「戦争法案-反対」の蠢き(5)
「戦争法案-反対」の蠢き(5)
《自民「戦争法制」訴えるも 反対派市民「帰れ!」》
自民党若手議員らでつくる青年局が7日「戦争関連法」の必要性や拉致問題の解決を訴える街頭行動を全国約80カ所で行った。「戦争法制」に反対する市民らも集まり憲法改悪反対などを訴えた。東京では谷垣党幹事長が「隙間のない抑止の体制をつくることで日本の平和と安全を保とうとしている」と「戦争法制」に理解を求めた。
これに対しプラカードやノボリを掲げた市民らが「戦争反対」「9条を壊すな」と声をあげた。市民グループ「〈安倍政権にNO!〉東京・地域ネットワーク」等の呼びかけに約100人が集まった。そこに市民グループらが谷垣党幹事長らに対して「帰れコール」。
谷垣党幹事長らは「帰れだけで平和は来ない」と反論する一幕があった。谷垣氏は「反対であっても国会で皆さんの代弁者を通じて、しっかり議論しようじゃありませんか」と呼びかけた。
谷垣党幹事長らは、4日の衆議院憲法審査会で憲法学者3人全員が関連法案を「違憲」と断じたことを念頭に「違憲・合憲を判断する最高裁は、日本が持つ固有の自衛権として集団的自衛権も否定してはいない。今度の法案も、まさに最高裁の憲法論の枠内で作られている」等と自民党独自解釈を垂れた。これに対し「憲法壊すな」「立憲主義を守れ」等のプラカードを掲げた聴衆が「戦争反対」「9条守れ」と声を上げ、次第に「帰れ、帰れ」という声が大きくなったところで谷垣党幹事長が反論した。
谷垣党幹事長の発言に対して民主党;枝野幹事長も7日「専門的に研究してきた人達が(違憲と)言っている。(合憲と)一刀両断で片付ければ、どこで憲法を勉強してきたのか」となると記者団に述べた。
安倍政権は集団的自衛権の行使容認が合憲である根拠として1959年の砂川事件の最高裁判決を“錦の御旗”にしているが、この上告審は裁判長(最高裁長官)が米国に魂を売って書き上げた「デタラメ判決」(陰謀=今や米国も「アベが言うな!」と非難している)だったことを国民はよく考えた方がいい。当時の田中最高裁長官がマッカーサー在日米国大使と密かに話し、砂川判決を政治的にねじ曲げたことが、米国の公文書(秘密期間完了)で明らかになっているのだ。そんな判決文を安倍政権があえて持ち出したことに対し、裁判の元被告人である当事者が18日、ついに怒りの声を上げた。
衆議院議員会館で会見を開いた元被告人は土屋源太郎氏(80)。1957年に米軍立川基地の拡張反対闘争で基地内に侵入したとして逮捕・起訴された一人だ。土屋氏らは米国の公文書を根拠に最高裁判決が憲法37条の「公平な裁判所」に違反しているとして現在、砂川事件の再審請求訴訟を行っている。「(「戦争関連法案」で)この汚れた、まさに無効判決を持ち出して引用する事は大きな欺瞞だ。国民を騙す方便でもあり、我々当事者は絶対に許せない」
米公文書では田中最高裁長官と米大使の密通がクッキリだ。極秘公電は3通あり、裁判の日程や進め方、判決の見通しについてまで事細かに報告されている。
当時、日米安保条約の改定の議論が始まっていて、砂川事件の1審判決(米軍駐留は違憲)がネックになっていたことから、米国は最高裁の早期の逆転判決を希望していた。公文書には〈田中裁判長は、来年の始めまでには最高裁は判決を下すことができるだろうと言った〉〈田中裁判長は、下級審の判決が支持されると思っているような様子は見せなかった〉とまで書かれているのだから驚く。こうした事実を政府が知らないはずはない。再審請求訴訟で極秘公電の翻訳をした元外交官の天木直人氏は「判決の成立過程を知りながら合憲の根拠にしたなら、これほどフザケタ話はない」「安倍政権の『戦争法制』の合憲性の議論以前に、田中最高裁長官が憲法違反」と憤った。土屋氏は、そもそも「砂川裁判の最高裁での審理で、自衛権の議論はなかった」とも明言した。
デタラメ判決が再審となれば政府は赤っ恥をかく。悪いことは言わない。「戦争法案」を今すぐ引っ込めるべきだ。
<「安保」討論で答弁拒否…安倍首相に政治家としての資質なし>
議論のスリ替え、ゴマカシの揚げ句、答弁拒否。テレビ中継を見ていた人は「違憲」を実感したに違いない。 集団的自衛権の行使を認める「戦争法案」をテーマに17日行われた党首討論。憲法学者を中心に「違憲」の大合唱が増す中で安倍首相の反論が注目されたが、結局、ナ~ンも説明できなかった。(要は法的学力不足で就いていけていない)
「我が国を取り巻く安全保障環境が根本的に変容したのか?」野党トップバッターに立った民主党;岡田代表が質したのに対し何をトチ狂ったのか突然、改悪派遣法の審議を巡る衆議院厚生労働委員会の混乱を持ち出し「言論の府を抹殺する行為」等と野党批判を始めた安倍首相。 岡田代表が「質問に答えていない」と迫っても知らん顔で、そのクセ「実のある討論にしようではないか」「見識を示し合おう」なんて言い出す始末だった。「必要な自衛措置を考えるのは政治家だ」とタンカを切っている政権だ。それなら国民の前で堂々と反論すればいい。党首討論は格好の場だ。それなのに最初から最後までノラリクラリ。真正面から答えようとしない。「実のある討論」を避けたのは安倍首相本人だろう。(理論的能力がない!)
アングリしたのは「存立危機事態」 や「重要影響事態」を認定する政府の判断基準を問われた際の答弁だ。まさに「戦争法案」の「キモ」で国民が最も知りたい内容だ。
ところが安倍首相は「ここで申し上げるのはいかがなものか。政策的な中身をさらすことになる」と答弁を拒否したのである。戦後70年間守ってきた「不戦の誓い」を大転換し国民の生命にも関る重要な判断基準だ。それが国会で示せないなんて、国民主権を否定したのも同然。「『必要な自衛の措置』がどこまで含まれるのかは、常に国際状況を見ながら判断しなければいけない」なんてエラソーに言っていたが、てんで理屈になっていない。政治評論家;山口朝雄は言う。「党首討論は、議題について簡単な事前通告で行うガチンコ勝負。やりとりを通じて政治家としての素養や識見が如実に表れる。討論を見る限り安倍首相には政治家としての資質が欠けている。それに『申し上げられない』なんて答弁が許されたら国会そのものがいらなくなる」党首討論する度にボロを出す安倍首相の“本性”に国民も気付いたはずだ。
<憲法の権威が再反論「平和守りたいなら学者の意見聞くべき」>
安倍政権よ、学者の意見を聞け。国会で「戦争法案」は「憲法違反だ」と批判した長谷部早大教授と小林慶大名誉教授が15日、日本記者クラブで会見。「法理」より「感情」優先で「合憲」と言い張る安倍政権に“再反論”し「戦争法制」のデタラメぶりを改めて世界に訴えた。先ず外国人記者からの質疑時間で反論の火ブタを切ったのは長谷部教授。 「憲法学者の言うとおりにしていたら、日本の平和と安全は守れない」と強弁する自民党;高村副総裁について聞かれると、こう答えた。「今回の『戦争法案』は日本の安全を、むしろ危うくすると考えている。日本の安全を確実に守りたいのであれば、ぜひ学者の意見を聞くべきだ」(だいたい好戦的な「高村」に平和運動の実績等、聞いたことがない)学者をコケにし続ける「高村」に、普通ならブチ切れてもよさそうだが、長谷部・小林両教授は冷静だった。
特に長谷部教授は4日の「憲法審査会」に、自民党の参考人として出席したにも関らず、後から「人選ミスだ」とメチャクチャなイチャモンをつけられている。この事についても長谷部教授はこう応じた。「事務局が私を選んで、自民党が受け入れたと私は伺っています。コンスティテューショナリズム(立憲主義)の専門家で呼ばれたが、その人間がたまたま憲法9条について発言したのが『けしからん』ということなのでしょう。しかし私は質問があれば、自分の思っていることを答えるだけだと思います」(やはり賢人「長谷部」と頭にカビが生えた「高村」の違いだ)あくまで自分は真実を話すだけ。会見で長谷部教授はクールな態度を貫いた。子供のケンカのように幼稚な論理をふっかける「アベ」と、同じ土俵に立つつもりはないのだろう。安倍首相が米上下両院合同会議で行ったヘタクソ英語スピーチとは違い、長谷部教授の流暢な英語に外国人記者は何度も頷いていた。(でも「アベ」のヘタクソ英語は、報道管制がしかれているらしい。でもヘタなのに・・・)
小林教授も時折、ジョークを交えながら安倍政権を痛烈に批判。仮に「戦争法制」が成立した場合「平和を傷つけられた」として政府を相手に訴訟準備をしていることを明言した上で、こう話した。「恐ろしいのは『戦争法制』のような憲法違反がまかり通ると、憲法に従って政治を行うというルールがなくなり、北朝鮮のような国になってしまうことだ。キム家と安倍家が一緒になっちゃう。それは絶対阻止しなければいけない。安倍のいうとおりにしたら、日本の自衛隊はアメリカの軍隊の“二軍”になるだけで、何一つ、いいことはない。だから『戦争法制』は撤回すべきで撤回しないならば選挙で倒すべきです」
両教授によると95%もの憲法学者が「戦争法制」は「違憲だ」としているという。
菅官房長官は「違憲ではないという学者もいっぱいいる」と言った後「数の問題ではない」と取り繕ったが「95%」という数字は大問題だろう。憲法学の権威である2人の再反論に安倍政権はグウの音も出ず「合憲か意見かはオレが決める」としか開き直るしかないだろう。だから「政策的な中身をさらすことになる」と答弁拒否-逃亡するのである。
安倍政権が別名「いつまで経っても『派遣』法案」の“改悪”派遣法の成立をやたらと急いでいる。与党は既に衆議院厚労委で採決を決行し衆議院本会議を経て参議院審議の予定だが、なぜ強引な国会運営を冒してまで「生涯ハケン」の仕組みを押し通そうとするのか。理解に苦しむ。今や派遣社員など非正規雇用者の数は、雇用者全体の4割近くに達している。安倍政権は、さらに低賃金の派遣社員を増やし、コスト安の労働市場を創出する気でいる。「いつまでも派遣じゃマズイ」として設定されていた派遣期間の上限を事実上撤廃し、派遣社員は「3年経過すれば派遣先から直接雇用を受ける」という、わずかにあった正社員への道を完全に閉ざそうとしている。正社員の派遣社員への置き換えも歯止めがなくなり、雇用者全体の賃金低下は加速していくに違いない。それにしても安倍政権は「日本の労働コストは高すぎる」という考えに毒され過ぎてはいないか。安倍政権の政策作成に関わる竹中慶大教授らは「厳しい労働規制と労働コスト上昇が日本の成長を損ねている」と唱えている。その発想の延長線上に、この先に待ち受ける「残業代ゼロ法案」や「解雇自由化法案」 もあるのだろう。 だが日本の労働コストが高いというのは事実なのか。先進34カ国が加盟するOECDの調査によると2013 年の日本の就業者1人当たりのGDPは22位。デフォルト危機のギリシャ(18位)をも下回る。決して労働コストが「高い」とは言えない水準で「竹中」らの「日本は人件費が高いから国際競争に負ける」という意見は「後進国と比べて」という但し書きが必要だ。世界の企業が海外の安い労働力を求めるのは、グローバル時代の宿命だ。日本企業が海外で儲けたカネを国内に戻し輸入依存で赤字続きの貿易収支を補完して、何とか経常黒字を保っているのが、日本経済の現状でもある。
そんな時代の趨勢に逆らって、後進国に奪われた仕事を国内に呼び戻そうと、日本の労働コストを後進国レベルに落としていくかのような安倍政権の試みは、 あまりにも不毛だ。日本社会に閉塞感を蔓延させるだけである。それこそが自衛隊の海外展開を可能にする「戦争法案」の成立に邁進する安倍政権の真の狙いなのではないか。経済的にも社会的にも国の閉塞感が強まると権力者が、その打破のために戦争を求めたがるのが歴史の教訓である。派遣法改悪は「戦争法案」と表裏一体で捉えなくてはいけない。
《自民「戦争法制」訴えるも 反対派市民「帰れ!」》
自民党若手議員らでつくる青年局が7日「戦争関連法」の必要性や拉致問題の解決を訴える街頭行動を全国約80カ所で行った。「戦争法制」に反対する市民らも集まり憲法改悪反対などを訴えた。東京では谷垣党幹事長が「隙間のない抑止の体制をつくることで日本の平和と安全を保とうとしている」と「戦争法制」に理解を求めた。
これに対しプラカードやノボリを掲げた市民らが「戦争反対」「9条を壊すな」と声をあげた。市民グループ「〈安倍政権にNO!〉東京・地域ネットワーク」等の呼びかけに約100人が集まった。そこに市民グループらが谷垣党幹事長らに対して「帰れコール」。
谷垣党幹事長らは「帰れだけで平和は来ない」と反論する一幕があった。谷垣氏は「反対であっても国会で皆さんの代弁者を通じて、しっかり議論しようじゃありませんか」と呼びかけた。
谷垣党幹事長らは、4日の衆議院憲法審査会で憲法学者3人全員が関連法案を「違憲」と断じたことを念頭に「違憲・合憲を判断する最高裁は、日本が持つ固有の自衛権として集団的自衛権も否定してはいない。今度の法案も、まさに最高裁の憲法論の枠内で作られている」等と自民党独自解釈を垂れた。これに対し「憲法壊すな」「立憲主義を守れ」等のプラカードを掲げた聴衆が「戦争反対」「9条守れ」と声を上げ、次第に「帰れ、帰れ」という声が大きくなったところで谷垣党幹事長が反論した。
谷垣党幹事長の発言に対して民主党;枝野幹事長も7日「専門的に研究してきた人達が(違憲と)言っている。(合憲と)一刀両断で片付ければ、どこで憲法を勉強してきたのか」となると記者団に述べた。
《安倍政権の「砂川判決」の歪曲利用》
<砂川裁判の当事者が怒り「許せない」>
安倍政権は集団的自衛権の行使容認が合憲である根拠として1959年の砂川事件の最高裁判決を“錦の御旗”にしているが、この上告審は裁判長(最高裁長官)が米国に魂を売って書き上げた「デタラメ判決」(陰謀=今や米国も「アベが言うな!」と非難している)だったことを国民はよく考えた方がいい。当時の田中最高裁長官がマッカーサー在日米国大使と密かに話し、砂川判決を政治的にねじ曲げたことが、米国の公文書(秘密期間完了)で明らかになっているのだ。そんな判決文を安倍政権があえて持ち出したことに対し、裁判の元被告人である当事者が18日、ついに怒りの声を上げた。
衆議院議員会館で会見を開いた元被告人は土屋源太郎氏(80)。1957年に米軍立川基地の拡張反対闘争で基地内に侵入したとして逮捕・起訴された一人だ。土屋氏らは米国の公文書を根拠に最高裁判決が憲法37条の「公平な裁判所」に違反しているとして現在、砂川事件の再審請求訴訟を行っている。「(「戦争関連法案」で)この汚れた、まさに無効判決を持ち出して引用する事は大きな欺瞞だ。国民を騙す方便でもあり、我々当事者は絶対に許せない」
米公文書では田中最高裁長官と米大使の密通がクッキリだ。極秘公電は3通あり、裁判の日程や進め方、判決の見通しについてまで事細かに報告されている。
当時、日米安保条約の改定の議論が始まっていて、砂川事件の1審判決(米軍駐留は違憲)がネックになっていたことから、米国は最高裁の早期の逆転判決を希望していた。公文書には〈田中裁判長は、来年の始めまでには最高裁は判決を下すことができるだろうと言った〉〈田中裁判長は、下級審の判決が支持されると思っているような様子は見せなかった〉とまで書かれているのだから驚く。こうした事実を政府が知らないはずはない。再審請求訴訟で極秘公電の翻訳をした元外交官の天木直人氏は「判決の成立過程を知りながら合憲の根拠にしたなら、これほどフザケタ話はない」「安倍政権の『戦争法制』の合憲性の議論以前に、田中最高裁長官が憲法違反」と憤った。土屋氏は、そもそも「砂川裁判の最高裁での審理で、自衛権の議論はなかった」とも明言した。
デタラメ判決が再審となれば政府は赤っ恥をかく。悪いことは言わない。「戦争法案」を今すぐ引っ込めるべきだ。
<「安保」討論で答弁拒否…安倍首相に政治家としての資質なし>
議論のスリ替え、ゴマカシの揚げ句、答弁拒否。テレビ中継を見ていた人は「違憲」を実感したに違いない。 集団的自衛権の行使を認める「戦争法案」をテーマに17日行われた党首討論。憲法学者を中心に「違憲」の大合唱が増す中で安倍首相の反論が注目されたが、結局、ナ~ンも説明できなかった。(要は法的学力不足で就いていけていない)
「我が国を取り巻く安全保障環境が根本的に変容したのか?」野党トップバッターに立った民主党;岡田代表が質したのに対し何をトチ狂ったのか突然、改悪派遣法の審議を巡る衆議院厚生労働委員会の混乱を持ち出し「言論の府を抹殺する行為」等と野党批判を始めた安倍首相。 岡田代表が「質問に答えていない」と迫っても知らん顔で、そのクセ「実のある討論にしようではないか」「見識を示し合おう」なんて言い出す始末だった。「必要な自衛措置を考えるのは政治家だ」とタンカを切っている政権だ。それなら国民の前で堂々と反論すればいい。党首討論は格好の場だ。それなのに最初から最後までノラリクラリ。真正面から答えようとしない。「実のある討論」を避けたのは安倍首相本人だろう。(理論的能力がない!)
アングリしたのは「存立危機事態」 や「重要影響事態」を認定する政府の判断基準を問われた際の答弁だ。まさに「戦争法案」の「キモ」で国民が最も知りたい内容だ。
ところが安倍首相は「ここで申し上げるのはいかがなものか。政策的な中身をさらすことになる」と答弁を拒否したのである。戦後70年間守ってきた「不戦の誓い」を大転換し国民の生命にも関る重要な判断基準だ。それが国会で示せないなんて、国民主権を否定したのも同然。「『必要な自衛の措置』がどこまで含まれるのかは、常に国際状況を見ながら判断しなければいけない」なんてエラソーに言っていたが、てんで理屈になっていない。政治評論家;山口朝雄は言う。「党首討論は、議題について簡単な事前通告で行うガチンコ勝負。やりとりを通じて政治家としての素養や識見が如実に表れる。討論を見る限り安倍首相には政治家としての資質が欠けている。それに『申し上げられない』なんて答弁が許されたら国会そのものがいらなくなる」党首討論する度にボロを出す安倍首相の“本性”に国民も気付いたはずだ。
<憲法の権威が再反論「平和守りたいなら学者の意見聞くべき」>
安倍政権よ、学者の意見を聞け。国会で「戦争法案」は「憲法違反だ」と批判した長谷部早大教授と小林慶大名誉教授が15日、日本記者クラブで会見。「法理」より「感情」優先で「合憲」と言い張る安倍政権に“再反論”し「戦争法制」のデタラメぶりを改めて世界に訴えた。先ず外国人記者からの質疑時間で反論の火ブタを切ったのは長谷部教授。 「憲法学者の言うとおりにしていたら、日本の平和と安全は守れない」と強弁する自民党;高村副総裁について聞かれると、こう答えた。「今回の『戦争法案』は日本の安全を、むしろ危うくすると考えている。日本の安全を確実に守りたいのであれば、ぜひ学者の意見を聞くべきだ」(だいたい好戦的な「高村」に平和運動の実績等、聞いたことがない)学者をコケにし続ける「高村」に、普通ならブチ切れてもよさそうだが、長谷部・小林両教授は冷静だった。
特に長谷部教授は4日の「憲法審査会」に、自民党の参考人として出席したにも関らず、後から「人選ミスだ」とメチャクチャなイチャモンをつけられている。この事についても長谷部教授はこう応じた。「事務局が私を選んで、自民党が受け入れたと私は伺っています。コンスティテューショナリズム(立憲主義)の専門家で呼ばれたが、その人間がたまたま憲法9条について発言したのが『けしからん』ということなのでしょう。しかし私は質問があれば、自分の思っていることを答えるだけだと思います」(やはり賢人「長谷部」と頭にカビが生えた「高村」の違いだ)あくまで自分は真実を話すだけ。会見で長谷部教授はクールな態度を貫いた。子供のケンカのように幼稚な論理をふっかける「アベ」と、同じ土俵に立つつもりはないのだろう。安倍首相が米上下両院合同会議で行ったヘタクソ英語スピーチとは違い、長谷部教授の流暢な英語に外国人記者は何度も頷いていた。(でも「アベ」のヘタクソ英語は、報道管制がしかれているらしい。でもヘタなのに・・・)
小林教授も時折、ジョークを交えながら安倍政権を痛烈に批判。仮に「戦争法制」が成立した場合「平和を傷つけられた」として政府を相手に訴訟準備をしていることを明言した上で、こう話した。「恐ろしいのは『戦争法制』のような憲法違反がまかり通ると、憲法に従って政治を行うというルールがなくなり、北朝鮮のような国になってしまうことだ。キム家と安倍家が一緒になっちゃう。それは絶対阻止しなければいけない。安倍のいうとおりにしたら、日本の自衛隊はアメリカの軍隊の“二軍”になるだけで、何一つ、いいことはない。だから『戦争法制』は撤回すべきで撤回しないならば選挙で倒すべきです」
両教授によると95%もの憲法学者が「戦争法制」は「違憲だ」としているという。
菅官房長官は「違憲ではないという学者もいっぱいいる」と言った後「数の問題ではない」と取り繕ったが「95%」という数字は大問題だろう。憲法学の権威である2人の再反論に安倍政権はグウの音も出ず「合憲か意見かはオレが決める」としか開き直るしかないだろう。だから「政策的な中身をさらすことになる」と答弁拒否-逃亡するのである。
<戦争法案と表裏一体の派遣法改悪>
安倍政権が別名「いつまで経っても『派遣』法案」の“改悪”派遣法の成立をやたらと急いでいる。与党は既に衆議院厚労委で採決を決行し衆議院本会議を経て参議院審議の予定だが、なぜ強引な国会運営を冒してまで「生涯ハケン」の仕組みを押し通そうとするのか。理解に苦しむ。今や派遣社員など非正規雇用者の数は、雇用者全体の4割近くに達している。安倍政権は、さらに低賃金の派遣社員を増やし、コスト安の労働市場を創出する気でいる。「いつまでも派遣じゃマズイ」として設定されていた派遣期間の上限を事実上撤廃し、派遣社員は「3年経過すれば派遣先から直接雇用を受ける」という、わずかにあった正社員への道を完全に閉ざそうとしている。正社員の派遣社員への置き換えも歯止めがなくなり、雇用者全体の賃金低下は加速していくに違いない。それにしても安倍政権は「日本の労働コストは高すぎる」という考えに毒され過ぎてはいないか。安倍政権の政策作成に関わる竹中慶大教授らは「厳しい労働規制と労働コスト上昇が日本の成長を損ねている」と唱えている。その発想の延長線上に、この先に待ち受ける「残業代ゼロ法案」や「解雇自由化法案」 もあるのだろう。 だが日本の労働コストが高いというのは事実なのか。先進34カ国が加盟するOECDの調査によると2013 年の日本の就業者1人当たりのGDPは22位。デフォルト危機のギリシャ(18位)をも下回る。決して労働コストが「高い」とは言えない水準で「竹中」らの「日本は人件費が高いから国際競争に負ける」という意見は「後進国と比べて」という但し書きが必要だ。世界の企業が海外の安い労働力を求めるのは、グローバル時代の宿命だ。日本企業が海外で儲けたカネを国内に戻し輸入依存で赤字続きの貿易収支を補完して、何とか経常黒字を保っているのが、日本経済の現状でもある。
そんな時代の趨勢に逆らって、後進国に奪われた仕事を国内に呼び戻そうと、日本の労働コストを後進国レベルに落としていくかのような安倍政権の試みは、 あまりにも不毛だ。日本社会に閉塞感を蔓延させるだけである。それこそが自衛隊の海外展開を可能にする「戦争法案」の成立に邁進する安倍政権の真の狙いなのではないか。経済的にも社会的にも国の閉塞感が強まると権力者が、その打破のために戦争を求めたがるのが歴史の教訓である。派遣法改悪は「戦争法案」と表裏一体で捉えなくてはいけない。
(民守 正義)
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