「憲法審査会-違憲」後の動向(11)
「憲法審査会-違憲」後の動向(11)
維新の党は17日、労働者派遣法と農協法の両改悪案に関する対案の扱いを不服として、衆議院各委員会で同日午前の法案審議を拒否した。これを受けて「維新」と協議した自民党・公明党は、要求通りに処理する考えを伝達。「維新」は午後から審議に復帰する方針を決めた。3党は17日に予定していた農協法改正案の 衆議院農林水産委員会採決を、来週以降に持ち越すことで合意した。
「維新」は農協法に関して改正案の修正、労働者派遣法を巡っては議員立法の「同一労働同一賃金推進法案」の早期採決を主張したが、与党が応じていなかった。
【民主党「戦争関連法案」】
〔岡田民主党代表〕「安全保障環境が根本的に変容したから集団的自衛権行使が必要になった」と言うが、ホルムズ海峡で、どのような根本的変容があったのか。
〔安倍首相〕ホルムズ海峡の機雷掃海は他の国々にお任せして、掃海によって日本に到達する石油は使わせてもらうと言えるのか。日本の石油の8割はあの海峡を通って来る。自分達の安全のために、自分達の能力を使わなくていいのか。
〔岡田民主党代表〕朝鮮半島有事は重要影響事態だ。どういう事が加われば存立危機事態になるか。
〔安倍首相〕武力行使の新3要件に当てはまるかが全てだ。それはその時々に適切に判断する。
〔岡田民主党代表〕だから憲法違反なのだ。
「武力行使する、しない」「憲法違反になる、ならない」の判断を時の内閣に丸投げしている。そんな国はどこにもない。将来の首相が「徴兵制は憲法に合致している」と判断して閣議決定するリスクを考えたとき、首相の行ったことは罪が重い。
〔安倍首相〕どれを超えたら憲法違反だと法律に書く必要はない。法律そのものが憲法範囲内にあるからこそ提出している。1959年の最高裁砂川判決の法理によって、政府として72年に解釈を行った。あの段階では集団的自衛権の行使は必要最小限度を超えると考えたが、砂川判決で出た「必要な自衛の措置」がどこまで含まれるかは、常に国際状況を見ながら判断しなければいけない。
〔岡田民主党代表〕政府の考え方を認める訳にはいかない。民主党は領海警備法、周辺事態法の充実を提案している。周辺事態はそれで十分対応できる。集団的自衛権は要らない。
【維新の党「戦争関連法案」・参議院選挙制度改革】
〔松野維新の党代表〕「戦争関連法案」修正協議に応じるつもりは全くない。我々は独自案を提出する。
その案に賛成するなら通してほしい。24日までの会期を延長するのか、秋の臨時国会でやり直すのか。
〔安倍首相〕今、国会を開いている最中だから、国会の中で審議が深まっていくことを期待したい。
〔松野維新の党代表〕党利党略でなく、(選挙区の1票の格差は違憲状態との)最高裁判断に応えていくことが必要だ。
〔安倍首相〕最高裁判決は当然、真摯に受け止めなければならない。立法府が責任を果たしていくのは当然だ。来年の参院選に間に合わせるべく、私も自民党総裁として最大限努力していかなければいけない。党に取りまとめの指示をしている。野党4党の合意案を作られた。ご努力に敬意を表したい。
【共産党「戦争関連法案」】
〔志位共産党委員長〕「武力行使と一体でない後方支援」という議論は世界で通用しない。
〔安倍首相〕兵站は極めて重要だ。だからこそ安全な場所を選んで後方支援をしていく。
《「憲法審査会-違憲(6月5日)」以降のあれこれ⑤》
<民主党 会期延長反対「戦争関連法再提出を>
民主党;高木国会対策委員長は記者会見で、政府・与党が「戦争関連法案」等の成立を図るため、今国会の会期を延長する方針について「延長には反対だ」と述べ「会期延長せず法案を提出し直すべきだ」という考えを示した。政府・与党は、来週24日に会期末を迎える今国会の会期について「戦争関連法案」等の重要法案の成立を図るため、今週の国会審議の状況を見極めながら、いつまで延長するか調整を本格化させている。これについて民主党;高木国会対策委員長は「政府・与党内からは、大幅な延長という声があるようだが『戦争関連法案』の早期成立を望む国民はいないと感じている。我々としては『憲法違反だ』という認識で、政府・与党の説明も論理破綻していると指摘せざるをえない」と述べた。その上で高木国会対策委員長は「ここは一旦、立ち止まって国会を会期どおりに閉じて国民に考える余裕を与えるべきだし、法案をしっかりしたものにして出し直すべきだ。我々は会期延長には反対で『戦争関連法案』は廃案にすべきだと思っている」と述べ、会期を延長せず法案を再検討して提出し直すべきという考えを示した。
<「戦争法案」自公-会期延長幅は慎重に検討>
自民・公明両党の幹事長らが会談し、今国会の最大の焦点となっている「戦争関連法案」を成立させるためには来週24日までの会期延長が必要だとして、国会審議の状況を今週中まで見極めて、いつまで延長するのか慎重に検討することで一致した。会談には自民・公明両党の幹事長と国会対策委員長が出席し、会期末を来週24日に控えて今後の国会運営を協議した。この中で両党は「戦争関連法案」を今国会で成立させるため、残り1週間となっている会期を延長する方針を改めて確認した。
その上で自民党の谷垣幹事長は「参議院側の幹部とも調整した上で、いつまで延長するのか決定したい」と述べ、政府や自民党の参議院側との調整を急ぐ考えを示した。
会談の後、自民党;佐藤国会対策委員長は記者団に対し「今週の国会の審議状況を見た上で会期の延長を考える事になる。今週は衆参両院の議長に延長の申入れをすることはないと思って結構だ」と述べ、19日までに会期の延長幅は決まらないという見通しを示した。
【自民「高村」-「審議に十分な期間を」】
自民党;高村副総裁は、記者団に対し「法案は、できるだけ早く成立させた方がいいが、十分な審議が必要だ。会期をいつまでにとは言わないようにしているが、決める立場にある人には『十分な期間をとってください』とお願いしている」と述べ、審議時間を十分確保できる延長幅が必要だという考えを示した。
【民主「安住」-「会期延長には反対」】
民主党;安住国会対策委員長代理は、記者会見で「会期の延長には反対だ。国会の会期は150日と法律で決まっており、150日の間にコンセンサスを得られる法案だからこそ、国民の理解を得られるというのが普通の認識だ。今のところ我が党と自民党で歩み寄ることは少ないと思うので、国会延長するということは、国民の声も聞かずに無理やり採決を強行すると捉えざるをえない」と述べた。
*なお今後とも、本稿「『憲法審査会-違憲』後の動向」は随時、継続的に掲載します。
《6月17日「国会審議」状況等》
<維新の党、衆議院で審議拒否>
<維新の党、衆議院で審議拒否>
維新の党は17日、労働者派遣法と農協法の両改悪案に関する対案の扱いを不服として、衆議院各委員会で同日午前の法案審議を拒否した。これを受けて「維新」と協議した自民党・公明党は、要求通りに処理する考えを伝達。「維新」は午後から審議に復帰する方針を決めた。3党は17日に予定していた農協法改正案の 衆議院農林水産委員会採決を、来週以降に持ち越すことで合意した。
「維新」は農協法に関して改正案の修正、労働者派遣法を巡っては議員立法の「同一労働同一賃金推進法案」の早期採決を主張したが、与党が応じていなかった。
<党首討論‐民主党・維新の党・共産党>
【民主党「戦争関連法案」】
〔岡田民主党代表〕「安全保障環境が根本的に変容したから集団的自衛権行使が必要になった」と言うが、ホルムズ海峡で、どのような根本的変容があったのか。
〔安倍首相〕ホルムズ海峡の機雷掃海は他の国々にお任せして、掃海によって日本に到達する石油は使わせてもらうと言えるのか。日本の石油の8割はあの海峡を通って来る。自分達の安全のために、自分達の能力を使わなくていいのか。
〔岡田民主党代表〕朝鮮半島有事は重要影響事態だ。どういう事が加われば存立危機事態になるか。
〔安倍首相〕武力行使の新3要件に当てはまるかが全てだ。それはその時々に適切に判断する。
〔岡田民主党代表〕だから憲法違反なのだ。
「武力行使する、しない」「憲法違反になる、ならない」の判断を時の内閣に丸投げしている。そんな国はどこにもない。将来の首相が「徴兵制は憲法に合致している」と判断して閣議決定するリスクを考えたとき、首相の行ったことは罪が重い。
〔安倍首相〕どれを超えたら憲法違反だと法律に書く必要はない。法律そのものが憲法範囲内にあるからこそ提出している。1959年の最高裁砂川判決の法理によって、政府として72年に解釈を行った。あの段階では集団的自衛権の行使は必要最小限度を超えると考えたが、砂川判決で出た「必要な自衛の措置」がどこまで含まれるかは、常に国際状況を見ながら判断しなければいけない。
〔岡田民主党代表〕政府の考え方を認める訳にはいかない。民主党は領海警備法、周辺事態法の充実を提案している。周辺事態はそれで十分対応できる。集団的自衛権は要らない。
【維新の党「戦争関連法案」・参議院選挙制度改革】
〔松野維新の党代表〕「戦争関連法案」修正協議に応じるつもりは全くない。我々は独自案を提出する。
その案に賛成するなら通してほしい。24日までの会期を延長するのか、秋の臨時国会でやり直すのか。
〔安倍首相〕今、国会を開いている最中だから、国会の中で審議が深まっていくことを期待したい。
〔松野維新の党代表〕党利党略でなく、(選挙区の1票の格差は違憲状態との)最高裁判断に応えていくことが必要だ。
〔安倍首相〕最高裁判決は当然、真摯に受け止めなければならない。立法府が責任を果たしていくのは当然だ。来年の参院選に間に合わせるべく、私も自民党総裁として最大限努力していかなければいけない。党に取りまとめの指示をしている。野党4党の合意案を作られた。ご努力に敬意を表したい。
【共産党「戦争関連法案」】
〔志位共産党委員長〕「武力行使と一体でない後方支援」という議論は世界で通用しない。
〔安倍首相〕兵站は極めて重要だ。だからこそ安全な場所を選んで後方支援をしていく。
《「憲法審査会-違憲(6月5日)」以降のあれこれ⑤》
<民主党 会期延長反対「戦争関連法再提出を>
民主党;高木国会対策委員長は記者会見で、政府・与党が「戦争関連法案」等の成立を図るため、今国会の会期を延長する方針について「延長には反対だ」と述べ「会期延長せず法案を提出し直すべきだ」という考えを示した。政府・与党は、来週24日に会期末を迎える今国会の会期について「戦争関連法案」等の重要法案の成立を図るため、今週の国会審議の状況を見極めながら、いつまで延長するか調整を本格化させている。これについて民主党;高木国会対策委員長は「政府・与党内からは、大幅な延長という声があるようだが『戦争関連法案』の早期成立を望む国民はいないと感じている。我々としては『憲法違反だ』という認識で、政府・与党の説明も論理破綻していると指摘せざるをえない」と述べた。その上で高木国会対策委員長は「ここは一旦、立ち止まって国会を会期どおりに閉じて国民に考える余裕を与えるべきだし、法案をしっかりしたものにして出し直すべきだ。我々は会期延長には反対で『戦争関連法案』は廃案にすべきだと思っている」と述べ、会期を延長せず法案を再検討して提出し直すべきという考えを示した。
<「戦争法案」自公-会期延長幅は慎重に検討>
自民・公明両党の幹事長らが会談し、今国会の最大の焦点となっている「戦争関連法案」を成立させるためには来週24日までの会期延長が必要だとして、国会審議の状況を今週中まで見極めて、いつまで延長するのか慎重に検討することで一致した。会談には自民・公明両党の幹事長と国会対策委員長が出席し、会期末を来週24日に控えて今後の国会運営を協議した。この中で両党は「戦争関連法案」を今国会で成立させるため、残り1週間となっている会期を延長する方針を改めて確認した。
その上で自民党の谷垣幹事長は「参議院側の幹部とも調整した上で、いつまで延長するのか決定したい」と述べ、政府や自民党の参議院側との調整を急ぐ考えを示した。
会談の後、自民党;佐藤国会対策委員長は記者団に対し「今週の国会の審議状況を見た上で会期の延長を考える事になる。今週は衆参両院の議長に延長の申入れをすることはないと思って結構だ」と述べ、19日までに会期の延長幅は決まらないという見通しを示した。
【自民「高村」-「審議に十分な期間を」】
自民党;高村副総裁は、記者団に対し「法案は、できるだけ早く成立させた方がいいが、十分な審議が必要だ。会期をいつまでにとは言わないようにしているが、決める立場にある人には『十分な期間をとってください』とお願いしている」と述べ、審議時間を十分確保できる延長幅が必要だという考えを示した。
【民主「安住」-「会期延長には反対」】
民主党;安住国会対策委員長代理は、記者会見で「会期の延長には反対だ。国会の会期は150日と法律で決まっており、150日の間にコンセンサスを得られる法案だからこそ、国民の理解を得られるというのが普通の認識だ。今のところ我が党と自民党で歩み寄ることは少ないと思うので、国会延長するということは、国民の声も聞かずに無理やり採決を強行すると捉えざるをえない」と述べた。
*なお今後とも、本稿「『憲法審査会-違憲』後の動向」は随時、継続的に掲載します。
(民守 正義)
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