リベラル勢力総結集・奴隷労働法制等阻止!(74)

《Ken Sway Kenと管理者の【緊急事態条項等、憲法改悪阻止】》
《奄美大島配備で問われる自然の“破壊”と“保全”という矛盾》

  大自然を擁する鹿児島県・奄美大島の森林を切り裂いて、陸上自衛隊の駐屯地建設が進んでいる。その一方で、世界自然遺産登録に向けた動きも加速しており、島は大きな矛盾を抱え揺れている。
********************************
 時は遡ること約1000万年前。奄美は、ユーラシア大陸と地続きだった。
「約200万年前に地殻変動で大陸から切り離された後、ハブを除き強い捕食動物がいなかった奄美では、大陸で絶滅していった種が生き残り現在も生息しています」と語気を強めるのは、奄美自然環境研究会の常田守会長だ。常田さんは約40年に亙り、奄美の自然を観察している。山には特別天然記念物のアマミノクロウサギをはじめ、ルリカケス(鳥)やアマミイシカワガエルなど奄美の固有種も豊富で、海域には今も隆起するサンゴ礁段丘、琉球石灰岩の海食崖など多様な自然環境が備わっている。昨年3月には、奄美大島の南部を中心に海域も含んで群島内12市町村が、国から「奄美群島国立公園」に指定された。
 陸域は計4万2294ヘクタール、海域は3万3099ヘクタールという広大な規模だ。
 この内の一部は、ユネスコの諮問機関である国際自然保護連合(IUCN)での世界自然遺産登録が見込まれている。このような環境の奄美大島で、2016年から陸上自衛隊の駐屯地建設が進められている。建設地は、島の中心部である奄美市名瀬の大熊地区と、南部の瀬戸内町節子地区。瀬戸内町には、「大規模弾薬庫」の配備も予定されている。
 この他、希少種の多い中南部の湯湾岳にはレーダーが設置される。両地区とも国立公園に近く、建設地周辺にはクロウサギの糞が何カ所にもあった。野生動物が入らないようにと、現場には網戸の形の「侵入防止柵」が張り巡らされていて、市によると柵が破損した場合、その都度修理するという。しかし、ある住民は「柵の下に隙間があって、クロウサギはその下から幾らでも出入りできる。意味がない」と指摘する。そもそも工事現場の出入り口には柵がなく、隙間だらけだった。常田さんも「森を切り裂き、沢山の希少種を生息地から追い出しておいて『侵入防止』とは何なのか。生態系を守ろうとしているように見せる小手先の手段だ」とした。同工事は環境影響評価の対象事業の規模に該当しないが、工事事業者は「自主的に」動植物に関わる環境調査を実施しているというのが市側の言い分だ。工事中はモニタリング調査を行ない、区域外への自力移動が困難と考えられる種は移植・移動させる等の措置を取るとし、これをもって「周囲の自然環境や野生動物に配慮している」という。だが具体的な方法は不明だ。昨年に現地調査に訪れたIUCN調査団は、自然遺産の候補地だけでなく「地域全体の保全が重要」としている。この他、瀬戸内町では赤土流出の問題も起きている。「戦争のための自衛隊配備に反対する奄美ネット」(以下、奄美ネット)によると、同町では工事により約30ヘクタールの赤土の大地が出現した。

 奄美の自然に魅せられ10年頃に移り住んだジョン高木さんは、同町にある奄美屈指の嘉徳渓谷の“変化”についてこう話す。「以前は水が青々としていたが、赤土が流れ込み茶色く染まってしまった。石は赤土でぬめり、タニシなど豊富な生物がいたが、激減した」。
 奄美市には赤土対策として「土砂流出防止対策要綱」しかない。市職員は「工事の際に届け出をお願いするレベルのものでしかなく、出さない人も多い」と説明した。
 名瀬の大熊地区では、約半分を自衛隊用水に使うとして、水源地建設のための農地買収を市から打診された地権者と市の間でトラブルが起きている。地権者は、当初は売る意向を示したが、市が水質調査を行なった後に考えが変わり、売りたくない旨を伝えた。
 だが書面での売買契約がないにも関わらず、市の職員は「債務不履行による損害賠償が発生する」「資産差し押さえだ」等と発言。恐怖を感じた地権者は結局、売買契約を結んだという。こうした市の“強硬路線”は、配備受け入れの段階から始まっていた。
 2014年8月12日、当時の武田良太防衛副大臣が奄美市の朝山毅市長と瀬戸内町の房克臣町長を訪問し、配備受け入れを求めると、両首長は即日受け入れを表明した。
 特に朝山市長は、市議会や12の民間団体が誘致活動を行なっていることをもって、受け入れの「民意は浸透」したと判断した。市の住民説明会は、16年6月になって大熊地区でのみ開かれた。朝山市長は、「(自衛隊は)いざという時に安心を与えてくれる大変ありがたい組織」「守って頂くという事は国民の権利」等と発言。説明会の開催時期については「(配備の)予算がはっきり決まらない前に説明会をするのは国においても無責任」とし、参加者からは「不安になってきた」「バカにしているのか」等の声が出た。
 九州防衛局職員は「(敵国として)中国を念頭に置いているわけではない」としつつも「近隣の脅威の抑止力になる」と説明した。以後、説明会は一度も開かれていない。

 防衛省は16年12月に決定した17年度当初予算案で、奄美市と瀬戸内町に配備する陸上自衛隊南西警備部隊の施設建設に計397億円を計上した。部隊は19年3月を目途に配備される予定だ。16年10月に工事が始まると、「奄美ネット」の城村典文代表等を含む住民約30人は昨年4月、国を相手取り工事差し止めの仮処分命令を求めて鹿児島地裁に提訴した。訴状で原告らは、「住民が自衛隊誘致の妥当性を判断する機会を与えられないまま」配備が決定されたと指摘。朝山市長のいう「備えあれば憂いなし」は実際の戦争には通用せず、「有事が起こらない警備態勢」ということも「ありえない話」で、住民の平和的生存権が踏み躙られているとした。「貴重な自然を保護し、後世に引き継いでいくこと」の重要性も訴えた。
 国側は申し立ての却下を求め続けたが、真摯な回答はしなかった。
 裁判は結局4月27日「陸自基地建設差し止め認めず」の最近の「司法の国追随」の姿勢を崩さなかった。『沖縄県史:各論編6-沖縄戦』(沖縄県教育委員会、17年)によると、「奄美大島一帯は、明治期より陸海軍が注目してきた防備上の要地であった」。
 南部には、旧海軍が基地を置いて演習も行い、旧陸軍も要塞司令部を置いた。
 しかしながら『瀬戸内町誌:歴史編』(瀬戸内町誌歴史編編纂委員会、07年)は、「太平洋戦争に突入して初めて、住民は、これらが戦争準備であった事を理解した」と指摘。
 戦中には沖縄島と共に奄美群島も爆弾や魚雷で攻撃された。こうした史実を見ても、自衛隊配備による「要塞化」は危険だ。一方、鹿児島県西之表市にある無人島の馬毛島も配備問題に揺れている。島の99.9%を所有する地主が、国側が出す土地の買収額に納得せず、膠着状態が続いているのだ。ここは不正融資等で倒産した平和相互銀行が1980年代に買収した曰く付きの土地で、交渉は容易ではないだろう。馬毛島は自衛隊の事前集積施設の候補地とされる前に、米海軍機の離着陸訓練施設として候補に挙がっている。

 現訓練地の小笠原諸島の硫黄島が遠距離のため移転を求める米国政府に対し、日本は馬毛島を移転先候補地だと説明している。最近、神奈川県の米軍厚木基地の空母艦載機が山口の米軍岩国基地に移転したが、硫黄島の訓練施設も馬毛島へ移設される計画と関連していると考えられている。このため地主が土地を売らなくとも、国側が強制代執行など強硬手段に打って出る可能性もある。防衛省を取材すると「できるだけ早期に(馬毛島で)実現できるよう検討を進めていく」と意気込んでおり、事態は予断を許さない。
 同市の長野ひろみ市議は「これは自治権の問題。事前集積施設や訓練施設に使われるということは、騒音や住民の安全上の問題が生じてくる。西之表市議会は議会としてこれまでも反対の意思表示をし、昨年2月の臨時議会でも配備に対する反対決議を通している。民意をしっかり示していかなければいけない」と話している。(基本文献-週刊金曜日)


《【国家的人権蹂躙】旧優生保護法:強制不妊、不服門前払い-道、国の再審査阻む65年》

 北海道の優生保護審査会が1965年、優生保護法(48~96年)に基づく強制不妊手術を決定した女性の保護者から「決定の取り消し」を文書で申し立てられた際、「(保護者は)同法への理解が乏しい」と明らかな差別意識に基づいた門前払いにしていた事が判明した。

 同法は、遺伝性精神疾患等を理由にした手術決定に不服がある場合、都道府県の審査会を通じ、国の中央優生保護審査会への再審査申請を保障していた。しかし再審査の申請がされないまま手術の実施手続きが取られていた。政府は法施行中、中央審査会が殆ど開かれていなかった事を国会で明らかにしており、北海道のケースは強制手術を巡る再審査機能が形骸化していた一端を示す。道が開示した文書によると65年7月に道内の女性への強制手術について道優生保護審査会が決定した後、女性と保護者が受け入れを強く拒否した。
 4条は遺伝性の精神疾患等を理由にした手術で「人権保護のために」(旧厚生省)不服時の再審査制度が設けられた。決定に不満を持つ保護者らは、通知から2週間以内に都道府県を通じ、中央審査会に再審査を申請できるとしていた。12条は、遺伝性でない障害も対象としたが、保護者の同意を必須としていた。だが道は手術決定の取り消しを求めた保護者について、一方的に「法への理解が乏しいため」と決めつけ翌66年4月、これらの「人権=人間性保護規定」を無視し手術の実施手続きを取っていた。資料には、中央審査会への再審査申請の手続きが取られた記録はなく、再審査申請自体、「行政の不作為」違法性が判明した。

 病院と自治体関係者は説得を繰り返したが、保護者は応じず「手術の意志が全くない」と文書にして取り消しを求めた。同法では、強制手術について4条と12条で条件を規定。

 道審査会では、この他にも、64年に手術決定を不服とした保護者を説得して翻意させる等、審査会決定の受け入れを拒む保護者らを抑え込んでいたケースが多数記録されている。
 同法に詳しい敬和学園大の藤野豊教授(日本近現代史)は「国は、再審査制度等を盾に『憲法違反』との批判をかわしてきた。しかし実際は歯止めにならず、手術ありきで進められていた」と指弾する。

<中央審査会の開催記録なし>

 中央優生保護審査会は、開催を証明する具体的な記録が確認されていない。
 法施行中、国会では開催内容等についての議員質問が複数回あったが、政府側は詳細を明らかにしていない。60年4月の衆院社会労働委員会で厚生省は「稀に」あると答えたが、日時や内容には言及しなかった。80年3月の参院予算委では厚相が「ずっと開かれていません」と明らかにし、申請の要求があったにも関わらず「(申請の)要求がないと開く必要がないものだ」と述べた。中央審査会はその2年後、公衆衛生審議会に統合された。
 一方、厚生労働省は、中央審査会の開催記録を「今年1月から探し続けている」としているが、現在のところ「見つかっていない」と、お得意の「破棄・隠匿」で逃亡している。
(参考文献-毎日新聞/文責:民守 正義)


《【原発-違法就労】福島原発:建設工事に外国人実習生!東電、違法就労》

 東京電力福島第1原発での建設工事に昨年秋から外国人技能実習生が従事している。
 東電は2017年2月、技能実習制度を所管する法務省に相談した上で、同原発で技能実習生を働かせない方針を示しており、これに反する形だ。東電は事実関係を認め「外国人技能実習制度の趣旨にそぐわない。元請け会社に在留資格の確認の徹底を求め、当社も在留資格を調査したい」としている。

<放射線教育行わず>

 従事が確認された技能実習生は、ベトナム国籍などの20~30代の男性4人。
 内2人は昨年来日したばかりで日本語を殆ど話すことができない。これとは別に外国人建設就労者が2人いる。6人が従事しているのは、昨年11月に始まった敷地内に新設される施設の基礎工事。放射性物質に汚染された可能性がある瓦礫や伐採木等を焼却する施設で、6人はゼネコンの下請けに入っている東京都内の建設会社に雇われている。
 東電によると、6人が働く現場は放射線防護が必要な放射線管理区域から外れている。
 原発敷地内の作業ではあるが、放射線防護教育は行われず、被曝線量を管理する必要もないという。6人は線量計を装着させられているが、自分の被曝線量は把握していないと証言した。技能実習制度は途上国への技術移転が目的とされるが、ベトナムには被曝労働を伴う原発自体がない。同国政府は16年、資金不足に加え、福島の原発事故による国民の反発を考慮し、建設中止を決めた。東電は17年2月、記者会見で「技能実習は日本で勉強して自分の国に帰って広めていくという取り組みなので、我々なりの制限を入れて(労働)環境を守りたい」と詭弁説明していた。しかし、この無理筋説明では破綻する事に気づいたのか「非管理区域においても技能実習生の就労を認めていない。契約管理を強化したい」としている。
 また6人を雇用する会社社長は「元請け側から、なるべく外国人は使わないように言われた。でも我々の業界は外国人なしに成り立たなくなっている」と泣き言言い訳している。
 国土交通省によると、少子高齢化等を背景に、17年に建設分野で働いた外国人は5年前の4倍超の約5.5万人。この内、技能実習生は約3.7万人を占めている。(参考文献-毎日新聞/文責:民守 正義)
**********************************

《ブログ「リベラル広場」では次の事業も行っています。》

職場(仕事)における労働・人権相談(ハラスメント・メンタルヘルス等、含む)
*大阪府労働相談経験10年以上。*産業カウンセラー資格、有り。
*但しメンタルヘルスの場合、もし心療内科等に受診されている場合、または、その受診の方が望ましい場合は、当該医師の指導を優先し、カウンセリングを断る事もありますので予めご了承ください。【費用:交通費等、実費+α(委細相談)】
②「企業内人権研修」等の講師派遣も行います。【但し有料(2万円程度-委細相談)】
③採用コンサルタント。
*出版実績:『公正採用と採用選考・応募と人権のハーモニー』絶賛発売中!
◎なお寄せていただく相談意見等は、とりあえず全てEメールで送信してください。
<送信先Eメールアドレス>yutan0571@yahoo.co.jp

(民守 正義)