「反-橋下」「大阪都構想-反対」 の取り組みにあたって(総括)

「反-橋下」「大阪都構想-反対」
の取り組みにあたって(総括)


 先ず本「総括文」が今頃になった事をお詫びする。
 一応、言い訳で遅れた理由を言うと、だいたいマスコミ各社は「住民投票結果」後、こぞって適当な論評をする。それらを一通り見てから、まとめて「バッサリ」とした方が効率的だろうと思ったからである。  現に「お調子乗り・マスコミ既得権益スタッフ;辛抱」は早速、非科学的・差別分析を行っている。〔参考サイト;曖昧な根拠で住民投票の結果を「分析」する愚〕
 ところで私は御存知のとおり、この「リベラル広場」を活用し【「反-橋下」「大阪都構想-反対」】で8回のシリーズと13回の「大阪都構想」反対ニュースを提供してきた。「同シリーズ」では「大阪都構想」の歴史的経過と各会派の評価、そして問題点等を、できるだけ批判的ながらも、客観性を保ちつつ「大阪都構想」とは何かを皆さんに御理解頂く事を基本に提供してきたつもりである。しかし「大阪都構想」反対ニュースでは「自分の反対の立場性」を明確にして「維新-橋下」のデマ・誤謬等を継続的に明らかにするとともに、既報のとおり本「住民投票」が大きな「欠陥-住民投票」であることから、市選挙管理委員会の改善の申入れを行い、善処措置も受け入れられた。しかし、この「欠陥-住民投票」を学術者等に確認すると「住民投票自体が無効となる可能性が大」とのコメントが一般的であった。しかし、この欠陥内容が「反対派」に不利であったにも関らず「反対派」が勝利したこと、マスコミが相変わらず「愚か」で「重大ニュース」とは気づかなかったこと等で、大事にならないで済んだようである。しかし「住民投票結果」が僅差であった要因に、この「欠陥-住民投票」が影響していた事は、具体的に「大阪市が廃止されるとは思わなかった」「松井知事と橋下市長に白紙委任も含めてなら『賛成』しなかった」と言われた方々を共に闘う仲間・ネットワーク等が把握しただけで相当数に及んでおり、その「欠陥-住民投票」による「僅差」であったことも考慮に入れなくてはならない。
 しかしマスコミは「ニュースビジネス」とでしか物事を判断しない「愚か者」だから「住民投票結果は『反対派』にも問題提起!」と全ての情報分析からでなく、偏った主観的分析で論評している。何のことはない。「橋下」というニュースキャラが無くなるのが惜しいだけなのだ。
(読売系番組プロデューサー兼アナウンサー、野村明大のこと。参考サイト〔橋下徹の“引退商法“に全面協力し続投ラブコール...テレビ局の無節操ぶりに呆れ果てた!〕)

《住民投票結果の私の評価》
 元々、私も、ある程度「住民投票結果」が僅差で勝利または敗北と推測していた。
 でも、その理由はマスコミが「維新-橋下」に同情的に言う「『反対派』にも問題提起!」と言った「賛成派にも真剣な改革意識」があったかような僅差要因は全くといっていいほどない。
 第一、マスコミの僅差の理由が世論調査でもいいが、「大阪都構想」へのファっとした期待があったとしても「『反対派』にも問題提起!」と言えるほどの根拠もまた何も示されていない。あくまでもマスコミの論説推測だ。
 むしろ私から言わせれば「大阪都構想-協定書」が否決されたのに、再び「協定書」を協議する「法定協議会委員」を、強引に「全員-維新」に差し替える暴挙。そして、まだ「議案」扱いになっていない「協定書」を公明党が「自主投票」に転じたことをいいことに無理やり「住民投票」へ。そしてタウンミューティングでは「再編コスト効果額」のデマ。そして説明グラフの目盛り改ざん(私も確認)。
 さらには住民説明会では「大阪市長-橋下」と「維新-橋下」との一人二役でご都合よく「独演会」。住民の中には「質問させろ」「これは洗脳説明会か」との怒号も飛ぶ。加えて「府市大都市局」のシンクタンク・内容的に公(費)・私(費)混同パンフレットに宣伝費4億円等々。
 どう見ても「『橋下』勝って当り前」の権力フル活動・フル装備だ。
 その「維新-橋下」に対抗する「反対派」は「維新」以外の共同戦線と自民;柳本幹事長に代表される具体的・客観的に粘り強く「大阪都構想」の矛盾点・問題点・単なる夢物語だとの説明を粘り強く行うだけ。それでも大阪のミーハーは聞く耳も持たない。そうした中で「反対派」が僅少さで勝ったのだから「褒められるべきは『反対派』」。「橋下」自身が「敗北記者会見」で言っていたが「間違っていたんでしょうね」のことが「大阪都構想」を意味するなら「反省すべきは『橋下』」。本当に引退するのかどうか、まだ信用しないが、私としては、もう豊中から大阪のことをゴジャゴジャ言わないで欲しい。「稀有な政治家」と惜しがる声もあるが、私は全く、そうは思わないし政治の世界は死刑がないだけで厳しい。これだけ「間違った処方箋」で世間を騒がせたのだから、どうぞお引取りください。

《「反「維新」包囲網は民主主義の本髄」》
「反『橋下』反『大阪都構想』」を「維新」以外の各会派が闘う中で「反『維新-橋下』統一戦線」が形成されていった。菅官房長官は「不快感を感じる」と揶揄していたが、それは「住民投票結果」次第での「官邸なりの政治的計算(改憲の目論見等)」と、菅官房長官と「橋下」との親密な関係もあるらしい。しかし、そんなことよりも「反『橋下』反『大阪都構想』」で統一して闘わないと「大阪自体が破壊される!」というのが各会派の共通認識だった。
そういう時には当面の目の前の敵よりも共通した大きな敵と共同して闘う。至極、当然の事だ。現実に世界の歴史では「反ナチス統一戦線(フランス・スペインによる人民戦線)」の形成や「国共合作」等もある。そして、こうした共同の経験が、再び各会派間の利害対立になったときに「どこで妥協し矛先を収めるべきか」という信頼関係の根底を根ずかしていくことになるのだ。「民主主義とは妥協と信頼」でもある。今回の「反『橋下』反『大阪都構想』」共同の取り組みは、そうした民主主義の本髄にも関る貴重な経験をしたと思う。「スガ」ちゃんに解るかなー♪

《これからの大阪府と大阪市の関係》
「大阪都構想」は採点不能ぐらい欠陥だらけで、本当に「否決」で良かったと思うが、大阪府と大阪市との「府市合わせ」の問題は「大阪都構想」とは別問題に解決すべき問題だと私も思う。私自身、大阪市と業務折衝を何度となく行ってきたが、正直言って「プライドの張り合い」で、まともな協議にならない。府の立場からすると、何かとライバル心を持って「東京ギライ」を吹聴しているワガママガキのようである。
今、自民党を中心に「総合区」が議論されているが、この「総合区」については、いまだ勉強不足でコメントを避けたい。ただ私なりの提案をすれば、一つは府市大都市局は存続し、引き続き府市にまたがる政策調整等を行っていくべきである。加えて、その府市協議が円滑に行われているかチェック・監視かつ諮問する民間・市民中心型の「独立・中立・監視・諮問機関」を設けるべきである。公務員は市民の前では礼節と常識をわきまえる癖がある。
この二つの条件を備えただけでも相当「府市合わせ」は解消すると思うのだが-。

《「住民投票結果」世代間ギャップでなく「モノ分り」の問題》
 今回の「住民投票結果」で70歳以上の「反対」が6割以上、それに対して20代・30代の「賛成」が6割以上だった。これをもってマスコミは「世代間対立」を煽り「軽薄-辛抱」に至っては「出口調査」では「生活保護を受けているか」なんて聞きもしないのに、勝手に「70歳以上は生活保護者が多く、現状をあまり変えたがらないから」と偏見混じりの分析を偉そうにしている。私は私なりに様々なブログ意見や読者・仲間等から総合的に分析すると、70歳以上の方は、これまでの人生経験から「橋下」の具体論証のない「絶叫型まやかしトーク」には乗せられず、冷静かつ具体論理で傾聴する癖がついている。それで「橋下」に騙されなかったのだ。
それに対して若者は「橋下」の具体性のない「まやかし・イメージトーク」に弱く「なんとかしてくれそう」パッと見で「リーダーシップがありそう」と思い込んで「大阪市が無くなる事の被害実態」「本当に特別区で今より困らないか」といった具体的問題には「橋下」の言う事を鵜呑みにするだけで自己思考しない。現に今回の「住民投票」には「たぶん投票に行かない」と言っていた無党派層が相当に投票して「賛成」「反対」の割合は半々だ。
いずれにしても「住民投票結果」で真価を認められるべきは「反対派」だ。マスコミも、いつまでも「橋下」にチヤホヤせず、「アベ」にメシを食わして貰うことなく「権力チェック・真実報道」に徹してはどうか。ね!「ちちんぷいぷい」さん♪
(民守 正義)