品格のない「アベ野次」

品格のない「アベ野次」




《看過できない「アベ野次」》

5月28日の衆議院特別委員会‐辻元委員(民主党)の質問。辻元委員は質問趣旨説明として「中東‐機雷掃海した場合の自衛隊員等の危険リスク等」について3分間ほど説明していた。質問前の趣旨説明として、決して長くはない。その辻元委員の質問趣旨説明の真っ最中に「早く質問しろよ!」の野次。この野次発言の主が、最も質問趣旨説明を聞かなければならない安倍総理自身なのだ。安倍総理にしてみれば「どうせ今夏までには絶対多数で可決する『戦争関連法案』。今は、それまでの消化試合だ。それに相手は嫌いな(本人は相当の左翼嫌いらしい)辻元委員。え~い!イラツク~!」と思わず発した野次だったのだろう。
 でも驚いたのは、むしろ辻元委員。野次の主が安倍総理自身だと分かると、暫く黙して安倍総理をにらめつけていた。(私は、この時の国会中継を見ていた)
予断かもしれないが、その後、NHKの国会審議中継が行われなくなった気がする。あまりにも安倍総理のお行儀が悪いので、NHK籾井会長が自粛させてしまったのかと勘ぐる。
 結局、委員会は紛糾し「言葉が少し強かったとすれば、お詫びを申し上げたい」と本人は回りくどい謝罪をした。安倍総理の野次は今に始まった事ではない。普段から「総理大臣席」から座ったまま野党議員に野次るのだ。オボッチャマの割には相当、横着で柄が悪い。
 その中でも再度、特筆しなければならないのは2月19日の「日教組!」野次発言。
 もう一度、おさらいだけしてみよう。

<安陪総理の「日教組!」野次>
■2月19日;衆議院予算委員会。
■民主党玉木議員が「西川農水大臣献金問題」について質問中。
[民主党 玉木議員];「こんなことができるんだったら、みんな各業界やりますよ。
こういうことをやはり防いで」
[安倍総理];「日教組!」
[民主党 玉木議員];「総理、野次を飛ばさないでください。今、私話していますから、総理。野次を飛ばさないでください、総理。これ真面目な話ですよ。
政治に対する信頼をどう確保するかの話をしてるんですよ」
[安倍総理];「日教組どうするんだ!」
[大島予算委員長];「いや、いや、総理、ちょっと静かに」
[安倍総理];「日教組どうするんだ!」
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■翌日(20日)、民主党前原議員が安倍総理に対し、前日の「日教組!」野次の意図と反省を求める。
〔民主党 前原議員〕;「玉木議員の農林水産大臣の質疑の時に、何で日教組が出てくるんですか?」
〔安倍総理〕;「なぜ、あの時、『日教組』と言ったかと言えば、日教組が補助金を貰っていて…(日本)教育会館から献金を貰っている議員が民主党にはおられて」「(日本)教育会館から献金を貰っている議員が民主党にはおられて…」「『これは別の団体だから関係ない』というのが当時の民主党の、政府として大臣が答弁した見解であったものですから。それをどう考えるかという指摘をしたところでございます」
〔民主党 前原議員〕;「昨日は西川さんのいわゆる“献金疑惑”について玉木委員が質問をして、それに対してあなたは、そこから野次を飛ばしたんですよ。
『反省をしなさい』と言ってるんですよ。反省をすべきだ」
〔安倍総理〕;「議論が伯仲する中において、しかしそれについても静かな議論を心がけていかなければいけないと思っている」
[大島予算委員長];「答弁席で答える事はしっかりし、野次と言われるものについては、しっかりと自己を抑制して頂きたい」
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〔安陪総理の「日教組!」野次の解説と批判〕

◎そもそも安倍総理は「単純右翼」によく見られる「日教組嫌い」で、うわ言のようにでたのだろう。しかし20日に公式答弁した「日教組が補助金を貰っていて…日本教育会館から献金を貰っている議員が民主党にはおられて」「日本教育会館から献金を貰っている議員が民主党にはおられて…」は早速、日教組も日本教育会館も徹底調査したが、その事実はなく「根拠のない明確なデマ」である事が判明した。
同月23日に行われた衆義院予算委員会では民主党;山井、後藤両議員が安倍総理の「虚偽答弁」について厳しく追及した。結果的に安倍総理が20日に公式答弁した「①日教組が国から補助金を受けたこと。②一般財団法人日本教育会館が民主党の議員に献金をしたこと」は、全く事実根拠のない虚偽答弁である事を認めた。更に後藤委員は、明確な「謝罪」を求めたが、安陪総理は相当に往生際悪く、ようやくに渋々「謝罪」に近い答弁をした。
私が、こんな「アカ恥野次発言」で謝罪の羽目に合えば、とてもカッコ悪くて、再び総理大臣席に座るのも及び腰になるのだが「アベ」は、そんなウソは幼少のときから平気らしい。【参考サイト;安保法案答弁でも嘘とヤジ…安倍晋三は小学生時代から嘘つきだったという新証言が…】
その意味では相当、「神経なし」の安倍総理だが、こと謝罪に関しては「保守・右翼」にしては、いさぎ悪い「大和魂」である。

《「国会軽視」の「アベ野次」》

そもそも「三権分立」という憲法‐民主主義の基本原則からして「行政府(内閣)」と「立法府(国会)」そして「司法(裁判所)」が互いに牽制し合い、相互チェックし合い当然、対等平等の関係でなければならない。中学の社会‐「基礎知識」である。
しかし、この「基礎知識」を日常的にも実践的にも理解していないと、その一つの「権力横暴」を許し「三権分立」という民主主義が崩壊または形骸化してしまう。実は今回の「アベ野次発言」は、この「三権分立=民主主義の基本原則」まで侵害する行為なのだ。
つまり行政府(首相)は、自らの内閣が提出した「戦争関連法案」の内容を立法府(国会)に説明する責任があり、立法府(国会)は国民を代表して問い質す役割を負っている。
 これを法政大l杉田教授は「口頭質問を受ける受験生と面接官のようなもの」と例え「受験生が面接官に野次を飛ばす事は許されない」と説明する。安倍総理の軽はずみな野次は、実は立法府(国会)への侮辱であり、引いては国会議員を選出した国民への侮辱でもある。
 その意味で民主党も「日教組野次」の時から、あの程度の「ふてぶてしい謝罪」で事を許さず「罷免要求も辞さず」と強い態度で臨んで欲しかった。ハッキリ言って「前原は甘い!」。
それに最近の安倍総理は、一時の「海老蔵状態」で、例のマスコミ各社幹部との「夜の会食」では酒癖悪く「俺は安保法制で歴史に名を残す総理大臣になる」とか「どこの各社も俺の事を悪く書けないだろう」と毒ついたらしい。誰とは絶対、言えないが、それを聞いた同席のある会社幹部が、頭に来て(ならば最初から「アベ」なんかと夜食を共にしなければいいのに)部下にその情報を流しWEBニュースにも一時的に報じられた。
私は、時のマスコミ関係者から直接、聞いた話とだけ言っておく。
 いずれにしても頼りは1強他弱の「数の力」だけで資質・度量・知的レベル(ポツダム宣言の内容も知らない)等、とても「総理大臣」としての器でないだろうと思われる。
自民党の中で鳴りを潜めている「非アベ」グループにも「戦争関連法案」の成否は別として「勝手に米国議会で成就させる」と日本国会軽視の発言や「総理大臣の器」等々で「大丈夫かいな」という声も、くすぶっているようだ。今の安倍総理には「米国一辺倒二番弟子」で大分、「お調子」がついている。ここは義父(岸元首相;A級戦犯)のときと同じように「戦争関連法案反対!」デモで官邸・自宅周辺で大きく取巻いてやりませんか!
(民守 正義)