「戦争法案-反対」の蠢き(36)

「戦争法案-反対」の蠢き(36)

《「戦争総理=安倍総理!」「戦争関連法案‐廃案!」の声・抗議行動!》
<ヤジを「自席発言」に言い換え-NHKの露骨な“安倍チャンネル”>
「まあ、いいじゃん。そういうことは」安倍(戦争)総理が今月21日、国会審議で中谷防衛相に詰め寄る蓮舫議員に対し、またしてもお得意のヤジを飛ばした。いかに安倍(戦争)総理が真面目に審議をやるつもりがないのが如実に現れた発言であり、見過ごすことのできないものだが今度は、こうした安倍(戦争)総理のヤジをNHKが「自席発言」と表現したことが大きな問題となっている。
自分の席から声を発したから「自席発言」。ものは言いようだが、これはSMAPの稲垣吾郎が逮捕されたときにマスコミが連呼した「稲垣メンバー」のようなもので、ある意味、滑稽ささえ漂っている。こうしたNHKの露骨な安倍政権へのすり寄りは、どんどんと拍車がかかっている。7月15日、衆議院での「戦争法制」強行採決を中継しなかった事には大ブーイングが飛んだが、その後も「法的安定性は関係ない」発言が問題となり、国民から大きな関心が寄せられていた礒崎補佐官の国会招致もNHKは中継なし。
更に安倍(戦争)総理が戦後70年談話を発表した今月14日の『ニュース7』では、安倍(戦争)総理に最も近い記者といわれる岩田明子記者が談話を大肯定し、解説という名の“安倍首相の代弁”を繰り広げた。その上、当日の深夜に放送された『解説スタジアム』でも、日本の指針に影響を与えた出来事は何かと問われ、安倍(戦争)総理の「米国での議会演説」と回答。この無批判なヨイショぶりには、ネット上でも「岩田記者は自民党から出馬するつもりなのでは?」という意見が溢れた。
すっかり「アベチャンネル」に成り下がったNHKへの国民の怒りは、ついに行動に移されている。先月に続き今月25日にもNHK前ではNHKの報道を批判するデモが開催され、1千人もの人々が「自主自立を取り戻せ」「政権の広報やめろ」とNHKに声をあげたのだ。
この日、マイクを握った元NHKプロデューサーで現在、武蔵大学-永田教授は、70年談話を発表した当日、安倍(戦争)総理が『ニュースウオッチ9』に生出演した事を、このように批判した。「42分間、厳しい質問もない訳ではありませんでしたが、安倍総理の言いたい放題でした。あの人がスタジオでコミュニケーションがとれないなんていうのは誰でも知っている事です。それでもやらせたのです。安倍さんに、ただただ奉仕する、それが今のNHKニュースです」NHKの“安倍サマ奉仕放送局化”に対する異議の声は、ジャーナリストの間でも高まっている。その一人が『報道特集』キャスターでTBS執行役員でもある金平茂紀氏である。金平氏は現在発売中の雑誌「創」での鼎談で今年6月23日の慰霊の日に沖縄全戦没者追悼式で安倍(戦争)総理にあがったヤジを“NHK問題”の一例に挙げている。あのヤジを現場で聞いた金平氏は「これはニュースだ」と思ったという。「あそこまで『帰れ』という声が沸き上がる事はなかった」からだ。事実、現場ではAFP(フランス通信社)の記者は「これは大変な事だ」と話し「AP通信とかAFPとかBBC(英国放送協会)はこの事を、きちんと報じている」。しかしNHKはヤジが飛ばされた模様を流さなかった。ローカル放送では「ちょっと流れ」たが、全国放送では全てカットされたのだ。
「安倍首相に同行してきた政治部記者達がいて、その原稿・編集には触らせない構造があるのです」「つまり、NHKにとっては、あれは使ってはいけない雑音であって、そんな事に耳を傾ける必要はないと思っていたのでしょう」(金平氏)ただ金平氏はNHKだけを問題視している訳ではない。金平氏は全てのメディアを俎上にあげ「安倍政権がメディアに対して介入とか抑圧を強めているのは確かだけど、その話をする時に用いられる、メディアの側が被害者で政権側が加害者だというような図式自体がもう違うのじゃないかと思い始めています」と語る。「(メディアの)組織とか集団の内側に、今の政権に対して擦寄っていく人がいると見えるのです」「安倍首相のように、指導者として相応しくないことが明らかな人物が、これほど強い力を発揮している状況が先ずあって、それに対して何も物が言えない状況が進んでいくのは何故かと言うと、何より、それを支えている人達がいるからです。強い者に対して進んで隷属しようとするのは、そこに従う事に甘味があるという構造があるからなのですね」例えば、あの自民党文化芸術懇話会で飛び出した「マスコミを 懲らしめる」発言の問題にしても、金平氏は「スポンサーの締め上げみたいな話も出てきたため反応せざるを得なかった」と、民放による報道の消極的姿勢を明かす。「民放にとっては経営基盤にかかわる死活問題だったから触れるしかなかった」という事は、裏を返せば、そうでなければ取り上げる事はなかったという事だろう。NHKに限らず“隷属化”が進んでいるのだ。「テレ朝の中にも酷いのはいるし、TBSの中にもフジにも日テレにも酷いのはいるんです。共同通信だって朝日新聞だってそうなのです。あのメディアはこうで、このメディアはこうだといった組織ごとの色分けは、もう既に意味をなさなくなっている気がします」(金平氏)
「問題は相手じゃなくて、自分達」そう話す金平氏に同意しつつ、ジャーナリストの青木理氏は「僕が気になるのは読売新聞の動向」と具体例を出す。「特定秘密保護法にせよ、武器輸出3原則の撤廃にせよ、安保法制にせよ、あたかも世論が二分されているように見えてしまっているのは読売の存在が大きい。地方紙は9割以上が異議を唱えている。ところが全国紙レベルだと賛否が割れているように見える。産経は昔からあんな新聞ですから(笑)、ああそうかと思うだけですが、 900万部の読売が完全に政権寄りになった事で、あたかも世論が真っ二つに割れているような印象を与えてしまう」
そして青木氏は「もっと気味が悪いのは、読売の中から異論や異見が全く出ない事」と言う。「社論に逆らったからといっても、せいぜい左遷されるか、退職強要を迫られるか(管理者:クビ=解雇にはならない。客観的・合理的理由のない解雇は無効!メディアの使用者も、そんな事ぐらいは知っている。本稿執筆者も基本的労働法知識は知ってほしい)、あえて言えば、その程度です。別に殺される訳じゃない。だのに誰も逆らわない」逆らわないだけではない。そもそも「権力と距離を置かなくちゃいけないなんていうのは、かつては、ごく当たり前の作法としてメディア内で共有されていた」(青木氏)が、それさえ今は危うい。自衛隊が全面協力した『空飛ぶ広報室』(TBS)や、法務省が協力した『HERO』(フジテレビ)といったドラマだって、同じ問題を孕んでいるのだ。(管理者:マスコミ各社幹部と「アベ」との「夜の会食」は癒着・贈収賄の典型だ!)「(『HERO』の映画が)法務省の協力を得て法務省で記者会見するなんて、まともな神経を持っていれば恥ずかしくてできない。恥の概念が吹っ飛んでしまっている。
報道だろうがドラマ制作だろうがバラエティだろうが、ごく当たり前として共有されるべきメディアの作法、矜持が、どうやら当たり前の事として継承されなくなっている」(青木氏)(管理者:結局、皆メディアを信用しなくなってメディアの自殺行為。)
これはテレフォンショッキングのゲストとして安倍(戦争)総理が出演した『笑っていいとも!』(フジテレビ)も同様だ。金平氏は「フジテレビの幹部が頻繁に安倍首相と会食していたりすると、外側からは、いろいろと勘繰られますよね。そういう事情を承知の上で「総理、『笑っていいとも!』のスペシャルウィークですよ」と話を持っていく、あるいは持って来られる懇ろな関係が成立していた訳じゃないですか」とマスコミの経営陣が安倍(戦争)総理と会食を繰り返すことを批判する。このような状況ではメディア不信が広がるのも無理もない話だが、青木氏は「自らメディア不信に火をつけ、可燃物を取り込んでいるような蛮行です」とさえ言う。但し、そうしてメディア不信が高まる一方で「それと反比例する形で権力が好き放題できるようになってしまう社会は全く薄暗い」(青木氏)のも事実だ。
(管理者:もう手遅れなのだろうかー♭)
メディアに愛想を尽かすのは簡単だが「マスゴミ、イラネ」と切り捨ててしまえば、権力を監視する機能は失われてしまうだけでなく、安倍政権の思う壺にはまってしまう。現在、市民に求められているのは安倍政権によるメディア介入を批判しつつ、NHKをはじめメディア側の“自発的隷属化”にも目を光らせていくという“民主主義的リテラシー”だ。特に参議院での「戦争法制」採決を控えた今、テレビ・新聞の隷属性には、意識を向けていく必要があるだろう。(管理者:ナルホド!よく解りました!「批判的に見る」ことですね)

<「戦争法案」反対、精神科医が署名募る-自衛官自殺増を懸念>
全国の精神科医らでつくる「戦争ストレス調査研究ネットワーク」(猪野亜朗・奥田宏共同代表)が、「戦争法案」廃案を目指す請願への署名を募っている。沖縄協同病院=那覇市=の小松知己医師(精神科)が事務局を担当し全国の署名を取りまとめている。自衛隊による他国軍への 「後方支援」が拡大されると、隊員の心的外傷後ストレス障害(PTSD)や依存症、自殺者が増える可能性があると警鐘を鳴らし、廃案に向けて医療者だけではなく一般にも賛同を呼び掛けている。ネットは全国各地の精神科医30人と、精神保健福祉士や臨床心理士、看護師ら57人からなる。請願書はイラクやアフガニスタン等へ派兵している米国の様々なデータを紹介し、研究論文を基に男性兵士の自殺率は一般男性に比べて2倍、女性は3倍に上ると指摘している。小松医師は「戦場に行った本人だけではなく家族も苦しむ。社会にも多大な影響を与える。予想される事態を放置できない」と言葉に力を込めた。請願は衆参両院議長宛てで第1次締め切りは9月19日。署名の送付先は那覇市古波蔵4の10の55、沖縄協同病院医局(小松医師宛て)。
署名用紙はaroino@za.ztv.ne.jpへ問い合わせれば入手できる。

<1週間で数百人賛同「OVERSEAs」が海外から「戦争法案」に“NO”>
「戦争法制」への反対運動は拡大の一途だが、ついに海外からも反対表明が行われた。
国会前では毎週、若者のSEALDsや中高年のMIDDLEs、高齢のOLDsなど、世代を超えた反対集会やデモが開かれているが、海外からもOVERSEAsが立ち上がったのである。「SEALDsに刺激されて海外在住者からも『戦争法制』反対のメッセージが数多く寄せられるようになりました。そこで、こうした声を統合すべく、サイトを立ち上げ、幅広く、こうした声を集める事にしたのです」(武井由起子弁護士)何故かくも海外から反対の声が集まったのか。日本が戦争する国になってイの一番にテロの恐怖にさらされるのは海外在留邦人だからである。
 OVERSEAsの立ち上げは28日午前、記者会見で発表された。立ち上げ前の段階で、呼びかけから1週間で数百人の賛同があったというから凄まじい。会見では元高等弁務官の賛同メッセージも読み上げられた。「戦争法制」はもうグラグラになってきた。
(民守 正義)