リベラル国民の拡大・結集で憲法改悪阻止!(71)

《Ken Sway Kenと管理者の【緊急事態条項等、憲法改悪阻止】》
《安倍には解決できない待機児童問題:背景に雇用と賃金の劣化》

 安倍(国難)首相の言う「国難」の一つが少子化問題である。解決に向けて消費税増税分を「全ての保育所、幼稚園の費用無償化にあてる」と打ち上げたが、総選挙後には認可外保育施設を対象外にするとした。理由は“国の基準を満たしていない認可外保育施設への入所を推し進めていると受け止められるから”というとんでもないもの。
 安倍政権が、どれほど待機児童問題に無理解かを露わにした。待機児童問題は認可保育所入所の制限から生まれ、認可外に通わせる世帯の大多数は認可保育所への入所を希望する。
 これを安倍は無視している。更に追い打ちをかける不公平に不満が噴出した。
 激しい反発の声に押されて方針は修正されたが、改めて待機児童問題を浮き彫りにした。
 いまだに解決しない待機児童問題に潜むものは何か。

<政権の対策は軒並み失敗>

 待機児童問題は20年以上前から存在していた。「その解消に向けて」として時の政権は政策を打ち出した。2001年に小泉政権の「待機児童ゼロ作戦」、08年に福田政権の「新待機児童ゼロ作戦」、10年に鳩山政権の「子ども・子育てビジョン」等だ。どれも解決には至っていない。
 安倍政権も13年に「待機児童解消加速化プラン」で受け皿を少し増やしはしたが、需要がそれ以上に伸びたため問題は深刻化している。安倍政権は昨年6月、待機児童ゼロ達成の3年先送りを決定し、5年以内に32万人分の受け皿を増やす「子育て安心プラン」を発表。昨年9月には整備を2年前倒しするとした。「積極的姿勢」と宣伝するが、88.6万人分の受け皿が必要との試算(野村総研)からすればゼロ実現は不可能だ。
 少子化が進んでいるにも関わらず、なぜ待機児童が生じるのか。認可保育所の定員は全国で約273万5千人、利用希望者は約265万人である。表面上「充足」のはずだが、数字だけでは問題は見えない。待機児童の7割以上は都市部に集中している。また、0~2歳児を受け入れる保育施設が非常に不足し、待機児童の約9割がこの年齢に集中している。
 これを解消するためには、国・自治体の責任による公立、少なくとも認可保育所の飛躍的な増設が必要だ。しかし安倍政権はその方向ではなく規制緩和など安上がりの対応しかしていない。基準を緩くした小規模保育を認可の対象とする、保育士配置基準が低い企業主導型保育所の増設に力を入れる-等はその象徴だ。32万人の受皿整備には約3000億円が必要とされるが、その費用捻出に産業界へ「負担協力」を求めている。
 小手先のその場凌ぎ策に終始しており、子供を、しっかりと育てる観点など全くない。

<雇用・賃金の改善が必要>

 「女性活躍推進法」「一億総活躍社会」と、安倍政権は、しきりに女性の就労推進を口にする。現実は既に先を進んでいる。25~44歳の女性就業率は、01年の62.0%から16年には72.7%へと上昇。本来ならば、それを見越して保育所設置を進めるべきだった。
 ところが、その上昇を「政府が見誤り、対応が後手に」になっているのが実情なのだ。
 政権の過失といっていい。女性就業率は、安倍政権が女性の就労を勧めているから伸びているのではない。もっと切実な要因が横たわっている。雇用が不安定で実質賃金も低下している中にあって「専業主婦」が多数を占めていた時代とは違い、夫の収入だけで家計を運営するのは困難で妻も収入を得ることが切実になっているからだ。
 いわゆる「中間層」の収入状況を見ると、その意味合いが分かる。年収500~1000万円の層は1999年から17年にかけて75万人以上減少した。35~39歳の年収を99年と16年で比べると53万円の減少、40~44歳では49万円の減少となっている。安倍・自民党政権の下では今後も、この減少傾向が続き、更に強まる事を誰もが予想する中で、妻の就労が広がる事は当然であろう。雇用と賃金を劣化させてきたツケが待機児童問題を生み出した。
 とすれば待機児童ゼロを実現するには、根本的な雇用と賃金の改善にも目を向けなければならない。もちろん待機児童解消は緊急に手を打たなければならない課題だ。
 国の責任で認可保育所建設と保育士確保政策を進め、その財源を保障しなければならないことはいうまでもない。(週刊MDS)


《【欺瞞-通常国会】安倍政権が目論む“人づくり革命”の正体》

 一体全体、どんな「人」をつくる気なのか。安倍(欺瞞)首相が通常国会の目玉政策に掲げる「人づくり革命」。その柱は「教育の無償化」だ。施政方針演説で安倍は「どんなに貧しい家庭に育った子供達でも、高校、高専にも、専修学校、大学にも進学できるチャンスを確保します」と胸を張ったが、ペテン首相の甘言にダマされてはダメだ。

■無償化の代償は「お国のために貢献しろ」

 教育無償化で想定される国の支出額は年間8千億円で、予算規模は現在の十数倍に膨らむ。「カネを出せば、口も出す」で、国の負担が増えるほど、教育現場にアレコレ横やりを入れてくる。早速、安倍は施政方針演説で無償化の対象となる大学の絞り込みについて、こう言いきっていた。「社会のニーズにしっかりと応えられる人材を育成できるよう、学問追究のみならず人づくりにも意欲を燃やす大学に限って、無償化の対象といたします」
 既に安倍はあからさまな教育現場への国家権力の介入を隠そうともしていないのだ。
 無償化の対象大学は政権の胸一つで決まる。つまり政権が掲げる「人づくり」の方針に従わない大学は切り捨てるという「排除の論理」である。何より問題なのは、安倍が考える「社会のニーズにしっかりと応えられる人材」の具体像だ。「持続的な経済成長を実現させる」と豪語してきた安倍にとって、教育は「実学重視」。安倍政権は国立大に文学・人文科学系学部や大学院の廃止に加え、「社会的要請の高い分野」への組織転換を求めている。
 軍備のタネにならない文系学生なんて「いらねえ」というわけだ。
 某経済アナリストは言う。「12年末の政権返り咲き以来、安倍首相の掲げる経済政策の根底にあるのは、一貫して『軍事大国の夢よ、もう一度』。首相が育てたいのは、軍事産業-高度成長を実現させる人材だけなのでしょう。子供達を等しく無償で教育を受けさせる代わりに、その後は社会でしっかり働き、経済成長に貢献し“お国を全力で支えろ”という発想です。人づくり革命の旗振り役が文科相でも厚労相でもなく、マッキンゼー出身の茂木経済再生相なのも『経済成長最優先』の表れ。人づくり革命とは、国民一人一人の豊かな人生を助けるような人道主義的政策では決してない。むしろ国民は必ず国に寄与しろという考えは、全体主義への憧憬すら感じ取れます」施政方針演説で安倍が「多様な学び」と猫なで声で訴えた高齢者や女性の「リカレント教育」(学び直し)の充実も同様だ。人生を充実するために、もう一度学んでもらおうという発想はなく、あくまで「安上がりの労働力の供給⇒再就職に向けた職業訓練」に過ぎない。老いも若きも「お国」の軍事成長のために、ひたすら働けということだ。怪しい政権が企む「恐ろしい人づくり」の正体みたりである。

<老若男女が24時間死ぬまで働くブラック国家>

 国民を「軍事-経済成長の駒」としか見ていない「上から目線」の政権がもう一つ、通常国会で推進するのが「生産性革命」だ。こちらは経済成長最優先の発想がよりロコツで、「働き方改革」と称して悪名高い「残業代ボッタクリ(ゼロ)法案」や、過労死を増やすと懸念されている「裁量労働制の拡大」等の成立を目指している。こんなムチャクチャな法案が与党の数の力で押し切られたら、働く人々は奴隷も同然となる。今以上に重労働を課せられ、給料は増えずに搾取されるのは目に見えている。まさに「お国のために24時間、死ぬまで働け」―。待ち受けるのは、日本社会全体の総ブラック企業化だ。
 しかも安倍が唱える「革命」には利権の臭いが漂う。リカレントの充実にせよ、小3からの英語必修化にせよ、教育への過剰な介入により、新たな指針を次々と打ち出し、予算を手厚くすれば必ず“税の甘い蜜”に群がる連中が出現する。安倍政権による大学入試改革で、2020年度から民間業者による英語の資格・検定試験が導入される予定だ。
 民間業者に莫大な教育予算が注ぎ込まれるのは必至で、安倍の“お友だち”や自民党の文教族議員らは、恐らく今から手ぐすね引いていることだろう。「人づくり革命の予算は総額2兆円規模。自民党のベテラン議員は『“人づくり”の冠をつければ、どんな予算案も通ってしまう』と呆れていました。かつて東日本大震災の復興予算が遠く沖縄の国道整備に使われるなど多額の流用が問題となりました。人づくり予算でも同じデタラメが起こる懸念は消えません」(前出=某経済アナリスト)国民を「お国」のために死ぬまで働かせ、権力の中枢に近い政官業のインナーサークルだけが甘い汁を吸う―。
 「人づくり革命」なんて厚かましく、かつ欺瞞な言葉は、いかがわしい動きから国民の目をくらますためのカムフラージュとしか思えない。

■稼ぐが勝ちと愛国心が入り交じるグロテスク

 人づくり革命が更に恐ろしいのは、全体主義の臭いもプンプンすることだ。
 今年は明治維新から150年。安倍は施政方針演説で明治期に活躍した偉人の“美談”を繰り返し語り「明治への憧れ」を滲ませた。明治政府は「富国強兵・殖産興業」の国是で民衆を上から押さえつけ、人権や民主主義を無視した軍国主義、帝国主義、そして天皇中心の国家主義にひた走った。そんな時代への「反省」を口にせず、安倍は「これでもか」と礼賛するばかり。異様だ。エコノミストの高橋乗宣氏は「『革命』とは、根本から改めること。安倍首相にとっての『人づくり革命』とは、戦後に花開いた自由な民主教育をひっくり返したいのではないか」と喝破していたが、安倍のオツムの中が「明治への憧憬」に囚われているのは間違いない。何が何でも軍事-経済成長最優先で、過去最大5兆1911億円の防衛予算案を計上し、トランプ米政権から高額兵器を買い漁る。やっていることは「富国強兵・殖産興業」そのもので、完全に「大日本帝国の再現」という妄想に取りつかれている。
 高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言った。「安倍政権の手によって、この春から『道徳』が全ての小学校で正式な教科となります。施政方針演説で、安倍首相は『公共の精神を培う』と強調し、学習指導要綱で『国や郷土を愛する心』等を求めています。そのため、道徳の教科書検定で『郷土愛不足』を理由に『パン屋』を『和菓子屋』に書き換えさせるバカな騒ぎもありましたが、何せ『教育勅語を学校教材として使うことを否定しない』との閣議決定をためらわない政権です。笑ってはいられません。安倍政権が掲げる『公共の精神』とは、愛国心や忠誠心を重んじる戦前倫理の復興なのではないか。教育無償化によって国家の介入が強まれば、今以上の押しつけ教育となり、“お国”のために都合のいい人材だけが評価されていく。こうした一種の『洗脳』の始まりを危惧しています」

 そもそも権力側が施政方針で「教育無償化」や「リカレント教育の拡充」等を庶民へのアメ玉の如く並べ立てること自体、悪事の下心-見え見えである。更に透けて見えるのは「これだけ“施し”を与えたのだから、お国に貢献するのは当然」という前時代的で傲慢な上から目線の政治姿勢だ。「稼ぐが勝ち」の新自由主義的発想と愛国心が入り交じったグロテスクな“アベ流”人づくりが、この通常国会で予算を伴い動き出そうとしているのだ。国民も「無償化」や「多様な学び」の美辞麗句に潜む危険なワナに気づかず、ミーハーに呆けていれば、日本は全体主義国家へ一直線だ。(参考文献-日刊ゲンダイ/文責:民守 正義)
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《【報告と問題提起】国家と徴兵制~韓国の兵役拒否者に聞く》

◎【日時】2月9日(金)午後6時開場:午後6時30分開始
【場所】エルおおさか5階-視聴覚室
【資料代】800円
◎主な報告者:●チェ・ジョンミンさん(NGO「戦争ない世界」活動家)
       ●藤井たけしさん(成均館大学講師・梨花女子大学講師)
       ●アキ・アンさん(アンチミリタリズム活動家)
       ●韓国の兵役拒否者から
◎主催-29「国家と徴兵制」集会実行委員会
*連絡先:℡06-6364-0123/FAX06-6364-5247中北法律事務所気付


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*大阪府労働相談経験10年以上。*産業カウンセラー資格、有り。
*但しメンタルヘルスの場合、もし心療内科等に受診されている場合、または、その受診の方が望ましい場合は、当該医師の指導を優先し、カウンセリングを断る事もありますので予めご了承ください。
②採用コンサルタント。
*出版実績:『公正採用と採用選考・応募と人権のハーモニー』絶賛発売中!
◎なお寄せていただく相談意見等は、とりあえず全てEメールで送信してください。
<送信先Eメールアドレス>yutan0571@yahoo.co.jp
●費用:交通費等、実費+α(若干-協議)

(民守 正義)