「辺野古問題」を考える

「辺野古問題」を考える

{沖縄県;翁長知事「辺野古」の思い、米国へ}

<那覇空港で米国への出発式>
沖縄県;翁長知事は27日、米国に向けて那覇空港を出発した。6月5日 までの日程でワシントン等を訪れ「米軍普天間飛行場の名護市辺野古への県内移設計画を断念せよ」と米政府等に直接、求めていく予定だ。
那覇空港で出発式があり、翁長知事は「米国では何よりも『新辺野古基地を造らせない、造れませんよ』ということをしっかりと伝えていきたい」と改めて決意を示した。
 その後、報道陣に「『米国が県民の意思を無視して知らんふりはできない』ということを伝え、ぜひ見直すように話をしていきたい」と答えた。翁長知事はワシントンで国防総省や国務省の米政府関係者との会談を調整中のほか、米議会やシンクタンクなどの関係者とも面会したい考え。ハワイでは祖父母が沖縄出身のデービッド・イゲ州知事と会談する。なお本月17日「移設阻止!県民大会」で共同代表を務めた名護市:稲嶺進市長等、沖縄県重要人物達も同行し、米政府関係者に大会決議文を渡す予定。
これに対し安倍政権は「どうせ、たいした相手もされないだろう」とタガを括っているが、米国高官の中には「地元住民と強い反発の中で基地を維持・存続するのも厳しく、直接、地元(沖縄県知事)の意見も聞いてみたい」という意見もあるようで「全く訪米の意味がない」とまでは言えないようだ。
そこで余談だが、菅官房長官が翁長知事との面談で「スガ」が「粛々と工事を進める」と言ったことに対して翁長知事が「『粛々と~』が上から目線で沖縄県民の反発を招く」と指摘した事に対し「スガ」は「今度から使わないようにする」と心性な返答をした。
しかし、これには後日談があって、その後のオフレコ記者会見で「スガ」は相当、不機嫌で「何が『粛々と~』が『上から目線』なんだ!第一『粛々と~』の言葉に失礼だろう!」と怒り散らかしたらしい。しかしそこで「粛々と~」を細かく調べてみると、特に政治家の場合は「問答無用」の意味もあるようで、あながち翁長知事の問題指摘も間違いではない。むしろ、そういう基礎学力を持ち合わせず、加えて別稿で述べたように「憲法-表現(報道)の自由」と「放送法」との関係といい、とにかく勉強不足で、よく「官房長官」が務まるものだと思う。とにかく法政大卒なんだから、もう少し偏差値を高めようね。

{「辺野古」移設の世論は?}

<安倍総理の対応「評価せず」>
 「朝日」は4月18・19日と少々、データが古いが〔全国定例世論調査・沖縄県民意識調査〕を実施した。先ず安倍政権の「辺野古移設問題の対応」について、全国レベルで「評価しない」が55%と「評価する」25%を大きく上回った。沖縄県でも「評価しない」が73%で「評価する」18%を圧倒した。
 更に沖縄県;翁長知事が「辺野古基地移設作業停止-指示」について、全国レベルでは「評価する」が54%で「評価しない」28%を上回り、沖縄県では「評価する」が70%と「評価しない」19%を大きく引き離した。
 また辺野古移設「賛否」について、全国レベルでの「賛成」は30%「反対」は41%、「その他等」は29%だった。更に沖縄県では「反対」が63%で「賛成」22%の約3倍にも上った。いずれにしても安倍政権の「辺野古移設」強行は極めて不評だ。
更に「普天間飛行場の移設問題-解決方策」について問うと、全国・沖縄県とも「国外移設」が最も多く、全国レベルで45%、沖縄県では59%を占めた。
なお因みに安倍内閣の全国支持率は44%、不支持率は35%だった。

{「辺野古」移設;世論調査の語るもの}

 今回の同世論調査を総じて一言で言うと「安倍政権の『辺野古が唯一の解決策』には納得しない」が国民全般的意見という事になる。沖縄県では、昨年あった名護市長選挙・県知事選挙・衆議院選挙は「辺野古移設反対候補」が勝利した。しかし菅官房長官は「基地賛成or反対の選挙結果ではない」と「民意の現れとは認めない」という態度に徹してきた。だいたい国民意識・感情に感度の悪い「スガ」のことだから、当然に仕方ないこととは言え、そういった「強硬姿勢」が沖縄県のみならず全国的にも広がり「安倍政権の『辺野古が唯一の解決策』」という頑迷な政権主張が、逆に全国的反発となっていることだけは確かだ。

{翁長知事に対する外国人特派員の声}

 「米国政府も日本政府も、沖縄の『NO!』という民意を拒否している。本土に移設先を探すか、基地を撤去するか。日本政府は次の方策を探るべきだ」
【米国;新月通信社マイケル・ペン社長】

「安倍総理が沖縄県民より米軍を守ろうとしているのが不思議でならない」
【ロシア新聞;支局長】

「沖縄に米軍基地を押し付けるため、日本政府は中国の脅威を強調し過ぎている」
【香港衛星テレビ東京支局長】

 いずれにしても外国人特派員には、米軍に基地提供のために、自国民を無理強い・犠牲にする日本政府(安倍政権)の対応には奇異・理解不能に写る事だけは共通している。

{それでも厳しい「辺野古移設;阻止」の闘い}

 しかし今、安倍政権に「普天間飛行場国外移設or廃止」を求めても、安倍総理自身が「米国一辺倒一番弟子」を名乗り上げる等の極右政権であること、現在「戦争関連法案」にヤッキになっていること等から、とても「辺野古基地移設に譲歩」の脳波の欠片もないのが、残念ながらの事実ではないか。

{それでも盛り上がる「辺野古移設反対」の声}

 上記のように厳しい「辺野古移設反対」の闘いの中でも本月24日「辺野古移設反対!抗議行動」が国会周辺で行われた。参加者は1万5千人に及び「国会包囲-人間の鎖」で抗議した。そして「辺野古移設反対!」行動を続ける運動団体の助成等を目的とした「辺野古基金」の広がりだ。
既に寄付額2億5千万円を超え、1万8千件ほどの寄付件数の内、7割ほどがヤマトンチュウ(本土)からという。辺野古は本当に世界的にも類を見ない「美しい海」。結果はともあれ、そう易々と安倍総理の思いどおりにはいかないことを「ウチナンチュウとヤマトンチュウの団結」で思い知らせようではないか。
(民守 正義)

<辺野古基金の振込先>

 辺野古基金の主な振込先は次の通り(店番号-口座番号)。
送金先はいずれも「辺野古基金」。
▽みずほ銀行那覇支店 693-1855733
▽ゆうちょ銀行 708-1365941
▽沖縄県労働金庫県庁出張所 953-3406481
▽琉球銀行県庁 出張所 251-185920
▽沖縄銀行県庁出張所 012-1292772
▽沖縄海邦銀行県庁内出張所 102-0082175
*問合せは基金事務局=電098(943)6748=へ。