シリーズ1 「橋下市長」「大阪都構想」批判

シリーズ1
「橋下市長」「大阪都構想」批判



【①「大阪都構想」住民投票が告示日4月27日(月)告示5月17日(日)投票で決定した。特に、この住民投票は「賛成」または「反対」/投票総数(投票率は関係ない)で過半数を得た方に決定するため「関心がない」とか「よく解らない」「反対だから」といって棄権すると、実質的に「賛成」と同様の効果をもたらす。ぜひ投票所に行って「反対」の記入をして欲しい。(投票は「反対」「賛成」を自分で記入する「自書方式」である。「○・×」方式ではない)
②なお今後、投票日まで随時、ブログ「リベラル広場」に「標題名」を「シリーズ掲載」していく。ぜひ趣旨に賛同の方は、大阪市内在住の方を中心に本ブログ「リベラル広場」を宣伝・拡散して欲しい。(市選挙管理委に「公選法違反」にならない事を確認済み)】

《元大阪知事;橋下徹の印象》
 大阪知事選前の橋下さんは、テレビの街頭インタビューで「立候補する事は200%ない」と言っており、その幾日も経たぬ間に立候補表明。この人は平気でウソのつける人だと思った。しかし、まあ何を基本公約にするかも大事だと、それらしきものを見ると、思い切り要約して以下のとおり。
【4つのトライ】
1.「子どもが笑う、大人も笑う大阪に」
2.「人が集い、交わるにぎわいの大阪に」
3.「中小企業が活き活きし、商いの栄える大阪に」
4.「府民に見える府庁で、府民のために働く職員と、主役の府民が育てる大阪に?」
【17の重点事業(省略)】
 実際に掲げている公約を見ると、あまり「福祉」「教育」「人権」等々の暮らしに密着した具体政策に欠ける事がわかる。現に選挙運動中のテレビの随行取材で、橋下候補(当時)は「どうせ具体政策を言っても庶民にはわからない。それよりも握手と『よろしくお願いします』の熱意あるパフォーマンスだ」と言い切っている。
<職員を震撼させた就任挨拶>
   就任挨拶で最も強烈な印象を与えた言葉は「君達は赤字倒産会社の社員だと思え!これから先ずは財政再建に取組むが、それについて来れない職員は辞めてもらって結構」と就任挨拶の割には、いきなり喧嘩口調で職員の中には相当、反発を感じた者もいたはずだ。そこから職員の人件費と事業費大幅削減の嵐が始まる。

《本当に「財政再建」は果たされたか》
 よく橋下府政の評価として「財政再建」が上げられるが、実際、2008年度普通会計の実質収支が11年ぶりに119億円の黒字になった事は事実。その主な要因は人件費抑制と、殆ど理屈なき「何でもバッサリ」の事業費カット。失礼だが誰でもできる歳出削減だった。しかも実態は基金からの借入金が約1500億円あり「黒字化」は事実上撤回された。

《「財政再建」以外の実行政策は「不要不急・失敗政策」》
 人件費削減は相当に無理強いしたものだったが、その他の橋下政策は「そんなことをするなら人件費を返せ!」との声が出るほど「不要不急・失敗政策」の連続だった。
 その例の一つが今や懐かしい「校庭に芝生を」。「校庭に芝生を敷くことで学校・父母(地域)・子供達の連携を」との狙いだったのだろうが、それは机上の論理で、共働きの多い今日「笛吹けども踊らず」で、せっかく数少ない実施校でも「野球部の練習の邪魔だ」と剥がしてしまった。なお、これには付録の話があって、ある本庁A課長が「こんな方法で、できますよ」と橋下元府知事にEメールで提言。それに評価・期待した橋下元府知事が異例の二階級特進「農林水産部長」へ。でも申し訳ないが、能力がないことが「まる判り」で結局、出先機関の長に左遷された。しかし肝心の橋下元府知事は、何の反省の弁も述べていない。他にも「水都大阪」「御堂筋イルミネーション」「ぎょうさん買うたろう商品券」「咲洲庁舎移転」等々も不発・失敗政策ばかりだが、橋下元府知事は何の反省総括もなしに四年足らずに大阪府から大阪市長に転進して行った。

《総じて「橋下」という人は》
 上記のように「橋下」という人は、行政にズブの素人で「思いつき」が多い割に、大した行政手腕もない。ただ弁護士特有のディベートが得意でテレビでの露出度も多く、「公務員嫌い」で一生懸命、頑張っているように見える。 そこが俗っぽい意味で府民受けするのかもしれないが、すぐに感情的になる等、片山鳥取県元知事のように一万人前後の組織を束ねるほどの器ではない。ある自民党府議会議員が職員に対して「橋下知事の支持率」をアンケート調査したことがある。その結果は「不支持」が8割程度。ちょうど、マスコミの世論調査で「支持率8割」のときにである。当該自民党議員は「これは不幸な事」と冷静なコメントを出していた。

《「橋下市長」になっても》
 今、橋下元府知事は、大阪市長として、元は「思いつき」の「道州制(関西州)」の為れの果て「大阪都構想」に当初のプランよりも相当、後退してでも「住民投票」を行うところまで拘ってきている。そして職員との「労使関係」は府知事時代よりも悪く、ことごとく橋下市長側に「不当労働行為」が認定され敗訴等が連続している。橋下市長は、それでも感情的なって「最高裁まで上告する」と息巻いている。私は問題ある「大阪都構想」もさる事ながら、とかく穏やかかつ正常な市政運営ができない橋下市長には資質それ自体に疑問を抱く。今度の住民投票こそ「橋下さん、頑張っているやん」といったことではなく「本当に大阪都構想は必要か」を有権者として責任ある投票を願いたい。
(民守 正義)