「ストップ『改憲』―揺れる「改憲論議」
「ストップ『改憲』―揺れる「改憲論議」
《衆議院憲法審査会で本格「改憲論議」がスタート》
衆議院憲法審査会で本月7日「憲法改悪」に向けての内容・手順等を中心とした「改憲論議」が本格スタートした。
先ず自民党は、大災害時の国会議員の任期延長等を規定する「緊急事態条項」等、各党が合意し易い項目から改憲に着手する考えを打ち出した。これに対し公明党や民主党は「先ず改憲実績ありき」自体に慎重な姿勢を示している。
<「改憲」の国民世論>
そもそも「改憲」に対する国民世論(「朝日」)はどうなっているのだろうか。安倍内閣の支持率は今や50%を割り40%台だが一応、まだ高水準とも言える。しかし、こと「改憲論議」となると「改憲の是非」では「改憲の必要なし」が48%「(同)必要がある」43%と「改憲反対派」が、やや上回った。
そして、それは本調査質問が1997年に開始以降「賛成」の方が上回ってきたものの、安倍政権が「集団自衛権容認」議論を進め出した昨年調査から、国民は「改憲が現実的になって慎重になった」せいか「反対」が上回りだした。
男女別では、男性が「改憲する必要がある」と「(同)必要なし」が共に47%だったのに対し、女性は39%対49%で「変える必要はない」が上回った。
これは女性の方が「改憲」による危機感が、男性よりも現実的に感覚できるからと思われる。
一方、安倍内閣・自民党支持層は「改憲する必要がある」が共に51%だった。
また憲法9条について「変えない方がよい」が63%で「変える方がよい」29%を大きく上回った。特に女性は「変えない方がよい」が69%に及んだ。
更に「改憲すること自体」について「簡単に変えない方がよい」が58%で「柔軟に変える方がよい」が35%。国民は安倍総理の改憲願望には冷ややかだ。
自民党が「二段階改憲」とも関係して、いわゆる「加憲」についての是非を問うたところ「加憲すべき」が36%で「今の憲法で十分」は55%と、国民は「加憲」に否定的である。特に自民党の「二段階改憲=『お試し改憲』」についても賛否を問うたところ、「改憲派」も「改憲反対派」とも過半数が反対で、もう既に自民党の「二段階改憲=『お試し改憲』」の悪巧み意図はバレバレのようだ。
総じて改憲について「朝日」以外の世論調査と比べると「各社バラツキ」が見られるものの、時系列比較も加味して評価すると、国民の改憲への意識は「冷ややか、否定的」の流れにあることは各社共通の評価である。
【参考】
■ 朝日新聞-改憲不要48%、必要43%;9条改正、反対63%
■読売新聞-憲法「改正する方がよい」51%
■毎日新聞-9条改正;反対55% 昨年より4ポイント増
■産経新聞-未来志向の戦後70年談話を60%が「評価」
■日本経済新聞-憲法「現状維持」44%、改憲賛成を上回る
■NHKニュース-憲法改正 必要28% 必要ない25%
<「お手軽改憲」の模索>
衆議院憲法審査会での「改憲論議-本格スタート」と言っても自民党はまだ「二段階改憲=『お試し改憲』」をしつこく模索中であり、大概の野党も慎重な姿勢を見せつつ、そもそも「改憲」に対する基本的考え方の違いや「党内統一方針」が定まっていない党(民主)もあって、今はまだ「つばぜり合い」の状況だ。
ただ安倍政権の「憲法無視-戦争関連法案」との審議歩調も合わせて推測すると、急に「自民党ペース」で改憲スケジュールと強引実行される恐れは十分ある。
私は少なくとも「完全護憲派」の共産党・社民党だけでも、意思疎通よろしく「共同の護憲」に向けて取り組んでいただければと思う。
(民守 正義)
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