「戦争法案-反対」の蠢き(11)
「戦争法案-反対」の蠢き(11)
《マスコミの「対案を出せ!」にブレたか?!民主党》
<戦争関連法案に対する「反対原則」を踏み外すな!>
本稿(8)でも記載したように、テレビ討論番組や報道関係番組で、あまり勉強していない評論家や御用コメンテーター等が「野党も(「維新」のように)政府・与党の『戦争関連法案』等に対案を出すべきではないか」と一生懸命、攻め立てていることを取り上げて、私は「拡大解釈憲法違反の『集団的自衛権行使容認⇒戦争関連法案‐国会提出』」したものを、何でリベラル野党が『対案提出責任』を持たなければならないのだ。対案提出強要罪だ」などと反論した。(現物原稿も関連部分を目通し願いたい)
これが「戦争関連法案」に対する「反対原則」だ。
こうした報道関係番組〔例;BSフジ「プライムニュース(7/17放送)」〕‐司会者の詰問に対して共産党(小池議員)は「現状‐専守防衛・個別自衛権・海上保安庁・警察等で対応できている。対応できないほどの安倍総理の言う『新たな国際緊張関係の変容』とは何か?言いにくければ、そのキーポイントだけでもー」と逆質問をして、今度は司会者の方がタジタジ。それに対して民主党(福山議員)は同様の質問に「『維新』と『領域警備法案』共同提案して対案は出している」と、もう一つ共産党(小池議員)のように「スパ!」とした反論ではなかった。そもそも冒頭に述べたように「集団的自衛権行使容認」自体が「憲法違反」である以上、そこから派生した「戦争関連法案」全てが「憲法違反」であり、例え「戦争関連法案」の内の一本といえども共同提案した事は「憲法違反‐戦争関連法案」を思想的に容認・譲歩したと同様と批判されても仕方ない。因みに姜 尚中さんは「根っこは『集団的自衛権行使容認』にあり、議論が散漫にならぬよう『集団的自衛権行使容認』に議論を絞ってはどうか」と助言していた。また私も枝野幹事長(民主)に事務所を通して「『維新-松野』を野党であってもリベラル派ではないのだから共闘協議の相手にするな」と提言した。
(お読みになったか、どうか知らないが‐)
<何で今更「周辺事態法改正案」対案提出だ!?>
ところが、この参議院「戦争関連法案‐本格審議」を目前(27日~)にして、民主党は唐突に「周辺事態法改正案」の法案作成を行う事を決定したようだ。
その改悪内容は概ね「民主党案として日本周辺地域で日本の平和と安全に重要な影響を与える周辺事態が起きた場合、自衛隊が非戦闘員の退避を支援・援護できる『退避民保護措置』を新設しており、更に一定区域内での監視や医療措置、避難民を乗せた船舶の援護等を可能にする。武器使用権限の拡大も盛り込む他、弾薬等を除く物品の提供、訓練業務、宿泊提供等の後方支援策も追加する」というものだ。
民主党は21日の「次の内閣」会合で米軍等を後方支援するための政府の「重要影響事態法案」の対案として独自の周辺事態法改正(改悪)案の法案作成に向け作業する事を了承した。ただ対案を提出するかどうかは未定で、執行部に対応を一任したようだ。
そこで素朴な質問として◎国会でも憲法論議の重要論争にもなっている「政府の『重要影響事態法案』の対案として独自の周辺事態法改正(改悪)案」としも位置付けられる「民主党同改正案」を、参議院「戦争関連法案‐本格審議」を目前(27日~)にして今!作成(提出?)する積極的政策・戦術的効果は何なのか?ハッキリ言って「戦争関連法案‐廃案」を目指して「リベラル勢力」が連携一致して頑張っているときに民主党だけが「周辺事態法改正案を提出したので、ご審議よろしく」とは力の分散を招くだけでなく、せっかく「リベラル勢力の総合一致」で有利に情勢転換させたものを「民主党『周辺事態法改正案』」のせいで運動総体を分裂・後退も招きかけない。第一、まだ「戦争関連法案‐廃案」を勝ち取っていなく、これからこそ「本格的ガチンコ勝負!」でリベラル勢力総体の力で「戦争関連法案‐廃案」に追い込もうとするときに「周辺事態法改正案」対案提出とは、大衆運動センスが悪いだけでなく、そもそも「民主党『周辺事態法改正案』」自体、憲法違反の疑いも検討を要するものだ。(少なくとも私は「民主党『周辺事態法改正案』は『憲法違反‐濃厚』」と思っている。)更にうがって言わさせて頂ければ、この参議院「戦争関連法案‐本格審議」を目前に、こんな阻害要因ともなる「民主党同改正案」作成(提出?)するなんて、真意は「民主党幹部には隠れ自民党‐『アベ』シンパ‐戦争勢力の一味でもいるのか」と疑いたくなる。
【そこで改めて「公開質問」する。】
◎参議院「戦争関連法案‐本格審議」を目前(27日~)に今さらに、国会でも憲法論議の重要論争にもなっている「政府の『重要影響事態法案』の対案として独自の周辺事態法改正(改悪)案」としも位置付けられる「民主党同改正案」を作成(提出?)する積極的政策・戦術的効果・獲得目標は何なのか?
「公開質問」は上記一問だけだが「公開質問」を担保するために、本ブログ「リベラル広場」に経過等、全面掲載するとともに、回答の有無も含めて関係政党とマスコミ各社にも個々に情報提供する。
回答期限は7月31日(金)まで。文書またはメールで回答を願う。
<久米宏が「戦争法制」強行採決に激怒! 安倍首相を「セコい」「独裁者」>
衆議院特別委員会と衆議院本会議で強行採決された「戦争法案」だが、テレビ局の報道は腰砕けもいいところだ。
NHKに至っては特別委での強行採決当日、国会中継すらしなかった。
これは一説には籾井会長直々の指示だという話すら囁かれている。他の民放も批判が鈍い。
短くデモの模様を流して茶を濁し、国民の不安の種である戦争法案の問題点には然程、尺をとらないでいる。比較的、頑張っているのはTBSの『NEWS23』そしてテレビ朝日の『報道ステーション』ぐらいか。しかし、それでも『報ステ』キャスター・古舘伊知郎の頼りなさにオールドファンからは“あの人”の再登板を望む声も根強い。他でもない、前身番組である『ニュースステーション』のキャスター・久米宏である。そんな久米が18日、TBSラジオ『久米宏 ラジオなんですけど』で「戦争法案」と安倍首相を苛烈に批判した。
番組冒頭、久米は安倍首相が新国立競技場計画の見直しを宣言したことについて語った。
「国立競技場、先週まで『もうこれでやらないと間に合わない、このままいくのだ』と総理大臣が言ってたんですけど。こういうのを“舌の根も乾かないうち に”って言うのでしょうね。ゼロから見直し、もう一回コンペから見直すのだって。こんな事で人気を回復しようとするセコい考えが許せないんですけど」久米は新国立計画見直しは目くらましだと一刀両断し、その上で「戦争法案」について、こう断じるのだ。
「そんな事より今週あの『戦争関連法案』というのが衆議院の委員会で強行採決、そして本会議で賛成多数で成立という事で参院に送られる訳です。まあ日本が民主主義国家であるかどうか、それは僕、一つ疑問ではあるんです。戦争が終わってね、アメリカさんに(民主主義を)押し付けられた訳ですから。日本人が自ら獲得したものではないので、ちょっと本物ではない可能性はあります。が、とりあえず民主主義国家で、とりあえず民主主義国家の総理大臣たる者がですね、殆どの憲法学者が「これは憲法違反だ」と言っている法案を成立させようって事ですから。これは本質的に憲法改正と同じなんですよ。改正するという事と実質的に同じなので、それを民主主義国家の総理大臣が勝手に強行していいのか、という大問題があると思うんですね。本来なら憲法改正というのは国民投票をしなければいけないんですけど、それもしない! 最低でも、僕は衆議院を解散すべきだと思うのです」
日本に民主主義の精神が根付いているかは、さておいても仮にも民主主義国家の建前を崩さないのならば、何故、主権者である国民を無視して、首相の一存で事実上の改憲ができるのか。解散して国民に信を問うのが当たり前ではないのか。「こないだの去年の12月には一応、アベノミクスというなんだか訳のわからないものを争点にして、衆議院の解散総選挙をやったんです。
これは最低限、国会議員というのは国民の代表ですから、そういう民主主義システムに日本はなっている訳ですから、どうも、かなりの国民が疑問をもっているような法案を成立させようという場合には、これを争点にして衆議院の解散総選挙をするのが常道だと思うんです。(しかし安倍首相は)それはする気がない。でも国立競技場は見直すというね。この訳のわからない考え方がね、納得できないのです」
久米の主張は至極、真っ当だろう。安倍首相は今年5月の会見で「先の総選挙においては、昨年7月1日の閣議決定に基づいて平和安全法制を速やかに整備する事を明確に公約として掲げ、国民の審判を受けました」と嘯いたが、昨年の衆議院解散時の会見では冒頭ではっきりと「この解散は『アベノミ クス解散』であります。アベノミクスを前に進めるのか、それとも止めてしまうのか。それを問う選挙であります」と明言していた。事実、安倍首相はメディア出演時に“安保のアの字”も言わなかったではないか。にも関らず先の選挙で信を得た等と言い張るのは全くの詐欺である。久米は番組で、この点を強調し更に安倍首相を強い言葉で弾劾する。
「つまり衆議院の解散をしないで総選挙で、この法案の是非を問わないって事は、はっきり言って、こんな事、言うのもなんですけど独裁者ですから。完全に。民主主義国家のリーダーは独裁者になってはいけないのです」安倍晋三は独裁者である。久米がそう評すのは今、世論は、はっきりと“戦争法案にNO”を示しているのに民主主義国家の宰相であるはずの人間が全く聞く耳をもたないからだ。レトリックでもレッテル貼りでもない、論理的で説得力のある説明だが、続けて久米は「戦争法案」の本質と、安倍首相の性質について、こう述べるのである。「たぶん、将来子供達が戦場で戦死する可能性が減りは、しないのです、この法案ができると。減りはしない、どちらかといえば増える方向にいくのは間違いないのですけど、なんでこんな法案を安倍さんは通すのかというと、一部の人は『そりゃあれだよ、安倍ってのは子供がいないからさ』って言っているぐらいのレベルになっている。あれは子供がいないからね、子供の事なんか考えていないのだから、だからああいう法案をつくるんだ、という噂が出るほど評判が落ちているって事を、安倍さんは考え直した方がいいですよね」そして久米は、再度「独裁者、なっていいの?」と念を押すのだ。
久米がここまで言うのは、相当に安倍政権に怒りをもっているという事だろう。しかも、その表現はいずれも真っ当で、安倍首相の本質を鋭く突くものだ。
だがネット上では、この久米の発言に何故か反発する声が上がっている。
「独裁者というのは、安倍首相に対する人格攻撃だ」「安倍憎しでも使っていい表現悪い表現がある」「子供がいないことを攻撃するのは卑劣だ」「完全に老害カテゴリーに入ったな」これらの見解は一見、良識的に見えるが、権力に対する批判と個人同士の会話のマナーを完全に混同している。そもそもメディアや国民には権力の暴走を監視し批判する権利がある。権力の暴走に対しては、どんな言葉を使ってもいい。いや、むしろ、メディアはもっと激しい言葉を使ってでも、それを止める必要がある。しかも久米は安倍首相が何故「独裁者」と言えるのかについて論理的に説明している。これのどこが人格攻撃だというのか。
“安倍首相には子供がいないから”という言い回しについても同様だ。仮に、これを久米が自身の意見として表明していたとしても政策に反映される可能性のある為政者の家族関係や性格についての論評は、どんどんやるべきだし、久米は第三者の評判を紹介することで、安倍首相の子供や孫の世代への想像力の無さを批判したにすぎない。また久米自身に子供がいないことを考えると、その言葉は「安倍首相のせいで、子供がいない人間が差別される」と言っているようにも読める。それを「人格攻撃」「卑劣」等と言うのは、明らかに安倍首相を擁護するためとしか思えない。安倍首相は、その独裁傾向を益々、強めてきている。今回の「戦争法案強行採決」はその先鞭であり、近い将来、国民世論を無視した戦争へと舵をきるのは、もはや決定的とさえ言える。むしろメディアに必要なのは今回、久米が口にしたような激烈な批判なのだ。今、現役でテレビに出ているキャスターやコメンテーターも、この程度の批判くらいは口にしてもらいたいものである。(リテラ)
《マスコミの「対案を出せ!」にブレたか?!民主党》
<戦争関連法案に対する「反対原則」を踏み外すな!>
本稿(8)でも記載したように、テレビ討論番組や報道関係番組で、あまり勉強していない評論家や御用コメンテーター等が「野党も(「維新」のように)政府・与党の『戦争関連法案』等に対案を出すべきではないか」と一生懸命、攻め立てていることを取り上げて、私は「拡大解釈憲法違反の『集団的自衛権行使容認⇒戦争関連法案‐国会提出』」したものを、何でリベラル野党が『対案提出責任』を持たなければならないのだ。対案提出強要罪だ」などと反論した。(現物原稿も関連部分を目通し願いたい)
これが「戦争関連法案」に対する「反対原則」だ。
こうした報道関係番組〔例;BSフジ「プライムニュース(7/17放送)」〕‐司会者の詰問に対して共産党(小池議員)は「現状‐専守防衛・個別自衛権・海上保安庁・警察等で対応できている。対応できないほどの安倍総理の言う『新たな国際緊張関係の変容』とは何か?言いにくければ、そのキーポイントだけでもー」と逆質問をして、今度は司会者の方がタジタジ。それに対して民主党(福山議員)は同様の質問に「『維新』と『領域警備法案』共同提案して対案は出している」と、もう一つ共産党(小池議員)のように「スパ!」とした反論ではなかった。そもそも冒頭に述べたように「集団的自衛権行使容認」自体が「憲法違反」である以上、そこから派生した「戦争関連法案」全てが「憲法違反」であり、例え「戦争関連法案」の内の一本といえども共同提案した事は「憲法違反‐戦争関連法案」を思想的に容認・譲歩したと同様と批判されても仕方ない。因みに姜 尚中さんは「根っこは『集団的自衛権行使容認』にあり、議論が散漫にならぬよう『集団的自衛権行使容認』に議論を絞ってはどうか」と助言していた。また私も枝野幹事長(民主)に事務所を通して「『維新-松野』を野党であってもリベラル派ではないのだから共闘協議の相手にするな」と提言した。
(お読みになったか、どうか知らないが‐)
<何で今更「周辺事態法改正案」対案提出だ!?>
ところが、この参議院「戦争関連法案‐本格審議」を目前(27日~)にして、民主党は唐突に「周辺事態法改正案」の法案作成を行う事を決定したようだ。
その改悪内容は概ね「民主党案として日本周辺地域で日本の平和と安全に重要な影響を与える周辺事態が起きた場合、自衛隊が非戦闘員の退避を支援・援護できる『退避民保護措置』を新設しており、更に一定区域内での監視や医療措置、避難民を乗せた船舶の援護等を可能にする。武器使用権限の拡大も盛り込む他、弾薬等を除く物品の提供、訓練業務、宿泊提供等の後方支援策も追加する」というものだ。
民主党は21日の「次の内閣」会合で米軍等を後方支援するための政府の「重要影響事態法案」の対案として独自の周辺事態法改正(改悪)案の法案作成に向け作業する事を了承した。ただ対案を提出するかどうかは未定で、執行部に対応を一任したようだ。
そこで素朴な質問として◎国会でも憲法論議の重要論争にもなっている「政府の『重要影響事態法案』の対案として独自の周辺事態法改正(改悪)案」としも位置付けられる「民主党同改正案」を、参議院「戦争関連法案‐本格審議」を目前(27日~)にして今!作成(提出?)する積極的政策・戦術的効果は何なのか?ハッキリ言って「戦争関連法案‐廃案」を目指して「リベラル勢力」が連携一致して頑張っているときに民主党だけが「周辺事態法改正案を提出したので、ご審議よろしく」とは力の分散を招くだけでなく、せっかく「リベラル勢力の総合一致」で有利に情勢転換させたものを「民主党『周辺事態法改正案』」のせいで運動総体を分裂・後退も招きかけない。第一、まだ「戦争関連法案‐廃案」を勝ち取っていなく、これからこそ「本格的ガチンコ勝負!」でリベラル勢力総体の力で「戦争関連法案‐廃案」に追い込もうとするときに「周辺事態法改正案」対案提出とは、大衆運動センスが悪いだけでなく、そもそも「民主党『周辺事態法改正案』」自体、憲法違反の疑いも検討を要するものだ。(少なくとも私は「民主党『周辺事態法改正案』は『憲法違反‐濃厚』」と思っている。)更にうがって言わさせて頂ければ、この参議院「戦争関連法案‐本格審議」を目前に、こんな阻害要因ともなる「民主党同改正案」作成(提出?)するなんて、真意は「民主党幹部には隠れ自民党‐『アベ』シンパ‐戦争勢力の一味でもいるのか」と疑いたくなる。
【そこで改めて「公開質問」する。】
◎参議院「戦争関連法案‐本格審議」を目前(27日~)に今さらに、国会でも憲法論議の重要論争にもなっている「政府の『重要影響事態法案』の対案として独自の周辺事態法改正(改悪)案」としも位置付けられる「民主党同改正案」を作成(提出?)する積極的政策・戦術的効果・獲得目標は何なのか?
「公開質問」は上記一問だけだが「公開質問」を担保するために、本ブログ「リベラル広場」に経過等、全面掲載するとともに、回答の有無も含めて関係政党とマスコミ各社にも個々に情報提供する。
回答期限は7月31日(金)まで。文書またはメールで回答を願う。
《「強行採決」(7月15日)以降のあれこれ④》
<久米宏が「戦争法制」強行採決に激怒! 安倍首相を「セコい」「独裁者」>
衆議院特別委員会と衆議院本会議で強行採決された「戦争法案」だが、テレビ局の報道は腰砕けもいいところだ。
NHKに至っては特別委での強行採決当日、国会中継すらしなかった。
これは一説には籾井会長直々の指示だという話すら囁かれている。他の民放も批判が鈍い。
短くデモの模様を流して茶を濁し、国民の不安の種である戦争法案の問題点には然程、尺をとらないでいる。比較的、頑張っているのはTBSの『NEWS23』そしてテレビ朝日の『報道ステーション』ぐらいか。しかし、それでも『報ステ』キャスター・古舘伊知郎の頼りなさにオールドファンからは“あの人”の再登板を望む声も根強い。他でもない、前身番組である『ニュースステーション』のキャスター・久米宏である。そんな久米が18日、TBSラジオ『久米宏 ラジオなんですけど』で「戦争法案」と安倍首相を苛烈に批判した。
番組冒頭、久米は安倍首相が新国立競技場計画の見直しを宣言したことについて語った。
「国立競技場、先週まで『もうこれでやらないと間に合わない、このままいくのだ』と総理大臣が言ってたんですけど。こういうのを“舌の根も乾かないうち に”って言うのでしょうね。ゼロから見直し、もう一回コンペから見直すのだって。こんな事で人気を回復しようとするセコい考えが許せないんですけど」久米は新国立計画見直しは目くらましだと一刀両断し、その上で「戦争法案」について、こう断じるのだ。
「そんな事より今週あの『戦争関連法案』というのが衆議院の委員会で強行採決、そして本会議で賛成多数で成立という事で参院に送られる訳です。まあ日本が民主主義国家であるかどうか、それは僕、一つ疑問ではあるんです。戦争が終わってね、アメリカさんに(民主主義を)押し付けられた訳ですから。日本人が自ら獲得したものではないので、ちょっと本物ではない可能性はあります。が、とりあえず民主主義国家で、とりあえず民主主義国家の総理大臣たる者がですね、殆どの憲法学者が「これは憲法違反だ」と言っている法案を成立させようって事ですから。これは本質的に憲法改正と同じなんですよ。改正するという事と実質的に同じなので、それを民主主義国家の総理大臣が勝手に強行していいのか、という大問題があると思うんですね。本来なら憲法改正というのは国民投票をしなければいけないんですけど、それもしない! 最低でも、僕は衆議院を解散すべきだと思うのです」
日本に民主主義の精神が根付いているかは、さておいても仮にも民主主義国家の建前を崩さないのならば、何故、主権者である国民を無視して、首相の一存で事実上の改憲ができるのか。解散して国民に信を問うのが当たり前ではないのか。「こないだの去年の12月には一応、アベノミクスというなんだか訳のわからないものを争点にして、衆議院の解散総選挙をやったんです。
これは最低限、国会議員というのは国民の代表ですから、そういう民主主義システムに日本はなっている訳ですから、どうも、かなりの国民が疑問をもっているような法案を成立させようという場合には、これを争点にして衆議院の解散総選挙をするのが常道だと思うんです。(しかし安倍首相は)それはする気がない。でも国立競技場は見直すというね。この訳のわからない考え方がね、納得できないのです」
久米の主張は至極、真っ当だろう。安倍首相は今年5月の会見で「先の総選挙においては、昨年7月1日の閣議決定に基づいて平和安全法制を速やかに整備する事を明確に公約として掲げ、国民の審判を受けました」と嘯いたが、昨年の衆議院解散時の会見では冒頭ではっきりと「この解散は『アベノミ クス解散』であります。アベノミクスを前に進めるのか、それとも止めてしまうのか。それを問う選挙であります」と明言していた。事実、安倍首相はメディア出演時に“安保のアの字”も言わなかったではないか。にも関らず先の選挙で信を得た等と言い張るのは全くの詐欺である。久米は番組で、この点を強調し更に安倍首相を強い言葉で弾劾する。
「つまり衆議院の解散をしないで総選挙で、この法案の是非を問わないって事は、はっきり言って、こんな事、言うのもなんですけど独裁者ですから。完全に。民主主義国家のリーダーは独裁者になってはいけないのです」安倍晋三は独裁者である。久米がそう評すのは今、世論は、はっきりと“戦争法案にNO”を示しているのに民主主義国家の宰相であるはずの人間が全く聞く耳をもたないからだ。レトリックでもレッテル貼りでもない、論理的で説得力のある説明だが、続けて久米は「戦争法案」の本質と、安倍首相の性質について、こう述べるのである。「たぶん、将来子供達が戦場で戦死する可能性が減りは、しないのです、この法案ができると。減りはしない、どちらかといえば増える方向にいくのは間違いないのですけど、なんでこんな法案を安倍さんは通すのかというと、一部の人は『そりゃあれだよ、安倍ってのは子供がいないからさ』って言っているぐらいのレベルになっている。あれは子供がいないからね、子供の事なんか考えていないのだから、だからああいう法案をつくるんだ、という噂が出るほど評判が落ちているって事を、安倍さんは考え直した方がいいですよね」そして久米は、再度「独裁者、なっていいの?」と念を押すのだ。
久米がここまで言うのは、相当に安倍政権に怒りをもっているという事だろう。しかも、その表現はいずれも真っ当で、安倍首相の本質を鋭く突くものだ。
だがネット上では、この久米の発言に何故か反発する声が上がっている。
「独裁者というのは、安倍首相に対する人格攻撃だ」「安倍憎しでも使っていい表現悪い表現がある」「子供がいないことを攻撃するのは卑劣だ」「完全に老害カテゴリーに入ったな」これらの見解は一見、良識的に見えるが、権力に対する批判と個人同士の会話のマナーを完全に混同している。そもそもメディアや国民には権力の暴走を監視し批判する権利がある。権力の暴走に対しては、どんな言葉を使ってもいい。いや、むしろ、メディアはもっと激しい言葉を使ってでも、それを止める必要がある。しかも久米は安倍首相が何故「独裁者」と言えるのかについて論理的に説明している。これのどこが人格攻撃だというのか。
“安倍首相には子供がいないから”という言い回しについても同様だ。仮に、これを久米が自身の意見として表明していたとしても政策に反映される可能性のある為政者の家族関係や性格についての論評は、どんどんやるべきだし、久米は第三者の評判を紹介することで、安倍首相の子供や孫の世代への想像力の無さを批判したにすぎない。また久米自身に子供がいないことを考えると、その言葉は「安倍首相のせいで、子供がいない人間が差別される」と言っているようにも読める。それを「人格攻撃」「卑劣」等と言うのは、明らかに安倍首相を擁護するためとしか思えない。安倍首相は、その独裁傾向を益々、強めてきている。今回の「戦争法案強行採決」はその先鞭であり、近い将来、国民世論を無視した戦争へと舵をきるのは、もはや決定的とさえ言える。むしろメディアに必要なのは今回、久米が口にしたような激烈な批判なのだ。今、現役でテレビに出ているキャスターやコメンテーターも、この程度の批判くらいは口にしてもらいたいものである。(リテラ)
(民守 正義)
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