リベラル国民の拡大・結集で憲法改悪阻止!(23)
《Ken Sway Kenと管理者の【緊急事態条項等、憲法改悪阻止】》
《「オール沖縄」の敗因とされる先島で何があったか?ミサイル新基地反対派市議がみた宮古島市議会選挙戦/石嶺かおり(元宮古島市議会議員)》
―今、改めて振り返るー
自衛隊配備とミサイル新基地建設計画がなし崩しに進む沖縄県宮古島市。
情報公開や市議会で質問を繰り返し、計画に待ったをかけてきた市民派市議が、総選挙と同日選挙になった市議会選で続投に挑んだ。宮古島市議会選挙・衆議院議員選挙が終わって約1週間、10月30日に陸上自衛隊のミサイル新基地建設が予定される、千代田カントリークラブ(同市上野宇野原)の工事が始まった。
<市長は判断示さず>
沖縄防衛局は近隣の野原部落会に、工事を始めるときには連絡するという約束をしていたのに、その約束や反故にされた。野原地区は、航空自衛隊基地と、そこから1キロメートルの千代田カントリークラブに挟まれる形になる。61世帯の野原部落会は、全会一致で反対決議を上げている。野原の住民が防衛局の職員に電話で抗議をしたら、〈これは造成工事ではなくて、その前の準備工事だ〉という。重機が次々に運び込まれて、造成工事ではないと言われても、住民には理解しがたい。そしてもちろん、下地敏彦宮古島市長の受入判断もまだされていない。市長は、これまで「配置計画が関係法令等と照らして適合しているかどうか見た上で判断する」と言ってきた。判断の時期については「具体的な配備計画に基づく個々の施設等が提示されてから」と6月定例会で答弁している。
配備計画の提示はなく、市長の受入判断なしで、工事はスタートした。
宮古島へのミサイル基地建設については、環境アセスメントさえ行なわれていない。
沖縄県は防衛局に対して自主的な環境アセスメントの実施を求めたが、防衛局から実施するという回答はなかった。沖縄県の環境アセス条例では、軍事基地がそもそも対象外だという。千代田カントリークラブは21.5ヘクタール。もしここに公園をつくるなら、条例の対象になる。どう考えても、公園より軍事基地の方が環境に負担をかける。
私達は、沖縄県に対して条例の改正を求めて陳情書を出しているが、6月からずっと県議会で継続審議になっている。沖縄県の姿勢が問われている。また地下水で生きる宮古島には地下水保全のために地下水審議会が設置されている。地下水の専門家である審議委員3人が、大規模な基地建設による地下水への影響を危惧し、施設の詳細な全体図の提示、及び環境アセスメントを実施し、その結果に基づいて審議会を開催する事を要請したが、市長は審議会を開催しなかったどころか審議委員3人の内2人を替えるという暴挙に出た。
宮古島の環境は、市民の安全は、まったく守られることなく基地建設が進められようとしているのだ。このようなことを訴えて、私は10月22日投開票の宮古島市議選に現職として立候補した。定数24のところを33人が立候補。結果は698票で26番目となり続投は叶わなかった。でも選挙期間中何度も繰り返し街頭スピーチで訴えたことは、議員になる前から訴えていたし、今年1月に補欠選で議員になってからも訴えてきたし、議員じゃなくなっても、また訴え続ける。議員じゃなくなったからといって言論を止めることは誰にもできない。
<宮古島で事故が起きたら>
10月11日雨の中、夕方の街頭スピーチを始めて直ぐ「高江にヘリが落ちた!」という後援会長の有香子さんの声に、スピーチを止めて皆でネットニュースを見た。
沖縄本島の高江に米軍ヘリが墜落し、炎上している。高江に住む何人かの友人の顔が浮かび、心配とショックでスピーチの続きはできそうになかった。しかし、今起きたこと、そしてそれが何を意味するかを、目の前にいる人たちに伝えなければと思い、「宮古島市民のみなさん、今、高江で米軍の大型輸送ヘリ、CH53が墜落しました」と話し始めた。
高江でヘリが落ちた場所は、北部訓練場じゃなくて民間地であること。
宮古島に陸上自衛隊のミサイル基地ができれば、訓練のヘリも飛ぶし、もちろん輸送ヘリも飛ぶ。今、ミサイル基地の問題は駐屯地近隣だけの問題だと思っている市民も多いかもしれないが、ヘリは駐屯地の外を飛ぶ。車載式のミサイルも、駐屯地の外で訓練・展開する可能性があると防衛省は言っている。そして日米両政府は、8月の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)の共同発表で「日本の南西諸島におけるものも含め自衛隊の態勢を強化するために、日米両政府が共同使用を促進することを再確認した」と言っている。
この事故は今後、宮古島で起きてもおかしくない。
その時に、私達は子供達の命を守れるのか?私達子供を育てる親達が、子供達に平和な未来を手渡すために、本当にミサイル基地を受け入れていいのか、もう一度考えよう。
涙をこらえ、話し終わった後、知らない女性が「話を聞いていました。頑張って」と声をかけてくれた。後日分かったことだが、ヘリの墜落場所は沖縄本島の6割の飲料水を送水する福地ダムの流域の境目から400メートルしか離れていなかった。
もし流域内に墜落していたら送水ストップだ。宮古島でそうした事故が起きたら、送水ストップでは済まされない。ここは地下水のみで生活する島だ。
地下水が汚染されたら私達は、この島で暮らしていけない。この事も、何度もスピーチした。野原にある航空自衛隊分屯基地のゲート前でもスピーチした。「憲法9条はこう謳っています。『国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する』。防衛省の言う『抑止力を高め、南西諸島の防衛の空白地帯を埋める』、下地市長の言う『備えあれば憂いなし』という考えで、他国の艦船や航空機を攻撃するための地対艦ミサイルや地対空ミサイルを配備することは、憲法9条に反しています」分屯地のトップである司令と自衛隊員が十何人も出てきて、私達を、じっと見ていた。もちろん自衛隊員も、この憲法9条に守られている。
<投票2日前に“妨害”記事>
この半年以上、私はずっと『産経新聞』の記事やそれに続くネット上の攻撃に晒されてきた。自衛隊配備と性暴力について3月、フェイスブックで言及したことがきっかけだ。
発言については撤回して謝罪したが、市議会で辞職勧告決議が出され、その後の私の一般質問時には再度の謝罪を求めて与党議員が退席し、議会が流会になった。
そのすぐ後、3月22日付で「産経ニュース」が書いた「自衛隊差別発言の石嶺香織・宮古島市議、当選後に月収制限超える県営団地に入居」という記事は、事実に基づかない報道で、私は抗議文を送り、文書による回答を求めたが、産経新聞社からの回答はなかった。
選挙が近づいた9月には、4月に参加したシンポジウムでの発言を「問題発言」として取り上げ、記事にした。10月20日、投票日2日前にも、「問題発言」を再度、取り上げた。
選挙妨害を目的とするものではなかったのか。投開票翌日には落選について報道し、私のフェイスブックには、大量の「落選おめでとう」のメッセージが来た。
私は、ネット上の攻撃は、公然と行なわれる「イジメ」だと思っている。
このようなことを大人が平然とやってのける社会は、子供達に何を伝えていくのだろう。
この国の行く末を思うと、暗澹たる思いがした。一方、島外から応援に来てくれていた人達は「あの街頭での反応で、落選はありえない!」と驚いていた。
前回の選挙活動の時は、手を振ってくれる人は年配の方が多く、若い人、同世代の人は無反応という印象だった。しかし今回は、子連れのママ達やトラックを運転する若い男性も、たくさん手を振ってくれた。宮古島は地縁・血縁選挙と言われる。
地元記者によると「組織や地盤がないのは候補者の中で私だけ」だそうだ。
だが、しがらみに縛られる選挙の中でも、肌で感じたことは、確かなことだと思う。
だから私は希望を捨てないでいようと思う。
<惨敗とはいえない仲里氏>
市議選と同日に行なわれた衆院選。沖縄4区の宮古島では、12人の市議選候補者が仲里利信支持を表明して闘った。私は、ずっと仲里氏の街頭演説に同行したけれど、仲里氏は演説の殆どの時間を南西諸島への陸自配備問題に割き、反対を訴えていた。
仲里氏の敗北の大きな要因は、宮古島での惨敗だとも言われているけれど、本当にそうだろうか?今回の宮古島での衆院選投票率は、67.78%。仲里氏は9647票、西銘恒三郎氏は1万7738票だった。票差は8091票もあり、確かに惨敗のように見える。
しかし14年衆院選では投票率は43.86%で、中里氏は7402票、西銘恒三郎氏は1万899票で、仲里氏は前回より2245票、西銘氏は6839票、得票数を伸ばしている。
投票率が上がったのは、市議選と同日選になったためで、市議選の投票率は71.73%。
12人の仲里支持の市議選候補者の得票数を合計すると、7961票で、仲里氏の得票数よりも1686票少ない。この事からも、仲里氏は善戦したと言えるのではないだろうか。
また、ここ最近の選挙での「オール沖縄」票を見てみると、14年衆院選の仲里氏7402票、16年県議選の亀浜氏8618票、16年参院選の伊波氏8596票、17年衆院選の仲里氏9647票で、票は増えている。問題は、保守の票がそれ以上に急激に増えたことだ。
これをどう考えるのか。やはり市議選で保守が強い宮古島で、衆院選と市議選との同日選挙が、大きな影響を与えたと言えると思う。そして保守が何故こんなに得票するのか。
これが宮古島が抱える利権の闇だと思う。この島にミサイル基地を配備すれば、私達は、もっと大きな闇を抱えていくことになるだろう。
※ ※
沖縄では「ゆいまーる」という言葉がある。助け合い、相互扶助の意味で、宮古島でもよく使う。これが島のいいところだと、心から思う。宮古島の選挙もまた、「ゆいまーる」に支えられた選挙だと思う。今までは、それでよかったかもしれない。このような国策、国難が降りかかるまでは…。私は、宮古島の政治は根本から変えていく必要があると思っている。
土壌改良は時間がかかる。時間をかけてやっていくしかない。
1月の市長選で負けた。私も今回市議選で負けた。だけれどもミサイル基地反対という声は、確実に存在する。その声は、選挙の結果で消せるものではない。
選挙の結果は民意であるが、選挙の結果が出なくてもまた、民意は存在するのである。
私達は、生きている限り平和を求め続ける。子供達の命を守るために。(週刊金曜日)
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