リベラル勢力総結集で政権交代!(84)

《Ken Sway Kenと管理者の【緊急事態条項等、憲法改悪阻止】》

《【障害者政策】「骨格提言」の完全実現を「私達抜きに私達の事を決めるな」》


 今年は、優生保護法下での強制不妊手術の問題や杉田水脈議員の「生産性」発言、各省庁での障害者雇用の水増し問題等、人間の尊厳や「障害」について改めて考える機会が多かった。障害者差別禁止条約が批准された後も、差別をなくすための取り組みが進んでいるとは言い難い。政府が反故にし続けている「骨格提言」の実現を求めて全国的な運動が続いている。

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<骨格提言までの経緯>

 2009年12月、障害者権利条約の締結に必要な国内法整備や障害者に関連する制度改革を目的に「障害者制度改革推進本部」が設置され、その下に「障害者制度改革推進会議」が置かれた。この事は障害者権利条約の基本的な理念である「私たち抜きに私たちのことを決めるな!(Nothing about us without us!)」を踏まえた作業が開始された事を意味していた。

 翌10年4月には推進会議の下に障害者、家族、事業者、自治体首長、学識経験者など55人による「総合福祉部会」が設けられ、改革内容が検討された。更に同年6月には、政府が推進会議の「第1次意見」を最大限に尊重するとの「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」を閣議決定した。特に注目すべきは「障害者総合福祉法(仮称)」の制定に関して「応能負担を原則とする現行の障害者自立支援法を廃止し、制度の谷間のない支援の提供、個々のニーズに基づいた地域生活支援体系の整備等を内容とする『障害者総合福祉法』(仮称)の制定に向け、第一次意見に沿って必要な検討を行ない、平成24年(2012年)常会への法案提出、25年までの施行を目指す」と定めたことだ。
 総合福祉部会は、18回の検討の末、11年8月に「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会提言」(以下、骨格提言)をまとめ公表した。

<不十分な総合支援法>

 12年4月、障害者自立支援法が一部改正されて「障害者総合支援法」として制定され、翌年4月に施行された。しかし、その内容は骨格提言を十分に尊重した内容とは言い難いものだった。総合福祉部会の部会長だった佐藤久夫さんが骨格提言と障害者総合支援法との比較表を公表しているが、これによると骨格提言の60項目の内、不十分ながら総合支援法に取り入れられている事項は1項目のみで、検討はなされているが内容が不明確または極めて不十分なものが21項目、全く触れられていないものが38項目と、骨格提言は殆ど反映されていない。このことから、障害者団体を中心に骨格提言の完全実現を求める運動が広まっている。

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 10月30日「骨格提言の完全実現を求める10.30大フォーラム」が日比谷野外大音楽堂で開催された。主催は同実行委員会で、全国の56団体で構成されている。
 フォーラムでは「優生思想の根絶と、骨格提言の完全実現を求める」と題して、各団体の代表によるリレートークが行なわれた。その中で語られた内容を抜粋し紹介する。

◆優生保護法「強制不妊手術」被害者に謝罪と賠償を

 強制不妊手術の被害当事者である北さん(仮名、男性)は、子供の頃に母親が亡くなると施設に入れられ、中学生の頃に同意なく強制不妊手術を受けさせられた。
 その後、結婚はしたが、強制不妊手術を受けた事を妻に伝える事ができなかった。
「子供が、できない事を分かっているのに結婚して悪かった」と死の床の妻に告白したそうだ。同じような経験を持つ女性が国を訴えた事を知り、訴訟に踏み切った。
 トークでは「私の人生を返してほしい」と訴えた。

◆〈不幸な子どもの生まれない運動〉は終ったのか

 「リメンバー7.26神戸アクション」の石地かおるさんは、1965年から74年まで兵庫県が行なっていた〈不幸な子どもの生まれない運動〉について語った。「障害者を不幸と決めつけ、強制不妊手術を行なった。羊水検査も県がお金を負担した。障害者がいなければ全ての人が幸せになれると、疑う事なく推し進めてきた。これは障害者暗殺計画だったと思う。

 私は67年〈運動〉の真只中に生まれた。今は出生前診断により受精卵の段階で異常のある受精卵を廃棄する事ができるので、今であれば私は生まれる事ができなかった事になる。技術の進歩だと人々は喜んでいるが、今いる障害者、これから生まれる障害者は、常に失敗作として生きていかなければならないのか?全ての障害者の命が闇に葬られてしまう。兵庫県は、かつての〈運動〉をきちんと総括し、それを全国に波及させた責任を取れ」と語った。

◆三田市監禁事件は終っていない

 吉田明彦さんは三田市監禁事件について語った。「三田市監禁事件は、津久井やまゆり園と同じように衝撃的な事件。42歳になる息子を30年間監禁してきた男が逮捕された。彼らは26年前に大阪市から三田市に引っ越したが、監禁は大阪市にいた頃から始まっていた。プレハブに監禁し、父親が仕事に出かけるときは36時間の監禁。部屋の中にペットシートを敷いて下の世話をし、食事は父親が帰ってきた時だけ。片方失明、片方も殆ど見えない状態で、股関節が曲がり歩けなくなった。心の傷は知りようもない。ここまで被害者が知的障害者であると敢えて言わなかったが、そのことを忘れてこの事件を考えてみてほしい。思春期からずっと監禁され、最後は殆ど食事を与えられず傷つけられた。ところが、この事件を、マスコミは殆ど取り上げなかった。殆どの人は、この事件を知らないはずだ。その上、こんなに壮絶な監禁事件であるにも関わらず、加害者に同情が集っている。裁判は、その日の内に結審。しかも執行猶予付きの判決だった。知的障害者は監禁されなければならない存在なのか?この事件を決して忘れてはいけない」。

◆やまゆり園事件を忘れない『19の軌跡』のメッセージ

 神経筋疾患ネットワークのトークは、津久井やまゆり園事件をテーマとした『19の軌跡』(作詞/作曲・歩笑夢)の歌から始まった。歌の後のトークでは「命の選別に断固反対。要らない命などない」と淡々と語りかけた。「命のあり方が大きく変わってきた。障害者の命が脅かされることが起きている。出生前診断ができる病院が増え、規制が緩和されることになった。要らない命があるという事実が突きつけられている」。そして最後にこう締めくくった。「障害がある命もない命も同じ扱い-と感じている人がどれだけいるのか。私達は殺される命の立場から声を上げなければならないと思っている。どんな命も歓迎される社会を創っていくために行動する。私達は、障害を直さなければならない存在でもないし、医療のモルモットでもない」。

◆【補足】管理者の「障害者差別体験」

 殆どの読者は、管理者(私)自身が告白してきたことにより「車椅子」「手足等の手足・膀胱等の神経麻痺」の障害者である事を御存知だろう。そこで管理者(私)自身の「障害者差別体験」を二例ほど紹介する。一つはFB上で「友達申請」があり、その申請内容文には、殆ど「私の事はタイムラインに晒しているので、貴方も障害の内容等を教えて欲しい」との趣旨(理由記載、一切なし)のみ書かれていた。私も隠す必要もないと思い、それ相当に詳しく書いて送信した。管理者(私)も「うかつ(?)」だったのだろうが、後で当該「友達申請」者のタイムラインを見ると「KS大学出身:自称―画家」以外、年齢も何も書かれていなかった。そこで振り返り考えてみると、そもそも、この某「友達申請」者は何故、管理者(私)の「障害の内容等」だけを知りたがったのだろうか。

 一つは「興味本位」、もう一つは「管理者(私)への『障害者である事の疑い』」位しか考えられないが然程、「私の事はタイムラインに晒している」ほどでもない事も鑑みると、少なくとも「率直、正直かつ善意の質問」とは考えられず、不愉快千万だった。

 ただ管理者(私)も「大学等人権教育交流会事務局」を行っており、その交流会にはKS大学関係者も幹事に入って頂いているので、そこで報告・問題提起を図り、ケジメを取ろうと思っている。二つ目は、以前にも報告したが、現役時代の「職場同窓会」が相当の年数ぶりにあり、管理者(私)は、この「職場同窓会」の出席を欠かした事がなかった。

 ところが昨年末、管理者(私)が「職場同窓会」の中心人物である同職場時代、係長I氏(退職時-政策監)に「身体障害者」になった事を報告すると、本年当初に行われた「職場同窓会」にお誘いもなかった。管理者(私)は、噂で「近々に『職場同窓会』がある」事を知って、楽しみに知っていただけに、当該I氏に強く抗議したところ「忖度をした」と正直に答えた。その後も多少の会話は有るが、本稿テーマにもある「私達抜きに私達の事を決めるな」=「障害者自己決定権」についての正式な謝罪は、いまだにない。

 最後に近々「身体障害者」として思う事だが「一定の体に欠損がある事」は、誰しも有り得る事で、やむを得ない。加えて健常者が「一定の体に欠損がある事」を直截的に理解できないのも、これまた、やむを得ない事だと思っている。大事な事は「完全理解できなくても、理解し合う努力」を、障害者も健常者も弛まず行い続ける事。とりわけ管理者(私)は時折「自分の体の欠損」に「情けなく、苛立ち、涙する」事もあるが「魂まで歪めず、自分らしく生きよう」と思っている。また健常者も「障害者は、こういうものではないか」と予断を持たず、忖度せず、ドンドン聞いてほしい。そうした双方の弛まぬ歩み寄りが「遠くても歩まなければならないノーマライゼーションへの道」ではないだろうか。

<福祉切り捨て許さぬ>

 18年6月15日「経済財政運営と改革の基本方針2018」が閣議決定された。

 サブタイトルは「少子高齢化の克服による持続的な成長経路の実現」。この中で政府は、19~21年度を、社会保障改革を軸とする「基礎強化期間」と位置付け、更に財政健全化目標と毎年度予算編成を結びつけるための仕組みとして「社会保障関連費を高齢化による増加分相当の伸びに抑える」としている。また計画実現に向けては「給付と負担のあり方を含め、社会保障の総合的かつ重点的に取り組むべき政策を取りまとめ、早期に改革を具体化」するとしている。経済優先・福祉切り捨てが見え見えの政策だ。これに対して大フォーラムは、障害者総合支援法と介護保険法の見直し時期が同じ21年であることから、障害者の制度と介護保険制度の統合が狙われているのではないかと危機感を抱いている。

 更に「尊厳死」についても大キャンペーンが行なわれる危険性も指摘する。

 79年に国連総会で決議された国際障害者年行動計画の一節に、「ある社会が、その構成員の幾らかの人々を閉め出すような場合、それは弱く脆い社会である」とある。大フォーラムが求める骨格提言の完全実現は、障害者のためだけに求められるのではない。

 誰一人として閉め出すことのない、共生社会の実現につながるものだ。(基本文献-社会新報/文責:部分編集-民守 正義)

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《「愛国」と「自己犠牲」の道徳教育を許すな!全国集会》

◎日時:2018年12月8日(土)13:30~16:30まで(開場13時~)

◎場所:エルおおさか大会議室(大阪市中央区北浜東3-14)

 ●Osaka Metro(旧大阪市営地下鉄)谷町線・京阪天満橋2番出口より徒歩約670m

◎資料代:800円(学生・障害者無料)

◎主催等:「戦争教科書」はいらない!大阪連絡会

 ●ブログ:「子供たちに渡すな、あぶない教科書」で検索。


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(民守 正義)