リベラル国民の拡大・結集で憲法改悪阻止!(62)

《Ken Sway Kenと管理者の【緊急事態条項等、憲法改悪阻止】》

《生誕100年、益々、関心高まる朝鮮の民族詩人・尹東柱(ユン・ドンジュ)
戦時下に詠まれた気高い詩に若者らが共感/土岐直彦(ジャーナリスト)》

 京都留学中に治安維持法の犠牲となった朝鮮の民族詩人・尹東柱(1917~45年)。
 昨年、生誕から100年に因んで、詩碑の建立や映画上映が続いている。
 詩人を偲ぶ最近の動きと、作品の魅力を追った。
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 冷たい雨となった10月下旬、尹東柱ゆかりの地である京都府宇治市の宇治川上流河畔に、詩人を偲ぶ詩碑が除幕された。「朝鮮独立運動」の嫌疑をかけられ、若干27歳での獄死。治安維持法の暴力性を訴え、自由を奪われない社会を願う市民らの10年余に亙る運動の結実だ。
 詩碑にハングルと日本語で刻まれた作品は「新しい道」(1938年作)。
〈小川を渡って 森へ/峠を越えて 村へ/きのうもゆき きょうもゆく/わたしの道 新しい道/たんぽぽが咲き かささぎが翔び/娘が通り 風が立ち/わたしの道はいつも新しい道/きょうも…あしたも…/小川を渡って森へ/峠を越えて 村へ〉(詩人尹東柱記念碑建立委員会訳)道や川、村や風を詠み込み、明るいエネルギーに満ちている。
 気高い魂と感受性豊かな一連の作品が、国民的詩人として知られる韓国だけでなく日本の若者らの心を掴んでいる。

<治安維持法違反で獄死>

 尹は中国東北部(現・延辺朝鮮族自治州)のクリスチャンの家に生まれた。
 文学を志して1941年、延禧専門学校(現・延世大学)を卒業。翌年、留学しやすいよう「平沼東柱」と日本風に改めて立教大学へ。間もなく同志社大学に転学した。
 ところが43年7月に独立運動の容疑で突然逮捕、翌44年治安維持法違反で懲役2年の刑を受け、45年2月、福岡刑務所で不審な獄死をした。詩碑建立運動は、尹を敬愛する詩人・茨木のり子のエッセー「空と風と星と詩」(86年)を朗読する集いが2002年、京都市内で開かれたのがきっかけだった。尹の遺稿詩集と同題で高校の現代文教科書にも収録、詩人・尹が日本に知られる契機になった作品である。参画した主婦や大学生らが、清冽な詩風を多くの人に知って欲しいと「詩人尹東柱を偲ぶ京都の会」を設立。この会の呼びかけに応え、茨木さんや鶴見俊輔さんら著名人が「賛同呼びかけ人」となり記念碑建立委員会が立ち上げられた。
 2年後には募金活動で詩碑が制作された。難航したのは設置場所。
 建立委では、尹が学友らと宇治川を訪れ飯盒炊爨をした場所の下流、府立宇治公園内への設置を京都府に30回にわたって要望した。43年初夏、帰国を決意した尹の送別会を兼ねたハイキングの場所だったが、府側は「ゆかりが薄い」と難色を示し続けた。
 そこへ地元が用地提供、詩碑が10年ぶりに日の目を見た。

<広がる詩碑建立運動>

 「おーい平沼くん、こっち、こっち、はやくおいでよ」─。詩碑除幕式の後に屋内で開かれた「記念のつどい」では、「音楽と朗読による構成劇」の一場面が披露された。
 男子学生に促され平沼くん(尹)役は学友の列の中央に。求められて朝鮮の歌「アリラン」を歌う場面で寸劇は終わる。16年3月、同志社大学のホールで上演、好評を博した劇の再現だ。寸劇そのままに、はにかんだ笑みの尹を男性6人、女性2人の学友が囲む記念写真が残る。逮捕2ヵ月ほど前、束の間の青春の一時だった。尹東柱の詩碑は京都で3ヵ所目。
 在学した同志社大には95年に、暮らしたアパートがあった京都造形芸術大学構内には06年に、それぞれ建立された。いずれも京都市内にあり、代表作「序詩」を刻む。
 毎年、献花や追悼会が行なわれている。尹の思いに耳を傾け、少しでもその苦難に寄り添いたい─。詩碑建立運動は尹が獄死した福岡市でも起きている。15年に「福岡に尹東柱の詩碑を建てる会」が発足したが、設置場所が難航している。立教大学では11月下旬、尹の生誕100年記念企画(異文化コミュニケーション学部など主催)が催され、尹が主題のドキュメンタリー映画上映や創作歌舞劇が披露された。企画した学生の中からは詩碑設置を目指す動きも出ている。こうした各地での詩碑建立の動きについて、同志社コリア研究センター長の太田修教授は「一人の青年・尹東柱が何を考え何をしようとしたのか、戦争と植民地支配の時代を記憶し共に考える『場』となる。同志社大の詩碑には韓国から来訪者が絶えず、年間では1万人を優に超すだろう」と話している。
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<時代の闇の中で探り当てた詩語、研ぎ澄ませたメタファーにこめられた詩人の意志の声(李英哲・朝鮮大学校教員)>

 清廉な抒情詩人─尹東柱には、屡々このような枕詞が冠される。身近な人々や、空、星、風…自然風物への愛おしさと、それらに仮託した繊細な情感、明朗な世界への憧憬と重苦しい時代とに挟まれた、深くひたむきな煩悶と自己省察。これらを、声を荒げず、静かに平明素朴な詩語で詠った感受性は、言語の差異を超え、多くの日本の読者にも愛されている。
 尹東柱の繊細さ、傷つき易さは、なるほど「総身うぶ毛で被われているような」「なよなよしいまでに清純な叙情感」(金時鐘)と言ってみることもできよう。
 だが、それは抒情を、ただ抒情そのものの内に閉じ込めつつ、現実に絶望しているしかない、読者自身の「なよなよしい」感傷を慰撫するに留まるようなものではないだろう。
 直接的政治的な言葉で詠ったのではなくとも、禁じられた朝鮮語で詠われた彼の抒情は、時代への痛覚と「他人の国」で「詩が、こうも容易く書けるのは/恥ずかしいことだ」といった自問自苦、絶望の闇へと転落する危うさをつねに抱えながら、なおも「最後の私」であろうとする覚悟、「死ぬ日まで」「一点の恥なきことを」求めた抵抗精神と分かち難く結びついた抒情だった。それはまた日本語でしか読めない読者を、支配と被支配の差異と暴力、その歴史を不問にして容易く超越してしまうようなセンチメンタリズムや「普遍的な人間愛」に浸らせておくようなものでもないだろう。おそらくは、これまでの翻訳を巡る論争、そして、なおも新たな日本語訳がくりかえし試みられている事情とも、この問題は重なっているのだろう。
 抒情と抵抗、あるいは抵抗としての抒情。詩人河津聖恵がいうように「その政治的な意思は、詩の美しさをさまたげているのではない。むしろその意志こそが詩を切実に輝きださせている」。時代の闇の中で探り当てた詩語、研ぎ澄ませたメタファーに込められた詩人の意志の声を聞くこと。72年前、治安維持法によって、朝鮮語という「罪」で尹の命は奪われ、そして今日の治安維持法たる共謀罪をはじめ、この国の闇が人々の内面や抒情までをも再び黒々と塗り潰そうとし、朝鮮の言葉と尊厳を守る朝鮮学校を狙い撃ちにしている最中で、その声を繰り返し響かせねばならない。尹東柱が痛ましい心で歌った「星」の輝きまで塗り潰させまいとし、彼が憧れた「新しい道」の夢を、費えさせまいとする、そのような抒情と抵抗において、尹東柱の詩は、日本人と朝鮮人の間に更に響きあうだろう。(週刊金曜日)


《ICANシリーズ》
<「日程合わず」と面会拒絶:安倍-ICAN“門前払い”の狙い>

 昨年、ノーベル平和賞を受賞したNGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)の事務局長で、初来日中のベアトリス・フィン氏の面会要請に、安倍(戦争)首相が“門前払い”を食らわせた。フィン氏は長崎大の招待に応じて12日に来日した。
 長崎、広島を訪問し、午後には超党派の国会議員との討論集会に参加。
 ICANの主要運営団体「ピースボート」によると、昨年12月22日と今年1月8日の2回にわたり、内閣府を通じて面会を要請したが、外務省から「日程の都合が合わず面会できない」との回答があったという。菅官房長官は面会拒否について、「日程の都合上だ。それ以上でも、それ以下でもない」と言い張るが、東欧歴訪中の安倍(戦争)首相の帰国は17日午後4時頃。一方、フィン氏が日本を発つのは18日昼すぎだ。
 17日夕方から18日午前までの日程をやりくりすれば、安倍(戦争)首相がフィン氏と会うことは可能だったはずである。安倍(戦争)首相は普段、官邸で「ミス〇〇」等の表敬訪問を受け、鼻の下を伸ばしているクセに、ノーベル平和賞受賞者の面会をすげなく断るとは、よっぽどICANの活動を毛嫌いしている証拠だ。「ICANの平和賞受賞の理由は広島、長崎の被爆者と連携して核兵器の非人道性を訴え、使用・保有等を全面禁止する『核兵器禁止条約』の国連採択に尽力したこと。被爆国として日本は核保有国と非保有国との『橋渡し役』を自認してきたのに、安倍(戦争)政権は『核の傘』に依存する米国の反対等を理由に禁止条約への署名を拒否したのです」(外交関係者)ICANの平和賞受賞後も、安倍(戦争)政権は「政府のアプローチとは異なるが、核廃絶というゴールは共有」等と、味も素っ気もない談話を発表したのみ。ICANには一貫して冷淡なのだ。
 「『日程の都合』なんて体のいい断り文句で、禁止条約に反対するトランプ米政権の機嫌を損ねたくないだけ。安倍(戦争)政権は2016年4月に『憲法9条は一切の核兵器の保有、及び使用をおよそ禁止しているわけではない』と閣議決定。武器輸出三原則を葬り去ったように、いずれ『持たず、作らず、持ち込ませず』の非核三原則の撤廃にも道筋をつけたいはず。2年前のオバマ前大統領の広島訪問同行時には『核兵器のない世界へ』と表明し、広島・長崎の原爆犠牲者の慰霊式では『被爆者に寄り添う』と語っていますが所詮、上辺だけ。核廃絶を望む被爆者を突き放してばかりです」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)なるほど!これが「平和立国」ならぬ「戦争起爆国」首相としての本音なら「ICAN“門前払い”」も納得できる。(基本文献-日刊ゲンダイ/管理者:部分編集)

<ICAN:フィン氏「長崎、広島と政府に大きなギャップ」>
【改めて政府に核兵器禁止条約への参加求める】

 国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長は16日、東京都内の日本記者クラブで記者会見し「長崎、広島の価値観と、政府の政策に大きなギャップがあると感じた。日本は行動しなくてはいけないし、国民がそれを求めてほしい」と訴えた。改めて政府に対し、核兵器禁止条約に早急に参加するよう求めた。
 フィン氏は12日に来日。初めて長崎と広島を訪問した。会見前には国会内で佐藤正久副外相や与野党の代表者らと公開討論をした。フィン氏は首相と会えなかったことについて「失望しているが、(公開討論で)政府を代表する方と話はできた。次の機会があればいい」と話した。その上で「安倍首相に『被爆者に敬意を払い、核兵器禁止条約に署名をしてほしい』と伝えたい。(戦争被爆国の)日本は独特の立場で、リーダーシップを発揮できる」と強調した。(毎日新聞)
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《「辺野古ゲート前の人々」上映のご案内》

1.ご案内の日時:1/22(月)~1/26(金)12:00(~13:43終)-以降未定
2.場所:シアターセブン (大阪市淀川区十三本町1-7-27サンポードシティ5階)
*TEL/FAX:06-4862-7733(お電話による問い合わせは、基本的に12時~18時まで)
3.鑑賞料金【一般:1,500円/シニア:1,100円/専門・大学生:1,200円/
中学生・高校生:1,000円/小学生以下:700円/シアターセブン会員:1,000円】


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(民守 正義)