リベラル勢力総結集・奴隷労働法制等阻止!(80)

《Ken Sway Kenと管理者の【緊急事態条項等、憲法改悪阻止】》
《この社会で、女でいるということの難儀/エッセイスト:小島 慶子》

 吹き荒れるセクハラスキャンダルの嵐のあおりをくって、家庭の中にも隙間風が吹いていないだろうか。何気なく言った一言に妻や娘が「それ、セクハラだよ!」なんて反応するようになって、窮屈な思いをしている男性もいるだろう。でも靴と同じで、最初はきついけどそのうち慣れる。慣れてしまえば歩くのになんの苦もなくなるのだから、「#MeToo 反対!」とか、不毛な行動に出ないでほしい。

●息子になんてことしてくれるんだ!

 以前、こんなことがあった。次男が小学生だったころ、仲のいい女の子ができた。
 クラスで公認のカップルだ。集合写真を見せながら次男がそのことを夫に告げると、夫はこう言った。「そうか、さすがだなあ。その子はクラスで一番可愛いと、パパは最初に写真を見たときから思っていたんだよ」次男はキョトンとしている。私はサイレンを鳴らしながら全速力で出動し、すぐさま警告した。「ちょっと!なんで息子のガールフレンドについての最初のコメントが外見についてなのよ? 集合写真見てどの子が可愛いか品定めするのは最悪だからやめてくれない?」夫は、息子のモテぶりを褒めたのに何がいけないの?と心外そうだ。緊急出動の理由はこうだ。夫の言葉には、“一番モテそうな女子をゲットする男が偉い”という価値観が滲んでいる。その前提になっているのは“一番可愛い子が一番、価値がある”という思い込みだ。写真を見て、女子の容貌をすぐさまチェックし、ははあ、定めしこの子がクラスのアイドルだな、等と値踏みしていたとは実に浅ましい。まあ、目は意識よりも先に動くから、顔立ちの整った子に目が行くのは仕方ないとしても、それをもってクラスの女子を格付けし、あろうことか、彼女ができた息子を祝福するときに「一番可愛い女子をゲットするなんてお前さすがだな」的なコメントをするのは愚の骨頂。大事な息子にいきなりルッキズムとセクシズムを仕込むとは、なんてことしてくれるんだアホ。
 私の怒りは、しかし伝わらない。夫に限らず、こういうときの大抵の男性の反応は「なんで褒めたのに怒るの?」なのである。

<常に見た目に敏感な環境>

 母親の剣幕を前に事態を飲み込めずにいる次男に、彼女のどんなところが好きかを尋ねると、答えは「面白いところ」だった。見た目だってもちろん人を好きになるときの要素の一つだが、面白さに惹かれるのは脳みそに惹かれるということだから、息子にはぜひそちらの文脈で恋愛を語れる人になってほしいと思う。誰かの恋人を褒めるときにも「クラスで一番可愛いね」じゃない言い方をできるようになってほしい。以前この連載でも書いたが、女性でも自分の娘の見た目を貶めるようなことを言う人がいる。「うちの子ブスでしょ、だからうんと勉強させて自立させなきゃ」とか。そう言っている母親がどちらかと言うと美人の部類に入るときの凄まじさと言ったらない。そして「うちの子イケメンじゃないでしょ。だからうんと勉強させなきゃ」とは言わないのである。ある女性は、息子に「とにかくリレーの選手になりなさい」と異常なまでにプレッシャーをかけていた。
 理由を尋ねたら、足が速いとモテるし、自信につながるからと力説された。
 いや、息子に刻まれるのは「足が早くないと女性に認めて貰えない」という恐怖だろう。
 人は何をもって評価されるのかという価値基準は、親との何気ない会話の中で刷り込まれる。今思えば、私の育った家庭の人々は異常に見た目に敏感であった。
 そして、それはいつも私を怯えさせた。幼稚園の年少の時に描いた運動会の絵が上出来だったので、園の展覧会で母に見てもらうのを楽しみにしていた。園児がくす玉割りだったか玉入れだかをしているシーンを描いたもので、背景には応援している両親も描かれている。
 構図も細部もよく描けており、先生に褒められた。しかし母の第一声は「やだ、ママはこんなにクルクルパーマじゃないわよ」であった。そこじゃねえよ、という思いと、申し訳ないという思いで言葉もなかった。爾来40年あまり、母は一貫している。
 孫とのテレビ電話でも、画面に映った自分の容姿をやたら気にする。孫の話よりも、孫の服装や髪型に気を取られる。娘に対しても褒め言葉は大抵見た目のことだ。
 服が良かった髪型が良かったメイクが良かった…。逆もまた然り。そして割れ鍋に綴じ蓋と言おうか、父もまた外見にコメントすることが多い人である。成長期の子供にしつこく「どうしてそんなにひょろひょろ痩せているんだ」とか、思春期の娘に「随分腕にたくさん毛が生えているな」とか平気で言う。そしてやはり誰も気にしていないのに、自分の見てくれを卑下したり気にしたりが忙しい。姉もまた妹に対して「あんたは腿の間に隙間があるからモデルにはなれない」とか(私はなりたいとは一言も言っていない)、「顔が大きい」とか執拗に言い続ける人だった。多分彼らは皆、幼少期に容姿についてあれこれ言われることが多かったのではないかと思う。そして内面についての賞賛を浴びた経験が少なかったのではないか。だから外見以外に人を評価する基準を持たなかったのだろう。

 母はいわゆる美人の部類であったが、それを理由にいじめられたと本人は語っていた。
 父は目鼻立ちが女の子のようだとからかわれたらしい。姉は見た目コンシャスな両親に育てられたのでそうならざるを得なかったのだろう。私はそんな3人の元に最後に生まれてきたものだから、頼んでもいないのに毎日のように見た目についてのコメントを浴びせられて育った。その結果、自意識過剰で人と接するのが怖くてたまらない子どもになった。
 そりゃそうだよ、気を抜くと何を言われるかわからないし、いつも大抵どこかがみっともないと笑われるに決まっているのだから。そういうものから自由になりたくて、高校時代は随分勉強した。でも私の学力とやる気は勉強だけで身を立てられるほど高くはなかった。
 ずるっと付属の大学に上がり、就職が見えてきたときに当時、王道だった「数年働いて寿退社」が自分に可能かを考えたら、稼ぎのいい男を奪い合う恋の野戦場で勝ち残れる自信がなかった。だから経済的に自立しようと考え、しかし成績は至って平凡で、90年代前半にそんな私が狙える総合職と言ったらマスコミ、しかも面接重視のアナウンサーしかなかった。
 見た目から逃れるために、見た目が選考基準の仕事を目指したのだから皮肉としか言いようがない。でもそうやって世間から「美人アナ」と認められたら、見た目を気にしなくても良くなるかもしれないと考えたのだ。なんとおめでたい子供だったのだろう。

<今は女性が見てきた地獄に付き合ってほしい>

 当然だが、その仕事は私をさらに苛烈に追い詰めることになった。今まで以上に人に見た目をあれこれ言われ、しかもそれが「好きで人前に出ているのだから何を言われても仕方がない」という容赦ない空気の中で行われた。心底おじさんになりたかった。
 同じことを言ったりやったりしても、私が若い女じゃなくておじさんだったら、ブスとかデカいとか生意気とか、言われずに済むだろうと思った。けれど「若くて多少は見た目のいい女子」であることによって、同年代の男性に比べて、はるかに優遇されたのも事実だった。同じ待遇で雇われているにも関わらず、評価の基準は男女で全然違った。
 若い内は断然、女が有利だった。ただ若い女であるというだけで。
 人は見た目で評価されるという恐怖に加えて、女は女であるというだけで生鮮品のように値がつけられることを知って、私はつくづく生きるのをやめたくなった。
 15年にも及んだ摂食障害はそうしたしんどさから逃れるための自傷行為だったし、その後の不安障害は、結婚して唯一の理解者だと思っていた夫がやはり女性の性をモノのように扱うことに抵抗のない人物だと知ったことがきっかけだった。女であることは、どうしてこうも絶望と隣り合わせなのか。で、はじめに戻る。もしもあなたの妻がここ最近急にセクハラに敏感になり、ちょっとした言葉の端々にも目くじらを立てるようになったのなら、影響されやすい女だなどと侮ってはいけない。この社会で女をやるということは、セクシズムやルッキズムやエイジズムにさらされ続けることであり、長年蓄積された悔しさがあるのだ。
 まして男性が多数派を占める職場で働いてきた女たちには、その価値観に適応せざるを得なかった「汚れちまったあたし」の負い目がある。幾重にも引き裂かれ、憎むべき価値観に同化することでしか生き残れなかった女たちの怨嗟が、今ようやく言葉を得て表出しようとしている。ふとした一言にキッとなるときの妻は、あなたの発言に、過去に出会った男たちの片鱗を感じている。夫は、復讐のための憑座である。

 あのとき、あいつに言ってやりたかったことや、ずっとため込んできた思いをぶつけるために、妻はあなたに「男」を降ろしているのである。とんだ濡れ衣だよと思うかもしれない。実際難儀なことだろう。でも話を聞いてみてほしい。彼女が見てきた風景を、今もその目に映っているこの世の有様を、あなたは知らない。もちろん男には男のつらさがあろう、それを軽んじるつもりは毛頭ない。だから、今は女性の見てきた地獄にじっくり付き合ってほしいのだ。そして想像してほしい。この社会で、女をやるってことの負荷の高さを。
 もしも娘がいるのなら、それを彼女にも強いたいだろうか? 答えがNOなら、今まで「そんなことくらい」「そういうものでしょ」で済まされてきた、女性への敬意を欠いたあしらいに対して「それはおかしい。もうやめよう」と、どうか一緒に言ってほしい。
 半径2メートルから、世界を変えることはできるのだから。
                       (文献紹介:社会学者-イダ ヒロユキ)  


《【加計学園疑獄】愛媛知事招致、与党拒否「水かけ論になるだけ」》

 立憲民主党の逢坂誠二議員は11日、自民党の菅原一秀議員と国会内で会談し、学校法人「加計学園」による獣医学部新設問題を巡って、14日の衆院予算委員会集中審議に愛媛県の中村時広知事を参考人として招致するよう求めた。しかし、菅原議員は「水かけ論になるだけだ」と拒否し、同日の招致は見送られた。中村知事は11日の記者会見で、柳瀬唯夫元首相秘書官(現経済産業審議官)の10日の国会答弁と愛媛県職員が作成した文書には食い違いがあるとして、国会の要請があれば招致に応じる意欲を示した。
 会談後、逢坂議員は「なぜ認めないのか理解できない」と与党を批判。
 立憲民主党の枝野幸男代表は「前知事(加戸守行氏)を呼んでおいて、現知事を呼ばないのは理屈が合わない。加計隠しそのものだ」と強く批判した。(基本文献-毎日新聞)


《【加計学園疑獄】柳瀬答弁:「法廷では通用しない」不合理弁解に弁護士》

 加計学園問題について10日、国会での参考人質疑で合理的な説明を試みた柳瀬唯夫元首相秘書官(現経済産業審議官)。だが翌日の愛媛県知事の反論で証言の信憑性が揺らいでいる。柳瀬の説明は、人の罪や責任の有無を巡って厳密な立証が求められる司法の世界からの評価は? 

<法曹界「変わる記憶」より「面会記録」証拠価値高く>

 「柳瀬氏の証言は法廷では到底通用しません」。そう断じるのは川口創弁護士(愛知県弁護士会)だ。イラク派遣差し止め訴訟の弁護団事務局長として、2008年に憲法9条1項違反の歴史的違憲判決を勝ち取った。「首相秘書官の職務権限や官邸という場所で会ったことを考えれば、外形的には首相の命を受けた行動で、会う側が首相に伝わると考えるのは当然のこと。『報告せず、指示もない』というのは不合理な弁解です」川口弁護士は、柳瀬が当初は面会自体を否定していた点を踏まえ、裁判所なら「供述の核心部分が変遷し、信用性は全く認められない」と評価するだろうと見る。更に柳瀬が愛媛県職員の面会記録の信用性を疑問視した事についても「面会直後に作成された記録の方が、記憶に基づきコロコロと変わる証言よりも証拠価値が高いのは自明です」と呆れる。愛媛県の中村時広知事は11日、柳瀬を批判し、県職員が名刺交換で受け取った柳瀬の名刺を公表した。
「いい加減な証言をするから、次から次へと動かぬ証拠が出てきて矛盾が露呈する。この参考人招致で、首相の関与が返って明白になったといえます」(川口弁護士)
        ◇
 元検事の郷原信郎弁護士(第一東京弁護士会)も、柳瀬の証言は司法の場なら説得力を持たないと見る。「過去の国会答弁との矛盾を避け、愛媛県の『首相案件』文書の追及も免れるための無理な弁解だった。加計学園関係者に特区制度の一般的な説明をしただけだということで押し通し、何一つ事実を明らかにしなかった」と分析。「柳瀬氏の証人喚問が必要なのは明白だ。しっかりと記録を残していた愛媛県に迷惑きわまりないが、中村知事の参考人招致も必要だろう」と話した。30年以上裁判官を務めた井戸謙一弁護士(滋賀県弁護士会)も「記憶に基づき丁寧に説明するというより、のらりくらり逃げ回ろうとしているとの心証を持った」と評価は厳しい。その一方で「質問する議員が自分の考えを押しつけようとする等、尋問技術の稚拙さも目についた。当時の具体的な状況等について細かい質問を重ね、疑惑の核心を浮き彫りにする事もできたのではないか」と残念がった。
 柳瀬が「面会したが首相に報告せず」に代表される不自然な証言をした背景を、首相秘書官経験者の小野次郎元参院議員は「利害関係者と接触しないという危機管理が今の官邸にないからだ」と解説する。中村知事は柳瀬を「真実を語っていない」と批判。
 柳瀬には安倍(欺瞞)首相という守るべきものがあるが、愛媛県側には嘘をつく理由がない-との見方が広がっている。(基本文献-毎日新聞)
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(民守 正義)