「戦争法案-反対」の蠢き(8)

「戦争法案-反対」の蠢き(8)


《「戦争法案」参議院審議前に小休止。今の内に「エネルギーをためよう!」》
<「戦争法案‐反対」「安陪内閣‐打倒」の抗議行動は、更に盛上がった!>
 今「戦争法案」等が参議院に送付されて、具体的な審議方法等について衆議院と同様「特別委員会」の設置と委員長も内定しているらしいが、その全体人数や審議日程等々について協議中で、まだ実質審議に入っていない。「アベ」は「この三連休の間で国民は『消費税と違って直ちに変る』というものでもないので『強行採決』の怒りも忘れる」と洩らしたらしく「国立競技場問題」に飛びついたが「アベはホンマに甘い!」
 先ず「戦争法案‐反対」安陪内閣‐打倒」の抗議行動等は、確かに「強行採決」後の連続休暇で「全国一斉抗議行動デー」等が取り組まれ私も参加したが、多くの参加者と元気の良い「抗議の声」で全国各地でも大いに盛り上がった。率直に言って「安陪内閣は持たんな」と感じるものだった。更に「国立競技場問題」で「ゼロベースで見直す」とリーダーシップを発揮しようとしたのはいいが、既に舛添東京都知事が「安倍総理自身の元の決断責任」を指摘するツイッターを出していること、また事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)が「新国立」の関連工事費で使った費用が概ね85億円にものぼり、更に設計者ハディド氏に支払ったデザイン監修料13億円で合わせると約百億円。加えて大手ゼネコンの損害賠償請求の動きもあり「ゼロベースでの見直し」ではなく「莫大なマイナスベースからの見直し」であることを「アベ」は国民に説明責任を果たさなければならない。【「戦争法案‐反対」「安陪内閣‐打倒」】の波【「国立競技場問題」の複雑骨折】【「安陪内閣の支持率‐急速な下落」】
 早晩、安陪内閣は「自滅的崩壊」となるかもしれない。

<「何でも『反対』でない」「対案を出せ」は独善的・言いがかり文句!>
 「維新‐松野派」は「我が党は『何でも〔反対〕の党』ではない」と同会派の特段の区別化・差別化の宣伝コピーを強調し、実際に「戦争関連法案」等では「採決に参加するしない」で安倍政権と民主党との間をチョロチョロするし、また一応「対案」なるものも提出した。この「我が党は『何でも〔反対〕の党』ではない」は「次世代の党」も昨年12月の衆議院解散総選挙で「平沼」が雨の中、一人惨めにも同様に言っていた。
 でも、ここで明確に批判させて頂きたい。
 先ず『何でも〔反対〕の党』ってどこですか?もし共産党のことを念頭に置いて言っているなら「全会派一致」の法案はいくらでもある。また地方自治体での首長選挙で共産党も含めた相乗り選挙も、いくらでもある。そんな事ぐらい国会議員なのだから調べたら、直ぐ解るだろう。つまり『何でも〔反対〕の党』なんて存在しないのだ。それを、あたかもあるかのように「デマ宣伝」に近い悪質で恣意的誤解を招く「我が党宣伝」は直ちに止めるべきだ。それは「安倍総理‐『日教組!』デマ野次」と同様、恥を搔くのは「維新‐松野」等自身であることを指摘しておく。合わせて「『何でも〔反対〕の党』ではない」を変に何度も強調すると、「最後は安倍政権‐与党に賛成‐『助け舟』を出しますよ」が本音のようにうがって見える。正直「維新」は信用できない。野党であっても「リベラル派」ではない。
 基本的には「安倍政権+与党+『維新』」=「戦争勢力」だと思っている。
 次にテレビ討論番組や報道関係番組を見ていると、あまり勉強していない評論家や御用コメンテーター等が「野党も(「維新」のように)政府・与党の『戦争関連法案』等に対案を出すべきではないか」と一生懸命、攻め立てている様子をよく見る。この詰問に「スカ!」と反論ができているのは共産党ぐらいだが、いずれにしても安倍政権・与党が勝手に「拡大解釈憲法違反の『集団的自衛権行使容認⇒戦争関連法案‐国会提出』」したものを、何でリベラル野党が「対案提出責任」を持たなければならないのだ。「対案提出強要罪」だ。
 少なくともリベラル野党と私は「現行『憲法9条』を維持し、その運用は現状と同様「周辺海域における専守防衛(個別的自衛権のみ)に徹し『憲法9条』が持っている理念的・思想的平和抑止効果を今後とも維持すべきだと思っている。確かに「中国の海洋進出」等、東アジアを中心とした「新たな国際緊張関係の変容」がある事は認めるが、そこは平和外交政策トータルの中で、どう補完するかの問題だ。平和学(専門学問)でいう「平和政策・戦略」は軍事(軍事的抑止力)だけでなく、正しい意味での「積極的平和主義」(非軍事部門における平和外交政策;「アベ」は真逆の意味で使っている。本人の知的レベルも低いがマスコミも注意したれ!)も含めて「平和総合政策」を講じるのが重要であり、それが先進国の趨勢になりつつある。それを「アベ」の20世紀冷戦構造時代の価値観丸出しに戦争に関しては最も危険な「世界のナラズ者国家‐米国」に「米国一番弟子‐集団的自衛権で世界のチンピラ同盟」で世界を仕切れると勘違いしているのだ。そんなものに「対案」等、あるはずがない。それとテレビ報道関係番組制作者に言っておくが「アベ」と「夜の食事会」で何回も共にしたからといって、ヘタな「アベ」持ち上げは止めた方がいい事も忠言しておく。

《「強行採決」(7月15日)以降のあれこれ①》

<若者グループ等が「戦争法案」反対デモ(約8千人)>
 先週、衆議院を通過した「戦争関連法案」に反対する若者等のデモが大阪で行われ、私も参加した。大阪市靭公園では「民主主義と生活を守る有志」という若者グループ等が主催する「戦争法案」に反対するデモが行われた。集まった人達は「戦後70年間で築き上げた平和を覆す戦争法案だ」と反対の声を上げた。「廃案にもっていくために必要なのは、より多くの人が声を上げて、それを(デモなどで)可視化させていくこと」「私達1人1人の声が、この法案を廃案にし平和と民主主義を守る」参加者達は難波までデモ行進を行った。

<「戦争法反対デモ」ネトウヨからヘイト攻撃受けるも堂々反撃!>
 バラエティで、よく「ド根性」や「男前っぷり」をいじられているタレントSHELLYだが、あれはテレビ用キャラではなく素顔も相当に「男前」な女であるらしい。その事を証明したのが、ここ数日にわたって展開された炎上騒動だ。始まりは「戦争法制」が強行採決された15日、彼女がツイッターでこんな投稿をした事だった。「この時代にこんな事が有り得るの?とテレビを見ながら不信感しかないです」「この状況を戦争経験された世代はどう感じるだろう?」「そんな中、今も雨の中デモを続ける方々は本当にかっこいいと思います。若い世代が立ち上がっている事を誇りに思います。日本、どうなっちゃうのだろう。」
 さらに「デモっていい事なのですかね」というファンからの質問に、こう答えた。「もちろん!デモができる事も、デモをしてでも伝えたい事がある人がいる事もいいこと」殆どの芸能人が炎上を恐れて政治的発言を控える中、ここまではっきり自分の意見を言い切り、しかも日本では偏見の強いデモに対して敢然と擁護してみせるというのは、かなりの肝の据わり方といっていいだろう。が、SHELLYが本当にスゴいのはここからだった。SHELLYの発言は「保守速報」等の悪質まとめサイトでも取り上げられツイッターは大炎上。安倍親衛隊のネトウヨたちが次々と彼女に絡んできた。ネトウヨ達のやり口はいつものパターンだ。
 「メディアは嘘を報道しています。デモを影で主導しているのは社会主義者で、既に証拠写真もネット上で出回っています」「デモを主導しているのは、社会主義独裁を目指す共産党系の人々です。シェリーさんも報道機関にいる左翼シンパに騙されたのです」といったデモ=左翼党派の陰謀というデマに「平和平和と言いながらアベシネとか平気で言っちゃう人等のデモがカッコイイとでも思っているの?」「人を傷つけるのは決して肯定できる事ではないと思います。今回のデモで何人の方が怪我して逮捕されたかご存知ですか?」と、道徳的なふりをして国民が声を上げるのを抑え込もうとする説教。ファンのフリをして「Shellyの事大嫌いになりました。もう二度とテレビで顔見たくない」「ファンを辞めます」という嫌がらせ。「生まれて初めてテレビ番組、そのスポンサーに抗議電話をしようと思いました。暇なので明日はヒルナンデスのスポンサーに抗議電話します」という脅しもあった。更に聞くに堪えないようなヘイトスピーチも浴びせられた。「馬鹿ヤンキー女、日本から出て行け」「外国籍のハーフタレントは黙っていろ」「ホント、何様のつもりでしょうか。厚顔無恥ですね、参政権も無いくせに、日本国で仕事を貰って生きているくせに」「貴女は米韓ハーフなのですか?一滴の日本人の血も流れていない人が、日本どうなっちゃうのだろ?余計なお世話です。無責任な外人にご心配頂かなくて結構」現在、Wikipediaの彼女の項目までこうしたヘイト攻撃によって荒らされている。普通のタレントやアーティストなら、ここまでやられると発言をやめ、場合によってはツイッターを閉鎖したり謝罪コメントまで出したりしてしまうのだが、しかしSHELLYは全くひるまなかった。それどころか、逆に見事な返しで、安倍親衛隊のネトウヨ達を次々撃破していったのである。
 先ず政権批判を「ヘイトスピーチ」にすりかえ、デモを攻撃するネトウヨならではの論理には「いや、デモに対する偏見がひどすぎる」「なんだかな…デモで自分の考えを発信して国を変えようと頑張ってる人がいる事をかっこいいと言ったら何でこんな捉え方になるんだろう?ヘイトスピーチではなくフリースピーチを評価したのですよ」と一蹴。「米軍が日本を守ってるのですよ。米国が攻撃されたら助けるのは当たり前ですよね。ショックです」という安倍首相が乗り移ったような意見にも「いやいや、アメリカはダントツで世界一の軍事力を持ってる国です。日本の自衛隊員はアメリカの問題のためには命を落としたくないと思いますよ」と、冷静に返答して論破。
 「ハーフかなんかで『色眼鏡』で見えるのか知らないが」というリプにも「ハーフが皆、同じ考えって考えが偏見(笑)育つ環境や状況で人各々ですよ」と切り返した。更に圧巻だったのは「母親が韓国人」というデマに基く「在日」認定への対応だ。「ねーねー、なんでうちの母が韓国系になっちゃったの??チャプチェが作れるから?(笑)浅はか過ぎてなんにも言えない」とギャグを交えつつ反撃。そして、こうした時に軽妙な時に本質をつく反論によって、ネトウヨ達は徐々に退散しつつある。そう考えると今回のSHELLYの対応は見事という他はない。自分が一度、主張した事から逃げずに、批判には正面から対応しヘイト攻撃にもあくまで明るく、しかし、きちんと反撃する。その肝の据わり方は、我々も見習いたい。それに比べてネトウヨ達のなんと醜悪な事だろう。時代錯誤の国家観に根拠のない陰謀論、論理のスリカエ、さらにはハーフであることをネタにした差別、デマにもとづく「在日」認定……。しかし、こういう連中が今の日本の政権を支え、そして政権の側も根っこのところでは彼らと通じているのが現実だ。今後、こうした圧力はますますひどく、卑劣になっていくだろう。
 民主主義を崩壊させないためには、私もたちも今回のSHELLYのように、彼らの圧力にひるむことなく、戦争への「NO」を言い続ける必要がある。(リテラ)
(民守 正義)