シリーズ5 「橋下市長」「大阪都構想」批判

シリーズ5
「橋下市長」「大阪都構想」批判



【①「大阪都構想(特別区に再編)」住民投票が告示日4月27日(月)告示、5月17日(日)投票で決定した。特にこの住民投票は「賛成」または「反対」/投票総数(投票率は関係ない)で過半数を得た方に決定するため「関心がない」とか「よく解らない」「反対だから」といって棄権すると実質的に「賛成」と同様の効果をもたらす。 ぜひ投票所に行って「反対」の記入をして欲しい。(投票は「反対」「賛成」を自分で記入する「自書方式」である。「○・×」方式ではない)
②なお今後、投票日まで随時、ブログ「リベラル広場」に「標題名」を「シリーズ掲載」していく。ぜひ趣旨に賛同の方は、大阪市内在住の方を中心に本ブログ「リベラル広場」を宣伝・拡散して欲しい。(市選挙管理委に「公選法違反」にならない事を確認済み)】

《各「政党会派の主張と世論調査》
〔各「政党会派」の主張(批判)〕
<自民党大阪>
◎既存の自治体を複数の特別区に分割することは、基礎自治体の財政力・行政能力向上を目的とした平成の大合併に逆行する。府内の基礎自治体数が43から50程度に増加することで、府内全体で行政効率が悪くなり、施策の整合性も取りにくくなる。
【再編コスト】
◎特別区設置には大きな再編コスト(イニシャルコストとランニングコスト)が伴う。具体的には
○財政に深刻なダメージを受け、行政サービスの質の低下を招く。
○住所変更等、住民や企業に余分な負担が生じ、経済に打撃を与える。
*財政試算には含まれないコスト。
【基礎行政のサービス】
◎大阪市が行ってきたユニバーサルな住民サービスが失われ、内容や規模が変ってしまう。
◎大阪都の財源は、固定資産税・都市計画税・事業所税等を収入とする(2010年度案)。そのため大阪都による財源の再配分のあり方によっては特別区の財源が不足し、地域によっては住民生活に密接した行政サービスが低下する可能性がある。
{私見と世論調査分析}
 ◆一応、重要な問題ポイントは指摘されている。ある自民党府議会議員は「『大阪都構想(特別区に再編)』を学べば学ぶほど不必要だと感じた」と言っていたが、私も合わせる気はないが同様に感じた。その主な理由の一つは当初案から見て、堺市が離脱し、24区が5特別区に広域再編するに留まる程度で、要は「然程、必要性のない大阪市域だけの再編と大阪都への編入」だけの事と単純化されたこともあると思う。
 ◆「朝日」世論調査によると前回調査と同様、橋下大阪市長の支持率43%不支持率42%で拮抗。政党支持率は自民党が25%(前回25%)維新の党が17%(同12%)だった。
 ◆また「産経」世論調査による「主な支持政党別の賛否」をみると、維新は賛成93・3%、反対1・8%(前回-賛成86・6%、反対6・1%)自民党は賛成27・0%、反対61・2%(前回-賛成38・6%、反対47・0%)▽民主党は賛成20・8%、反対74・6%(前回-賛成15・7%、反対73・9%)だった。
 ◆特に自民党は「反対」を大きく伸ばし、巻き返しを図った。大阪市議団幹部は「これまでは橋下市長側のメディアを使った情報戦に押されていた。選挙戦が始まり、街頭での活動を通じて『反対』の意見が浸透してきたのではないか」とみている。(「産経」)
 ◆また「大阪都構想(特別区に再編)」を「よく理解している」は、わずか5・9%。大阪維新の会が550回以上、タウンミューティングを実施している割には極めて低い。これは「大阪都構想」が例えば「二重行政の解消」と言っても「何が二重行政なのですか?」というと、具体的な施策・事業が殆ど出てこない。つまり抽象論なのだ。ある自民幹部は、こうしたタウンミューティングの空回りを指摘して「市民は十分に理解できず不安に駆られていることが数字に表れている」と述べた。(「産経」)
<民主党大阪>
◎大阪市が行ってきた基礎行政を規模の小さな特別区が担うことになる。
○専門職が不足し、児童虐待など専門性の高いケースへの対応力が低下する。
○スケールメリットが失われ、ワン・ストップ・サービス等の高度な行政サービスが機能しなくなり、幾つかの役所や窓口を、たらい回しにされてしまうリスクが生じる。
○多種多様な事務を担う一部事務組合の設置には前例がなく、大阪市の本庁機能を残すことにも繋がるため、ニア・イズ・ベターに反する事もある。
{私見と世論調査分析}
◆一応、想定される「大阪都構想(特別区に再編)」の具体的デメリットを個別的に指摘しているが、そもそも「大阪都構想(特別区に再編)」自体が意味なきビジョンであること。そして、その中で予定されている「特別区への広域再編」や「大阪市の解消→大阪都(府)への編入」等々の個別的問題点を明らかにする等、もう少し「大局的問題点から個別的問題点」へと体系的に問題提起の組立て方を工夫した方が良いと思う。
◆なお民主党大阪の「大阪都構想(特別区に再編)」賛成率は、前述のとおり賛成20.8%、反対74・6%(前回-賛成15・7%、反対73・9%)となっており、前回より「賛成」が維新を除き上回っているのは民主党大阪だけだ。支持団体である連合大阪も「大阪都構想(特別区に再編)反対」を表明したのだから、民主党大阪と連合大阪は他の反対会派に負けず、選挙運動と同様に「街頭キャンペーン」や大阪市在住組合員への直接働きかけ等に、今からでも精力的に取組んで頂きたい。
(民守 正義)

 *次回シリーズ6に続く。