確で国民に解り易い。国民優先で解り易い「戦争法案」とする)
これをバッサリ切り捨てたのが慶大-小林名誉教授だ。「中国の軍事力が膨張しているのは事実です。だとしたら自衛隊を海外派兵するより、専守防衛で自国の周りを固めることが重要なのではないですか。違うというなら、堂々と議論して憲法を改正すればいい。そうすれば自衛隊も堂々と活動ができるんじゃないですか。国民は権力を監視する必要があるのです。その権力者が勝手をやろうとしているから、学者は心配しているんです。他に手段がない、必要最小限度だとしてホルムズ海峡にまで機雷掃海に行くんでしょ? こんな雑で、ぶっ飛んだ解釈ができるなら、現行憲法では有り得ない徴兵制についても公共のため、国の存立のために必要だと言い出しかねない。時の権力者が勝手に何でもできるのであれば、それは専制政治です。実際、与党は数の力で法案を通した。法的安定性を軽視している。これは『戦争法案』だと心配の声が上がるのは当然です」
賛成派の主張は到底、納得できない。
(さすが小林教授だ!「桜井」も捏造反論ばかりせずマジメに勉強しろ!/管理者一部編集)
《「戦争法案-廃案!」と「安陪内閣打倒!」を目指して!》
<河野統合幕僚長が、勝手に米軍高官と「E-2D、グローバルホークの導入決定」を明言(9/4)>
参議院平和安全法制特別委員会において、9月2日に仁比委員(共産党)が「河野統合幕僚長が昨年12月(総選挙直後)に訪米し、米軍幹部に『戦争法案』が2015年夏までに成立するとの見通しを伝えていた」事を示す防衛省内部資料文書を暴露した事に絡めて、本日(9/4)質問に立った蓮舫委員は更に「河野統合幕僚長がE-2D、グローバルホークの導入を決定した」と米軍高官に伝えていたことを暴露し追及した。蓮舫委員は「国会での予算審議すら始まっていなかったにも関わらず購入を導入決定と事前に通知していたことは財政民主主義の否定ではないか」と中谷防衛相に問い詰めたが、中谷防衛相は終始、不明瞭な答弁(名物!中谷ボケ答弁)を繰り返し審議が度々、中断、約30分審議が後れた。
<昭和47年「政府見解」には二つあった!(9/4)>
同特別委員会において質問に立った小西委員(民主)は先ず、かつての山口最高裁長官や吉国内閣法制局元長官が「砂川判決を根拠にした安倍内閣の集団的自衛権行使容認」について「明らかに否定されるべき結論だ」と述べていることについて政府見解を求めたが、菅官房長官・中谷防衛相・横畠内閣法制局長官とも「今は一民間人の発言に政府がコメントする立場にない」と答弁拒否をした。更に小西委員は「昭和47年『政府見解』には、全く同日付で「防衛庁長官名で『集団的自衛権は認められない』という全くの真逆の『政府見解』が出されている(現物提示)。それが何故、安倍内閣の下で「限定的な集団的自衛権行使容認」だけが採用されたのか?これこそ憲法違反の証拠であり安倍内閣の憲法クーデターだ!」と厳しく指摘した。
小西委員は既に、この矛盾問題点について既に提示されている政府の「言訳見解」に対する反論論文を「小西HP」に掲載されていることを紹介しつつ「解釈改憲は断固、許されない」と叱りつける様に問題指摘した。
<仁比委員(共産党)が暴露した「防衛省内部資料文書(河野統合幕僚長訪米禄)」その存否・内容等について、何ら調査していない。(9/4)>
同特別委員会において井上委員(共産党)は9月2日に仁比委員(共産党)が「河野統合幕僚長が昨年12月(総選挙直後)に訪米し、米軍幹部に『戦争法案』が2015年夏までに成立するとの見通しを伝えていた」事等を示す防衛省内部資料文書について、防衛省として調査状況を質問した。それに対し中谷防衛相は「本当に防衛省が作成したものか、どうかも含めて調査中。仮に一定、調査で判明しても米国の了解問題もあり明らかにできるかどうかも今は答えられない」と後ろ向き発言に終始した。結局、井上委員は改めて「河野統合幕僚長の参考人招致」を求めた。
<「密接な関係にある他国」とは、要は何でも有り(9/4)>
同特別委員会において吉田委員(社民)は「『集団的自衛権行使容認』する我が国と『密接な関係にある他国』とは具体的にどのような要件を具備しているものか」を質したところ岸田外務相は「予め指定できるものでなく、個別に総合的に判断するもの」「条約・協定等の関係も必要ない」と答え、要は「密接な関係にある他国」とは何でも有りが明らかになった。
《「戦争総理=安倍総理!」「戦争関連法案‐廃案!」の声・抗議行動!》
<「戦争法制」賛成派に慶応大-小林教授が一刀両断(日刊ゲンダイ)>
「戦争法制」賛成派が、国民の反対運動に慌てたのか、右翼・保守団体=日本会議に所属するジャーナリストの桜井よしこ氏らが呼びかけ人となり「戦争法制」を支持する大学教授らが13日、「平和安全法制の早期成立を求める国民フォーラム」を設立。声明文を発表した。
呼びかけ人は計30人で、桜井氏の他に憲法学者の駒大-西名誉教授、杏林大-田久保名誉教授ら、安倍シンパのメンメンが名を連ねた。賛同者は名目3百人超だが、元制服組(サクラ)が目立つ程度で、有名人は一握りもいなかった。2百人以上の憲法学者、全国52の弁護士会が「違憲」と判断した事を考えると、数の迫力では見劣りするものだった。(管理者:何もしない方がマシなぐらい)
声明文には〈今、わが国周辺の安全保障環境は激変しつつある〉とある。〈(オバマ政権が)一昨年九月に『米国はもはや世界の警察ではない』〉と宣言した事をきっかけに、中国が南シナ海の岩礁埋め立てや東シナ海のガス田敷設に乗り出している現状が書かれていた。桜井氏は冒頭の挨拶でこう話した。「一部のメディアや野党議員は、安保法制を『戦争法案』と呼んで煽り立て『徴兵制に行きつく』等と根拠のない事を言っている。このような感情的な議論は異常です。安保法制は戦争を抑止し、平和を実現するために必要なのです」(管理者:「戦争法案」の方が的確で国民に解り易い。国民優先で解り易い「戦争法案」とする)
これをバッサリ切り捨てたのが慶大-小林名誉教授だ。「中国の軍事力が膨張しているのは事実です。だとしたら自衛隊を海外派兵するより、専守防衛で自国の周りを固めることが重要なのではないですか。違うというなら、堂々と議論して憲法を改正すればいい。そうすれば自衛隊も堂々と活動ができるんじゃないですか。国民は権力を監視する必要があるのです。その権力者が勝手をやろうとしているから、学者は心配しているんです。他に手段がない、必要最小限度だとしてホルムズ海峡にまで機雷掃海に行くんでしょ? こんな雑で、ぶっ飛んだ解釈ができるなら、現行憲法では有り得ない徴兵制についても公共のため、国の存立のために必要だと言い出しかねない。時の権力者が勝手に何でもできるのであれば、それは専制政治です。実際、与党は数の力で法案を通した。法的安定性を軽視している。これは『戦争法案』だと心配の声が上がるのは当然です」
賛成派の主張は到底、納得できない。
(さすが小林教授だ!「桜井」も捏造反論ばかりせずマジメに勉強しろ!/管理者一部編集)
<山崎拓氏「自民は戦前の大政翼賛会的」>
「今を戦前にしないために~戦後70年記念シンポジウム」(日本弁護士連合会主催)が8日、東京弁護士会館であった。東京大-加藤教授(日本史学)が「今だからこそ問う~日本はなぜ戦争を止める事ができなかったのか」と題した講演で、戦前の歴史と現在を比較して学ぶ事の大切さを語った。約350人が参加した。講演に続く座談会で山崎拓・元自民党副総裁が「かつてのような活発な議論はなく自民党は戦前の大政翼賛会的になっている」と指摘。「戦争関連法案」に触れて「国策を誤ることになる」と述べた。九州大-南野教授(憲法)は「憲法を変えずに自衛隊のあり方を根本から変えるような差し迫った状況があるとは思えない」と語った。加藤教授は「戦争中に軍部が秘密を独占し、国は存亡の危機に陥った。憲法9条が軍という秘密を管理する集団を生まないという決意でできた。その事の意味を考えてほしい」と述べた。
〔憲法と安保政策/本末転倒ぶりを浮き彫り〕
「戦争関連法案」を巡って、自民党所属議員の放言が止まらない。政府関係者が憲法軽視的な暴言を繰り出せば若手も基本的人権への無理解ぶりをさらけ出す。参院での法案審議にも影響を与えている。「法的安定性は関係ない。わが国を守るために必要かどうかを気にしないといけない」。「戦争法制」の調整役、礒崎陽輔首相補佐官が講演で述べた「持論」である。
「『戦争に行きたくない』という自分中心、極端な利己的な考えに基づく」。
武藤衆院議員はツイッターで法案に反対する若者のデモをこき下ろす。撤回意思はないといい、明らかな確信的持論である。憲法の上に「戦争関連法」を置いて、臆面もなく憲法を軽んじる姿勢を鮮明にした。本末転倒と言わざるを得ない。礒崎補佐官は参院平和安全法制特別委員会に参考人として出席、発言を撤回し陳謝した。ただ、これまで同様の見解を示しており「戦争政策」を憲法に優先する考え方は本音と受け止めるべきだろう。
安倍(戦争)総理は電話による「注意」に留め(管理者:それもアヤシイ)、野党の更迭要求を突っぱねた。礒崎補佐官個人の失態とばかりは言えない。自民党幹部らは時に「憲法守って国滅ぶ」といった表現で護憲派を批判してきた。安保優先は党内世論にも見えてしまう。憲法改悪は党是。現憲法との間合いの取り方で稚拙さを露呈したという事でもあろうか。
憲法を守っているだけでは安全を保てない。外交力を駆使し、人的交流、物品の交易促進を通じて、友好・信頼関係の強化を図る必要がある。一定の軍事的備えも要る。ただ、それも憲法の許す範囲でが前提だ。憲法は国の有り様を定める最高法規だからだ。現実にそぐわないのであれば、改正に向けて民意を問えばいいではないか。一般法は憲法との整合性を図り逸脱は許されない。都合の良い解釈で自在に制定しては、法律の安定性は根底から失われ、その無視は立憲主義を放棄するに等しい。憲法すら守れない国は滅んだも同然。先進国の資格はない。安倍(戦争)総理は解釈を変更し、集団的自衛権行使容認に踏み切った。憲法改悪を飛び越え制約の突破を図った。前提の新3要件は曖昧で、法運用を巡る政府の裁量幅は広い。解釈変更の根拠にも疑義があり、憲法学者らの大半は違憲との判断を示す。礒崎補佐官の発言は、無理筋の手続きに突き進む政権の憲法観を象徴的に映し出したと言えまいか。安倍(戦争)総理は徴兵制について憲法違反と言明した。前時代的な国家観と人権の軽視ぶりを示す武藤議員の発言は、安倍(戦争)総理答弁にも抵触しかねない。
安保環境の変化に無関心ではいけない。それでも法案を通すため敵対国の名を挙げ、必要性を訴える手法は賢明なのか。対立を煽り危機を高める事に繋がっては、何のための法制定なのかとなろう。ここにも本末転倒的な姿勢の危うさが覗く。遅くはない。憲法の枠内で状況の変化に見合った法整備へ、法案の再検討を含めた根本からの議論を望みたい。
(河北新報/管理者:一部編集)
<マンガ家達がマンガで伝える反戦メッセージ/水木しげる、山上たつひこ達>
安倍(戦争)総理による「戦後70年談話」に因んで、マンガ界から明快な“戦争NO!”の声があげられた。「ビッグコミックオリジナル 戦後70周年増刊号」である。掲載されているのは、描きおろしと再掲を合わせた16作品。どれも「戦争」を題材にした粒揃いの名作ばかりで、第一級のマンガアンソロジーとなっている。執筆陣は水木しげる、松本零士、花輪和一、滝田ゆう、山上たつひこ、そして絵本作家の大家・井上洋介と、そうそうたる面子。更に、これら大御所の名前に、浅野いにお、さそうあきら、三島衛里子といった現代マンガシーンを牽引する注目作家が並置されているというのも、なかなか、お目にかかれない光景 だ。
本企画の目玉は何といっても、水木しげるの描きおろし「人間玉」だろう。本作は、水木自身の戦争体験を題材としたもの。舞台はラバウル島に向かう輸送船、水木二等兵を含む兵隊達は「ドレイ船以下」の状態で船底に押し込まれている。ここで敵襲の号令が鳴る。
甲板へ出るには、一本の縄ばしごで上がるしかない。死に物狂いで縄に摑まろうとする幾百人もの若い兵。人間に人間がしがみつき結局、身動きがとれなくなって、まるで巨大な玉となってしまう。その中ほどにいる水木は応戦の前に危うく窒息死しそうになるが……。本作について水木は、次のようなコメントを寄せている。〈この船に乗っている時は「死」とか「無」に向かっていくような気持ちだった。だから誰も先の事は考えないようにしていたネ。間もなく、この演習のような、そういう「死」を迎える状態がくるんだな、と思っていた。「ストップ人間玉!」だ。〉しかし一方で、解説の中条省平氏も言うとおり、極限状況を描きながらも、どこかユーモラスな点を残していて、その感覚がマンガとしての風格を、より醸し出している。まさに天才・水木しげるの衰えない才能を感じさせる一作だ。
これに対して不条理ギャグ漫画『がきデカ』で知られる山上たつひこの『光る風』は徹底的にシリアスを追求した傑作である。本作は1970年に描かれた著者渾身のディストピアSF。
今回再掲されているのは、その一エピソードであるが、これが強烈。軍部と警察が肥大化した管理社会に、四肢切断の状態で戦場から帰還した軍国主義者がどのような末路を辿るのか……。正直、断片の一話なので物語の全体像は(呉智英氏の解説原稿を読まなければ)皆目わからないのだが、この圧倒的な描写に触れたら全編通して読みたくなるのは間違いない。筆者も最近、復刊された愛蔵版を速攻ポチってしまった。作家によって「戦争」への視点は様々。中でも現代的な感覚を糧にアプローチしている作品が多くて興味深い。
例えば、さそうあきら「菜々子戦記」は、現代に生きる「おバカちゃん」の女子高生が、家族の歴史を通じて戦争という過去への意識に目覚める話。聞きかじりで韓国の悪口を言っていたら、隣にいた親友が実は在日韓国人だったという件が何とも示唆的である。また突飛だが実際、有り得なくもなさそうなのが、あまやゆうき+吉田史朗「僕はあの歌が思い出せない」。日本が、どこかの国と戦争をしている近未来、自称アーティストのオタク青年がネットに投稿した動画が、いつのまにか戦意昂揚プロパガンダに利用され、影響を受けた若者が特攻で死にまくっている。しかしつくった当の本人は自分が加担した事に無自覚なまま。日常パートと戦場パートのタッチの違いがより皮肉さを増す力作だ。その他スマホが物語の鍵となる浅野いにお「きのこたけのこ」や、高橋しんによる『最終兵器彼女』のスピンオフ「LOVE STORY, KILLED」等も極めてアクチュアルな戦争マンガになっている。
これらを比べながら一度に読めるというのも、この企画ならではの体験だろう。さて、このようにヴァラエティに富んだ作品群を堪能した後、改めて気付かされるのは、戦争の悲惨にずっと立ち向かってきたマンガという文化の豊穣さだ。実は本号には、それを読者に意識させるような仕掛けがほどこされている。それは巻頭ピンナップ。表紙をめくると、先ず目に飛び込んでくるのは画家・藤田嗣治の「アッツ島玉砕」という戦争画。無数の兵士が画面を埋めつくす凄惨な殺し合いを描いた一枚だ。
そして、その裏面には戦争×マンガの歴史を俯瞰するようなコラージュ。『アドルフに告ぐ』『はだしのゲン』『気分はもう戦争』など歴史に残る名作戦争マンガのコマ・台詞が、かなりポップな調子で配置されているのだ。この表裏のコントラストには、とても文面では伝えきれない感動があるので、ぜひ実際にご覧頂きたいと思う。編集後記によると「戦後70年談話」に軽くぶち当てるくらいの気持ちで始まったこの企画は、事態の進展を受けて、どんどん「緊張感をはらんだ物」になっていったそうだ。
〈漫画家は、やはり自由の民です。本能的にお上の胡散臭さを嗅ぎ分けてますし、自分の生死は自分の戦場で決めたいと考えています。だから、この増刊は時代のカナリアかもしれません。〉マンガ評論家の南信長氏が本号への寄稿文で述べているように「今や日本が世界に誇る文化となったマンガ。その発展は、戦後70年間、まがりなりにも続いた平和のおかげに他ならない」。これだけは断言できる。
日本が─コンテンツ立国を謳う、この国がすべきことは、平和を守り続ける事であって、絶対に戦争ではないのだ。(リテラ)
(民守 正義)
《ガイド》
【拡散希望】SADL主催デモ情報「戦争法案に反対する関西大行動」
月日: 9月13日(日)/集合:16:00/場所: 大阪 うつぼ公園
*安倍(戦争)総理は9月14日にも参議院特別委員会での「強行採決」を仄めかしています。(8月31日:自民党幹部会議)「戦争法案」に反対する全ての人に呼びかけます。
〔署名案内〕
【署名活動】安倍内閣を憲法違反で訴えよ(AVAAZ.orgコミュニティ署名)
https://secure.avaaz.org/jp/petition/petition_5384b840a7a7a/?fdTAPhb&pv=36
【署名活動】集団的自衛権の行使等を容認する閣議決定を撤回し関連法律の改正等を行わないことを強く求める請願署名のお願い(日本弁護士連合会)
http://www.nichibenren.or.jp/news/year/2014/141215.html
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