「憲法審査会-違憲」後の動向(2)
「憲法審査会-違憲」後の動向(2)
《憲法審査会で「戦争法案-違憲」の小林教授;抗議集会に参加》
衆院憲法審査会の参考人質疑で「戦争関連法案」について「憲法違反」との見解を示した小林慶大名誉教授が5日夜、学生らが主催する国会前の抗議集会に参加した。
集会には、学生ら数百人が参加。小林教授は雨の中、学生らに向かい「憲法を無視する習慣がついてしまうと、民主国家ではなくて、独裁国家になってしまう。次の世代のために闘ってほしい」と訴えた。
《戦争法制、野党が法案撤回要求 憲法学者の違憲論で攻勢》
新たな「戦争関連法案」を審議する衆院特別委員会は5日、一般質疑を行った。
野党は、前日の衆院憲法審査会で3人の憲法学者が「戦争関連法案」を「憲法違反」と指摘したことを受けて、法案の撤回を求めるなど攻勢を強めた。今回の「戦争法制」の中核ともいえる集団的自衛権の行使に焦点があたり、安倍内閣が閣議決定で変更した憲法解釈の是非が再び問われることになる。
今回の「戦争関連法案」は従来の憲法解釈を変更し、他国の戦争に日本が関われるようにする集団的自衛権の行使を認めた昨年7月の閣議決定が原点だ。憲法改悪を避け、9条の事実上の解釈改憲を進めた安倍内閣に対して憲法学者を中心に批判が高まり、直後の報道各社による世論調査では内閣支持率が一時低下した。
この日の特別委で辻元議員(民主)は、自民推薦の長谷部;早大教授が憲法審査会で自衛隊による武力行使について「憲法解釈を変えたため、意味が返って不明確化した」と指摘したことを取り上げた。その上で、辻元議員は「武力行使の基準が分からない法案は取り下げた方が良い」と訴えた。
これに対し中谷防衛相は「憲法違反に当たらない」と反論し、武力行使の基準については「現実に発生した個別具体的な状況に即して政府が判断する」と述べるにとどめた。
長島議員(民主)も長谷部教授の発言を引用し「集団的自衛権行使を認めた憲法解釈の変更」は「法的な安定性を大きく揺るがす」と述べた。横畠内閣法制局長官は「これまでの憲法解釈との論理的整合性は保たれ、法的安定性は保たれている」と答弁した。
前日の憲法学者からの「違憲」との指摘について、菅義偉官房長官は5日の定例会見で「行政府による憲法解釈として裁量の範囲内」と改めて強調した。
だが、集団的自衛権行使の是非を巡る議論が衆議院特別委員会に飛び火し、政府・与党は今後の国会運営に与える影響に懸念を抱きはじめている。「国民的な理解」を欠いたまま審議を進めれば内閣や与党の支持率に響きかねず政権の足元が揺らいで今年夏まの法案成立という目算も狂いかねないためだ。
《国会軽視批判に首相「何の問題もない」》
新たな「戦争関連11法案」を審議する衆議院特別委員会が27日、始まった。安倍首相は「紛争を未然に防ぐために自衛隊を堅持し、日米同盟を強化する。国民の命と平和な暮らしを守るため、グレーゾーン対処から集団的自衛権の一部容認まで切れ目ない法整備を進めていく」と述べ、法案の意義を強調した。
政府は昨年7月の閣議決定に基づいて集団的自衛権を行使し、自衛隊の海外活動を拡大する「戦争関連11法案」の今国会中の成立を目指している。
この日の答弁で首相は、中東・ホルムズ海峡での機雷除去については集団的自衛権の行使が可能との見解を示す一方、「他の例は念頭にありません」と述べ、中東地域で集団的自衛権を行使するケースは機雷除去以外に想定できないと説明した。
首相が、米議会での演説で「この夏までに(法案を)成就させる」と発言し、野党から「国会軽視」と批判されている事について、首相は「明確に公約に掲げており、成立させる義務がある。何の問題もない」と反論した。
《見渡す限り「アカン!」 軍事法制「ノー」》
憲法9条の解釈を変え、集団的自衛権を使えるようにする「戦争関連法案」の成立を急ぐ安倍政権に対し「憲法改悪の手続きをとらない『なし崩しの法制化』はノー」と訴える大規模集会が7日、大阪市内で開かれた。主催した大阪弁護士会によると、約4千人が参加。集会後は繁華街に繰り出し、抗議の声を上げながら練り歩いた。私も車椅子で参加した。
集会は扇町公園であり、社会学者の上野千鶴子さんは衆院憲法審査会で憲法学者3人全員が「戦争関連法案」を「違憲」と指摘したことに言及。「学者の言うことを無視していいのでしょうか。違憲の法案を国会で審議すること自体がばかげている」と語った。
国際NGOピースボートの共同代表・川崎哲さんも新たな安保法制について「世界に『戦争をしない』と約束した憲法9条を骨抜きにする動き。非軍事の話し合いで世界の問題を解決しよう、と言うべきだ」と求めた。弁護士会の憲法問題特別委員長が「反対の声を上げよう」と呼びかけると、女性や若者らが「アカン!」と書かれた黄色い紙を一斉に掲げた。
《自民内部からも異論「無視は傲慢」》
自民党総務会で九日、衆議院憲法審査会に参考人として出席した憲法学者三人が揃って他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を「憲法違反」と明言したことを巡り「戦争関連法案」に対して改めて疑問の声が上がった。谷垣禎一幹事長は、法案採決にあたっては 党議拘束をかける意向を示した。
総務会では村上衆院議員が「憲法学者の言うことを自民党だけは聞かなくていいという傲慢な姿勢は改めるべきだ」と指摘。法案採決では党議拘束を外すよう、執行部に求めた。
木村参院議員は、砂川事件の最高裁判決を根拠に集団的自衛権の行使を認めるという憲法解釈に対して、「短絡的すぎる。そういう主張をしていると傷口を広げるので、これ以上言わない方がいい」と忠告した。
一方、谷垣幹事長は安保法案が国会提出に先立つ事前審査で了承されていることを踏まえ「党としてばらばらの対応は取れない」と強調した。二階総務会長は、その後の記者会見で、党議拘束をかけるかどうかについて「大きな問題でもあり、国会審議の状況を見ながら方向を定めていきたい」と述べるにとどめた。今後の基本的な対応に自民党内の混乱振りが如実に示すものであった。
《まだ言うか!「戦争法案 合憲」砂川判決》
先進七カ国(G7)首脳会議(サミット)は八日(日本時間同日)、中国を念頭に東シナ海と南シナ海での力による「現状変更の試み」への反対等を盛り込んだ首脳宣言を採択して閉幕した。安倍首相はその後、内外記者会見に臨み、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認等を含む「戦争関連法案」に関し、憲法学者から「違憲立法」との指摘が相次いでいることに対し「憲法の基本的論理は全く変わっていない」と反論し、法案撤回にも言及しなかった。
首相は法案が合憲との根拠について一九五九年の最高裁による砂川事件判決を挙げ「わが国の存立を全うするために自衛の措置を取りうることは国家権能として当然のこと」と指摘。その上で今回の集団的自衛権の行使容認に関し「他国の防衛を目的とするのでなく、最高裁判決に沿ったものであるのは明白」と述べた。
しかし砂川事件は、五七年に東京都砂川町(現立川市)の米軍立川基地拡張に反対し、基地内に立ち入ったデモ隊の一部が日米安全保障条約に基づく刑事特別法違反の罪で起訴され、裁判で米軍駐留の合憲性が問われたもの。最高裁判決は日本の個別的自衛権を認めたもので集団的自衛権は問題になっていないとの考えが常識で、法曹界では「集団的自衛権」に砂川判決を持ち出すだけで「法葎音痴」の恥をかくだけだ。これは結果的に与党協議でも「高村」が持ち出したが、「無理があり関係無い」と一蹴されている。
また首相は会見で、集団的自衛権の行使を認める場合の武力行使の新三要件にも言及。他国への攻撃であっても日本の存立が脅かされ、国民の権利が覆される明白な危険があるといった新三要件に基づき「憲法の基本的な論理は貫かれている」と強調した。新三要件に適合するかどうかは政府の判断に委ねられ、 行使の基準が曖昧との指摘には答えなかった。もう、この際、お互いに三流大学の勉強嫌いだったらしいから、この際は学者の言う事を聞いたら~♭【参考サイト;安保法案答弁でも嘘とヤジ…安倍晋三は小学生時代から嘘つきだったという新証言が…】
*なお今後とも、本稿「『憲法審査会-違憲』後の動向」は随時、継続的に掲載します。
《憲法審査会で「戦争法案-違憲」の小林教授;抗議集会に参加》
衆院憲法審査会の参考人質疑で「戦争関連法案」について「憲法違反」との見解を示した小林慶大名誉教授が5日夜、学生らが主催する国会前の抗議集会に参加した。
集会には、学生ら数百人が参加。小林教授は雨の中、学生らに向かい「憲法を無視する習慣がついてしまうと、民主国家ではなくて、独裁国家になってしまう。次の世代のために闘ってほしい」と訴えた。
《戦争法制、野党が法案撤回要求 憲法学者の違憲論で攻勢》
新たな「戦争関連法案」を審議する衆院特別委員会は5日、一般質疑を行った。
野党は、前日の衆院憲法審査会で3人の憲法学者が「戦争関連法案」を「憲法違反」と指摘したことを受けて、法案の撤回を求めるなど攻勢を強めた。今回の「戦争法制」の中核ともいえる集団的自衛権の行使に焦点があたり、安倍内閣が閣議決定で変更した憲法解釈の是非が再び問われることになる。
今回の「戦争関連法案」は従来の憲法解釈を変更し、他国の戦争に日本が関われるようにする集団的自衛権の行使を認めた昨年7月の閣議決定が原点だ。憲法改悪を避け、9条の事実上の解釈改憲を進めた安倍内閣に対して憲法学者を中心に批判が高まり、直後の報道各社による世論調査では内閣支持率が一時低下した。
この日の特別委で辻元議員(民主)は、自民推薦の長谷部;早大教授が憲法審査会で自衛隊による武力行使について「憲法解釈を変えたため、意味が返って不明確化した」と指摘したことを取り上げた。その上で、辻元議員は「武力行使の基準が分からない法案は取り下げた方が良い」と訴えた。
これに対し中谷防衛相は「憲法違反に当たらない」と反論し、武力行使の基準については「現実に発生した個別具体的な状況に即して政府が判断する」と述べるにとどめた。
長島議員(民主)も長谷部教授の発言を引用し「集団的自衛権行使を認めた憲法解釈の変更」は「法的な安定性を大きく揺るがす」と述べた。横畠内閣法制局長官は「これまでの憲法解釈との論理的整合性は保たれ、法的安定性は保たれている」と答弁した。
前日の憲法学者からの「違憲」との指摘について、菅義偉官房長官は5日の定例会見で「行政府による憲法解釈として裁量の範囲内」と改めて強調した。
だが、集団的自衛権行使の是非を巡る議論が衆議院特別委員会に飛び火し、政府・与党は今後の国会運営に与える影響に懸念を抱きはじめている。「国民的な理解」を欠いたまま審議を進めれば内閣や与党の支持率に響きかねず政権の足元が揺らいで今年夏まの法案成立という目算も狂いかねないためだ。
《国会軽視批判に首相「何の問題もない」》
新たな「戦争関連11法案」を審議する衆議院特別委員会が27日、始まった。安倍首相は「紛争を未然に防ぐために自衛隊を堅持し、日米同盟を強化する。国民の命と平和な暮らしを守るため、グレーゾーン対処から集団的自衛権の一部容認まで切れ目ない法整備を進めていく」と述べ、法案の意義を強調した。
政府は昨年7月の閣議決定に基づいて集団的自衛権を行使し、自衛隊の海外活動を拡大する「戦争関連11法案」の今国会中の成立を目指している。
この日の答弁で首相は、中東・ホルムズ海峡での機雷除去については集団的自衛権の行使が可能との見解を示す一方、「他の例は念頭にありません」と述べ、中東地域で集団的自衛権を行使するケースは機雷除去以外に想定できないと説明した。
首相が、米議会での演説で「この夏までに(法案を)成就させる」と発言し、野党から「国会軽視」と批判されている事について、首相は「明確に公約に掲げており、成立させる義務がある。何の問題もない」と反論した。
《見渡す限り「アカン!」 軍事法制「ノー」》
憲法9条の解釈を変え、集団的自衛権を使えるようにする「戦争関連法案」の成立を急ぐ安倍政権に対し「憲法改悪の手続きをとらない『なし崩しの法制化』はノー」と訴える大規模集会が7日、大阪市内で開かれた。主催した大阪弁護士会によると、約4千人が参加。集会後は繁華街に繰り出し、抗議の声を上げながら練り歩いた。私も車椅子で参加した。
集会は扇町公園であり、社会学者の上野千鶴子さんは衆院憲法審査会で憲法学者3人全員が「戦争関連法案」を「違憲」と指摘したことに言及。「学者の言うことを無視していいのでしょうか。違憲の法案を国会で審議すること自体がばかげている」と語った。
国際NGOピースボートの共同代表・川崎哲さんも新たな安保法制について「世界に『戦争をしない』と約束した憲法9条を骨抜きにする動き。非軍事の話し合いで世界の問題を解決しよう、と言うべきだ」と求めた。弁護士会の憲法問題特別委員長が「反対の声を上げよう」と呼びかけると、女性や若者らが「アカン!」と書かれた黄色い紙を一斉に掲げた。
《自民内部からも異論「無視は傲慢」》
自民党総務会で九日、衆議院憲法審査会に参考人として出席した憲法学者三人が揃って他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を「憲法違反」と明言したことを巡り「戦争関連法案」に対して改めて疑問の声が上がった。谷垣禎一幹事長は、法案採決にあたっては 党議拘束をかける意向を示した。
総務会では村上衆院議員が「憲法学者の言うことを自民党だけは聞かなくていいという傲慢な姿勢は改めるべきだ」と指摘。法案採決では党議拘束を外すよう、執行部に求めた。
木村参院議員は、砂川事件の最高裁判決を根拠に集団的自衛権の行使を認めるという憲法解釈に対して、「短絡的すぎる。そういう主張をしていると傷口を広げるので、これ以上言わない方がいい」と忠告した。
一方、谷垣幹事長は安保法案が国会提出に先立つ事前審査で了承されていることを踏まえ「党としてばらばらの対応は取れない」と強調した。二階総務会長は、その後の記者会見で、党議拘束をかけるかどうかについて「大きな問題でもあり、国会審議の状況を見ながら方向を定めていきたい」と述べるにとどめた。今後の基本的な対応に自民党内の混乱振りが如実に示すものであった。
《まだ言うか!「戦争法案 合憲」砂川判決》
先進七カ国(G7)首脳会議(サミット)は八日(日本時間同日)、中国を念頭に東シナ海と南シナ海での力による「現状変更の試み」への反対等を盛り込んだ首脳宣言を採択して閉幕した。安倍首相はその後、内外記者会見に臨み、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認等を含む「戦争関連法案」に関し、憲法学者から「違憲立法」との指摘が相次いでいることに対し「憲法の基本的論理は全く変わっていない」と反論し、法案撤回にも言及しなかった。
首相は法案が合憲との根拠について一九五九年の最高裁による砂川事件判決を挙げ「わが国の存立を全うするために自衛の措置を取りうることは国家権能として当然のこと」と指摘。その上で今回の集団的自衛権の行使容認に関し「他国の防衛を目的とするのでなく、最高裁判決に沿ったものであるのは明白」と述べた。
しかし砂川事件は、五七年に東京都砂川町(現立川市)の米軍立川基地拡張に反対し、基地内に立ち入ったデモ隊の一部が日米安全保障条約に基づく刑事特別法違反の罪で起訴され、裁判で米軍駐留の合憲性が問われたもの。最高裁判決は日本の個別的自衛権を認めたもので集団的自衛権は問題になっていないとの考えが常識で、法曹界では「集団的自衛権」に砂川判決を持ち出すだけで「法葎音痴」の恥をかくだけだ。これは結果的に与党協議でも「高村」が持ち出したが、「無理があり関係無い」と一蹴されている。
また首相は会見で、集団的自衛権の行使を認める場合の武力行使の新三要件にも言及。他国への攻撃であっても日本の存立が脅かされ、国民の権利が覆される明白な危険があるといった新三要件に基づき「憲法の基本的な論理は貫かれている」と強調した。新三要件に適合するかどうかは政府の判断に委ねられ、 行使の基準が曖昧との指摘には答えなかった。もう、この際、お互いに三流大学の勉強嫌いだったらしいから、この際は学者の言う事を聞いたら~♭【参考サイト;安保法案答弁でも嘘とヤジ…安倍晋三は小学生時代から嘘つきだったという新証言が…】
*なお今後とも、本稿「『憲法審査会-違憲』後の動向」は随時、継続的に掲載します。
(民守 正義)
0コメント