リベラル勢力総結集・奴隷労働法制等阻止!(69)

《Ken Sway Kenと管理者の【緊急事態条項等、憲法改悪阻止】》

《若者よ、もっと想像力守る努力しなければ、暮らし脅かされる(赤川次郎さんと憲法)》

 相次ぐ不祥事で政権への信頼が低下しているが、安倍晋三首相は、自衛隊を明記する憲法改正を諦めていない。2020年までの改正憲法施行を目指しているという。
 国家の権限が強化され、自由が奪われる近未来の日本を作品に描いてきた作家の赤川次郎さんは、今の改憲論議をどう受け止めているのだろう。ホテルのラウンジで、赤川さんはかばんから1冊の本を取り出した。「日本国憲法」(金曜日)。弁護士で日本弁護士連合会憲法問題対策本部副本部長の伊藤真さんの解説と、写真家の長倉洋海さんの作品で構成されている。「時折、じっくり読み返します」。著名なベストセラー作家は「戦争をさせない1000人委員会」の呼びかけ人の一人でもある。当然、9条の話から始まるだろうと思っていたら、読み上げたのは25条だった。「『すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する』。この項目を実現するために憲法があると思うのですよ。子供の貧困が増えていると言われているのに、生活保護費は引き下げられる。平和なはずの今ですら、すべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を送れていない。戦争になれば無論、そんなこと言っていられなくなる。25条の実現を目指して、少しでも近づこうというのが政治の在り方でしょう」この国の現状を直視すれば「9条改憲」と言っている場合ではない、という指摘である。憲法を意識した原点は、中学時代まで遡る。
 ある日の学校帰り。「天皇陛下がお通りになる」と、学校から国立駅前まで延びる大通りが通行止めになっていた。急用でもあったのか、子連れの母親が向こう側へ渡らせてほしいと頼んで、警察官に拒まれていたのを見た。「車の影も形も見えていないのに、なぜ渡っちゃいけないのだろうと。常識で考えたらおかしな話じゃないですか。憲法にある『象徴としての天皇』って何だろう?天皇も『普通の人間』なら信号を守って走るべきじゃないか。こういう理屈に合わないこともあるんだなと感じたのを覚えています」
 そして赤川少年は思った。「憲法はそこにあるだけじゃだめなんだ。守る努力をしなければ、何の意味もないのだ」と。日常生活の中で、憲法を意識した瞬間だったという。

<泣くのはいつも弱者>

 戦後の1948年生まれ。戦争の傷痕が色濃く残る中で育った。小学校には、親を戦争で亡くした子がいたし、12人きょうだいの末っ子の級友は食べるのにも困っていた。
 戦時中、旧満州(現中国東北部)にいた両親から聞いた悲惨な話は今でも忘れられない。
 「ソ連の占領下にあった時、父の勤めていた満州映画協会にソ連兵が『酒の相手をする女性を出せ』とやってきたそうです」。当然、それだけでは済まないし、要求を拒めば家族も含めどうなるか分からない。「父の話では、1人の女性が『私には家族がいないから、どうなっても悲しむ人はいないから』と名乗りを上げてくれた。父達は急遽、お別れの会を開き、彼女に花嫁衣装を着せたそうです」。そして翌日、彼女はソ連兵に連れて行かれた。その後の行方は分からないという。「戦争になったら、泣かされるのはいつも市民。とりわけ女性や子供です。戦争は絶対にしてはいけない。憲法9条はその大きな歯止めになってきた。そういうことを私達は、もっと学ぶべきです」と赤川さん。
 今年は戦後73年の夏を迎える。年月を重ねたことで戦争は「歴史」になりつつあり、同時に「改憲」への抵抗も薄らいでいるようにも見える。実際、共同通信が4月25日にまとめた世論調査では、改憲を「必要」「どちらかといえば必要」とする改憲派は計58%に上る。9条改正も「必要」が44%で、「必要ない」の46%に迫る勢いだ。
 そのような現状を前に、赤川さんの口調は落ち着いているのだが、危機感は伝わってくる。「9条が崩されたらどうなるか。そういう想像力が働いていない気がする。
特に若い人達。ただ、それは僕達作家にも責任があります。想像力は物語に触れる事で」初めて育つ。小説や映画、ドラマの主人公に感情移入して、もし自分が、こうだったらどうするかを考え、人間はこういう時にはこういう事をするものなのだという事を学ぶのです。我々作家が、若者が読みたくなるような面白いものを書いてこなかったということであり、作家の敗北ですよ」「プロメテウスの乙女」(82年)、「悪夢の果て」(03年)、「教室の正義」(06年)、「東京零年」(15年)-。法律や監視カメラで自由を縛られ、個人より国家が優先される社会を描いてきた。<戦争になれば、戦場に駆り出されるのは、「難しいことは考えない」若者たちなのである……>(東京零年)。登場人物は時々、読者をドキリとさせるせりふを発する。「主張は物語に込めればいい」。作家は政治的発言をすべきではないと考えていた時期もある。だが、99年に国旗・国歌法が成立、その後も通信傍受法や有事関連3法などが次々と成立していくのを見て、考えを変えた。「小説に書いていればいいという悠長なことでは間に合わないな、と」連載するエッセーやコラムでは折に触れ、政治的な問題に言及する。時には、実名で新聞に投書することもある。

 昨年6月15日付の朝日新聞「声」欄では、共謀罪法は後の世代に災いをもたらすと痛烈に批判し、「あなたが『改憲』を口にするのは100年早い」と安倍首相を断じた。
 「一市民としての立場でものを言うことも大切だと思います。僕は12年ほどサラリーマンをやっていたので、勤め人の気持ちも分かるつもりです」4年前、癌を患い胆嚢を全摘出する手術をした。「早期に見つかったので転移はなく、入院も5泊6日ぐらい。抗癌剤治療もしなくて済んだんです。家族も編集者も心配してくれなかった」と冗談を交えての突然の告白だった。大病を経験したせいか、やらなければいけないことは、後回しにせず、今すぐやろうと意識するようになった。「いつまで自分が生きていられるか分からない、という思いはある。今年70歳になりましたしね。28歳で新人賞をもらった時は、70代で小説を書いているなんて思ってもみませんでした。ここまで書いていられるということは、何か意味があることなのだろうと思う。これから先は、後の世の中に役に立つようなことをしていかなきゃね」改憲は安倍首相の悲願だという。9条1項、2項を維持したまま自衛隊を明記する改正案を提案している。でも、私たちは政治家の意向に従うだけでいいのだろうか。
 何かすべきことがあるはずだ。「憲法が危うくなっている今、守るという発想を持たないといけない。憲法は意識せずともそこにあって、生活を守ってくれるもの。それが無くなった時に、自分の暮らしも脅かされるということを考えてほしい」
小説に描いてきた近未来が現実のものにならぬよう、私達が考える「テキスト」として、赤川さんは物語を紡ぎ続ける。
 ◆憲法25条
 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する
 ■人物略歴
あかがわ・じろう:1948年福岡県生まれ。76年にデビュー。2006年、日本ミステリー文学大賞。16年「東京零年」で吉川英治文学賞。「三毛猫ホームズ」シリーズなど多数のシリーズ作品を持ち、著作は600冊を超える。


《【随想】松尾貴史のちょっと違和感:繰返される暴言、詭弁/理解に苦しむ悪目立ち》

 財務事務次官によるセクシュアルハラスメント問題で、任命責任や管理能力のみならず、多数の暴言、詭弁、強弁で見聞きする者の神経を逆なでし続ける麻生太郎財務大臣は、この件だけではなく何度、辞めても足りないほど思慮と想像力に欠ける発言で政治家の品位を貶めてきた。彼が元々そういうキャラクターであるということで「仕方がない」と納得する人も多いようだが、最近の彼は「どうせ近々辞めるからどうでもいい」と考えているのではないかと想像する。取材時の不遜な態度といったら、他人事ながら恥ずかしくて閉口してしまう。主要20カ国・地域(G20)財務大臣・中央銀行総裁会議に出席した後のインタビューでも、セクハラ問題について質問されたのに「G7の説明からした方がいいんじゃねえか」とはぐらかそうとしていた。そこで感じたのは「傲慢・傲岸・強欲・我欲・欺瞞・疑惑・愚鈍」の「G7」だったが、「下品・下劣・豪遊・愚劣・害悪・崖縁・瓦解・偽物・疑念・疑惑・愚図・誤謬・極道」を足して「G20」に、等と言葉遊びをしている場合ではない。テレビ朝日の女性記者は事務次官という強大な権威を持つ役職の人物を取材する使命もあり、継続的に1年半もセクハラをされ続けて自衛のために録音をした。
 上司に相談したら、自社での報道は難しいとなり、彼女はやむなく第三者である週刊誌に情報と音源を提供することになったという。長きに及んで苦しんでいた被害者の心中には大変な重圧があっただろう。傷ついた被害者は報道によって幾ばくかでも救われるべきであるにも関わらず、加害者とされる人物の処分について「調査期間の給料は税金から払うのか」と居直る責任者の麻生氏の醜悪な振る舞いは目に余るものがある。
 その調査をする短い期間の給料からすれば、処分無しで辞職を認めてしまう場合、桁違いの高額な退職金も税金から支払われることになるのは棚に上げている。
 自分達の立場を守るために、公の場でマスコミに対して女性に「嵌められた」可能性まで持ち出し、セカンドハラスメントを公然と行う。権力者による、このような卑劣な行為が許されるものなのか。下村元文部科学大臣が、加計学園からの不正献金疑惑を、「東京都議選が終わってから説明をする」と逃げ回っていたが、そのまま説明も弁明も釈明もしないままに時は流れ、今回のセクハラ問題について「嵌められていますよ。ある意味犯罪」等と語った。撤回・謝罪したようだが、まるで被害者が悪者であるかのような風説をばらまくには十分な力を発揮しただろう。「首相案件」での関与が取沙汰されている当事者でもあるのに何故、このような悪目立ちする事をするのか、私のような凡人は理解に苦しむ。

 アメリカ等で広がっている「#MeToo」運動のスタイルで、野党の女性議員が中心となって抗議のため財務省を訪れたが、何故か守衛がスクラムを組んで阻止するという異様な光景に。そして元民主党で現在は自民党の長尾敬衆院議員が「こちらの方々は、少なくとも私にとって、セクハラとは縁遠い方々」等とネット上に書き込むという幼稚さ、品性下劣。
 こちらも問題視されるや、すぐさま削除していたが、この辺りの意識の低さは自民党の体質なのだろうか。このタイミングで、林芳正文科大臣が“セクシー個室”ヨガ店に公用車で通っているという週刊誌報道が出た。これを受けて、当のヨガスタジオ経営者はブログで「健全な営業をしている」旨の反論をした。林大臣は先日、文科省が内閣府から受け取ったメールの文書を公開したばかりだが、これにより柳瀬唯夫元総理秘書官は加計学園の人達と会っていないという嘘がつけなくなってしまった。
 いかがわしくない店に行って「いかがわしい」という報道が出て人格攻撃の的になってしまう…。何か、デジャブーのように感じるのは私だけだろうか。
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全国大学人権教育交流会/第50回企画《研究会のご案内》

テーマ:「『在日』をめぐる状況は変化したか」
○開催日:2018年5月20日(日)13時~17時(受付は12時30分~)
○場 所:大阪人権博物館(リバティーおおさか)大阪市浪速区浪速西3-6-36
        Tel:06(6561)5891/FAX:06(6561)5995/http://www.liberty.or.jp
司会:金 洪仙さん(大阪国際大学講師)
報告1「ヘイトスピーチと闘う」呉 光現さん(聖公会生野センター総主事)
報告2「在日コリアンの権利獲得運動と私」飛田 雄一さん(神戸学生青年C館長)
*なお管理者は、本交流会の事務局を担っています。


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*大阪府労働相談経験10年以上。*産業カウンセラー資格、有り。
*但しメンタルヘルスの場合、もし心療内科等に受診されている場合、または、その受診の方が望ましい場合は、当該医師の指導を優先し、カウンセリングを断る事もありますので予めご了承ください。【費用:交通費等、実費+α(委細相談)】
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(民守 正義)