リベラル国民の拡大・結集で憲法改悪阻止!(80)

《Ken Sway Kenと管理者の【緊急事態条項等、憲法改悪阻止】》

《先住民族女性達が告発する複合差別:ダブル・マイノリティ/平田剛士(フリーランス記者)》

 社会的差別に苦しむ小集団の中にあって、とりわけ、しわ寄せを被りがちな立場の人々を、ダブル・マイノリティ(二重の少数派)と呼ぶ。先住民族の女性達はその典型だ。
 多数派から無視されがちなこのテーマを、先頃、札幌で開かれたNGO主催の国際会議が取りあげた。
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「私達は間違った道を歩いてきてしまった。顔形を変えよう、体毛を薄めよう、そんな間違った考えから(アイヌ同胞ではなく和人との結婚を望んで)子供を作ってしまいました。私自身もそうです。子供達に何と言って健全な生き方を伝える事ができましょう。今も悩んでいる最中です」1933年生まれの詩人、宇梶静江さんの静かな告白に、およそ100人の参加者達は静まり返っている。昨年12月2~4日に、北海道大学を会場に開かれた「先住民族政策に関する国際学術会議」第2日。「最前線に立つ先住民族女性たち」と銘打たれた一日がかりのセッションに、宇梶さんは一番手として登場した。

<オツネムコ>

 フチ(高齢のアイヌ女性を呼ぶ時の尊称)が、ずっと自分を責め続けなければならないような状況は何故、生じたのか。背景には日本政府の同化政策と差別があります、と説明したのは、宇梶さんと並んで登壇した多原良子さん。この国際会議の主催団体の一つであるNGO「アイヌ女性会議メノコモシモシ」の代表者だ。「アイヌ女性には、アイヌの身体的特徴、フェイスが(マジョリティである和人達と)違う、体毛が多い、という恐怖感がありましたから、どうしても血を薄めたいという気持ちがあってですね。できれば和人の男と結婚したい、同胞の男性は結婚の対象としては気持ちの上で考えられないという…。同化政策とはそれほど厳しいものなのです」札幌で長くアイヌ生活相談員を務めた多原さんは、多くの同胞達から差別、貧困、夫からの暴力等、様々な体験を聞いたという。
 例えば─「かつてアイヌ女性の間にオツネムコ(越年婿)という言葉がありました。夏場、本州方面から北海道に働きにきた和人の中には、冬になって(漁業・土木作業等の)仕事がなくなると、アイヌ女性の家に転がり込んで、結婚するような半同棲のような、そういった形で冬を越し、春になると『仕事を探してくる』『(地元に残してきた)家族の了解を取ってくる』等と言って、そのまま、いなくなってしまう男達がいたのです。それがオツネムコ」

<「移住」が苦境を招く引き金に>

 宇梶さんは北海道浦河町出身、多原さんは同むかわ町出身だが、それぞれ東京と札幌で就職し、現在も大都市暮らしだ。宇梶さんは勤務時代を振り返りながら「なんで貧しいのか、なんで先祖の人達を置き去りにして東京の真ん中でハイヒールを履いて生きなければならないのかと苦しみました」とも語った。「移住」は世界各国の先住民族女性に対する複合差別問題の重要キーワードの一つだ。カナダ・ウォータールー大学博士課程に籍を置くターニー・プライアーさん(世界統治機構〈グローバル・ガバナンス〉論)は、北欧諸国やロシアの国境を跨いで暮らす先住民族サーミの事例を報告した。「第2次世界大戦後に限っても、各国による工業化政策・開発政策・同化政策等によって、サーミは元々の居住地から都市部への移住を強いられてきました」事実上の強制移住は、伝統的な生活スタイルを激変させ、移転先での自殺や家庭内暴力等に容易に結びつく。真っ先に被害を受けがちなのが女性や子供だ。
「但し、この領域は目に見えにくい。解消を目指して公共政策を実施するにしても、因果関係をはっきりさせる必要がある」と、プライアーさんは目下の課題を挙げた。その見えにくい因果関係の一部をうまく可視化してみせたのが、アオテアロア(ニュージーランド)在住のジェイド・カケさん(国立マオリ住宅支援弁護団)と、ファーン・アイルズさん(マッシー大学)だった。二人が注目したのは、同国の性産業従事者に関する統計だ。全人口に占める先住民族マオリの割合は15%だが、セックス産業従事者に絞ると、マオリの比率は31%に跳ね上がるという。とりわけ路上で客を待つ売春(最も低料金かつ健康リスクが高い)では、マオリ率は64%に達していた。
「マオリ女性の売春に関する記録が現れるのは、イギリス帝国(現・イギリス連邦)による植民地化の直後からです。開発が本格化し、先住民族は地元からの立ち退きを強いられた。大家族からなる伝統的コミュニティは崩壊し、男性達が都市建設等の労働市場に駆り出された後、孤立した女性達には他に選択肢がなかった」(アイルズさん)
 一旦、性産業に従事すると、なかなか他の仕事に移りにくい。貧困から抜け出せないから子供に十分な教育を受けさせることもできない。こうした流れを、前出の多原さんは「100年も150年も、負のスパイラルが、ずっと続いている気がする」と表現した。

<新世代が前を向けるように>

 この「負のスパイラル」はどうすれ止められるか。オーストラリアやカナダなど各国政府・自治体やNGOによる先進事例が報告される中、セッションの最後に登壇したスウェーデン・ウプサラ大学のサトゥ・グルンダール准教授(言語学)の発表が印象的だった。
 グルンダールさんは、ストックホルム在住の小説家アニカ・ヴェンストローム(1966年生まれ)を紹介した。先住民族サーミの母を持つヴェンストロームは、作品に自己を投影させつつ、都市で生まれ、サーミ語を知らずに育ちながら、家族の歴史に関心を寄せて先祖の地を旅する若い女性を描く。(例えばAnnica Wennstrom:Lappskatteland 2006)。
「銅色の髪に青い瞳を持つ主人公は、外見からしてサーミとは異なるのですが、作者は主人公に新しいアイデンティティを見つけさせようとしている」と、グルンダールさん。
「負の要素をはらみつつ、主人公が最後には自己獲得を果たす結末を描くことで、作者は前向きなメッセージを発信しています」新世代が幸福を掴んでこそ、旧世代は肩の荷を下ろせる。
 19世紀以来の植民地主義や同化政策、それに伴う社会差別の不正義性は既に自明だが、今それらを、ただ止めるだけでは、先住民族女性の傷ついた尊厳の回復を果たしきれない。
 歴史を踏まえた上で、なお前を向ける環境をどう醸成するか─。
 カギを握るのはマジョリティだ。かつて領土拡大を目指した以上の熱心さで「修復」にあたる責任があることを自覚したい。(週刊金曜日)


《【腐蝕の安倍政権】奢る安倍内閣“総腐敗”3選、改憲を言う笑止》

 本通常国会では連日、安倍政権の疑惑が追及されている。森友学園、加計学園、スパコン補助金不正の「もり・かけ・スパ」疑惑に、茂木経済再生担当相が選挙区内で線香や衆議院手帳を配っていた「線香疑惑」まで加わり、この政権のロクでもなさを、これでもかと見せつけられる思いだ。公職選挙法は現職の議員や候補者が選挙区内の有権者に金銭や品物を配る行為を禁止している。過去には小野寺防衛相が有権者に線香セットを配り、公選法違反に問われて議員辞職。3年の公民権停止を含む略式命令を受けた。
 2014年にも、名前入りの「うちわ」を配って公選法違反を指摘された松島みどり法相が辞任している。ところが茂木は衆院予算委で秘書による線香や手帳の配布を認めつつ、「配布物に私の氏名はなく、政党支部の政治活動として配布した」と開き直った。「公選法に則っている」というのだ。名前が書いてなければ問題ない?そんな方便が許されるなら、何でもアリになってしまう。無記名ならカネを渡してもいいのか。「茂木大臣に対しては、さすがに自民党内からも『あまりにヒドイ』という声が上がっています。政党支部の活動と言うのなら、自民党手帳を配るなら党勢拡大につながるかもしれませんが、衆議院手帳や線香は何の関係もない。こんな軽率な答弁を許すのは、現政権が弛緩しきっている証拠です。茂木大臣だけでなく、安倍首相や麻生財務相もトボケた答弁を繰り返し、薄ら笑いを浮かべて、野党の質問にマトモに答えようとしない。衆院選であれだけ『丁寧な説明』と言っていたのに、選挙に勝った途端に『大芝居』を露呈したようです」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)国会と有権者をナメるにも程がある。

■政権ぐるみで疑惑隠し

 茂木は人づくり革命担当相も務めているが、最低限のルールも守れないご仁に「人づくり」なんてやってもらいたくない。こんなフザケたヤカラは大臣辞任のみならず、議員辞職が筋だ。かつては官僚の不正や情報隠蔽を厳しく追及してきたはずの河野外相も、閣僚になった途端、批判を封印。安倍のポチぶりを存分に発揮し、外相専用機をおねだりする厚顔ぶりだ。この内閣の一員になると、皆、驕り高ぶってしまうのか。
 麻生財務相にいたっては、暴言は今に始まったことでもないが、森友問題で虚偽答弁をした佐川理財局長(当時)が国税庁長官に出世したものの、慣例の就任会見を開かなかった件について質問されると、「所管の行政以外に関心が集まっていたことから実施しないと決めたと聞いた」とか言っていた。森友問題について聞かれるのが嫌で会見を開かないのを是認したということだ。政権ぐるみで疑惑隠しをやっている。
 そもそも麻生自身も疑惑の当事者である。閣僚席でニタニタ笑っている場合ではないだろう。森友は財務省の問題だし、スパコン疑惑では、助成金詐取で逮捕された社長が安倍や麻生と親密な御用ジャーナリストと懇意で、政権中枢の威光で巨額の助成金が下りたという報道もある。助成金に麻生の関与はなかったのか、予算委でも追及されていた。

<本来なら疑惑まみれで終わっていたのに禁じ手で延命>

「安倍政権というのは、犯罪も隠蔽するあくどい連中の寄せ集めなのです。予算委員会を見ていると、上から下まで腐りきった有象無象の群れだということがよく分かる。嘘と隠蔽で維持している政権で本当にいいのかと徹底批判しないメディアもどうかしています。1月30日の衆院予算委では、傍聴席に女性ジャーナリストの伊藤詩織さんの姿がありました。野党からは、彼女がレイプ被害を訴えている元TBS記者の御用ジャーナリスト山口と安倍(レイプ逃し)首相との親密な関係についての質問も出た。国民の注目度も高かったはずですが、この質問の時間帯をNHKは中継しませんでした。テレビが、この政権の悪辣さをしっかり伝えないから、国民に真実が知らされず、内閣支持率も暴落しない。だから、現内閣は有権者を愚民扱いしているし、質問にノラリクラリで時間稼ぎをしていれば疑惑から逃げ切れるとタカを括っているのです」(政治評論家・本澤二郎氏)
 確かにメディアの報道の仕方には問題がある。国の根幹が腐ることよりも、大相撲や他人の不倫がそんなに大事か。見るに堪えないほど酷い閣僚の国会答弁を何故、放置しておくのか。尤も野党や有権者の要求をはねつけ、佐川長官を国会に招致しようとしないことに関しては、御用メディアの産経新聞(1月31日)までが社説で厳しく批判していた。
<政府の高官が説明を尽くさず、逃げ回っていては、昨年の国会の不毛な論戦を再現するだけだ。国政が、またも停滞する恐れがある。政府・与党はこんな簡単なことも分からないのか><当の佐川氏は長官昇格以来、一度も記者会見を開いていない。人前で納税の意義すら語れない異常な状態にある。野党側が国会へ出席して説明するよう求めても与党が拒んでいる><佐川氏は国会や記者会見の場で説明責任を果たすべきである。避けるばかりでは、問題は収束しない。憲法が定める国民の三大義務の一つが納税だ。2月から確定申告の期間を迎える。政府・与党は、徴税を掌る国税庁のトップは、重要な公人である点を忘れてもらっては困る>産経がこう書くくらいだから、右も左も関係なく、国民の大半が「この政権のやり方はおかしい」と感じているのだ。

■何を言っても許されると勘違い

「昨年の通常国会でモリカケ問題が発覚し、権力の私物化を目の当たりにした国民は強い怒りと不信を覚えた。本来なら、あの時に疑惑まみれで終わっていた政権です。ところが安倍(欺瞞)首相は突然、『国難』等と言いだして解散・総選挙に打って出た。禁じ手で延命を図ったのです。それが野党のゴタゴタに助けられて大勝したことで、何をやっても、言っても許されると勘違いしているフシがあります。圧倒的多数を背景に、数の横暴で国会運営も押し切るつもりなのです」(本澤二郎氏=前出)数の力で疑惑を封じ込める。
 そんなことが許されていいのか。そういう傲岸ゆえに身体検査も甘くなる。
 茂木なんて、手帳配布の公選法違反は昨夏から報じられていた。そんな奴を平然と重要閣僚に引き立てる。本人もポスト安倍気取りでデカイ顔をしているのだから、所属する額賀派はアホ丸出しで、分裂騒動はさもありだ。内閣も派閥も、自分達の保身と権力維持だけ。
 こういう薄汚い連中が「人づくり革命」だとか「国創り」なんて言って、エラソーに税金を差配し「国の形、理想の姿を語るのは憲法です(本当は権力の横暴を縛るのが憲法)等とピンボケの憲法観を振りかざして、身勝手な改憲を数の力でゴリ押ししようとする。
 国会も法の支配も形骸化させ、日本経済と国民の暮らしをメチャクチャにした安倍が秋の総裁選で3選確実なんて、常識では考えられない。安倍1強-総腐敗こそ「国難・亡国」だ。
(基本文献-日刊ゲンダイ/管理者:部分編集)
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(民守 正義)