コラムーひとりごと39 安倍政権の「横暴メディア介入」の犠牲者達
安倍政権の「横暴メディア介入」の犠牲者達
《古賀茂明さん「報道ステーション」降板で
抗議の意思表示》
テレビ朝日系 「報道ステーション」コメンテーターを勤めていた元経済産業省官僚の古賀茂明さんが、最後の番組生出演となる3月27日、降板の不満を露わにした。
番組途中、古賀さんが突然、次のように切り出した。
【古賀さん】
ちょっとその話をする前に。テレビ朝日の早河会長と、古舘プロジェクトの佐藤会長の意向で、今日が最後ということに-。
これまで本当に多くの方に激励して頂いた。一方で菅官房長官をはじめとして、官邸の皆さんからバッシングを受けてきた。それを上回る応援で楽しくやらせて頂きまして、本当にありがとうございました。
【司会者;古館さん】
ちょっと待ってください。今の話は承伏できません。
【古賀さん】
古舘さんも、その時におっしゃいました。「この件に関してはお役に立てなかった。本当に申し訳ない」と。全部録音させて頂きましたので、そこまで言われるなら全て出させて頂きます。
◎こうした「やりとり」の中で、古賀さんは一歩も引かない姿勢で一旦、収束した。
しかし、その後も「I am not Abe」と書かれた手製の紙を広げ、マハトマ・ガンジーの言葉をフリップで出し「言いたいことはそのまま言いましょう。裏で圧力をかけたり、陰で言うのは止めて頂きたい」と話した。
*なお、古賀さんは、繰り返し同番組で「イスラム国人質事件の真相」で安倍政権を明確に批判し、官邸から降板圧力がかかっていたことは事実。(「リベラル広場」3/6掲載「府教委『朝日』教材不使用通達と安倍政権の『横暴メディア介入』」参照)
◎司会者:古館さんは「トークの中でニュースとは関係ない話も出ましたが、私としては一部承服できない点もありました。古賀さんのお考えは尊重しますが、とにかく来週も真剣に真摯にニュースに向き合っていきたい」と番組を締めた。
<識者・関係者等の意見>
こうした古賀さんの降板態度に対して識者・関係者等は、次のように語っている。
【江川紹子さん】
◎公共の電波で自分の見解を伝えるという貴重な機会を個人的な恨みの吐露に使っている人を見ると、なんともったいないことをするのか…と思う。
【竹田圭吾さん】
◎古賀茂明という人は、テレビで発言する機会を与えられている事の責任と義務を全く理解していない。
【テレビ朝日広報部】
◎そもそも古賀さんも、金曜日の各分野の中の1人。降板ということではない。
<私の寸評>
以上のように、古賀さんへの態度・振る舞いに対する批判の方が多いようだが、私は、そう思わない。実際、官邸から「古賀を黙らせ!」と圧力があった事は事実で結局、番組編成に決定的影響力のある者達も反官邸(反権力)で抗さなかったことも事実ではないか。
古賀さんの振る舞いの中には、そういった「怒り・悔しさ」も含まって為した行動だと思う。「最後の自分だけの闘い」としては、私はむしろ立派だと思う。
なお加えて司会者;古館さんは「私の情報限りでは、私は来年度も続投する」と言ったが、司会者だから仕方ないかもしれないが、別に古館さん自身が直接的に「安倍政権批判」したこともなければ、それを誘導するコメンテーターへの質問をしたことも、あまりない。
時々、ご自身が言われるコメントは「言語明瞭、意味不明」で、官邸(権力)にしてみれば、別に「益も害もない」程度で「降板」まで及ばないのではないか。なお同じ司会者でも前任の久米 宏さんは、もっとズバっと「政権批判」していたことを付言しておく。
《NHK「ニュースウオッチ9」大越健介キャスターは、ブログで心境吐露》
大越キャスターは、ご自身のブログで東大野球部投手だったこととダブらせ「ニュースキャスターになってからも、この内角攻めのクセが残っていたかもしれません」と感想を述べた。また歯に衣着せぬ発言が注目される大越キャスターは「『ずいぶん思い切ったことを言うね』とご指摘を受けたこともあります」と述懐。「ただ自分としては、そのニュースの持つ意味を多角的に視聴者に問いかけるという一点で、内角と外角を織り交ぜてきたつもりです」とご自身の姿勢を釈明した。そして「これからもフェアプレーの精神を守り続ける」と、報道に携わる者として“蛮勇”な姿勢ではない事も示した。
そして「そこ(降板)をゴールとは考えないようにします。目標はもっと先にあると考えて、スピードを落とさずに駆け抜けようと思います」と決意を示した。
《安倍政権の「横暴メディア介入」とメディア対抗姿勢》
既に安倍政権の「横暴メディア介入」については3/6掲載「府教委『朝日』教材不使用通達と安倍政権の『横暴メディア介入』」で詳しく述べているので、ここでは多くは省略するが、ただ二つの事を強調して述べたい。
先ず安倍政権に対してだが、メディアが時の政権に対して批判的論評・コメントを行うのは、ある意味、世の常だが、それに対抗するには「言論(反論)」であって、メディアに対する人事圧力であってはならない。それは民主主義社会においては「言わずとも」の暗黙かつ当然のルールであって、それを守れない「介入・圧力」はファシズムである。蛇足かもしれないが、私の調べた限り、安倍総理のご親戚の佐藤栄作元首相も「退陣表明」で新聞記者を退出させたり、岸信介元首相が、メディアが「60年安保反対」の世論を大きく取上げても「私は声なき声を信じる」と述べたりしたが、メディアに対する「人事介入・圧力」はしなかった。ぜひ肝に命じて欲しい。
もう一つはメディアに対してだが、官邸から圧力がかかったからといって、殆ど無抵抗に圧力に従うとは、どういうことか。実は第一次安倍内閣後に安陪元総理から、よく会食を共にしたからかと疑いたくなる。特にNHKでも「公共放送としての独自使命」があるのに、ましてや民間放送はスポンサー広告料で運営されており、政府(官邸)に「放送内容」や「人事介入・圧力」と、とやかく言われる筋合いはない。失礼だが岸井成格キャスターや評論家;田原総一郎さん等は「報道の自由」や「国民の知る権利」等を熱っぽく語る割には、実際の「官邸圧力」には意外と軟弱だ。「報道の自由」「国民の知る権利」等は、先ずメディア現場が闘わなければ守れない。私も労働運動・学生運動で管理当局からの冷遇、警察の厄介と受けたから言うのだが「少々の左遷・更迭にビビルな!もっと行動で闘え!」と言いたい。
(民守 正義)
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【読者の声】
上記、掲載した「コラムーひとりごと39「安倍政権の『横暴メディア介入』の犠牲者達」に関して、Kさんから「ご意見」を頂きました。
皆さんにも参考にも紹介します。
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「ペンは剣よりも強し」という言葉があって、昔からとても素敵な言葉だと思っていました。今は「剣」どころか、アベという訳の解らない人間とその一味よりも弱いのですね。
報道ステーションの件の放送を私は見てなくてFacebookでいろんな人が、この時のユーチューブの動画をアップしていたので、早速、見ようとすると、それらのリンクはすべて切られていました。
テレ朝が手を回したのでしょうが、Facebookの投稿者のほうが上手。「ここならまだ切られていない」サイトとか、文字起こしが載せられているサイトとか、番組終了後のインタビューとか、次々に情報を提供してくれます(笑)。
しかし、こういう事象をみるとき、中国の天安門事件とか、クメールルージュとかナチスとか、情報統制の恐ろしさに思いを馳せずにはいられない。
かつての日本もそうでしたね。この先、日本はどこへ向かうのでしょうか。
これからの子どもたちが幸せな人生を全うすることができるでしょうか?
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